OPTOMA H56A と H56の画質比較

逸品館一押しの「ハイコストパフォーマンス高画質プロジェクター」・OPTPMA H56がマイナーチェンジしました。

マイナーチェンジの内容は「ランプ」と「ランプ駆動回路」の変更です。残念ながらランプのW数が異なるため、旧型H56に新型H56Aのランプを使用することは出来ませんのでご注意下さい。

新型と旧型の仕様の違い

H56Aは、W数が上がった新型250w)をフルに使わず明るさを抑えてランプ寿命を「2000時間」から「3000時間」に伸ばしています。交換ランプの価格は変わらないので、ランニングコストが安くなりました。

ランプ以外の部分での変更はありません。

右奥がH56用です。
一般的な形のUHP(
200w)が採用されています。

左手前がH56用です
色温度の補正のため、UHPランプ(250w)手前にランプ径より小さな赤くコーティングされたフィルターが付いています。今までのプロジェクターランプに無いユニークな形状です。

上がH56で下がH56Aです。

使用されるランプのW数は異なりますが、フル点灯させていないためカタログの消費電力(320w)と明るさ(1000ルーメン)のスペックは同じになっています。

新旧画質比較

DVDプレーヤーはmarantz DV8400(コンポーネント・プログレッシブ接続)を使用し、スクリーンにはOS 90型

画像調整は、両機とも本体にあらかじめセットされているシネマモード(デフォルト)で比較しました。

デフォルトの設定は次の通りです。

H56A

コントラスト –9

明るさ –2

カラー 18

シャープネス 28

ガンマ 2

H56

コントラスト 5

明るさ 0

カラー 5

シャープネス 50

ガンマ 1

カラーバーによる比較

発色の傾向は似ていますが、H56AはH56に比べ寒色系の色が明るくなっています。

写真では分かりにくいのですが、H56

グレイスケールによる比較

H56は、暗部の諧調に緑色がかぶっています。(シネマモード時にその傾向が目立ちます。)
H56Aでは、その問題が解決しています。これは、NEC HT1000JからHT1100Jへのマイナーチェンジでの改善と同じ傾向ですが、ランプの色温度が正しく補正されたことがわかります。

モノスコパターンによる比較
明るさと発色の違いがよく分かります。解像度はパネルの画素数や映像処理回路は「同一」なのでまったく変わりはありません。
DVDソースの映像による比較
マイナーチェンジで色合いが明らかに変わりました。どちらも、ある程度までは映像調整で補正可能ですが、H56Aのほうが「色の違い」と「コントラスト」がよりクッキリし「立体感が改善」されているのがわかります。

H56のBARCO調のこってりした暖色系(白熱灯色)の色が濃い映像から、H56Aでは日本人好みのTV系(蛍光灯色)の絵作りに変わっています。

ビデオ素材のハイビジョンによる比較

H56A

H56は、デフォルトのままでは、コントラストの弱いやや見にくい画像になってしまいました。

H56は、コントラストが高く輪郭がやや強調されることがありした。

まとめ

H56AとH56をそれぞれ個別に見た時には、H56AがH56よりも少し明るい程度でさほど大きな違いは感じませんでしたが、今回のようにH56と比較すると白色のはっきりした自然な色合いになっていることがよくわかります。

デフォルト同士の比較では、H56のやや黒潰れのあるコントラストの高い絵が、H56Aでは設定値に変更を受けてより見やすくなっています。

H56Aは、下位モデルH30同様TV調の絵作りを意識した日本人受けする色調になり、誰が見ても明るく綺麗と納得出来る画像に仕上がっています。

ランプの変更だけとは思えないほど画質に対する影響は大きく、ややマニア向けの感が強かったOPTOMAですが、今回のマイナーチェンジでより幅広くお薦めできる高画質へと進化しています。

外観デザイン・光漏れ・ファンノイズ・投影距離の長さ・など短所もありますが、画質と価格によるコストパフォーマンスの高さがそれらを補ってあまりあると思いました。