AET PRIMARY シリーズ スピーカーケーブル
SP075/SP125/SP200/SP400
音質テストと評価
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逸品館お薦め高音質ケーブルメーカーでおなじみの“AET“より、スピーカーケーブルの新シリーズ“PRIMARY SP シリーズ”が発売されました。
このPRIMARY 4製品に加え好評発売中の“6N14G“を交え、音質比較テストを行いました。
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生産完了
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■PRIMARY SP-400
導体 |
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高密度無酸素銅 |
断面積 |
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2.00スクエア×2(4芯) |
絶縁材 |
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PPX |
構造 |
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対向配置(キャプタイヤ構造) |
被服 |
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非鉛難燃素材 |
外形 |
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10mm |
荷姿 |
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250mm/50mリール |
希望小売価格:1m/2400円(税別) |
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生産完了
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■PRIMARY SP-200
導体 |
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高密度無酸素銅 |
断面積 |
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2.00スクエア(2芯) |
絶縁材 |
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PPX |
構造 |
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対向配置(キャプタイヤ構造) |
被服 |
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非鉛難燃素材 |
外形 |
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9mm |
荷姿 |
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250mm/50mリール |
希望小売価格:1m/1200円(税別) |
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■PRIMARY SP-125
導体 |
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高密度無酸素銅 |
断面積 |
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1.25スクエア(2芯) |
絶縁材 |
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PPX |
構造 |
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対向配置(キャプタイヤ構造) |
被服 |
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非鉛難燃素材 |
外形 |
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8mm |
荷姿 |
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250mm/30mリール |
希望小売価格:1m/600円(税別) |
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生産完了
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■PRIMARY SP-075
導体 |
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高密度無酸素銅 |
断面積 |
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0.75スクエア(2芯) |
絶縁材 |
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PPX |
構造 |
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対向配置(キャプタイヤ構造) |
被服 |
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非鉛難燃素材 |
外形 |
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7mm |
荷姿 |
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250mm/30mリール |
希望小売価格:1m/360円(税別) |
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■6N14W/W
導体 |
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鏡面精度高密度6N銅 |
断面積 |
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1.25スクエア(2芯) |
仕上げ |
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非共振並行構造 |
構造 |
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CPW(反転同芯整列) |
被服 |
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MGNHポリマー |
配色 |
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ホワイト |
荷姿 |
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50mリール |
希望小売価格:1m/1200円(税別) |
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拡大写真 (下の画像をクリックすると拡大します) |
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この製品のご注文はこちらからどうぞ |
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| PRIMARY
SPの特徴(AETホームページより抜粋)) |
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PRIMARY SPシリーズは、近年高まるホーシアター、モービル用アイテムの需要にお答えすべく、どなたにでも高品質を体験できるよう開発した製品です。
・素材は100%国産の高密度無酸素銅を採用し、構造は定評あるキャプタイヤ構造を採用しました。
・絶縁材はオレフィン系素材をはるかに上回る電気特性を誇るPPXを採用、長距離の引き回しにも対応しました。
・外皮は、ULグレードを上回る素材の採用により、難燃、非鉛、耐熱特性に優れています。
・その為、エンジンルームなどの厳しい条件にも対応いたします。 |
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| 6N-14AWの特徴(AETホームページより抜粋) |
I.国産の超高品質導体を大量に採用
市販の製品の殆どが「上海銅」と呼ばれる低品質な導体を採用していますが、本製品は最も高価な国産の6N銅を採用し、表面は鏡面レベルに仕上げて在ります。
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II.特殊扁平構造を採用
特殊扁平構造を採用し、有害な機械振動を効果的に排除。また、電磁誘導などの干渉を抑える独自の配置に設置。ダイナミックで、透明なサウンドに貢献しています。
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III.音響バランスを整える特殊な巻線CPW巻を採用
一般のケーブルはコスト、技術の関係から集合撚りという、不規則な巻き方を採用していますが、本製品はCPW(反転同心整列)という、機械的にも電気的にも安定した巻き方を採用し、素晴らしくクリアーなサウンドでありながら、力強さや密度感も同時に実現しています。
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IV.高価なハイテクマテリアルを被服材に採用
一般のケーブルは電気的特性が悪く、毒性も強い塩素系の材料を採用していて、予期せぬ火災等の場合に人体・環境に悪影響を与えかねません。しかし、本製品には当社が世界で初めて実現した高機能素材のMGNH材を全面的に採用しています。このMGNH材は、テフロンと同等の電気特性を誇り、オイル並みの低共振性を兼ね備えた理想のケーブル素材です。そして、マグネシウム系の微粉末が電磁波や静電気を除去し、同時に燃焼も抑えます。顔料にも鉛やカドミウム等、危険な素材を全面的に排した全身プロスペックの完成度です。
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各モデルの音質と評価
お薦め度を除いて、6N14Wを10とした相対的な点数でそれぞれの性能を相対的に評価しました。
使用したケーブルはすべて新品なので、今後のエージングによる変化を考慮してください。
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6N14W
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
このケーブルの良さは「バランス」。
どんなスピーカーの組合せ、環境で使用しても決して「破綻」をきたすことなく、音楽を楽しく聴かせてくれる。
入門〜上級者まで自信を持ってお薦めできる高&好音質ケーブル。 |
6N14Wを基準とし、他のモデルの音の細やかさやクォリティー感などを相対的に評価しています。 |
滑らかでナチュラル。あらゆるバランスが抜群!
音楽の鳴り方がおおらかで開放的で、気持ちいい音の出方をする。
反面ややルーズ(音がふくらむ)な傾向がある。 |
滑らかで艶やか。
適度なピント感(シャープさ)がある。 |
適度な厚みが感じられ、エネルギー感がある。 |
低域はほんのちょっとだけ少なめな感じ。
超低域までは伸びていない。
低音楽器のリズムとタイミングはきちんと合っている。 |
6N14Wを基準とし、音源までの距離感を相対的に評価しています。
点数が近いと距離が近くなります。 |
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SP400
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
15 |
15 |
15 |
15 |
15 |
15 |
10 |
細かい音までハッキリと聞き取れ、メリハリ感、明瞭度感、透明度が非常に高い。
周波数レンジが広く、AETの上級モデルに近い高いクォリティーがあるが、反面、高域がややキツい感じがする。
高性能&高解像度のケーブルをお探しの方に。この価格でこの音はすごい! |
ケーブルを変えた瞬間に、その違いが誰にでもわかるほど、透明度と明瞭度が非常に高く、それまで聞き取れなかった細やかな音までハッキリと聞き取れるようになる。
音が大きくなったように聞こえる。 |
ややワイドレンジでクッキリしすぎる嫌いはあるが、バランスは良い。
音の大小がハッキリわかり、躍動感も大きく感じられる。 |
透明度が高く、広がりが豊か。まったく濁りがなく、ピントは非常にシャープであらゆる音がクッキリする。
AETの上級モデルに近いが、現時点ではややキツい感じがある。(エージングで解決?) |
驚くほど透明度が高く濁りがない。
ボーカルや楽器のエネルギー感が強く、音の変化(躍動感)が大きい。
ハイスピードでエネルギッシュ。 |
低域は、良く締まっておりパンチ力がある。
超低域までシッカリ伸び、空気感がきちんと再現される。
低音楽器のリズムとタイミングはきちんと合っている。
タイトでパンチがあり、スムースな低域。 |
ステージ(音源)までの距離感は、6N14Wと変わらない。 |
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SP400 (エージング済み)
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
SP400の基本的な持ち味は、そのままに、「しなやかさ」、「厚み」、「滑らかさ」が加わる。
面白いのは、エージング済みだからといって、繋いだ瞬間から最高の音が出るのではなく、変化の速度が飛躍的に速いものの1〜2時間音楽信号を流すことでより音質が滑らかになることだ。
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繋いだ瞬間は、エージング前よりもレンジが狭くなったように感じるが、それは高域の強調感が和らぎ、中域の厚みが増すことによって音質のウエイトが「高域」から「中域」へと変わった為だとわかる。
情報量は、未エージングのものと比べて大差はない感じがするが「音の繋がり」が滑らかになり、音楽の抑揚や気配感が体になじむように非常に自然になる。 |
たたクッキリしすぎていた「高域」の隈取り感が減少することで「音」よりも「雰囲気」をより強く意識するようになる。
エージングにより、やや硬さのあった雰囲気が和らぎ、音楽がより身近に感じられるような方向に変化している。
鳴らし込めば、込むほど、肌になじむコットンのように肌触りが良くなるイメージ。
相対的に「高性能!」というイメージは薄くなる。 |
透明度が高く、広がりが豊かでまったく濁りがないというSP400の持ち味に加え「空気感」、「艶やかさ」、「柔らかさ」といった雰囲気や気配を感じさせる成分が増えている。
高域の強調感の減少に伴ってピントはやや輪郭がソフトになるが、十分にシャープでステージのあらゆる音が見通せるようにハッキリと聞き取れる。
AETの上級モデルよりもややマイルドな感じ。
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エージングにより「厚み」と「滑らかさ」が飛躍的に向上する。
相対的に透明度の高さがほんの少し失われるが、こちらの方がより自然な感じ。
温かみがあり、ボーカルや楽器の躍動感やエネルギー感が自然で身近に感じられる。
柔らかでしなやか、滑らかなイメージ。 |
低域は、柔らかくやや柔軟な方向に変化する。
超低域まで滑らかに繋がりよく伸び、自然な場の雰囲気が再現される。
低音楽器のリズムとタイミングはきちんと合い、弾むようなパンチ力のある、ナチュラルな低域。 |
ステージ(音源)までの距離感は、6N14Wと変わらないが、前後方向の音場が深くなり、ステージの立体感がより大きく感じられる。 |
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SP200
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
5 |
10 |
6 |
11 |
10 |
10 |
10 |
このケーブルを聴くと、つくづくオーディオ機器(アクセサリー)の性能は、数字や価格では決まらないな〜と思う。
スペック的には、下記モデルよりも明らかに勝っているのに、音楽を楽しく聴けない。 |
情報量的には、出ている感じがする(細かい音は聞き取れる)が、なぜか詰まった感じがあり(音が失速している)音楽の質感は高くない。 |
生真面目で詰まらない感じがする。
音楽を聴いていてもあまり楽しめない。
エージングで解決するかも知れないが、現時点では×。 |
情報量的には多い(細かい音まで聞き取れる)が、詰まった感じ、硬い感じが強く、余り好みではない。
悪い意味でのHiFi的な音? |
高域同様、やはり細かい音まで聞き取れるが、躍動感がなく、濁り、詰まった印象が強い。 |
低域は、量は十分だがややブーミーでふくらんでいる。
超低域まではそんなに伸びていない。
低音楽器のリズムとタイミングが遅く、音楽の流れが重い。 |
ステージ(音源)までの距離感は、6N14Wと変わらない。 |
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SP200 (エージング済み)
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
エージングによる変化はSP400よりも遙かに大きい。 中域がやや薄い傾向に変わりはないが、音のまとまりや繋がり、各楽器のタイミングがバラバラだったのが、きちんと合ってくる。
価格を越える実力のあるケーブルへと変貌した。 |
情報量は、エージングにより大幅に増加する。それは、それまで出ていなかった音が出てくるというイメージではなく、狂っていたハーモニーの調和が増したようなイメージで、大きな音に隠れていた小さな音が自然に聞き取れるような感じに変化する。 |
硬さがとれ滑らか差が出てくることによって、雰囲気が俄然良くなる。
全体的な音のバランス、タイミングが整合し、ハーモニーやユニゾンが自然になる。
音楽の雰囲気や楽しさが十分に感じられるが、SP400と比べると中域の厚みが少ない。
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滑らかで透明度が高く、非常に自然な感じに大きく変化する。情報量も多く細かい音までハッキリ聞き取れる。
明瞭度、クッキリ感は、ある意味ではSP400よりも高い。
ピントがきちんと合っている感じがする。 |
エージング前は濁り、詰まった印象だったが、エージングにより透明度と滑らかさが大きく向上する。
エネルギー感や厚みはSP400程ではないが、濁りの少なさやピントのシャープさではSP200の方が良い。信号線が1本(SP400は2本)の良さを感じる。 |
低域のブーミーさはとれたが、量感がやや少なくなった。
中域は変わらないので、全体的には「なめらかなハイ上がり」のバランスになった。
超低域まではそんなに伸びていない。
低音楽器のリズムとタイミングはほんの少しだけ遅いが、音楽的に問題はない。 |
ステージ(音源)までの距離感は、6N14Wと変わらない。 |
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SP125
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
8 |
10 |
9 |
12 |
10 |
10 |
8 |
高域は滑らかでナチュラル。
低域は、ややゆったりとした感じ。
価格を考えれば望外にワイドレンジで高性能なケーブルだが、AETらしいハイスピードを期待すると裏切られる。 |
透明度、明瞭度が高く、ワイドレンジ。
音も細やかで、芯もシッカリしているが、6N14Wに比べて厚みがやや少ない感じ。 |
バランスがやや高域よりで、すこし中抜けしているような感じがあるが、全体的にはナチュラルでバランスも悪くない。
音楽の雰囲気を出すと言うよりはワイドレンジで高性能な感じ。 |
透明度が高く広がりが豊か。
抑揚も大きくエネルギー感も十分にある。
音の芯がクッキリしているが、曲によっては、ややキツい感じがすることがある。
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中域は痩せているというわけではないが、高域に比べるとエネルギー感が小さく、やや「薄い」という印象。
それだけ高域のクォリティーが高いとも言える。 |
低域はやや少なめな感じで、超低域までは出ない。
高域の芯がシッカリしているのに比べ、低域はブーミーな感じが強い。
低音楽器のリズムとタイミングは遅く、テンポが遅れがちに聞こえる。 |
6N14Wを10とすると8に近づく。
高域の明瞭度、輪郭感がシッカリしているのでステージとの距離が近くなる。 |
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SP075
お薦め度 |
情報量 |
雰囲気 |
高域 |
中域 |
低域 |
距離感 |
10 |
8 |
9 |
10 |
8 |
9 |
7 |
中〜高域の透明度が高く、滑らかで柔らかい。低域が若干薄いが、帯域の繋がりが良く、バランス良く音楽を再現する。
躍動感も大きく、音楽を聴いていて楽しい。
この価格帯ではすごく音が良いケーブルだ。 |
細かい音まできちんと機器れるが、6N14Wに比べると、音の数がやや少ない感じがする。 |
抑揚が大きく、音の変化が滑らかで、音楽を楽しく聴ける。
躍動感も十分でバランス良くあらゆる音楽を楽しめる雰囲気がある。 |
透明度が高く、しなやか。
声や楽器の抑揚の出方が滑らか。
透明度と明瞭度のバランスが良い。 |
中域はナチュラルで滑らか。
高域とのバランスが良く、ハーモニーの重なりが美しく感じられる。 |
低域はやや少なめな感じだが、タイトに締まっていて気持ちが良い。
超低域は、出ないが、それが逆に低域をタイトに締めているようだ。
低音楽器のリズムとタイミングはバッチリ合う。 |
SP125よりもステージはさらに近い。
音源までの距離が明確で、近く感じられる。
リアスピーカー用のケーブルに最適な傾向だ。 |
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2005年 7月17日 清原 裕介 |