MITSUBISHI LVP-HC5000

MITSUBISHI LVP-HC5000

家庭用プロジェクターの老舗、MITSUBISHI/三菱よりフルスペック・ハイビジョン対応の液晶プロジェクター
“LVP-HC5000”が発売されました。

逸品館では1号館に展示中です。現在在庫があり、即納できます。

気になるEMP−TW1000との画質比較はこちら(12月7日掲載)

(この商品のご注文、価格のお問い合わせはこちら)

LVP−HC1100、LVP−HC3100の情報はこちら

LVP−HC5000の最終プロトタイプを1号館シアターで試聴しました。
入荷したSANYO LP−Z5とDVDで比較しましたが、パネルの画素数の多さによる功罪が現れました。
(功)は、画素数の増加による微妙な色合いの表現の豊かさです。LP−Z5では、色合いの変化が感じ
られない肌の表面や、空や雲などの微妙な色彩のニュアンスがHC5000では、再現されます。
(罪)は、スケーリング時に不可避の誤差拡散ノイズがLP−Z5よりも多く感じられることです。DVDソース
を見る限りでは、誤差拡散ノイズの少ないLP−Z5の方がスッキリと透明感が高く、色ヌケの良い画質で
好印象でした。
DLPとの比較では、新型液晶パネルを搭載しているものの、やはりその差は歴然としています。従来の
液晶プロジェクターと比較すると、確かに黒が若干良く締まり、黒からグレーにかけての色彩の変化が
ハッキリと再現されます。撮影は行いませんでしたが、従来の液晶プロジェクターでは再現できなかった
グレースケールの黒よりのバーが黒に埋もれず再現されるという印象です。
LVP−HC5000の真価は、ハイビジョンの投射時に発揮されるようです。実売は35万円(税込)前後と
予想されますから、ブルーレイなど次世代のハイビジョンソフトや録画したハイビジョンソースを中心に
ホームシアターを楽しまれるなら「先行投資」として悪くない選択だと思います。
DVDソースが中心なら、SANYO LP−Z5をお薦めします。
DLPとの価格差を覆すほど、プロジェクターのヒエラルキーを壊してしまうような、期待以上の製品では
ありませんが、カラーブレーキング(色割れ、ちらつき)が生じない、滑らかな映像感をお求めなら、LVP
−HC5000は、期待を裏切らない製品だと思います。
発売は、液晶パネルとドライバー回路のマッチングに少々問題が生じたため、歩留まりが悪くなり11月中
に若干数がリリースされますが、本格入荷は12月に入ってからになります。年内は、商品が不足しそうな
ので、年末年始に商品の入手をお考えなら、ご注文ご予約はお早めにすまされた方が良さそうです。
詳細は、発売後テストを行いますのでご期待下さい。

LVP-HC5000の特徴

フルスペック・ハイビジョン(1920×1080)新生代液晶パネル“C2FINE”を搭載
最新液晶パネルは、無機配光膜/ノーマリーブラックを採用し高コントラストを実現。
ハイブリッド駆動(D6)により縞ノイズを追放し高画質を実現。

無機配向膜
有機材料の10倍の耐光性があり長寿命(セット寿命は2倍強)

無機配向膜

有機配向膜

無機材料を分子レベル(数Åオーダー)で制御しながら基盤の上に堆積させて成膜と同時に配向性を持たせる処理を行う。

配向性を持たせるためのラビング工程が必要。

ラビング工程が不要で縦縞ノイズ(ラビングノイズ)が出ず配向のムラも低減できる。
コストも低減できる。

ラビング工程の傷が規則的なパターンとして映像に映り込みスクリーンに縦方向の薄い縞模様のようなラビングノイズが発生する。

無機材料は、長時間の高輝度の光の照射を受けても劣化が少なく(有機材料の10倍の長寿命)高画質を維持できる。

有機材料は、長時間の高輝度の光の照射により経年変化を起こしやすく、色ムラやコントラスト低下など画質に影響が出やすい。

ノーマリーブラック

ノーマリーブラック(C2FINE)

ノーマリーホワイト(従来方式)

電圧をかけていないときは、液晶分子がガラス基盤に対して垂直に並ぶので、従来方式のように光が漏れることなく、黒が美しく映し出される。

電圧をかけた場合でも、ガラス基盤に対して液晶分子が垂直に並ばず(下図の下側の分子に注目)、光が漏れてしまい、黒が浮くなどの原因になる。

ハイブリッド駆動(D6)
ドライブ能力の高い液晶ドライバをパネルのテープ上に実装することにより、
縞ノイズを抑えました。

フルHD解像度を十全に発揮できるEDレンズ(超低分散ガラス)を搭載
光学系は通常のガラスレンズに比べ効果で高性能なED(超低分散)ガラスレンズを含む
14群17枚構成レンズを搭載し、色収差を極限まで低減。
大画面時の色にじみを追放しシャープなピントを実現。

レンズシフト、ズーム、フォーカスの電動化
電動上下、左右レンズシフト搭載。
1.6倍短焦点(100インチ/3.1m)レンズ、電動ズーム、フォーカス搭載。

投射距離とレンズシフト値

スクリーンサイズ
(ワイド、インチ)

投射距離(m)

レンズシフト(cm)

ワイド端

テレ端

上、下

右、左

70

2.2

3.5

±65

±8

80

2.5

4.0

±75

±9

90

2.8

4.5

±84

±10

100

3.1

5.0

±93

±11

110

3.4

5.5

±103

±12

120

3.8

6.0

±112

±13

130

4.1

6.5

±121

±14

150

4.7

7.5

±140

±17

液晶の弱点である「色ムラ」を高性能偏光基材の採用とネコ目アイリスにより低減。
オートアイリスにより10000:1のハイコントラストを実現(ネイティブコントラストは2000:1)

超高性能ハイビジョン3次元I/P変換機能とDVD画質改善のHQV技術を搭載した画像処理ICを搭載。
MAVP(Motion Adaptive Video Processing)、フル10Bit処理、HQVノイズリダクション
機能搭載の“シリコンオプティクス社製高画質画像処理IC Reon−VX”を搭載。

超低ファンノイズ19dB

長寿命ランプ搭載(5000時間/低モード)
サイドアクセスランプ交換方式採用の長寿命ランプを搭載。

主な仕様

トウ シャ 方式 ホウシキ 透過型液晶方式 ホウシキ
パネル 仕様 シヨウ パネルサイズ 0.74 ガタ×3  アスペクト 16:9
画素数 ガソスウ 1920×1080 (D6)
駆動 クドウ 方式 ホウシキ 3原色液晶シャッター方式
配列 ハイレツ ストライプ 配列 ハイレツ
光学 コウガク 仕様 シヨウ ズーム/フォーカス 操作 ソウサ 1.6倍ズーム、電動
f(mm) 24〜38mm6
光源 コウゲン ランプ 160W
光学 コウガク ケイ ミラー分離プリズム合成方式
アイリス ○(オートアイリス)
トウ シャ 画面 ガメン サイズ 50〜250(インチ)
映像 エイゾウ アカ るさ(lm) 1000
コントラスト 10000:1(オートアイリス)
入力 ニュウリョク 信号 シンゴウ ホウ シキ ビデオ NTSC、NTSC4.43、PAL(PAL-M、N フク む)、SECAM、PAL-60、
ビデオ 入力 ニュウリョク (480i/p、576i/p、1080i/p  720p)
パソコン PC/AT 互換 ゴカン ・MAC・PC98
映像 エイゾウ入力 ニュウリョク アナログRGB ミニD-SUB15ピン 1 系統 ケイトウ
デジタルRGB  HDMI 1 系統 ケイトウ 、DVI-D 1系統
コンポジット RCA 端子 タンシ 1 系統 ケイトウ
S     S 端子 タンシ 1 系統 ケイトウ
コンポーネント RCA 端子 タンシ RCA 端子 タンシ は1 系統 ケイトウ (D-SUBに イロ 入力 ニュウリョク
シリアル/RS-232C 規格 キカク 1 系統 ケイトウ (9ピン)
機能 キノウ 機能 キノウ /その
台形 ダイケイ ヒズミ 補正 ホセイ 上下左右
電源 デンゲン 電圧 デンアツ AC100V 50/60Hz
消費 ショウヒ 電力 デンリョク (W) 250
質量 シツリョウ (kg) 5.9
本体 ホンタイ 外形 ガイケイ 寸法 スンポウ ハバ × タカ さ× 奥行 オクユ 334×125×352mm( 突起 トッキ ブツ アシ フク まず)
その 付属 フゾク ヒン 電源 デンゲン コード(2.9m)、 電源 デンゲン プラグアダプター、リモコン
RGB 信号 シンゴウ ケーブル、RS-232Cケーブル、レンズキャップ
オプション 交換 コウカン ヨウ ランプ VLT-HC5000LP
 

2006年9月7日に行われた、「LVP-HC5000」の内覧会の様子を「古谷」がリポートします。

※映写している模様及び画像は撮影許可が出なかったため撮影できませんでした。
※LVP-HC5000は、用意出来次第逸品館へ試聴機を持ち込みますとのこと。

●特設ブース試聴機機材
15畳程度のブースに150インチのワイドスクリーンで投影。
送り出し機器は、SHARP BD-HD100。
スクリーンは、スチュワート。
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●上映作品 全部で10分程度)
・リゾートの風景や女性等の映像。
・未公開の韓国映画の予告編。
・ロボッツとアイスエイジのそれぞれ2分程のシーン。
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内覧会では専用シアターブースを設け、入れ替わり制でLVP-HC5000のデモを
行っておりました。ブースは盛況で、周りの感心は高い印象でした。


光学系


フルスペック液晶パネル


高画質画像処理回路

150インチのワイドスクリーンに映し出される映像は、質感が高く色乗りの良い
画像というのが第一印象です。
液晶の動画時の残像感や疑似輪郭はやや感じられましたが今回のソフトで
見た限りでは色むらや縦縞は特に気になりませんでした。

DLPの高画質機を見ているためか、もう一段透明感や色彩感が
欲しく感じられるシーンもありましたが、
こってりとした色味で映画の予告編はシアターライクな雰囲気が
とても伝わり、普通に映画館で見ているような錯覚を覚えました。

動作音はやや周りが騒がしく判別しにくかったのですが、特に騒音が気にならな
かったLVP-HC3000よりも更に静かということで問題にならないと思います。

今回からレンズキャップがレンズにかぶせるカバーでは無く周りを覆うカバーにな
ったため付け外しでフォーカスがずれる心配が無くなりました。
その他、側面にランプ交換口が設けられたので天吊りの場合でも本体を取り外す
ことなく交換でき、メンテナンス性は更に向上しております。


前面(レンズキャップ付き)



前面(レンズキャップなし)


側面のランプ交換用ハッチ部


背面の入力パネル部


本体上部

画質は未だ70%の出来ということで市販品は更なる向上が見込まれます。
以前、同社のLVP-HC3000が製品になる前の仕様を見たときはそれ程きれいには
感じられませんでしたが製品版は悪いところが払拭され完成度の高い商品になった
という経験もあり製品版を早く確認したいと思います。

レンズシフトなど使いやすい機構や、フルスペックのプロジェクターではたぶん最安値
になるはずです。

発売予定の10月中旬頃が待ち遠しい期待の持てる製品です。