HIGHLAND AUDIO(ハイランド、オーディオ) AINGEL 3201-LO

AUDIO PRO(オーディオ、プロ) IMAGE12
AIRBOW IMAGE12/KAI
AIRBOW IMAGE11/KAIS
比較試聴による評価テスト

PMCの輸入代理業務でおなじみの「ヘビームーン」から、フランス[highland audio/ハイランドオーディオ]社のスピーカーの輸入が開始されました。
その末っ子の[AINGEL 3201-LO]と価格帯やコンセプト、マーケットが一致する、逸品館のお薦めスピーカー[AUDIO PRO/オーディオプロ]の[IMAGE12]、さらにその改良モデル[AIRBOW/エアボウ]の[IMAGE12/KAI]、[IMAGE11/KAIS-]を加えた比較試聴を行いました。
本来なら、[ORAN4301]も加えたかったのですが、試聴機の手配が間に合わなかったため今回は見送りました。

試聴したスピーカー / 画像をクリックすると背面が見られます

Highland Audio / ハイランドオーディオ audio pro / オーディオプロ

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3201 IMAGE12
形式 2ウェイ、バスレフ方式、防磁
ツィーター 25mm、チタンドーム
ウーファー 100mm高解像度ユニット
クロスオーバー周波数 2.5KHz
再生周波数 65Hz-20KHz
出力音圧レベル 84dB/1W/m
インピーダンス 6オーム
外形寸法 W125×H230×D230mm
質量(逸品館での実測値/ペア) 6.0kg
メーカー標準価格(ペア)
ブラックアッシュ
¥36,000(税別)
形式 2ウェイ、密閉式、防磁
ツィーター 25mm、ソフトドーム
ウーファー 113mm
クロスオーバー周波数 2.8KHz
再生周波数 50Hz-25KHz
出力音圧レベル 87dB
インピーダンス 4オーム
外形寸法 W126×H200×D175mm
質量(逸品館での実測値/ペア) 6.0kg
メーカー標準価格(ペア) ¥42,000(税別)
AIRBOW / エアボウ

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IMAGE12/KAI IMAGE11/KAI2
形式 2ウェイ、密閉式、防磁
ツィーター 25mm、ソフトドーム
ウーファー 113mm
クロスオーバー周波数 2.8KHz
再生周波数 50Hz-25KHz
出力音圧レベル 87dB
インピーダンス 4オーム
外形寸法 W126×H200×D175mm
質量(逸品館での実測値/ペア) 6.5kg
メーカー標準価格(ペア) ¥48,000(税別)
形式 2ウェイ、密閉式、防磁
ツィーター 25mm、ソフトドーム
ウーファー 114mm
クロスオーバー周波数 3.6KHz
再生周波数 80Hz-20KHz
出力音圧レベル 88dB
インピーダンス 4オーム
外形寸法 W124×H199×D155mm
質量(逸品館での実測値/ペア) 5.5kg
メーカー標準価格(ペア) ¥42,900(税別)

特徴

ツィーター、ウーファー、サイズなど外観的には同じように見える4機種ですが、音質に大きく影響しそうな違いが5カ所あります。これらの違いがどのように音質に影響しているかは、この後の音質レポートで明らかになりますが、スピーカーの音質は、これらの違いだけで決まるわけではありませんし、「例外は常に存在する」ことを忘れず、スピーカーを選ぶときには、「自分の耳での確認」を怠らないでください。

ハイランドオーディオ3201は、バスレフ式、オーディオプロはすべて密閉式。

バスレフ式
低域が出るが、低域に濁りやふくらみが生じやすい。

密閉式
低域が出ないが、タイトで引き締まった低音が出る。

ハイランドオーディオ3201のみ、バイワイヤリングに対応している。

バイワイヤリング対応
バイワイヤー接続、バイアンプ接続などへの発展が可能だが、反面、接続が複雑になったり、ジャンパープレート(後述)の影響を受けやすいなど、初心者には扱い辛い場合がある。

ツィーターの形式が、ハイランドオーディオ3201は、ハードドーム(チタン)、オーディオプロは、ソフトドーム(テキスタイル)と異なっている。

ハードドーム
振動板が金属で強度が高く、シッカリ空気を駆動できるため、高域に芯があり、力強い音が出る。しかし、金属は重いために、動き始めが遅く音の切れ味が鈍ったり、非常に高い音の再現性(周波数特性ではなく、聴感上という意味で)に問題が出て、音にならない部分の雰囲気や空気感が弱いことがある。

ソフトドーム
振動板にテキスタイル/布(絹)などが使われ、軽く動きが良いため、多くの場合ハードドームよりも高域が繊細で艶やか。ただし、金属よりも強度が低いので空気をシッカリと駆動できず、高域の音の線が細くなることがある。

ハイランドオーディオ3201のツィーターには、保護グリル(パンチングネット、取り外し不可)が付く。

ツィーターの前にグリルがあると、高域が濁ったり、切れ味を鈍らせたり、広がり感を損なうことがある、

クロスオーバー周波数が、IMAGE11/KAI−Sのみ3.6KHzとやや高い。

このサイズのウーファーを使う2Way方式の場合、クロスオーバーが3.6KHzの方がツィーターの負担が軽く、切れ味が良く軽やかな高域が出せることが多い。反面、ウーファーとの繋がりに問題が生じることがある。

AIRBOW IMAGE11/KAI−Sについて

AIRBOW IMAGE11/KAI−Sは、逸品館のオーダーでaudio−pro社に特別生産していたIMAGE11S(防磁モデル)をベースにAIRBOWが改良を加えて生まれた製品したが、このモデルは、audio−pro社のIMAGEシリーズが11から12へとモデルチェンジした際に、生産完了となりました。

しかし、その素晴らしい音質を捨てがたく、完全に生産が完了していたにもかかわらず、何とかIMAGE11Sを再生産してもらえないかと頼み込み、遂に500セットの一括発注を条件に再生産の承諾を得ることが出来たのです。

さらに、IMAGE11Sが日本に入って500セットを改造するよりも、製造時にIMAGE11/KAI−Sの状態で仕上げることができれば手間とコストが大幅に削減できるため、audio−pro社にさらに無理を言ってお願いしたところ「やってみよう」ということになり、何度かのやりとりの末、IMAGE11SをKAI−Sへ仕様変更するために必要なパーツを逸品館から製造工場に送り、audio−proが「IMAGE11/KAI−S」の状態で生産まで請け負うということで話がまとまりました。

交渉の際には、audio−proの輸入代理店ロッキーインターナショナルにお世話になりましたが、大変面倒で困難な条件だったにもかかわらず根気よく説得を続け、交渉をまとめていただき大変感謝しています。

今回500セットの限定で新発売する「IMAGE11/KAI−S」は、工場が変わり、破棄されていた金型から新たに起こし直しての生産と言うことで、以前と同じに仕上がるのか非常に不安でした。しかし、見た目も音質も以前と変わらないか、あるいは以前よりも若干良くなったと感じられるほど、きちんと再生産されていて安心しました。さすがは、こだわりのメーカーaudio−proです。

これまでに販売していたモデルよりも、裏側に張り付けられている「改」のシールがやや小さくなったことが、「前ロット」と「最新ロット」の違いですが、これは今回「スピーカーの大きさに合わせてシールのサイズを調整した」ためで、音質等には一切影響ありません。すでに、これまでに販売したIMAGE11/KAI−Sをお使いの場合、追加で新ロットのIMAGE11/KAI−Sを購入されても、音質の整合性にはまったく問題ありません。

音質

今回の音質テストには、次の機材とソフトを使用しました。
スピーカーは、床から1m程度の高さでAIRBOW WOOD−BOY/Kの3点支持。

プレーヤー  AIRBOW UX−1 Supreme emotion
プリアンプ   AIRBOW CU−80 Special tuned
パワーアンプ LUXMAN MU−80
スピーカーケーブル AIRBOW 6N14W

ソフト1(CD)

For Sentimental Reasons / Linda Ronstadt
ASYLUM/9-60474-2
ジャンル:ジャズボーカル(ビッグバンド)

チェックポイント

ジャズ、カントリーのボーカリストとして評価の高い「リンダ、ロンシュタット」がアコースティック楽器主体のビッグバンドをバックに、切なげなラブソングを歌う。
彼女の伸びやかで芯のある独特のソプラノとビッグバンドの様々な楽器の音が収録されているので、基本的なアコースティック音源のほとんどはこれ一枚でチェック可能。
システムにより彼女の声の「張り」や「表情」が変化する。それを聞き分けることで、システムの「基本的な音色傾向」を判断できる。
バックバンドの「広がり」や「分離感」、「立体感」を聞き分けることで、スピーカーの音の広がりや「前後感」などが判断できる。

これらを総合的に聞き分けることで、その製品が持っている「特徴」を明らかにできる。


ソフト2(SACD)

Sweet & Gentle / T.SQUARE
SONY/SRGL602
ジャンル:フュージョン

チェックポイント

「フュージョン」の多くは、クラシックやJAZZなどアコースティック楽器主体の歴史を持つ音楽に比べると、りインスタントな作りで「深み」が足りない事が多いが、このソフトもその例に漏れないと感じる。
楽器の音は、褒められたものではないし、何度か聞けば飽きてしまうので繰り返し聞くこともない。だが、F1のメインテーマに採用されるなど、T.SQUAREにはファンが多い。このような、ある意味では広く受け入れられている「大衆的な音楽」だが、「ラジカセで良い音で鳴るが高級オーディオで聴くとがっかりする」というソフトがどのように「楽しく」聞けるかも、今回のような入門クラスの製品のテストには必要と考え、このソフトを選んだ。

HIGHLAND AUDIO AINGEL 3201−LO

ソフト1(付属のジャンパープレート)

ここは良い

ユニットの繋がりは良好。音色のバランスやまとまりにも問題はない。

かなり細かい音も出る。

中高域に厚みと芯が感じられ、ドラムの圧力感、シンバルの厚みなどは、IMAGE12よりも良く表現される。

低音はやや重く、鈍い感じがあるが、かなり下まで伸びている。

ここが問題

ハードドームツィーターの癖が出て、中高音がやや重い(鉛色のような感じ)

バスレフの癖が出て、特定の帯域が共鳴し、低域がややブーミー。

IMAGE12と比べると、高域の切れ味、空気感が物足りない、空間の見通しがやや悪く、濁った感じがする、

曲を聴いた感じ

リンダロンシュタットのボーカルは、高域方向への伸びやかさにやや欠けるが、表情の出方は悪くない。ビッグバンドの楽器の音も「やや電気的」に感じられるか、全体の印象としては悪くない。
サックス、ドラム、などの圧力感?エネルギーの押し出し感は、このサイズとは思えないほど強く魅力的。
サウンドステージ(音の広がり)は、スピーカーよりも後ろ側に展開するタイプで、広がりも大きい。スピーカーに音がへばりつかないので、スピーカーの存在感を感じない。

ソフト1(AETを使ったジャンパー線使用)

ここは良い

中高音のヌケが良くなり透明度が増す。

解像度画がかなり上がり、空気感も出る。

低音の伸びはさほど変わらなが、このサイズのスピーカーとしてはかなりなもの。

ここが問題

低音はやや改善されたが、曲によってはまだ少し重く、ちょっと暗い感じがする。

ジャンパー線の変更で、全体のエネルギーバランスがやや上よりになった。

ジャンパーの変更で全体的にグレードアップしたものの、表現の大きさ(ドラマティック)という部分では、温和しめで鮮やかさはIMAGE12程ではない。

曲を聴いた感じ

リンダロンシュタットのボーカルは、高域方向に伸びる。声や弦楽器の倍音も高域方向が伸びるが、まだ少し物足りないような、詰まった感じが残っている。表情はきめ細かいが、抑揚は穏やか。
音楽の表現は外側に解放されるのではなく、内側に浸透してゆくようなイメージ。フランス映画の趣だが、暗いわけではない。

ソフト2(付属のジャンパープレート)

ここは良い

アコースティック楽器と違って、IMAGE12との鮮やかさの差は余り感じない。

帯域バランスが良く、安心して聴いていられる。

どちらかというと、高音〜超高音よりも、中音の押し出し感や厚み、緻密さ、低音の伸びが魅力的。

切れ味はさほどではないが、中型〜大型スピーカーのように楽器の音に「タメ」を出しパワーで押してくるサウンドは、このサイズの小型スピーカーでは、非常に希有な存在。

ここが問題

高域〜超高域のエネルギー感、切れ味、分解能、などはIMAGE12ほどではないが、この価格帯の水準以上はある。

バスレフの癖が出て、特定の帯域が共鳴し、低域がややブーミー。電気楽器系のソフトで、より顕著になるが、それはかなり高いレベルでの話で、普通はほとんどわからないだろう。

曲を聴いた感じ

一般的に良く耳にする「フュージョン」の音から破綻しないで安心して聞いていられる。ラジカセなどの帯域の狭いシステムに焦点を合わせた、大衆ソフトのマスタリングにこのスピーカーの再生帯域は、とてもよくマッチしている。
ドライブ感(押し出し感)が強いが、スピード感は余り感じられない。

ソフト2(AETを使ったジャンパー線使用)

ここは良い

ジャンパーを変えた事による音の変化は、IMAGE12からIMAGE12/KAIへの変化に近い。

中〜高域の明瞭度が増し、厚み、押し出し感共にかなり良くなる。

やや重く暗かった印象が消え、ハッキリとした利発的な音になる。

ここが問題

ジャンパー線を変更しても、特定の帯域が持ち上がり、共鳴したように聞こえる、低域のブーミーさは相変わらずだが、普通は気づかない程度。

曲を聴いた感じ

付属のジャンパープレートに比べ、楽器の音の細やかな変化や「音の冴え」が格段に良くなる。
低域の透明度、スピード感も改善され、同じ曲なのに抜けよくリズミカルに聞けるようになる。
スピード感も出てきて、乗りが良く楽しい雰囲気になった。

まとめ
audio−proのIMAGE12(11)に比べると、全体のエネルギーバランスや表現の中心が、より中低音よりになる。ハードドームツィーターの持ち味が出て、中高域の芯、骨格がシッカリしているので、ドラムやシンバルなどといったパーカッション系の楽器の再現性に優れる。映画などの爆裂音の再現などは得意分野だと思われる。
アコースティックな音源に的を絞ると、高域の分解能、切れ味、透明度、広がり感、空気感といった部分で、より繊細で透明な音を出すIMAGE12(11)に搭載されたソフトドームツィーターには適わない。また、ボーカルの表現力、楽器の表情の微細な変化などもIMAGE12(11)ほどは再現されず(ハイランドが劣っているのではなく、IMAGE12/11が非常に優れていると言った方が正解)そういう部分での表現力がやや物足りなく感じられるが、価格を考えると十分以上に納得できる仕上がりだ。
リンダ、ロンシュタットのボーカルのイメージは、落ち着いた大人の女性が「過ぎた過去の恋の物語を優しく謳っている」というイメージ。情景の描写がフランス映画のように、ややくすんでちょっぴり暗い、アンニュイな雰囲気を持っているのは、お国柄が音に出たと言うべきなのだろうか?
バイワイヤリングに対応しているので、将来的な発展性という部分ではIMAGE12/11よりも、ハッキリ優れていると言えるが、付属のジャンパープレートでは、物足りないなどの問題があり「より良くする使いこなしの努力が必要」なので、手間をかけたくない人には向かない。
電気的な音源を多用する、大衆的なPOPSや、合成音で構成される最新のSF映画などに非常に適している。特に、中低音の厚み、押し出し感は、このサイズのスピーカーとしてはかなり優れているし、バランスも良い。
IMAGE12(11)のような、驚くほどの繊細さは持ち合わせていないが、耳あたりが良く、組み合わせるシステムを選ばない穏やかな性格が使いやすく、誰が使っても「価格以上の音の良さ」を実現するだろう。
緻密で整ったサウンドは、「低価格で我慢している」というイメージはまったくない。さらに、バイワイヤリングを活用して、ジャンパープレート(線)の交換や、バイアンプ駆動などへと積極的に発展させれば、大きな使いこなしの喜びも味わえるだろう。

audio pro IMAGE 12 & AIRBOW IMAGE12/KAI

ソフト1(IMAGE12)

ここは良い

AINGEL3201に比べると、中高音の透明感、繊細さ、見通しの良さ、見晴らしの良さ、がずいぶん良くなる。弦の音の切れ味がまるで違う。

音が明るく開放的で、音楽が伸びやかに鳴る。

AINGEL3201よりも、時間がゆったりと流れているように感じられる。

ダイナミックレンジ(大きい音と小さい音の差)が大きく躍動感や音楽の抑揚、表情が生き生きと再現される。楽譜が見えるようなシッカリ、ハッキリとした抑揚(音の変化)の出方をする。

音の出始めの一瞬(アタック)の再現性が非常に優れている。その点に関してはIMAGE12の価格帯を超え、ペア10万円クラスの良くできたスピーカーにさえ比類する。

ここが問題

高域〜超高域が伸びるに従い、サ行(子音)がややキツく感じられる。

IMAGE11/KAI−Sと比べるとウーファーの最高域とツィーターの最低域(クロスオーバー周波数付近)のエネルギー感がやや薄く、レンジ感(エネルギー感)がやや上下に偏って、中抜けしているように感じられる。(上がやや薄く、中域が濃いAINGEL3201とは、良い意味で対照的)

曲を聴いた感じ

AINGEL3201からIMAGE12に切り替えた瞬間、空気が変わる。
高域が非常に伸びやかで「リンダ、ロンシュタット」の声が青空に吸い込まれるように感じられるが、彼女特有の「高域のきつさ」が少し目立つ。
AINGEL3201では、室内のコンサートホールで聴くイメージだが、IMAGE12では野外のライブ会場で聞いているような、非常に開放的で明るい感じになる。

ソフト1(IMAGE12/KAI)

ここは良い

中〜高音の質感が高まり、滑らかになり、高域のとげとげした感じが消え、ボーカルがより滑らかでしっとりする。

中音の厚みが大きく増し、楽器の音にゆとりが出る。サックス、ボーカルの圧力がぐんと高まる。

クロスオーバー周波数付近でのエネルギー感の谷間が消え、繋がりが良くなる。

音の質感が高まり、無駄な音が少なくなり静けさが増すので、ワンランクあるいはツーランク上級製品のような「高級感」が感じられる音になる。

ここが問題

IMAGE11/KAI−Sに比べると、高域のヌケの良さ、クリアさがやや物足りない。

今回のテストでは、音が良くなるまでに約1時間鳴らし込まなければならなかった。
(これは、試聴機がしばらく使っていなかったためで、毎日使っているとそんなことはありません)

曲を聴いた感じ

IMAGE12の持ち味である、高域方向への開放感は、若干失われたが、引き替えに中域〜高域に欠けての「質感」が大きくアップする。緻密さ、滑らかさは、スピーカー(ツィーター)のグレードを一つ二つ上げた感じ。
IMAGE12ではやや軽かった中低域も厚みが増し、ドラムの圧力感エネルギー感が高くなるが、シンバルは相変わらずやや軽い印象。「リンダ、ロンシュタット」の声は、プロらしい高い質感と、彼女らしい「張り」が感じられ、多分この声が元の雰囲気に最も近いのだろうと納得するような、癖のない鳴り方をする。

ソフト2(IMAGE12)

ここは良い

AINGEL3201と比べると、非常に開放的に鳴り、テンポでぐんぐん押してくるイメージ。

高音〜超高音の切れ味とスピード感魅力的。

ここが問題

音が軽く、やや軽薄な感じがする。
(もともとそういう音楽ソースだという見方もあるが)

ドラムの音が軽く、スピードはあるがパワー感がない。

ややドンシャリで、ちゃらちゃらした感じ。

曲を聴いた感じ

AINGEL3201に比べ、圧倒的に開放的で、スピード感があるが、何かちょっと違うように感じるのは中低域が軽いせいだろうと思う。楽しいが深みに欠け軽薄。この音では、T.SQUAREを好きになれない。

ソフト2(IMAGE12/KAI)

ここは良い

中低域の厚み、エネルギー感がIMAGE12とは、比べものにならないくらい大きくなる。

エネルギーバランスが良く、楽しみながら安心して聴ける。

高音〜超高音と中〜低音のスピード感、エネルギー感がマッチし、とても小型スピーカーを聴いているとは思えないような音の出方をする。

IMAGE12よりも躍動感が強く、なおかつ音が熱い!

今回テストした4種類のスピーカーの中では、フュージョンと最もマッチし、非常に楽しく、躍動的にフュージョンを楽しめた。サブウーファーの助けなしにフュージョンがここまで楽しいのは、このサイズのスピーカーとしては、他に類がないのではないかと思う。

ここが問題

悪いところは、見あたらない。

曲を聴いた感じ

IMAGE12に比べ、どっしり、シッカリとした骨格が出る。ちゃらちゃらした見せかけのスピード感ではなく、中低音の厚みに支えられて、シッカリとしたリズム、押し出すパワー感のあるリズムが出てくる。
自然に体が動くような、とても楽しく、乗りが良く、軽薄さはまったく感じられなくなる。
楽器の音も厚みと温度感が増し、心に「熱く」流れ込んでくる。
IMAGE12では、聴きたくない音楽が、IMAGE12/KAIでは、聴きたい音楽に変わる。それほど大きな差がある。今回の試聴したスピーカーの中では、T.SQUAREを最高の音で鳴らせたのがこのモデル。

まとめ
audio−proのIMAGE12は、Highland Audio AINGEL3201に比べると、全体のエネルギーバランスや表現の中心がやや高音よりになるが、良くできたソフトドームツィーターの特徴である高音の切れ味、透明感、繊細な表現力に優れ、アコースティックな楽器、とくに弦の再現性に優れる。映画などでは、爆裂音よりも「台詞」の再現が得意分野になる。また、古い映画などでバックの音源に「オーケストラ」を使っているような場合、このスピーカーの表現力によって「映画のドラマティック感」がぐんぐん引き出されるだろう。
Highland Audio AINGEL3201のサウンドが「やや古く、くすんだ抽象画/フランス映画」のイメージなら、Audio−pro IMAGE12は、原色の鮮やかさを持っている。日本にはない原色の鮮やかさだ。
音楽を生き生きと躍動的に再現する、この圧倒的な「原色の鮮やかさ」こそaudio−proの持ち味であり、最大の魅力。
IMAGE12/KAIでは、IMAGE12が持っていた僅かな欠点である、中域のエネルギーの希薄さ、高域の刺々しさ、低域の厚みの薄さ、などがほぼ完全に解消され、非常にバランスのよい優等生的な鳴り方になる。
現代的なPOPS〜あらゆる映画、室内楽〜本格的なクラシック、アコースティックなJAZZ〜フュージョンまで、あらゆる音楽に対応し、価格を遙かに超える質感と満足感の高い音を実現するだろう。
IMAGE11/KAIS−との比較では、瞬発力、透明感ではかなわないものの、周波数帯域のまとまりの良さと低音の量感に優れるところが「安心して使える」、「ソースを選ばない」、「サブウーファーとの繋がりがよい」などの長所となる。

AIRBOW IMAGE11/KAI−S

ソフト1

ここは良い

Highland Audio AINGEL3201とはもちろん、IMAGE12(KAI)と比べても、圧倒的に音が軽く、スピーカーからの音離れがよい。

音の質感が高く、生楽器の音に近い。帯域バランス、音色のバランスも良く、抜群にナチュラルでスピーカーが鳴っている感じがまるでしない。

ボーカル、アコースティック楽器のニュアンス、空気感、雰囲気がすごく出る、思わず一緒に歌いたくなる感じ。

中高音の透明感、繊細さ、見通しの良さ、見晴らしの良さ、弦の音の切れ味など、中高域〜高域の表現力に関しては、価格という枠を外してもとても高いレベル(最高レベル)に到達している。

細かい音まで綺麗に分離し、ハーモニーやユニゾンが生々しく美しく再現される。

音楽の表現が驚くほどドラマチック。

ここが問題

音楽の種類、スピーカーの音量、試聴距離によっては、低音が足りなく感じられることがある。

スピード感に比べ、厚み感がやや薄い。(個人的には嫌いではないが)

曲を聴いた感じ

音を出した瞬間に、ボーカルや楽器の音に鳥肌が立つほどの何とも言えない美しさを感じる。表現の切れ込みの良さ、強さ、濃さ、生々しさがあり、これが生だ!と思わせる開放的な鳴り方をする。
ボーカルの表現が、息をのむほど生々しく繊細でドラマティック。
弦楽器の切れ込み、高域のノイズ感(擦れる音)、ハーモニーやユニゾンの複雑な倍音構造が、ほぼ完璧といえるくらい明確、克明に描写されるため、生音の持つ美しさを損ねない。(電気的な歪み感がない)
あらゆる音が、原色の美しさと、生音の冴え、輝きを持って蘇る。しばらく聞いていると、ほんとうにその場でコンサートを聴いているような錯覚に襲われるほど演奏者の気持ちが心にダイレクトに響き、場の雰囲気/気配が非常に濃く、音が出た瞬間に「非日常」へと心がトリップしてしまうほど心地よい。

ソフト2

ここは良い

とにかく弾けるような躍動感が楽しく、本当に音楽が生き生きと鳴る。圧倒的なエネルギー感とスピード感。同じ音楽家?と思えるほど、演奏がスリリングに聞こえる。

電気楽器なのにまるで生楽器のような色彩感と透明感、美しさが出る。

AINGEL3201やIMAGE12/KAIが「面の圧力」でグイグイ押してくるように感じられるのに対し、IMAGE11/KAI−Sは、立体的に音が切れ込んでくる。

ここは悪い

低音のレンジは狭い。(音量を上げると余り気にならない)

周波数帯域に癖があり、フュージョンなどでは原曲と違った雰囲気(よりハイテンション)に聞こえることがある。(ちょっとうるさい?)

曲を聴いた感じ

楽器の音が生々しく、非常にハイスピードでリズミカルに聞こえるが、電子楽器の再現では高域のエネルギー感に比べ、中低域の押し出し感が足りないためフュージョンという感じがしない。
T.SQUAREがフュージョンバンドでなく生演奏バンドのように聞こえる。それはそれで悪くはないが、何かちょっと騙されているような、違うような感じがする。

IMAGE11/KAIとの違い。

ここは良い

IMAGE11/KAIS−は、IMAGE11/KAIにIMAGE12/KAIの完成度の高さを少し加味した感じ。野性味という意味ではIMAGE11/KAIに捨てがたい魅力はあるが、トータルとしての完成度、対応する音楽のジャンルの広さ、対応するソースの多様さという部分では、IMAGE11/KAI−Sは、KAIを大きく上回るし、全帯域での明瞭度も高い。(音がハッキリし。音のにじみも少ない)

中低音の濁りやレスポンス、低域方向への音の伸びという部分では、KAI−SはKAIを大きく上回る。

防磁なので、設置場所を選ばない。

ここは悪い

開放感や楽しさという部分では、IMAGE11/KAIはKAI−Sを一部上回る感じがあり、より肩肘張らずに自然に音楽が聴ける感じがするが、それは明瞭度が低いという問題点の表れでもある。(性能が向上すると、それに比例して、善し悪しが明確になり、バランスという意味では悪くなったように/音がバラバラになったように、感じられなくもない)

まとめ
IMAGE11/KAI−Sの魅力は、なんと言っても中高域の圧倒的な「生々しさ」と「エネルギー感の大きさ」にある。ちょっと疲れていても「乗りの良い音楽」や「美しい音楽」をこのスピーカーで聞けば、ストレスや疲れなんて吹っ飛んでしまうはず。
生楽器による生演奏を基準とすれば、現在発売されているスピーカーの中で[KRIPTON KX−3]と共に、最も生の音に近く、原音の美しさを壊さずに伝えることの出来る数少ないスピーカーだと思う。
とにかく、価格は抜きにしても、こんなに楽しく、こんなに生々しく、こんなに美しい音がするスピーカーは、滅多に出会えないのでは?と思えるほど質感が高い。
一般的なPOPSやROCKを鳴らしてもかまわないが、できればさらに本格的な生楽器だけによるJAZZライブやハートフルなPOPS、完成度が高く美的と呼んでいい次元にまで到達したクラシックなどを聴いて欲しい。
低域は出ないし、帯域バランスにも癖はある。でも、良い演奏、心のこもった演奏が、どれだけあなたのハートを揺さぶるか、たかがオーディオといえども侮れないほどの感動をもたらすことを教えてくれる、音楽がどれほどドラマティックであるかを感じさせてくれる、一番身近なスピーカーが、このIMAGE11/KAI−Sだと思う。
無理を聞いて、このスピーカーの再生産に尽力してくださった、輸入代理店やaudio−proのスタッフには、感謝の気持ちに耐えない。

総まとめ

それぞれのスピーカーは、価格に対して考えると、かなりの実力者揃いで、どれがいちばん良いか?といわれると、困ってしまう。あえて優劣を探すとすれば、AIRBOWモデルは、量産品の物足りなさを補っている分(コストもかかっている)やはり、一歩前に出る感じが強い。音楽のジャンル的で優劣を付けるなら、生演奏なら、IMAGE11/KAI−S>IMAGE12/KAI=IMAGE12>>AINGEL3201の順序となり、電子音楽なら、IMAGE12/KAI>>AINGEL3201=IMAGE12>IMAGE11/KAI−Sとなる。
どの製品も好みのライフスタイルに合わせて選べば、大きな満足感が得られるのは間違いがないと思うが、私のイメージを書き留めておく。選択時の参考になれば幸いだ。

それぞれの音を車のエンジンに例えるとすれば、AINGEL3201は、アメリカンなV8。トルキーでグイグイパワーで押して来るが、高回転(高音域)は余り得意ではなく、繊細さもやや物足りないが、おおらかなイメージ。

IMAGE12は、ヨーロピアンなV8。トルクもあって高回転まで良く回り、機械的な精度も高いが、これといった特徴もない。とても良くできた優等生的なイメージ。

IMAGE12/KAIは、チューンされたヨーロピアンなV8。低回転から高回転までトルクフルで機械的な精度は非常に高いが、ほんのちょっぴりだけ無機的なにおいがする。知的だが時として熱くも感じる、ニュートラルなイメージ。

IMAGE11/KAI−Sは、フルチューンされた小型高回転エンジン。回せば回すほど、圧倒的!!!と言えるほどの官能的な高まり感が心地よい。反面、抑揚のない音楽をさらっと聞かせるのはやや苦手でどんな音楽でも躍動させてしまうようなところがある。元気いっぱい、やる気満々、でも涙もろい人情家のイメージ。

後書き

雑誌などでは、今回テストしたような「廉価な製品」の試聴レポートは手抜きされている感がある。

しかし、高級品にくらべると10万円を下回るポピュラーな価格帯の製品は、はるかに数が多くそのすべてを聞き、見て選ぶのは、相当な手間がかかる。それくらいなら、いっそ清水の舞台から飛び降りたつもりで・・・一気に購入する!事だってあるだろう。また、高額品と違ってこれらの価格帯の製品は、初めて本格的なオーディオを買おうとする人達の目に触れることも多いはずだ。だからこそ、このクラスの製品のテストこそ、そのスピーカーの本質をきちんと伝えられるように詳細に行うべきだと思う。

確かに、高額品、高価格帯の製品の「レポート」は読み物としては面白いかも知れないが、失敗すると大きな痛手を乞うから、「人の意見」や「リポート」を深く参考にすべきではないし、鵜呑みにするなどもってのほかだ。

そういう意味では、購入前に対象製品を納得行くまで聞き、見て、真剣に選ばねばならない超高価格帯の製品に関するレポートは紹介程度で十分、詳細なものは不要だと言える。

逸品館では「オーディオの善し悪しは価格では決まらない」と繰り返し説明しているが、今回推薦したスピーカーは、さらに高額な製品を買ったとしても、できれば売らずに長く使い、聞き返して欲しい。そうすれば、オーディオという趣味の目的を、より早く、より明確に知ることが出来るだろうし、無駄な遠回りをせずにゴールへたどり着けると思うのだ。

2005年10月2日 清原 裕介

 

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