アナログ入力
中高域の透明感が高く、ピュアオーディオアンプのような素直で伸びやかな音に仕上がっている。32bitの良さなのか?解像度もかなり高く、従来の製品よりも飛躍的に音質が改善しているのが一聴してすぐにわかる。買い換えなら、アンプを入れ替えて音を出した瞬間に「違い」が感じ取れるだろう。
低音は10万円〜15万円程度のプリメインアンプの標準とほぼ同じイメージで、ほどほどに伸びていて十分。大型プリメインやセパレートアンプ並みの低音を求められるなら、サブウーファーの助けが必要だ。楽器の音色の変化は、鮮やかで美しい。躍動感も十分で、従来のPioneerのAVアンプから音質を想像すると、良い意味で完全に裏切られる。
残念なのは音の広がりが少し窮屈に感じられることだが、それでも従来モデルよりは大きく改善し、問題ない立体音響が得られる。総じて昨年登場しその音質に驚いたA-6MK2、A-9MK2と非常によく似た音質に仕上げられており音楽を十分楽しめる。ペア30〜50万円くらいのスピーカーと組み合わせても、十分な能力を発揮しそうだ。見た目も立派で好印象だ。
HDMI入力
最高域の伸びやかさはアナログ入力にやや譲るが、それは組み合わせたAIRBOW
UD8004/Specialの出力音質が優れているためで、接続方法による違いではなさそうに感じられる。それにくらて量感と厚みがやや後退した低域の差は、入力の違いによるかも知れない。
アナログ入力の音と比べ、ほんの少しだけ解像度が低く感じられることがあるが、アナログ入力同様にS/Nが高く透明感のある美しい音に仕上がっている。デジタル入力の音がこれだけ良ければ、HDDレコーダーやCATVチューナーとの組み合わせでも十分満足できる音質が得られるはずだ。
AVアンプを使うときにはアナログ入力とHDMI入力の両方を繋ぐことをお薦めする。そうすれば、アナログとデジタルで音色の違いを楽しめるしプレーヤーが対応していればデジタル出力できないDVDオーディオやSACDを聞くこともできるからだ。また接続には良質なHDMIケーブル、アナログケーブルを使われることをお薦めしたい。なぜなら、ケーブルへのこだわりを生かせる能力をSC-LX83は十分に与えられていると思うからだ。
iPod Nano (MP3/320Kbps)
HDMI入力で聞くCDに比べると音の鮮度が少し後退するが、十分な音質で音楽を楽しめる。BGM的に聞き流すなら、CDとの違いはわからないだろう。たとえば、友達が家に来て持っているiPodの音をその場でSC-LX83に繋いで聞かせたら、友達はきっと目を丸くして驚くだろう。それくらいグレードの高い音が出る。SC-LX83に限らず、iPod(MP3/320Kbps)を繋いで出せる音質の向上には本当に驚かされる。