ティグロン TIGLON マグネシウム スピーカーベース PA−07 PA−13 PA−20
(マグネシウム スピーカースタンド MGT−50S MGT−50W MGT−60S MGT−60Wはこちら)
新しい時代のスピーカーベース「ティグロン PA-10」を検証! |
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マグネシウムスピーカースタンドを開発した、ティグロンがまたまた面白い製品を開発してくれました。なんでも従来のスピーカーベースは20年前以上前にコンセプトが出来上がったものなので、そろそろ新世代の製品を・・という要望から開発したのだということです。確かにスピーカーベースと呼ばれるものは、スピーカーを高く上げるのが目的で、音質を向上すると謳った製品は見かけたことがありません。絨毯にコーリアンボード(DCB354513)を敷き、その上にインシュレーターやティグロンのベース(PA-13)を挟んで音質の変化を試してみました。スピーカーはQUAD 21Lを試聴しました。なぜ選んだかというと、スピーカーの高さが80cm足らずと背が低いため、少しでも高さをあげてやると音がよくなるのではないかと思ったから、という単純な理由です。 コーリアンボード+WOODBOY/K 音の重心が下がり、一音一音の分離感が格段に上がる。声のヌケが良くなり、ボーカルが中央にきちんと定位するようになった。しかし淡白で生気がないような印象を受けました。 コーリアンボード+PA-13(縦置き) 透明度とエッジの鋭さは少し落ちるような気がするが、低音が劇的に増える。本当に歌い手が腹の底から声を出しているように聞こえる。また直接音だけでなく間接音もよく聞こえるようになり、奏者の息づかいがわかるようになった。 コーリアンボード+PA-13(横置き) 縦置きでは、スピーカーとの間にWOODBOYを3点支持して置くことが出来ないので、試しに横置きにおいてみました。それが大成功!やや暗かった雰囲気が晴れて明るくなりピアノの音が良く弾む。ボーカルも若々しく歌っている。ただ横置きにしただけなのに、こんなに感じが変わって聞こえるとは・・このベースの設計思想である「新しい時代」のという意味が分かったような気がしました。 コーリアンボード+PA-13(縦置き)+WOODBOY/K もうこれで十分満足したのでこれ以上は・・と思いつつも、念のためWOODBOYを挟んでみた。透明度が上がり音の輪郭はくっきりとするが、音の統一感がなくなり音がバラバラに鳴っているような気がする。さっきまでの歌い手の豊かな表情はどこへ行ったのか?MGTのスタンドでも同様の結果であったが、ベースの強度とインシュレーターのピンポイント支持の効果を合わせ持つ、かなり完成された製品であることがわかった。 結論 スピーカースタンドでもそうでしたが、ティグロン製品はAIRBOW製品と同じく、厳密な試聴の上に組み上げられていることがWOODBOYを上に載せたときに分かりました。たいていは音の良い製品同士を組み合わせると相乗効果を生み出すのですが、このメーカーの製品はそれをはね除けてしまったのです。それほど完成度が高い(おそらく、ネジの材質から締め付けトルクまで厳密に試聴している?)製品だと心から感じ取りました。背の低いスピーカーを持ち上げるという従来のベースとは異なり、「スピーカーの下に敷く」だけで音質が大幅に向上する。製作者が「新しい時代のスピーカーベース」と言うだけあってすばらしい出来の製品でした。 |
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2006年 7月 逸品館オーディオ担当 松田 |