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SonusFaber ソナスファベル Chameleon カメレオン B / T AIRBOW IMAGE11/KAI3 音質比較試聴テスト 販売 価格AIRBOW(エアボウ) SingingBox5 HD-AMP1 Special 音質 比較 試聴テスト 最近、ペア5万円以下のブックシェルフ型スピーカーと5〜10万円クラスのネットワーク/USB入力対応小型プリメインアンプがよく売れています。そこで今回は、その価格帯で人気が高く、「クラスD」のパワー素子を搭載する「DENON DRA-100」と「marantz HD-AMP1」、さらに同じく「クラスD」のパワー素子を搭載する、AIRBOWカスタムモデルから、HD-AMP1に価格が近い「SingingBox5(M-CR611カスタムモデル)」とHD-AMP1のパーツを約130個交換して音質を大幅に高めた「HD-AMP1 specila」を、「USBメモリー」に収録したMP3/320bps、WAV 44.kHz/16bit、88.2kHz/24bit,DSD/2.8MHzの各音源で比較しました。 DENON DRA-100 35bit精度の「Advanced AL32 Processor」が搭載され、入力されたデジタル信号は内部でハイレゾ化されます。入力された信号はデジタル信号のまま、35W/8Ω(70W/6Ω)のデジタルパワーアンプに伝送されます。LAN(有線/無線)によるネットワークへの接続、Bluetoothによる対応機器への接続に対応します。USB-A端子を装備し、USBメモリー/i-pod/スマートフォンなどとの接続には対応しますが、PCとのUSB接続は行えません。対応するデーターは、PCM 192kHz/24bit、DSD/5.6MHzまでとなっています。 メーカー希望小売価格 \110,000(税別) (このアンプのご注文はこちらからどうぞ) marantz HD-AMP1 高級プリアンプのために開発された高度なバッファアンプ(プリアンプ)回路「HDAM-SA2」が搭載され、入力されたデジタル信号は内部でアナログ化され、「HDAM-SA2」を経由した後、35W/8Ω(70W/6Ω)のデジタルパワーアンプに伝送されます(DRA-100と出力は同じですが、パワーアンプの素子は違います)。ネットワークへの接続二は対応せず、USB-B端子によるPCとの接続に対応染ます。また、USBメモリー/i-pod/スマートフォンなどとの接続には対応する、USB-A端子も装備されています。対応するデーターは、PCM 384kHz/32bit、DSD/11.2MHzまでとなっています。 メーカー希望小売価格 \140,000(税別) (このアンプのご注文はこちらからどうぞ) AIRBOW SingingBox5 有線/無線 Ethernet、2系統のUSB入力、FM/AMチューナ、CDドライブを備えるオールインワン・ネットワーク対応CDレシーバー marantz M-CR611のパーツを61個交換して高音質化した、AIRBOWカスタムモデルです。ボディーは小さいですが、AIRBOWならではのHi-Fiグレードの新開発パーツの投入、妥協のないサウンドチューニングにより高音質を実現します。また、このモデルは、Bluetooth+NFCペアリング機能を搭し、AirPlayにも対応しているためiTunesやiPod touch、iPhone、iPadからローカルの音楽ファイルやApple Musicライブラリをワイヤレスで再生することができます。AndroidやPC、NASからのネットワークミュージックストリーミング(DLNA 1.5準拠)は192kHz/24bitのハイレゾ音源やDSD(2.8 MHz)に対応するほか、iPod/iPhoneやUSBメモリー/HDDに対応するUSB入力をフロントとリアに1つずつの合計2系統を装備します。さらにCDプレーヤー、「ワイドFM」対応FM/AMチューナー、2系統の光デジタル入力も備えており、多彩なソースのすべてをAIRBOWの高音質で楽しむことができます。 販売価格 \115,740(税別) (このアンプのご注文はこちらからどうぞ) AIRBOW HD-AMP1 Special marantz HD-AMP1のパーツを129個交換して高音質化した、AIRBOWカスタムモデル。129個ものパーツ交換は熟練工が作業しても、丸一日かかります。妥協を許さない、この徹底的な高音質化により、50万円クラスの大型プリメインアンプに匹敵視する高音質が実現しています。 販売価格 \242,712(税別) (この製品のご注文はこちらからどうぞ) 試聴環境 スピーカーには、このクラスのアンプに相応しいモデルとしてaudiopro FS20(Piano Black)を選びました。このスピーカーは、比較的低価格ながら高音質とスタイリッシュなデザイン、レザーとピアノブラック塗装を組み合わせた美しい外観を持っています。 audiopro FS-20(PianoBlack) audiopro FS-20のピアノブラック仕上げモデルです。ウォールナット仕上げのFS-20の表面は「木目の塩ビシート」ですが、Piano Blackは楽器に使われる「ラッカー仕上げ」が使われています。キャビネットの仕上げが違うと当然音質も変わります。Piano Black仕上げのFS-20は、ウォールナット仕上げと比べキャビネットの響きが美しく、音の純度が高く濁りも少なくなります。価格差は2万円(ペア・税別)ですが、それを大きく超える価値があります。このモデルは、逸品館が100セットを一括してaudioproに発注して販売しています。
メーカー希望小売価格 \140,000(ペア・税別) (この製品のご注文はこちらからどうぞ) テスト概要のご紹介動画
試聴ソフト (データはすべてWAV形式。CDのリッピングは、44.1kHz/16bitです。)
試聴後感想 今回聞き比べた4機種のアンプの中では、HD-AMP1 Specialが音源の品質により音質が最も左右されにくく、常によい音で音楽を楽しめました。対照的にDRA-100は音源の品質によって再現される音が比較的大きく変わり、ソフトを選びます。私なりの考えで「それ」を説明しましょう。 「エレキギター」は、アコースティックギターと違って「共鳴部(胴鳴り)」が格段に小さいため、ギターそのものから生み出される「響き」に、ギターアンプ(ギターヘッド)やエフェクターで、さらに「響き」を付け加えて音に「複雑さ」を与えます。つまり、エレキギターでは「電気回路が生み出す響き」も楽音の一部として積極的に取り入れられているのです。 この考えは、オーディオ機器に当てはまらないでしょうか? アナログ回路に比べて「歪み」が小さい「デジタル回路」では、回路そのものが発生する「響き」が少ないのでソースに対する忠実は高くなりますが、回路が生み出す響きが楽音を補助しません。しかし、HD-AMP1に搭載される複雑なアナログ回路「HDAM-SA2」は、その回路が生み出す響きにより、エレキギターのアンプと同じように、音源を「原音」よりリッチな音で再現することができるのです。 これに対して、「歪み」の原因となるアナログ回路を極力廃した、フルデジタルアンプのDRA-100は、価格の割に音の純度が高く、低音もリニアな代わりに、ソース(音源)の善し悪しが、ダイレクトに音質に反映されます。結果として、ソフトをかなり選び、心地よく聞けるソフトが限られてしまいます。これは、ICが多用されコストのかさむ複雑なアナログ回路がほとんど使われない、低価格なオーディオ機器にも通じることです。 あくまでも入力に忠実に、良い音源はよい音で、悪い音源は悪い音で再現する。それは一つのオーディオの考え方だと思います。けれど、世の中に存在する「ソフト(デジタル以外の古いソフトも含める)」の大部分は「理想的な音質」で録音されているのではありません。むしろ、そのほとんどが「悪い音」なのです。 私は、良い音源はよい音で、悪い音源でも良い音で再現できるのが最高級のオーディオ機器だと考えています。なぜならば、演奏の善し悪しを録音の可否によらず伝えられる所に高級機の価値があると思うからです。だから高級機には、「響き」という付加価値を持たないデジタル回路よりも、むしろ「歪み」という味わいを持つアナログ回路がより相応しいと考えています。真空管アンプが現代に生き残っているのも、ギターアンプ(ギターヘッド)に真空管が多用されるのも、結局は「真空管が生み出す響き」を人間が「美しい(好ましい)」と感じるからでしょう。 こういう考えから、最新型アンプをデジタル一辺倒にせず、デジアナのハイブリッドにしているmarantzは「伝統の音作りをわかっている」と感じます。しかし、ノーマルのHD-AMP1は量産と価格の限界で、生み出される響きが完全ではなく、それが「音の濁り」を生み出していました。 HD-AMP1 Specialは、この優れた「HDAM-SA2」が持つ本来の能力を完全に発揮させるため、交換可能な回路のパーツ(電源用コンデンサーとフィルター用コンデンサー)の全数を交換し、音の美しさに磨きを掛けています。さらその美しさを躍動させるエネルギーの源である、デジタルパワーアンプ・モジュールや主電源回路も徹底的に強化改良を加え、この小さなコンポーネントから高級アンプに匹敵しうる音質を発揮させることに成功しています。 最近は、若者のイヤホン離れが進んできたのか、低価格で小型のプリメインアンプやペア数万円程度のブックシェルフ型スピーカーがよく売れています。一昔前(2000年以前)と比べると、デジタル技術と音響機器測定装置・シミュレーションソフトの進歩が、このような低価格コンポーネントの音質を飛躍的に高めました。しかし、marantzのような「伝統に培われた音作りのノウハウ」を持っていなければ、音は良くとも音楽に感動できない製品になります。そういう音で音楽を聞いていては、いつまでたっても演奏家の魂に手(耳)が届きません。 これから本格的に音楽を聞き始めようとするお客様が購入することの多い「バリュー価格帯」の製品こそ、専門店の「物選び(セレクト)」は慎重に成されるべきだと思うのです。 2016年3月 逸品館代表 清原裕介 |
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