Luxman CL-88u MQ-88u 音質評価 

Luxman CL-38u \320,000(税別) / Luxman MQ-88u \380,000(税別) (製品のお求めはこちらからどうぞ

90周年記念モデル CL-38uL、MQ-88uLの音質テストはこちら) ・ (その他の音質テストはこちら

製品の概要

・CL-38u

Luxman CL-38uは、クラシカルな木箱ケースに納められたフルファンクションのコントロールアンプです。すべての増幅回路が真空管(ECC83×3本、ECC82×5本)によって構成され、 本格的なアナログ・レコード再生を楽しめる高音質のオール真空管フォノステージには、左右/2段階ゲイン毎独立のMCトランス4基が搭載されるなど価格を大きく超える本格的なプリアンプです。機能も豊富でレコード再生時に使うローカット・スイッチ(サブソニックフィルター)や、モノラル・スイッチ、 細かな音質調節が可能なターンオーバー周波数3段階切替(Bass:150/300/600Hz、Treble:1.5k/3k/6kHz)のLUX方式トーンコントロール機能などが搭載されています。入力はLINE×4,PHONE×1(MM/MC)、TAPE×1です。出力は、PRE-OUT×2,TAPE-OUT×1です。

発熱は少なく、無信号時の消費電力は35Wとトランジスターアンプとほとんど変わりません。ワイヤレスリモコンとOFC 極太線ノンツイスト構造の電源ケーブルJPA-10000が付属します。

・MQ-88u

真空管式ステレオパワーアンプのMQ-88uは、現在でも愛用者の多い1969年発売のMQ60をデザインモチーフに置き、3極管接続プッシュプル構成のスロバキアJJ社製KT88と、オリジナル形状を復刻したアルミ・ダイキャストケース入りOY型出力トランスを搭載した、25W+25W(6Ω)のステレオパワーアンプです。

入力はECC83(12AX7)×2本、ドライバー段にECC82(12AU7)×2本、出力管にKT88×4本が使われています。回路には実績のあるムラード型回路(ドライバー段)と3極管接続を採用され、名器の誉れ高いOY15型出力トランスをオリジナル形状で復刻しアルミ・ダイキャストケースに収納しています。電源トランスには大容量電源EI型トランスが使われ、大型オリジナル・ブロックコンデンサーが装備されます。

入力端子は音量調節が可能なバリアブル入力とボリュームをバイパスするダイレクト入力の2系統が備わり、極太スピーカーケーブルの接続が可能な大型スピーカー端子が使われます。プリアンプとおそろいのOFC 極太線ノンツイスト構造のラックスマン純正電源ケーブルJPA-10000が付属します。

発熱は真空管アンプとしては普通で、無信号時の消費電力は135Wと真空管アンプとしてはやや少なめです。

プロトタイプの音質テストはこちら
形式 真空管式プリアンプ
入力数 LINE×4
PHONE×1(MM/MC)
出力数 PRE OUT×2
TAPE OUT×1
使用真空管 ECC83×2、ECC82×2
周波数特性 20Hz-20KHz (+0/-0.1db)10Hz-70KHz(+0/-3.0db)
消費電力(無信号時) 35W(逸品館にて計測)
サイズ/重量 400×280×170(mm)/13.5kg
付属品 電源ケーブル、リモコン
形式 真空管式パワーアンプ
入力数 LINE 固定×1、可変×1
使用真空管 ECC83×2、ECC82×2
KT-88×4
最大出力(Ω) 25W(6Ω)、20W(4/8Ω)
周波数特性 20Hz-20KHz(+0/-0.1db)
10Hz-65KHz(+0/-3.0db)
消費電力(無信号時) 135W(逸品館にて計測)
サイズ/重量 440×185×185(mm)/15.8kg
付属品 電源ケーブル

<明るい> - - - * - - - - - <暗い>

<柔らかい> - - - * - - - - - <硬い>

<総評>

このテストに先立ちお客様からのリクエストに応じてMQ-88u(CDダイレクト)とUnison Research Sinfoniaを比較しました。Sinfoniaは真空管らしい暖かく艶の良い音を出したのですが、MQ-88uはそれと比べると音が硬く、広がりも艶も少なく感じられました。真空管アンプらしい音をお求めのお客様は、迷わずSinfoniaをお選びになりました。

試聴はその経験を踏まえ、最初からCL-38uと組み合わせて聞くことにしました。結果は大成功でかなりのレベルの音質で音楽を楽しく聴けました。

CL-38u/MQ-88uで感心するのは高域の濁りのなさと切れ味の鋭さ、高域がふわふわせずしっかりした芯が感じられることです。高域がハッキリしていますから、低音も引き締まりぐんぐん前に出ます。そのかわりに真空管らしい「甘さ」と「響きの良さ」は少なめです。CL-38u/MQ-88uが聴かせてくれる音はLuxmanの純A級トランジスターアンプにとてもよく似ています。真空管と言われればそうかな?と思いますし、純A級トランジスターアンプだと言われれば、そうだと思います。その音質はluxman最大のヒット作「L-570」にとてもよく似ています。

しかし真空管らしい音色の濃さではスペシャリスト達がそのノウハウを凝縮して作り上げたEAR V12やMANLAY Stingrayとの差は確実にあり、あえてMaid in Japan、Maid By Luxmanにこだわるのでなければ、それらの老舗メーカーの製品を選んだ方が「真空管らしい音」に納得頂けると思います。

しかし、真空管アンプを作るノウハウがほとんど途切れたLuxmanがこれほどのアンプを作れたのは、大成功だと思いますし、他メーカーの作る真空管アンプの音を模さず、Luxmanらしい新しい音色を作り出したことは賞賛に値すると思います。

好みはあるでしょうが、CL-38u/MQ-88uは、どこに出しても決して恥ずかしくない水準以上の音質に仕上げられています。それは間違いのないことです。

音質テスト結果 PMC PB1i/Signatureと組み合わせて

PMC PB1i/Signature
\1,100,000(ペア・税別)

ボーカルは滑らかですが、わずかに粉っぽくトランジスターアンプのようにも聞こえます。

シンバルは明確な芯があり金属的な感じが上手く出ていますが、真空管らしい音色の鮮やかさがあまり感じられません、ベースラインは太く力強く、ぐんぐんと前に出ます。

全体的には癖が少ないさっぱりとした音調に仕上げられていて、良くできたMMカートリッジでレコードを聴いているような感覚でオレンジペコが鳴りました。

さわやかでしっかりした音ですが、EARやMANLAYで感じた「真空管らしい音色の鮮やかさ」があまり感じられません。そのためバイオリンはやや単調な音になり、バックのチェロやコントラバスとの音色の違いがほとんど感じられません。

癖が少なく細やかで立派な音なのですが、真空管らしい「プラスアルファ」がほとんど感じられません。歪みがなくトランジスターアンプと比較できる「特性の良い音」を狙ったのだとすれば、それは大成功ですが、真空管ならではの音を作ろうと考えていたのであれば、その狙いは成功していません。

決して嫌な音ではなく聞き疲れもしませんが、味のある真空管アンプでこのソフトを聞き込んでしまった後では、積極的に聞き続けていたいとも思えない音でした。

切れ味が素晴らしく、透明感も高く、低音の量感と押し出しも素晴らしいものがあります。

ボーカルもきめ細やかで解像度感、明瞭度感は従来の真空管のイメージを覆すのに十分です。

しかし、このソフトでもガガのカメレオンのように変化する声の調子が再現されず、だらだらと歌っているように感じられます。

この音ならば、真空管にこだわる必要があるのか?どっちつかずのイメージが残りました。

音質テスト結果 Focal 1028Beと組み合わせて

Focal 1028Be
\1,200,000(ペア・税別)

スピーカーを変えてもCL-38u/MQ-88uの「ドライ」な音調は変わりません。特性は素晴らしく解像度も高く、寝ぼけたような真空管アンプの音しか知らない人が聞けば、びっくりするくらい鮮度の高い音で1028Beが鳴ります。

しかし、それでもこの音は私が真空管アンプに求めるものではありませんし、歴代のLuxman真空管アンプの音色とも違っています。

スピーカーをPB1i/Signatureから1028Beに変えると、その傾向がより一層強く感じられました。

ヒラリー・ハーンに関しては、PB1i/Signatureよりも1028Beとの組み合わせが良かったように思いますが、スピーカーを変えてもこのソフトをCL-38u/MQ-88uで鳴らす印象は変わりません。

評論家的にCL-38u/MQ-88uを論評するなら「真空管アンプとは信じられないほど繊細で鮮やかな高域と、トランジスターアンプ並の低域駆動力を兼ね備え、従来の真空管アンプの常識を覆すほどの素晴らしい音」という表現が当てはまるでしょう。しかし、真空管アンプに求めたい「音色の変化」が乏しく、演奏が一本調子に聞こえます。

真空管らしくないハイスピード感と、ユニットの存在を感じさせない抜けの良い音に驚かされます。ガガのボーカルの表情もPB1i/Signatureよりも大きく変化し、かなり楽しめる音質に変化します。ベースラインは力強く、ぐんぐん前に出ます。高域は鮮度が高く細やかです。

この音なら十分に及第点だと思いますが、やはり音色が単調なため音が重なる部分ではややうるさく感じられました。

2011年 8月 逸品館代表 清原裕介

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