marantz NA7004 音質 価格 販売 比較

MARANTZ NA7004 , LUXMAN DA200 , HEGEL HD2 , OLIVE 3HD 4HD , RATOC RAL-24192UT1 , ANTELOPE AUDIO ZODIAC+

  marantz NA7004 Luxman DA200 ネットワークプレーヤー 音質比較テスト

USB-DACやネットワークチューナ、HDDプレーヤーなど「ディスク(HDDは除く)」を使わないで音を出す主要な新製品をそろえて音質比較テストを行いました。

今後、逸品館ではこのようなディスクを使わずに音楽を再生する装置を「ディスクレス・プレーヤー(従来のディスクを使うプレーヤーと区別するため、PCやネットワーク系の再生機をディスクレス・プレーヤーと呼ぼうと考えています)」と呼んで区別しようと考えています。

逸品館お薦めのディスクレス・オーディオ製品はこちら

使用したPC

Dynabook / XP Home Edition(SP3)

Pentium3 /(動作周波数 0.75GHz)

512MB /PC100 SDRAM

20GB (Ultra-ATA)

DELL Bostro 3700 / XP Professional(SP3)

Core i5-M520 /(2コア、2.4 GHz)

2GB (2048MB×1) / DDR3-SDRAM(1066MHz)

320GB (SATA/7200rpm)

テスト環境

テストには、聞き慣れたスピーカとアンプ、2台のパソコンを使いました。

・Dynabook SS1600
RATOCのRAL-24196UT1のテスト時にRATOCから借りたPCです。WIN2000時代のPCでかなり古いです。

・DELL Bostro 3700
2コアの最新型CPU Core i-5 M520を搭載するパワフルなモバイル・ワークステーションです。

スピーカー

 VIENNA ACOUSTICS T3G(Beethove Concert Grand)

アンプ

 AIRBOW PM15S2/Master

音源について

音源は、市販のCD(ノラ・ジョーンズ、Come Away With Me)をPCでリッピングしたデーターと、市販されているハイビットハイサンプリングのデーターを使いました。

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

パソコンについて

まず、3号館備え付けのDELLでRATOC RAL-24192UT1をテストしようとしたのですが「専用ドライバー」のインストールが必要と聞き、いつも使うパソコンに使わないドライバーをインストールしたくないので、ドライバーがインストールされた「Dynabook」をRATOCから拝借して音質テストを開始しました。

ラトックから届けられた、RAL-2496UT1と新製品のRAL-24192UT1の外観と機能はほとんど同じですが、搭載されているUSBインター・フェイスやDACチップが異なる、「中身が違う製品」です。

先に発売されている、RAL-2496UT1はUSB1.0で動作するので特別な「ドライバー」は必要なく、PCに繋げばそのまま使え便利です。ところが新型のRAL-241992UT1は、USB-2.0で動作するため「「専用のドライバーのインストール」を必要としますが、これは例外ではありません。現在のところWindows環境では音声を出力するためのUSBドライバーの搭載が遅れており、192KHz/24bitに対応するUSB-DACを使うためには、必ず専用ドライバーのインストールが必要となります。

最近は、以前ほどドライバーのインストールでOSが不安定になるようなことはなかったのですが、先日、同じUSB-2.0規格のLindemann USB-2.0のテストで専用ドライバーをインストールしたところ、それまでのUSB外部音響機器が使えなくなるというトラブルが起きた(ドライバーのアンインストールで元に戻った)、ため新規のドライバーのインストールには抵抗を感じていました。

そこでとりあえずRATOCに無理を言って、テスト用にPCを借りることにしました。届けられたのは東芝のDynabookのかなり古いモデルでした。このPCでRATOCの2機種を聞いた(OS:XP-PRO、Player:Foober 2000 2000)のですが、はっきり言って2台とも、CDプレーヤーとは比較にならないお粗末な音しか出ませんでした。やっぱりPCのアクセサリー的DACは「こんな物なのか?」と随分がっかりしました。RATOCは、ハイビット・ハイサンプリングのファイルを再生できますが、ファイルを高音質に変えても音質はそれほど変わらず、44.1KHz/16bitのWAVEを再生するNA7004に及ばない程度でした。さらにLuxman DA200、Antelope Audio Zodiac+、Olive 3HD、marantz NA7004と試聴を薦めたところ、電源を内蔵するモデルがUSBバスパワーで動作するRATOCよりも音が良いという傾向が伺えました。ざっと一通りの装置を様々な音源でテストした結果、NA7004とOlive 3HDが優れているという結果になりました。

とりあえず一通りの傾向を確認した後、HPに掲載するリポートを作成するため、更に詳しい音質テストを行うことにしましたが、RATOCから拝借しているPCでは音源がインストールされていないため、所定のテストがスムーズに行えないことと、PCによってDACの音質に差が出ることを経験していたため、PCをいつも使っている3号館備え付けのDELLに変更しました。DELLを使う溜には、抵抗のあるドライバーのインストールが避けられませんが、「RATOC RAL−24192UT1専用ドライバーのインストール」の検証を拝借しているDynabookで行った結果、RATOCのドライバーは信頼性が高いという感触を得たので、安心してドライバーをインストールしました。

もう一度詳しく音質評価を行い、リポートにまとめようとして、DELL(OS:XP-PRO、Player:WIN-AMP)とRAL-2496UT1を繋いで音を出した瞬間!耳を疑いました。先ほど聞いたすべての機器よりも「明らかに良い音」が出たからです。PCで音質が変わるのは知っていましたが、正直これほどまでとは思いませんでした。

このとき感じたPCによる音質の違いをCDプレーヤーに当てはめるなら、TOSHIBAの古いPCとRATOCの組み合わせの音は数万円ですが、それをDELLと組み合わせると、とたんに数十万円に匹敵するほど音が良くなります。理由を推測すると、USBインター・フェイスのデバイスが新しく「通信が安定していること(ノイズも少ないかもしれません)」や「電源(バスパワー)の質が高い」などが考えられます。本当のところはよく分かりませんが、とにかくPCによる音質差のあまりの大きさに驚きました。

音質テストを始める前にこの状態ですから、分からないところの多いPCオーディオの評価は本当に難しいと痛感しています。しかし、「分からないところ=謎が多い」のを逆に考えれば、可能性の大きさでもあります。評価が難しいと言うことは、工夫次第でPCオーディオが「いろんな音を出せる=音を良くする楽しみに満ちている」証でもあります。とにかくPCを変えたことで音質が大きく向上したため、テストをすべて一からやり直すことにしました。

今回のテストでは、評価機器と項目が非常に多いため、音源は2種類しか使っていません。あしからずご了承ください。

音質テスト

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

まず、Audiophile Jazz Prologue 3(2曲目)でRAL-2496UT1とRAL-24192UT1の音質を比較する。再生ソフトにWIN-AMPを選び、最初に44.1KHz/16bitの音源を再生し、次に96KHz/24bitの音源を再生、再び44.1KHz/16bitに戻したが、RAL-2496UT1の入力周波数インジケーターが96KHzのまま変わらないので、ソフトをFoober 2000に変えて同様の操作を行ったが、やはり同じ結果になった。たぶんプレーヤーソフトの仕様なのだろう。設定をちょっと触ってみたがうまく解決しなかったので、一度パソコンをリスタートして44.1KHz/16bitの音源から試聴を開始した。再生ソフトにはWIN-AMPを使ったが、それはFoober 2000よりも明らかに透明感や鮮度が高く、音が良かったからだ。

RAL-2496UT1 / 44.1KHz/16bit

中高域の透明感や繊細さは、PCオーディオがCDよりも音が良いという主張を納得させるほど、細やかで鮮度が高い。空気感もしっかり再現される。しかし、低音はやや膨らんで緩く、専用電源を使わないUSB-DACの限界が感じられる。音楽的には少しあっさりした感じだが、変な癖はなく聞きやすい。

RAL-24192UT1 / 44.1KHz/16bit

2494UT1よりも高域のレンジが広く、細かい音が出る。それぞれの楽音の分離は向上する。中低音の分解能も向上し、ウッドベースがはっきり聞こえる。ギターの響きはややドライ。サックスもドライな音になる。楽器のニュアンスも細かく再現されるが、変化の量が少ない感じで演奏がクールになる。2496UT1がライブ調なら、こちらはモニター的な音質だ。どちらが良いかどうかの判断は、良否よりも好みの差が大きいと思われる。

RAL-2496UT1 / 96KHz/24bit

音源をアップグレードして比較すると、44.1/16を再生する24192UT1よりも音が細かくなる。ニュアンスも細かくなり、明らかに音が良くなったことがわかるが、その変化は10万円程度のオーディオ機器の電源ケーブルを付属品からAIRBOW KDK-OFC/2.0に変えた程度の変化量しかない。少なくともデーターの差として示される数値から感じられるほどの大きな差ではない。ギターやサックの響きや音色は甘く、個人的にはこちらが好みの音だ。低音の量感やにじみは、少し解消される。聴きやすく、良い雰囲気の音で音楽を聴けた。

RAL-24192UT1 / 96KHz/24bit

音源をアップグレードしたことによる音の変化は、2496UT1よりも24192UT1の方が明らかに大きい。サックスのドライな感じギターの響きの少なさは相変わらずだが、44.1/16では再現されなかった細かい部分まで聞き取れるようになることで、生楽器らしい透明で美しい響きが感じられるようになった。低音の量感の少なさもかなり改善され、PCにUSB-DACを繋いで音楽を聞いているというネガティブな感覚はほとんど感じられなくなる。聴き応えのある、かなりいい音だ。記憶での比較になるが、以前に聞いたLindemann USB-2.0よりも格段に音が良く感じられる。少なくとも中低音が全然出なかったUSB-2.0に比べると音のバランスは遙かに良く、聞いていて疲れることも聞き飽きることもない。それでも注文を付けるなら、音質がやはり少しドライ(粉っぽく)感じられるところは、最後まで気になった。

RAL-24192UT1 / 192KHz/24bit

一段と音が細かくなり、音源のグレードアップがはっきりと聞き取れる。しかし、96/24との差はやはりわずかで44.1/16と96/24の差よりもさらに少ない。ただ、音質の差は小さいのだが音が太く柔らかくなって、音楽の温度感が上昇し躍動感や雰囲気がグンと生々しくなるのがうれしい誤算だ。初期のSACDやDVDオーディオでは、高音質化によって音がやせたり、雰囲気が硬くなったりしたことがあるが、今回のテストではその全く逆のことが起きている。無機物から有機物への変化。そういうイメージの変化だ。こういう、ハイビット・ハイサンプリングなら悪くない。依然低音は少し少ないが、見通しが良くなることで低音の不足感もほとんど感じられなくなった。納得のサウンドで音楽が聴ける。

Antelope Audio Zodiac+

この商品は、近日取り扱いを開始します

次にAntelope Audio Zodiac+を聞くことにした。この製品のUSB入力は「ミニサイズ」で、他製品のテストに使う高音質USBケーブル「audioquest Carbon」が使えない。しかたなく、付属のケーブルで音質テストを行った。その点を少し考慮してレポートをお読み頂きたい。

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

Zodiac+ / 44.1KHz/16bit

音が出た瞬間、RATOCとの力強さ(パワー感)の違いが感じられる。特にウッドベースの押し出しは全く違ってくる。このパワー感と低音の厚みが、専用電源を持つUSB-DACの特徴だろう。音の力強さに騙されずに聞き込めば、音の細かさや細部の見通しの良さでは、逆にRAL-24192UT1がZodiac+を上回っていたことに気がつく。Zodiac+の音はシッカリして実在感もあるが、S/Nの高さや細部の再現力ではRAL-24192UT1(192KHz/24bit)がZodiac+(44.1KHz/16bit)を超えている。

もちろん音源の品質が大きく違うので、今聞いている音で両者を直接比較するのは少々無理があるのは承知している。エネルギー感や実在感はZodiac+がRAL-24192UT1を確実に上回り、聴き応えのある音が出ているのは間違いないが、それでも情報量は少し少なくなった(音が薄くなった)感じが残った。

Zodiac+ / 96KHz/24bit

44.1/16から96/24への音質変化は、RAL2496UT1と同じであまり大きくない。それでも、細かい部分の再現性が向上し、音がよりいっそう細かくなるのは聞き取れる。しかし、その細かくなり方はRAL-24192UT1で感じたのとはすこし雰囲気が違う。RAL-24192UT1+192/24では「音の粒子が細かくなり、細部が見えるようになった(粒子感の向上)」と感じたが、Zodiac+では「音の粒子の一つずつがはっきりして、細部が明確に見えるようになった(ピント感の向上)」として感じられた。44/16音源同様、中低音の厚みやエネルギー感はZodiac+がRAL-24192UT1を上回っている。

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

ここでUSB入力とS/PDIF入力の音質の違いを確認するため、音源をCDをリップしたものに変える。ソフトは、いつも使っている「ノラ・ジョーンズ」だ。

Zodiac+ / 44.1KHz/16bit / USB入力

CDと比べると音が乾いている。ノラの声がややかすれた感じで少し元気がない。ベースもどこか曇っていて、高域が何らかのノイズでマスキングされたように見通しが悪い。乾いた新聞紙に描かれた絵を見ているようなイメージだ。情報としては少なくないし、それぞれの音質も悪くないが、聞いていてあまり面白くない音だ。

Zodiac+ / 44.1KHz/16bit / S/PDIF(RCA同軸)

プレーヤー:AIRBOW UD8004/Special 、 ケーブル:AET SIN/DG75

PCとの接続では音が点と点の集まりのように感じられたが。CDをトランスポーターにすると音が繋がって滑らかな線になって感じられる。ノラの声にも湿り気が出て、女性らしい色っぽい声になる。音質は全体的に明るく、キュートなイメージだ。中高域にスポットが当たったように、ボーカルや楽器の倍音が明るく明瞭に鳴る。低音はやや緩く広がっているが、嫌な感じではない。音は適度に細かく、外付けDACを使っているメリットが音に出ている。CDをトランスポートとするとUSB接続とは比べものにならないほど、音楽的に納得できる音が出た。

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

DA200 / 44.1KHz/16bit

音が出た瞬間に思わず頬が緩んだ。さすがLuxman!USB経由で聞く音楽はCDと比べ、どうしても「違和感(PC臭さ)」が感じられたが、DA200はそれを見事に消し去っている。音が出始めて消え入るまでの流れの自然さ、楽器の絡みの濃厚さ、一音一音の滑らかさと暖かさ、これはまさしくLuxmanのCDプレーヤーでCDを聞いている感覚だ。音質も相当に良く、数十万円クラスのCDの音が鳴っている感覚を覚える。何よりも「人間が心を込めて演奏している感じ」が伝わってくるのが素晴らしい。これは良い仕事だ!

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

DA200 / 44.1KHz/16bit / USB入力

音源をノラ・ジョーンズのCDをリップしたデーターに変えると、あらあらどうしたことか・・・、Zodiac+で感じたのと同じように「ばらばらの音」になってしまった。もちろん、Zodiac+ほどひどくはないが、CDを聞いている感覚とは違ってなんだか演奏がへたくそに感じられる。この音では聴いていたくない。もちろん、それはLuxman DA200が悪いのではなく「CDをPCにリップしたデーターを聞くこと」に問題があるに違いない。過去にもたびたび経験しているが、CDで再生する事を前提に作られたCDソフトをPCでリップして再生した場合、音が平面的になったり調和が崩れたりして、音楽がつまらなくなってしまう。

DA200 / 44.1KHz/16bit / S/PDIF入力

プレーヤー:AIRBOW UD8004/Special 、 ケーブル:AET SIN/DG75

普段聞いているCDにかなり近くなるが、ぱさついた感じは完全に取れない。その点ではZodiac+の方が滑らかな音でCDに近いイメージで演奏を聴けた。音調は暖かく、厚みがあり滑らかだ。音色の再現も十分だし、低音の量感は厚みがある。どことなく真空管をイメージさせる鳴り方は、Luxmanの音作りの伝統を彷彿とさせる。

DA200 / アナログ入力

プレーヤー:AIRBOW UD8004/Special 、 ケーブル:AIRBOW MSU-X Tension 

DA200には、USB-DACで他に類がない2系統のRCAアナログ入力が備わっている。出力も音量を可変できる(最大ボリュームでは、ダイレクトより音が大きくなる)。見方を変えるとDA200は、USB入力付DAC内蔵プリアンプだ。そこでプリアンプとしてDA200の音質はどの程度なのか?聞いてみることにした。

先ず「固定出力」と「可変出力」の音質差をチェックする。ボリュームを最大にすると固定出力よりも大きくなるため、適度にボリュームを絞り固定と可変で音量差が生じないように注意しながら、後パネルのスイッチで「固定」と「可変」を切り替えて、ノラ・ジョーンズで聞き比べた。

まず、入力をUSBにして出力の音質差を比べると、ほんの少しだけ「固定」の音がはっきりしていた。個人差があるので何とも言えないが、今回の環境では固定を100として可変が85-90程度に感じられるほどの差でしかなく、両者に差はあってもその差は非常に小さいと言える。

次にUD8004/Specialのアナログ出力をDA200に繋ぎ「アナログ・プリアンプ」としての音質をチェックする。外部入力(AIRBOW UD8004/Special)の音は、内蔵DACと比べ音のバランスが良くなって「上質な演奏を聞いている雰囲気」が感じられる。音の細かさも少し向上しているが、Luxmanらしい中域の分厚い感じは少し後退する。言い換えるなら、LuxmanのサウンドからAIRBOWのサウンドへと音が切り替わった感じだ。情報量の低下はミニマムだし、色づけもわずかに感じられるだけなので、アナログ・プリアンプとしてのDA200の能力は価格以上に高いと評価できる。

今回テストする機器の中でコストパフォーマンスはNA7004が他を圧倒する。入力の豊富さ、リモコンでの操作、ワイヤレスiPODドックの付属など、その他機能を上げれば枚挙にいとまがない。こんな多機能なのに、価格は10万円を大きく切るのは驚きだ。

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

NA7004 / 44.1KHz/16bit

Luxman DA200と比較すると、少し音が「薄い」感じがする。みっちりと音が詰まったDA200をフルスペックハイビジョン(1920*1080画素)にたとえるなら、NA7004はそれよりも2割ほど音数が少なく(1536*864画素)くらいの感覚だ。しかし音楽的な満足度は高い。リッチな雰囲気で音楽を聴かせたDA200に対し、カジュアルな雰囲気のNA7004だが、その音はDA200よりも悪くない。むしろ音楽をより積極的に聞きたくさせる方向の、明るく乗りが良い楽しい音だ。アタックの先端が少し丸く、それが原因で楽器の音の輪郭や押し出しが弱くなるのは価格なりのご愛敬だが、それにしても心地よい音で音楽が鳴る。家庭で音楽を聴くのなら、この音質で何の文句も出ないだろう。

NA7004 / 96KHz/24bit

音が細かくなり暖かくなる。この音質ならDA200と双璧か、むしろDA200を超えるといって良いかも知れない。気になっていた輪郭がシッカリし、それぞれの音の分離感が大きく向上する。楽器の表情が細やかになり、躍動感も増大する。このレベルの音なら数十万円クラスのCDプレーヤーと十分に比較できる。更に高音質をも望むなら、ケーブルやインシュレーターなどを工夫することでそれらを超えることも不可能ではないだろう。

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

NA7004 / 44.1KHz/16bit / USB入力

今回聞き比べたUSB-DAC中、CDをリップした音源を一番CDプレーヤーに近い音で鳴らしたのがNA7004だ。他のDACと比べて「響きの成分」が豊富で音が滑らかに繋がる。NA7004のDACや出力回路には、SA8004ほとんど同じものが使われているが、これがCDプレーヤーとの違和感の低減に一役買っているかも知れない。とにかく、CDプレーヤーを聞いているのとほとんど同じ感覚でソフトが聞けるのがうれしい。あえて違いを指摘するなら、音の輪郭がクッキリしてそれぞれの音の分離感が高まっていることだろうか?他のDACではそれが過ぎて、音がばらばらになったがNA7004は、そうならずにうまくまとまっている。PCとUSBで繋いで一番心地よい音を出したのが、NA7004だ。

NA7004 / 44.1KHz/16bit / S/PDIF入力

プレーヤー:AIRBOW UD8004/Special 、 ケーブル:AET SIN/DG75

USBと比べ音質傾向の差が非常に小さく、接続による音の違和感がほとんどないことに驚かされた。音が少し落ち着いて、低音にゆとりが出る。ボーカルも細部が克明になるが、USB接続時の適度にぼけた感じ(ソフトフォーカス感)も決して悪くなかった。ボーカルはともかく、S/PDIF入力では楽器の改善が著しく、音色の鮮やかさや雰囲気の濃さにmarantzらしい良さが強く出てくる。この音調なら交響曲を鳴らしても、十分に納得できる音が出せるだろう。

NA7004 / 44.1KHz/16bit / Memory(WAVEファイル)

PCのノラ・ジョーンズ音源データーをUSBメモリーにコピーし、NA7004フロントパネルのUSB端子へ挿入する。こうすることでデーターをダイレクト(PCレス)で再生できる。

USBダイレクトの音はPC-USBよりも明らかに良い。ノイズ感が少なく見通しが良好で、低音の量感も増す。ウッドベースの木質的な音色の再現、ボーカルの艶やかな再現力はPC-USBを明らかに上回り、ハーモニー部分での声の分離感も高い。PC-USBで気になっていた「音がばらばらに分離する感じ」もほぼ完全に消えた。ギターの音色は心地よい。何よりも音が「暖かく有機的になった」ことが音楽を聴く上で最も大きなポイントだろう。今回使用したUSBメモリーは市販の廉価な物(Foaclのプレゼント品)だが、速度の速い高級メモリーを使うと音質はさらに良くなる可能性を秘めている。

NA7004 / 44.1KHz/16bit / Memory(MP3/320Kbps)

音質はわずかに劣化して、細かい表現の再現性が失われる。しかし、それが逆に適度な「ソフトフォーカス感」を生み出して、音楽をゆったりと聴かせてくれる。ボーカルなどはMP3のほうが魅力的に感じるほどだ。細かすぎる余計な音が聞こえないので、より音楽に集中できる。圧縮音源=音質劣化と短絡的に考えずに、一つの「リ・マスタリング」と考えて、積極的な音作りに利用すべきだろう。少なくとも、私ならUSB+MP3でノラ・ジョーンズを聞きたいし、何の不満も感じられない。実に心地よい音で、耳と心にしっくりと音楽が鳴る。

NA7004 / 44.1KHz/16bit / iPod Nano(MP3/320Kbps)

音質的にはUSBメモリーと大きな違いは聞き取れない。それでも、わずかにピアノの音やドラムのブラシの音がクッキリしたようにも感じし、ノラの声が艶を増しより女性的な魅力を増したようにも感じる。そして心なしか音楽の表現(躍動感)も大きくなって感じられ、USBメモリーのダイレクト再生よりも音が良いと思えてくる。

この音質なら、10万円程度のCDプレーヤーから音を出していると言われても違和感はない。それくらい聴き応えのある音が、NA7004+Ipod/MP3で出てくるのは驚きだ。デジタルの長足の進歩を実感させる。

またNA7004との接続ではNanoの機能が生かせるから、お気に入りのプレイリストを再生する、ジャンルやアーチスト別にシャッフル演奏するなど、音楽の連続再生時には大変便利だ。Nanoは携帯性が高いので、別なシステムと音楽ファイルが簡単に共有できるのも良い。NA7004の「ジュークボックス」的な良さはiPODとの併用で倍加する。iPodは安いから、一台買っておかれてはいかがだろうか?

iPod音質テストはこちら

今回テストした製品で唯一CDドライブを内蔵し、「単独でCD再生ができる」のがOlive 3HDだ。上級モデルの4HDにはデジタル入出力、無線LANなどの機能が装備されるが、その分価格が高い。「単体プレーヤー」として割り切ったグレードダウンがなされている3HDは、あくまでも「HDDミュージックサーバー機能を搭載するCDプレーヤー」という位置づけだ。その代わり価格が驚くほど安い。メーカー希望小売価格が17万円(税別)という価格は、国産製品でもいまだ存在しない安さだ。

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

まずCDをインサートし、リップしない「CDダイレクト」の音を聞く。

これが以外に良い。以外と言っては失礼かも知れないが、普通の10-20万円クラスの単体CD/SACDプレーヤーと変わらない音が出る。少なくともCPUやHDDを搭載している機器が鳴っているとは、全く感じさせない滑らかでウェットな音が出る。エッジは適度に鋭く、音色は鮮やか。楽器のアタックも鮮明だ。音場の前後左右への広がりも自然で、なんら違和感ない「普通」の音でCDが鳴る。この音なら17万円のCDプレーヤーを買ったと考えても、十分に納得できるだろう。少なくとも今回聞いたシステムの中で、最良のノラ・ジョーンズを聞かされたのには驚いた。たった17万円のOlive 3HDでこの音が出せるなら、PCやHDDを購入してCDをリップし、外付けDACで音楽を聞くのがばからしくなるだろう。ただ、3HDは弄れるところがほとんどないのでオーディオ機器としての面白味には欠ける。音楽再生機として考えればこの音質、この機能、この価格は衝撃以外の何者でもない。大人向きのジュークボックスだ。

次にCDを本体に取り込んで(リップして)音を聞く。

CDダイレクト再生とほとんど落差がないが、それでも滑らかさや艶やかさは少し失われる。ハートをグッと揺るがしたCDダイレクトの音に比べ、やや音楽との距離を感じさせる。それでも解像度感や低音の力感、引き締まり具合など、音質は今回テストした機器の中で間違いなくトップクラスだ。リップしたことで失われるのは、楽器とボーカルの掛け合いの微妙な「間(溜)」や音場空間の前後への広がり。

やはりCDをリップしたデーターを再生すると、なにか音楽性に問題が生じるのだろうか?それとも音質は少々落ちるが、リップしたデーターからもCDと変わらない雰囲気を醸し出すことに成功している、NA7004の延長線上にさらなるPCオーディオへの回答が期待できるのだろうか?とにかくPCオーディオが騒がれ出してからまだ、たった2年足らずだ。その短期間で機器と音質がこれほど大きく進歩するとは誰が予想しただろう?CDを追い越す勢いで今、ディスクレス・オーディオが進歩を続けているのは間違いがない。

追加音質テスト

テストが一通り終わってから、HEGELのUSB-DAC「HD2」の試聴機がエレクトリから届けられた。発売開始は、HEGELの都合で年内ぎりぎりなるらしい。さらにオーディオ用超高級ケーブルでおなじみのNordostから新型USBケーブル Blue heavenも届けられた。そこでNordostを逸品館お薦めのaudioquest CarbonとHD2は先にテストした価格の近いRATOC RAL-2496UT1と比較試聴する。そして開発がほぼ完了した、AIRBOW NA7004/Specialも最終音質確認のため、同時に聞き比べてみた。

HEGEL HD2

生産完了しました

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

HD2 / 44.1KHz/16bit

条件が変わったので、先ずRATOC RAL-2496UT1を聞き記憶を新たにしてから、HD2と比較した。音源は、Audiophile Jazz Prologue 3(2曲目)を引き続き使用する。

RAL-2496UT1と比べると高域の解像度が少し落ちる。しかし、相対的に中低域の厚みが増し演奏のバランスが改善された。RATOC RAL-2496UT1は、日本的で理知的な明晰な音を特徴とするが、HEGELは同じ音源を少しウェットで滑らかに聞かせる。ウッドベースの音は太いが主張は控えめ。ギターの高域は少しくすんで感じられる。サックスは滑らかで刺激が少ない。スムースなメロディーラインに乗って音楽が流れるように鳴る。PCから音を出しているという違和感は、RAL2496UT1ではわずかに感じられたが、HD2では全く感じられない。音質重視ならRAL-2496UT1、音楽性重視ならHEGEL HD2と言うことになるだろう。

HD2 / 96KHz/24bit

44.1/16の雰囲気の良さはそのままに、音質が大きく向上する。やや不明瞭だった、ギターの高次倍音、サックス倍音の芯の強さが、改善し高域の不満点がほぼ完全に解消する。ギターもギタリストが弦に触れたときの小さなノイズまで再現され、音源までの距離や実在感が大きくアップする。それでも「音質過剰=細かい音が強調されて聞こえすぎる」ことはなく、HEGELの独特な滑らかさやウェットな感じは良く出ている。こんなに小さな箱から、きちんとHEGELの音が出ることに驚かされた。適度にソフトフォーカスで艶のある、これは大人のサウンドだ。

※この音質評価はプロトタイプのものです。製品は、そこから更に少しですが高域の透明感や切れ味を向上させることに成功しています。

Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版 Audiophile Jazz Prologue 3 - DVD+CD-R限定版

NA7004/Special / 44.1KHz/16bit

HEGEL HD2の96/24を超える解像度が44.1/16のデーターで再現される。低音の厚み、ベースの弾む感じ、サックスのエネルギーの強さが全然違っている。楽器の楽器の分離も明確かつ自然。ベースモデルのNA7004と同じようにアタックの立ち上がりの部分がほんの少しだけ丸くなるが、AIRBOWカスタマイズによってその部分はかなり大きく改善し、適度な高解像度感、実在感のあるリアルな音質に仕上がっている。AIRBOWらしく、生演奏を聴いているような自然な感じが印象に残った。

NA7004/Special / 96KHz/24bit

聞き流すような聴き方だと、96/24と44.1/16とはそれほど大きな違いが感じられない。すくなくとも今回テストした製品中、44.1/16と96/24の音の差が最も小さく感じられる。そこでもう少し耳を凝らして違いを聞き分けることにした。耳を澄ませて聞き比べると、音と音の分離感、楽器の密度感、アタックの切れ味が少しずつ向上しているのが聞き取れる。しかし、やはり「聞こえてくる音の違い」は、44.1/16と比べてほんの少しの差でしかない。ただ、体に伝わってくる「演奏の生々しさや実在感」は確実にアップしている。

まるで薄いベールが剥がれたかのように、ステージとの距離が近づき現場の雰囲気が肌に伝わってくる。ベースの胴鳴り(胴の中の響き)が一番ハッキリ分離して美しく聞こえたのはNA7004/Specialだ。暖かくなる、有機的になる、最近私が良く使う表現だが、96/24ハイサンプリング音源だと演奏に血が通って雰囲気がグッと生々しくなった。

 NORA JONES “Come Away With Me” CD

NA7004/Special / 44.1KHz/16bit / USB入力

音が出た瞬間「演奏がゆっくり」聞こえたので、確認のためSA15S2/MasterにCDを入れて聞き比べてみると演奏がゆっくり聞こえたのは錯覚で、演奏が「まったり聞こえた」というのが正しい表現だと分かった。

アタックの角がわずかに丸くなることで、高域の刺激感がわずかに少なくなり真空管アンプで音楽を聞いているような「柔らかくて太い感じ」が出る。どちらかと言えば、高域がハッキリして低域の厚みが足りないUSB-DACにありがちなサウンドとは全く逆の音。SA15S2/Masterと比べると音の質は少し劣るように感じるが、音の細やかさは大きくは劣っていない。しばらく聞いていると耳も慣れて、心地よく音楽に浸れるようになった。

NA7004/Special / 44.1KHz/16bit / iPod Nano(MP3/320Kbps)

驚いたことに!PCからUSBで入力した44.1/16とほとんど音が変わらない。逆に音楽のバランス、自然な感じは向上している。MP3が音源とは信じられないほど細やかで、楽器の音色も鮮やか。ボーカルにも説得力がある。この音なら、音楽を楽しむために何の支障もない。今回NA7004/Specialの音決めでは、圧縮音源(iPod/MP3)を積極的に使ったが、その効果が出て圧縮音源でも非圧縮音源とほとんど変わらない音が聞けるプレーヤーに仕上がったようだ

NA7004/Special / 44.1KHz/16bit / Memory(WAVEファイル)

PC経由のUSBで感じられた、高域の丸まった感じがほとんど消える。ノーマルのNA7004同様、本体のUSB端子に直接メモリーを刺すことで音質は一段と向上する。ノラ・ジョーンズの独特な張りのある声、ちょっと濁ったセクシーな声の雰囲気が、リアルに再現される。低域のもやつきもほぼ解消した。この音であれば、かなりグレードの高いCDプレーヤーと比較しても、文句は出ないはずだ。

 + ルーター

NA7004 / 44.1KHz/16bit / Memory(MP3/320Kbps)
NASのUSBスロットにUSBメモリーを挿入し、DLNA(LAN)でファイルを再生。

NA7004/Special(ノーマルにも)には、DLNA1.5が搭載され、ネットワーク経由でメモリー内部のファイルをダイレクトに再生できる。今回は、NEC 8700Nというルーターと組み合わせてLAN経由で音楽ファイルを再生した。

本来は、8700NにNAS(LAN出力のあるHDD)を繋いでテストすべきだが、8700Nに設けられているUSBにメモリーやHDDを繋いでもNA7004/Specialから認識し再生することが可能なので、本体に装着したUSBメモリーを外して8700Nに装着し、ルーター経由でUSBメモリー内の音楽ファイルを再生、直刺しとルーター経由で音が変わるのかをテストした。

8700NにUSBメモリーを装着しNA7004/Specialからファイルを見ようとすると、メモリーは認識するが内部のファイルが見えない。さんざん調べてみると「インターネットにトラブル情報」を見つけることができた(こういうときはインターネットのありがたさを実感できる)。8700N経由だとメモリー内の「WAVEファイルは認識できない(NA7004が対応していても、WR8700NがWAVEファイルに対応していないため読めない)」と言うことなのでファイルを「MP3(WR8700N対応)」に入れ替えると、あっさりとファイルを認識し音が出た。

USBメモリー本体装着時の音質と比べると、8700N+USBの音は圧倒的によい。S/Nも明瞭度も高く、澄み切った音だ。ノイズフリーなのか?ジッターが減少したのか?とにかく、驚くほど音が良くなった。詳しい理由は分からないが、やはりUSB経由だと音が悪いのは間違いないようだ。2010-2011年の状況でPCから良い音を出そうとお考えなら、最新型のPCとFirewire、LANなどの高速データー通信環境を用意すべきだ。

Nordost Blue heaven (写真左の青いケーブル)

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最後にノラ・ジョーンズ 44.1/16を音源としてaudioquest CarbonとNordost Blue heavenの音質比較を行った。Carbonではマスキングされ少しかすんでいた高音が、Blue heavenでは見事にクリアになった。音質テストで気になっていたNA7004/Specialの高域の丸まりは完全に解消され、USB経由でもCDとほとんど変わらない音調と音質バランスで音楽が再生されるようになった。

Blue heavenの価格はCarbonの約2倍だが、その価値は十分にあると思う。音も良くなるが、それよりも音に艶が出て音楽としてまとまってくるのがさすがだ。高級ケーブルメーカーNordostの高い実力は、彼らの製品とすれば最も廉価なBlue heavenでも十分に感じ取れる。一本ケーブルを変えるだけで、嘘のように音楽が楽しめる。この不思議なBlue heavenの魅力には、抗いがたい。

テストのまとめ

今回のテストはいろんな意味で大変興味深い結果が得られた。PCを音源とした場合、「PC本体」が最も音質を大きく左右すること。特に古いPCではノイズ対策が不十分だとか、インター・フェイスの素子が不安定(動作速度が遅い)、あるいは電源のノイズが多い、CPUの処理速度が不足するなどが原因と考えられて、最新のPCより格段に音が悪いことがわかったからだ。PCオーディオで良い音を望まれるなら、「PCそのもの」にこだわることは非常に大きなポイントになるだろう。

もう一つはRATOCから預かった音源とCDをリップした音源の「違いの大きさ」だ。RATOCの音源は「PC向けにマスタリングされた」と考えられ、PCで再生しても全く違和感のない「生々しい音」が再生される。市販のCDをリップした音源は、CDプレーヤーで聞く時に比べて細かい音が出せても、響きや広がりなど雰囲気が削がれる傾向が強い。やはりPCにはPCで再生するために特化した「別マスタリングの音源」を用意すべきではないだろうか。現在はまだそのような音源は多くないが、今後増えることを期待する。

また、marantz NA7004やAIRBOW NA7004/Specialでは、搭載されるDLNA機能を使いLAN経由で音楽ファイルを取り込んだり、USBメモリーを直接本体に装着したり、あるいはNordostのBlue heavenのような高音質USBケーブルを使うことで、CDをリップした音源からもCDと違和感のない良質な音楽が再現されることがわかった。普通のオーディオに増して、PCオーディオは奥が深い(難解である)。

次にメーカーそれぞれの機器の作り込みに対する「考え方の違い」が音に出たように感じられた。
RATOCはPCの付属品として考えられ、コンパクトなボディーに必要十分の機能を納めている。音質も癖がなくデーターを淡々とアナログに変換している感じだ。

Antelope Audioは、OCXのメーカーらしく「アナログ的な音作り」が特徴とする。特にUSBではなくS/PDIF接続でその良さはより強く発揮される。透明感が高く、滑らかなその音質はレコードを彷彿とさせた。

Luxmanは老舗のオーディオメーカーらしく、リッチな音を聞かせる。オーディオマニアがうならされるのは、Luxman DA200に違いない。ツボを心得た音作りだ。アナログ・プリアンプとしての機能もおまけではなく、十分使える音質で「高級オーディオメーカーが作り上げた良品」という感じひしひしと伝わった。言い換えるなら、高級料理店の「お得な昼定食」といった感じだ。

marantzの音はカジュアルだ。無理しない自然で軽い雰囲気の音は、万人に好まれるだろう。Luxmanが晩酌なら、marantzは午後の紅茶。IpodやUSBメモリーとの接続やDLNAの搭載に加え、インターネットラジオチューナの搭載など「PCとは切り離した存在を目指している」のが、この製品からは伝わってくる。NA7004はPCオーディオ・マニアではなく、従来からの音楽ファンに向けて作られたのは間違いない。第一号機でこれほどまでの完成度に仕上げたら、次はどうするのだろう?それが心配になるほど素晴らしい製品だった。

Oliveは完成度の高いミュージックサーバーだ。使い勝手、インター・フェイス(GUI)は、非常に高度に煮詰められており、説明書を読まなくてもほとんどの操作が可能だ。タッチパネルも使いやすく、PC+USBのプレーヤーとは全く次元が違う。オーディオ機器の仲間に入れて何の問題もない。音質も操作系同様高度に煮詰められていて、オーディオ的に聞いても音楽的に聞いても全く問題のない素晴らしい音を出してくる。唯一の問題は「音を変える」ができないことだ。出る音をそのまま聞く、それがOliveのスタイルだ。それを「楽」と感じるか?「窮屈」と感じるかで、Oliveの評価は二分されるだろう。

ディスクレス・オーディオのテストは項目が非常に多く、はっきりいって大変疲れる。考えないといけないことも多い。それでも、テストを続けられるのは「未知の興味」がそこにあるからだ。面倒だけれどついつい手を出してしまう。不思議な魔力がそこにある。そういう方向から今一度製品を見直すと、完全にオートマチックなOlive 3HDは、非常に音が良いが底が浅く興味が満たさない。そういう意味で3HDはPCオーディオ機器ではなく、CDを録音できるCDプレーヤーだ。Luxman DA200は、ピュアオーディオメーカーの製品らしく、音質も使い勝手オーディオ的で標準的なオーディオマニア向きと言える。Antelope Audio Zodiac+もそれに違いが、ずっとマニアックだ。marantz NA7004は、インター・フェイスが豊富でいろいろな使い方ができる。最大の特徴はPCレスで音楽を聴けることだで、ネットワークプレーヤー(ディスクレス・プレーヤー)として理想的に仕上がっていると思う。RATOC RALシリーズの製品はPCとの親和性が高く、オーディオと言うよりは「クラフト(自作派)」向けの「パーツ」に近いイメージだ。

ハイエンドだけがもてはやされ機器の価格がうなぎ登りを続けたあげく、庶民が全く手の届かなくなってしまったオーディオ機器の「1/10」程度の価格でディスクレス・オーディオは楽しめる。それは大変喜ばしいことだ。すくなくとも「安くてうまい!」物好きな逸品館にとっては「Well come!」の製品だ。

オーディオには簡単にいい音を出す以外にも、様々な角度からの楽しみがある。頭で考えてそれを現実にするのも良いだろう。人と違うアポローチでいい音を狙うのも良いだろう。最終目的は「納得(自己満足)」しかない。だからこそ、オーディは楽しくやりたい。今後もいち早くオーディオ、ホームシアターの情報発信に努めたいと思う。

2010年12月 清原 裕介

 

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