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705 Signature , 702 Signature8300XP , 8300MBSnapperB&W 700 シリーズ・シグネーチャーモデル
705 Signature/702 Signature 音質チェック
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B&Wから700シリーズのシグネーチャーモデルが発売されました。
B&W 705 Signature メーカー希望小売価格 353,000円(ペア・税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
B&W 702 Signature メーカー希望小売価格 662,000円(ペア・税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
製品の概要
2020年7月31日、英B&Wのスピーカー“700シリーズ”のSignatureバージョン、フロアスタンド型「702 Signature(331,000円税抜・1本)」とブックシェルフ型「705 Signature(353,000円税抜・ペア)」が発売されました。
どちらのモデルも、B&Wが発売する「Signature」モデルに恥じないよう、特別処理でアップグレードされたMundorf社製シグナルパスコンデンサー、より大きなヒートシンクを搭載し、さらに702 Signatureはネットワーク・クロスオーバーの低域側フィルターにアップグレードされたフィルターコンデンサーを装備することで通常モデルよりさらに解像度を向上させ、音の細やかさと立体的な空間表現力をリファインしたとされています。
搭載されるツィーターはユニットは同一ながら、通常モデルの亜鉛ボディを削り出しアルミニウムボディーに変更し、より強固で共振の少ない構造を実現、最上級モデル“800 Series Diamond”に使われるデカップリング・メカニズムを採用し、通常モデルを凌ぐ透明感を実現したとされています。
それぞれのユニットは通常モデルと共通です。
B&Wが「カーボンドーム・ツィーター」と呼ぶ700シリーズに採用されるツィーターは、振動板に「表面をカーボンのPVD(物理的気相蒸着)コーティングで強化した30ミクロンのアルミニウムドーム(上図中央の黒いドーム)」を使用し、この振動板の外周形状に一致するように整形された「300ミクロンのカーボンリング」が接着される2つのセクションでの構成になっています。
振動板とボイスコイルが接続する部分を強化することにより、B&Wは不必要に質量を大きくすることなく47kHzの高域一次共振周波数が得られ、アルミドーム型ツィーターよりも高い剛性と低ひずみ特性が実現されると主張します。
705 Signatureは、シルバーのテキスタイル素材を使う165mmコンティニュアムコーンドライバーが搭載されます。
702 Signatureのミッドレンジは、上級モデルで使われる「FEA(Finite Elemente Method):有限要素法による最適化のアルミニウム・シャーシ」を使用した150mm専用ミッドレンジFSTドライブユニット(ウーファーのエッジが見えないユニット)が搭載され、ウーファーにも上級モデルのウーファー形状をアレンジして採用することで、低音のパフォーマンスが劇的に向上したというした、エアロフォイル形状の「EPS(expanded polystyrene):内側/外側にスキンを貼った複合構造」165mmドライバーを3基搭載しています。
仕上げはシグネチャーモデルにふさわしい特別な「Datukグロス・エボニーの木目仕上げ」が採用されています。この仕上げは、プライマー、ベースコート、ラッカーを含む9層のコートで構成され、深みある光沢の外観を形成します。さらに、この特別な仕上げの質感に合わせたシルバー仕上げのトゥイーターグリルと、ユニットの周りにメタルのトリムリングを装備するミッドレンジとミッド/バスコーンが採用されます。背面パネルには、専用のシグネチャーモデルプレートが装着されています。
これほどまで入念な「チューンナップ」が行われるSignatureモデルだから、これまでは通常モデルの1.5倍以上の価格が設定されていました。しかし、今回の700 Signatureモデルは、705S2ローズ仕上げ:320,000円(ペア)に対して、705 Signatureが353,000円(ペア)、702S2 ローズ仕上げ:630,000円(ペア)に対して、702 Signatureが662,000円(ペア)という、驚きの安さなのです。この価格差なら、「仕上げの違い」ですらコスト割れするはずです。とにかく、今回の700 Signatureモデルは、通常モデルと同じ音だったとしても仕上げの良さだけで「絶対買い!」の超々お買い得なモデルに間違いありません。
試聴環境
今回は、安定の高音質と使い勝手の良さを実現してくれる、AIRBOWミュージックPCから「AIRBOW MBN-N54 LTD」を選び、それに低価格でありながら驚くべき高音質を実現している、音量可変出力付きUSB-DAC(ヘッドホンアンプ)AIRBOW HD-DAC1 Specialを組み合わせ、audiolabのステレオ「8300XP/320,000円」とモノラル「8300MB/200,000円・1台」の2種類のトランジスター方式パワーアンプ、さらにMANLEYのモノラル真空管アンプ「Snapper/スナッパー/640,000円・1台」をプリアンプを使わずに接続して聞き比べを行いました。
AIRBOW MBN-N54LTD 販売価格 385,000円(税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
内蔵するSSDに記録した音楽ファイルを「PCM 44.1KHz/16bit → 176.4KHz/24bit」、「PCM 192KHz/24bit → 192KHz/24bit」と、HD-DAC1 Speciaに入力できる最高の品質へ「リアルタイムアップコンバート」してUSB入力しました。
音楽専用OS「MsHD」を搭載するAIRBOW ミュージックPCは、USB-DACとの接続に専用のドライバーをダウンロードする必要がないなど、WindowsやMacよりも遙かに使いやすくなっています。オーディオ向けに作られたサーバー機などは画面の表示面積が小さく、またキーボードやマウスが接続できないため選曲などの操作がもどかしいのですが、PCと同様の操作を受け付けるAIRBOW ミュージックPCなら、操作性だけではなくレスポンスの速度も問題にならないくらい早くとても便利です。
音楽再生専用に作られているAIRBOWミュージックPCは、音質が良いのはもちろんのこと、見た目から感じるよりも遙かに使いやすく、その操作を一度習得すると、他の機器はもう使えません。
AIRBOW HD-DAC1 Special 販売価格 150,000円(税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
15万円(税別)とUSB-DACとしてはそれほど高くありませんが、AIRBOW ミュージックPCとの組み合わせると、50万円〜100万円クラスのオーディオサーバーとUSB-DAC、あるいは高価なCD/SACDプレーヤーを凌ぐほどのきめ細やかさを発揮します。
本来は、ヘッドホンアンプとして作られている本機ですが、搭載される高級プリアンプ専用にmarantzが開発した「HDAM-SA2」を徹底的に高音質化していますので、パワーアンプを直接繋いで驚くほどの高音質をお楽しみいただけます。
今回、3種類のパワーアンプとの組合せで聞くことができた705/702 Signatureの立体(3D)的な音場空間の広がりと、充実した中低音、弾けるようにエネルギッシュな音楽再現が実現したのは、AIRBOW HD-DAC1 Specialの実力を抜きにしては語れないでしょう。HD-DAC1 Specialが再現する生々しく力強い音質を体験すれば、これ以上高価なUSB-DACは不要と感じられるかも知れません。
audiolab 8300XP メーカー希望小売価格 320,000円(税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
出力 140W(8Ω)のトランジスター方式ステレオパワーアンプ。最近はこの価格帯で「良い製品」がなかなか見つかりませんが、このアンプは自信を持っておすすめできます。
「解像度と分離感」の高さ。中低音の力強さ、大きく広がる立体的な音場空間などは、同価格帯のプリメインアンプでは実現しないレベルだと音が出た瞬間に感じます。音質が優れているだけではなく、色づけの少ない癖のない音で、音楽が生き生きとストレスフリーに再現されるのは、さらにおすすめなポイントです。
設定スイッチを切替えれば、480W(8Ω)のモノラルアンプとしてお使いいただけ、後々の「アップグレード」も容易です。
audiolab 8300MB メーカー希望小売価格 200,000円(1台・税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
ステレオパワーアンプ8300XPと同様の回路を採用し、モノラルとすることで出力を250W(8Ω)に高めたモデルです。
動画の撮影時には、「新品」だということを知らなかったのですが「音の深みが足りない」ので、ステレオモデルの8300XPがより高音質と判断しました。しかし、返却後に輸入代理店に確認すると「今回試聴した個体が完全な新品であった」とわかりました。
今回は、本領を発揮できなかったのですが、モノラルアンプならではの高音質と250Wの大出力をこのサイズと重量、さらに20万円/1台という価格で発揮することを考えれば、Bi-Amp駆動可能なスピーカーと組み合わせ「一つのユニットに一つのアンプ」という理想的なシステムを構築することも夢ではありません。また、高音質AVセンターと組み合わせて本格的なサラウンド(Dolbyアトモス)用のパワーアンプとして使うのも究極の贅沢だと思います。
MANLEY Snapper メーカー希望小売価格 1,300,000円(ペア・税別) (現金で購入)・ (カードで購入)
1980年以前には、圧倒的な高音質を実現する「真空管パワーアンプ」が存在しました。しかし、21世紀に「そういう音質を実現するため」には、すでに生産が行われていない「真空管アンプ専用のパーツ」を自社生産する必要があります。MANLEYは、自社でトランスを設計製造できる実力を持つ数少ない真空管アンプ専業メーカーの一つですが、さらに放送局やプロダクション、著名なミュージシャンのスタジオへの多数の納入実績を持っています。価格こそ「真空管という見かけを売り物にしているだけのオーディオ専業メーカーの製品」よりも割安ですが、聞けば瞬間に理解できるほど圧倒的に音が良いアンプを作っています。
EL34を8本使い、UL(ウルトラリニア)パラレル・プッシュプルで100Wという大出力を実現する「Snapper」は、真空管アンプとは思えないほどの「引き締まった中低音」をB&W 702 Signatureから引き出します。さらに、やや平面的で単調に聞こえがちなB&Wの癖を見事に補い、702 Signatureから息をのむようなライブな音質を引き出してくれました。
世の中には「高いだけの真空管アンプ」があふれています。Snapperを聞けば、それらが「偽物」だとお分かりになるはずです。
真空管なのに立ち上がりが早く、過度な響きを発しない。トランジスターアンプ顔負けの豊かな低音。真空管ならではの滑らかで透明な高域。そして驚くほどパワフルな中域。真空管、トランジスターという枠組みを外しても、こんな「低価格」で、これほど「パワフルで楽しい音質を実現するアンプ」は、他に見つからない思います。Snapperは、お気に入りのアンプです。
「705/702 Signature 聞き比べ」
「AIRBOW ミュジックPC MBN-N54LTD → AIRBOW USB-DAC HD-DAC1 Special → audiolab ステレオパワーアンプ 8300XP」のシステムで、705 Signature、702 Signatureを交互に聞き比べました。
バッハ:無伴奏パルティータ第2番 、リザ・フェルシュトマン
バイオリンだけのこの曲では、中高域の透明感と立体感(音の広がり)の違いなどが確認できます。705と702で「会場の広さ」が違って聞こえる部分が注目です。
オベレック第2番、五嶋みどり ロバート・マクドナルド
バイオリンにピアノが加わったことで、1曲目では聞き取れなかった「低音部分」の違いが確認できます。グランドピアノの音の違い、バイオリンとピアノの距離感などを聞き比べてみて下さい。
スタートレック メインテーマ、エリック・カンゼル指揮
フルオーケストラのこの曲では、スケールや情報量(楽器の数)の違いなどが確認できます。702の方が楽器の数が多く聞こえ、演奏そのものがダイナミックに聞こえることを確認して下さい。
クラシックを3曲選んだのは、楽器の数を徐々に増やして聞き比べることで、705/702が持っている「表現力の違い」が確認していただけると思います。
モナリザ、グレース・マーヤ
ギターとボーカルで構成されるシンプルなこの曲では、定位のシャープさと音の濁りの少なさ、音楽的な表現力(艶っぽさ)などが聞き比べられます。音源の数が少ないこのような曲では、705の透明感の高さと定位の良さが魅力的に感じられます。
LOVE、ダイアナ・クラール
ハイレゾのこの曲では、音の純度の高さや、楽器の分離感、低音の量感の違いなどが確認できます。同じようなジャンルの曲ですが、ピアノやドラム、ウッドベースが追加されたことで、低音がより良く出る702の方が魅力的に聞こえると思います。
地獄へ道連れ、クイーン
低音のパンチ力、リズム感の良さ、エネルギー感など、Rockを鳴らすために必要な要素を確認できます。705はリズムの良さ、702は低音のパンチ力が魅力的です。
You & I、レディー・ガガ
エネルギー感や躍動感、生々しさが比べられます。この曲では、低音がより良く出る702のライブ感が魅力的に引き出されました。
「705 Signature 徹底試聴と、audiolab 8300XP/MB鳴らし比べ」
スピーカーを705 Signatureに固定して、Bi-Amp入力スピーカー端子への給電方法(たすき掛けの是非)とaudiolabのステレオ/モノラルパワーアンプの聞き比べも行いました。
The Water is Wide、カーラ・ボノフ
この曲では、まず4通りの「スピーカーケーブル接続比較」を行いました。
プラス・マイナス両方を 下側の端子に接続 |
プラス・マイナス両方を 上側の端子に接続 |
プラス:下 マイナス:上に接続 |
プラス:上 マイナス:下に接続 |
さらに素尾i-カーケブルの接続は「プラス:下、マイナス:上に接続」のままで、ステレオパワーアンプ「8300XP」とモノラルパワーアンプ「8300MB」を聞き比べました。
地獄へ道連れ、クイーン
ステレオパワーアンプ「8300XP」とモノラルパワーアンプ「8300MB」を聞き比べました。
Den Signade Dag、カンターテドミノ
ステレオパワーアンプ「8300XP」とモノラルパワーアンプ「8300MB」を聞き比べました。
アントニオの歌、アナ・カナン
システムを「MBN-N54LTD → HD-DAC1 Special → audiolab 8300XP(ステレオ)」に固定して、4曲をじっくりと聞き比べました。この曲はとても録音に優れたソフトです。705 Signatureの透明感あふれる高音質をお楽しみ下さい。
枯葉、寺井尚子トリオ
寺井尚子さんが奏でるバイオリンの表現力と、日本人離れしたウッドペースのリズムの良さが聞き所です。
a Love Song、エゴ・ラッピン
録音の良い日本の音楽です。Signatureモデルならではの「自然な雰囲気の良さ」が伝わるでしょうか?
Happy、ファレル・ウィリアムス
世界的に大ヒットしたPOPSです。705 Signatureの分離感、音離れの良さが光ります。
「702 Signature 徹底試聴と、トランジスター/真空管 パワーアンプ鳴らし比べ」
702 Signatureを徹底試聴します。アンプには、ステレオ・トランジスターパワーアンプ「audiolab 8300XP」と真空管・モノラルパワーアンプ「MANLEY Snapper」を聞き比べます。AIRBOWの純銀製ジャンパーケーブルも聞いてみました。YouTubeへのアップロードに問題が発生したため、5曲を鳴らした「前半」と1曲ずつ6曲を鳴らした合計7つの動画に分かれています。
AIRBOW Silver Jumper VT バナナ 販売価格 20,000円(4本・税別)
AIRBOW Silver Jumper VT Yプラグ 販売価格 18,000円(4本・税別)
スタートレック
メインテーマ 「ジャンパープレート交換」 付属品ジャンパープレートをAIRBOW Silver Jumper VT(純銀単線ジャンパー線)に交換して音質を比較しました。その後、純銀ジャンパー線のままで、パワーアンプを真空管・モノラル「MANLEY Snapper」に変更して音質の違いをチェックしました。 17th Century Canon、ウインダムヒル audiolab 8300XPとMANLEY Snapperを聞き比べました。 But Beautiful、グレース・マーヤ audiolab 8300XPとMANLEY Snapperを聞き比べました。 バッハ無伴奏バイオリンパルティータ audiolab 8300XP トランジスター・ステレオアンプで試聴 Nature Boy、ニーナ・フローリン audiolab 8300XP トランジスター・ステレオアンプで試聴 |
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Waiting
All Night、エラ・エアー
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
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バッハ
バイオリンコンチェルト
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
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L.O.V.E.
ダイアナ・クラール
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
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Happy、ファレル・ウイリアムズ
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
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真夏のカルメン、coba
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
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パラダイス、シャーデー
MANLEY Snapper 真空管・モノラルアンプで試聴 |
試聴後感想
B&Wの上級モデルは「ダイヤモンド振動板のツィーター」を搭載します。解像度は高く音は良いのですが、その音色は好みではありません。ダイヤモンドの振動板の音色がコンティニュアム・コーン(Continuum cone)を使うスコーカーやウーファーと比べ、硬質すぎてユニットの音色が繋がらないように感じるからです。時には、ツィーターだけ別な楽器が鳴っているように感じるほどです。
ところが700シリーズ Signatureモデルに使われている「カーボンツィーター」は、コンティニュアム振動板と非常に相性が良く、今まで発売されたB&W Signatureモデルの中でも特別にナチュラルでストレスのない音を聞かせてくれます。この価格で、これだけの音質を持つHiFiスピーカーは、他に類がないとさえ思えるほどの仕上がりです。そして、この価格!
従来のB&Wに不足していた「表現力、艶やかさ」を備え、文字通り「才色兼備」となった700 Signatureモデルは、発売直後から、日本のみならず全世界で大ヒットしているそうです。
705と702を比べると、低音が良く出る分「702」がスケール感と躍動感豊かに音楽を聞かせてくれます。今回のベストマッチアンプ「MANLEY Snapper」では、真空管アンプ+バスレフとは思えない引き締まった低音を聞かせてくれました。またSnapperは、解像度感や透明感、明瞭度を一切犠牲にすることなく、B&Wに不足しがちな響きと艶やかさだけを補ってくれて、これ以上のスピーカー、これ以上のオーディオはいらないと思えるほどの素晴らしい音を聞かせてくれました。久しぶりに、試聴と言うことを忘れてずっと音楽を聞いていたいと思ったほどです。
今回のベストサウンドは、702とSnapperの組み合わせで聞いた「真夏のカルメン」でした。1曲前に聞いた「Happy」が世界的な大ヒット曲だったにも関わらず、それを圧倒的に凌ぐ原色の鮮やかさが引き出され、世界的なアコーディオン奏者「coba」氏の実力の高さを見事に再現してくれました。
705は、重低音こそ702に譲るもののブックシェルフ2wayならではの定位の良さ、透明感の高さを十分に発揮し、小音量やスモールルームで使うときには、702よりも優れたところが多いという印象を与えてくれました。中でも左右スピーカーの中央に女性ボーカルが浮かび上がる様は、さすがB&W Signatureモデルの実力に恥じない素晴らしさと驚かされました。
705/702の聞き比べに付随したテストでは、スピーカーケーブルの接続は「プラスを上、マイナスを下」が最もバランスの良いこと、附属ジャンパープレートの交換で音質はさらに向上することなどがわかりました。
今回使ったシステム「AIRBOW HD-DAC1 Special + audiolab パワーアンプ」のセットは、ステレオモデルならセットでも「
40万円(税込)」を切るほどの価格ですが、同じ価格で購入できるCD/SACDプレーヤーとプリメインアンプを圧倒する素晴らしい音質を発揮してくれました。これも嬉しい驚きでした。
そして、HD-DAC1 SpecialとSnapperの組み合わせときたら! 表現するための言葉が出ないほどの素晴らしい音質だったにもかかわらず、その価格は同じ音質を実現する「ハイエンドオーディオ」から比べると、半額どころが1/3ほどの価格でしかなかったのです。
705/702 Signatureのみならず今回試聴したシステムは、諦めていたはずの「高音質」を手を伸ばせば届くくらいの価格で実現してくれるという「夢」を見せてくれたのでした。
2020年9月 逸品館代表 清原 裕介
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