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お客様からの注目度が高く、逸品館で最も売れているAETから電源ケーブルの新製品が発売されました。新型は数割値段がアップしているため、現在特価で販売中のモデルチェンジ前の上級モデルとの価格差が小さくなっています。そこで新型か?あるいは特価の従来モデルか?購入するならどちらがよいのかその目的も兼ねた音質テストを行いました。 |
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テストはAIRBOW の電源ケーブル“KDK-OFC”を基準に情報量を「高音、中音、低音」の3つの帯域に分け、質感を「バランス、細やかさ、透明度、明瞭度、エネルギー感、広がり感、色彩感」の7つに分けて評価しました。ケーブルは、SIN/EVOのみ1.2mで残りはすべて1.8mの長さを使用しました。 採点は、付属品を「5」最大を「10」にして数値化しています。 情報量を「高音、中音、低音」の3つの帯域に分け、質感を「広がり感、エネルギー感、バランス」で評価、「総合」を加えた7つポイントで比較しました。 この評価はあくまでも上記の条件による「相対感覚」によるもので「絶対的」なものではありません。また、料理の味を「点数」で評価できないように、ケーブルの音質も基本的には数値化できるものではありません。使用機器や環境によってケーブルによる音質変化が異なるなどの理由で、このインプレッションの結果と実際にお使いになられた場合の音質が一致しないことがあります。グラフに加え、各ケーブルの音質インプレッションなども加え、ケーブルご検討の参考にして頂ければ幸いです。 |
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テスト環境 |
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スピーカー VIENNA ACOUSTICS T3G(Beethove Concert Grand) アンプ PC GATEWAY 7430JP DAC 音質はAIRBOW D-07/Ultimateの電源ケーブルを交換して比較しています。 お客様から「AIRBOWの音決めにはどのような電源ケーブルを使っているか?」という問い合わせを時々受けます。AIRBOWの性能を最大に発揮させるため、開発で使っているに違いない特別によい音の電源ケーブルを知りたくての問い合わせなのだと思います。 しかし、AIRBOWの開発では、低価格製品は「メーカー付属品の電源ケーブル」、高級品でも「AIRBOWの最も廉価な電源ケーブルKDK-OFC」しか使いません。電源を取るコンセントも、3号館で「最も音の悪いコンセント」を使っています。その理由は「標準」もしくは「やや劣悪」な条件で「納得できる音」が出せなければ、お客様の手元で「私が意図する音」がでない可能性が高くなるからです。 もちろん最終的には、高性能な電源ケーブルでも音質をチェックしますが、AIRBOW製品のモットーである「誰がどのように使っても心地よい音」を実現するため、音決めは出来るだけ「普通」の環境で行うというのを原則としています。 最高の良い音を出さずに「音質チェックが出来るのか?」、その疑問はもっともだと思います。しかし、経験を積めば音質とは関わらず、比較テストによって本質的な良い音を明確に探せるようになります。 テスト環境での唯一の例外はスピーカーです。音の出口になるスピーカーは、広帯域で解像度が高く癖の少ない、いわゆる「モニター的な性能」を強く求めています。スピーカーが悪いとさすがに音の判断が甘くならざるを得ないからです。 「スピーカー」を除き、特殊なものは使わずに決める音の方が「本質をよりハッキリと捉えたストレスなく自然に音楽を聴ける音に仕上がる」と最近は思っています。 電源は標準的な音質の電源ディストリビューターから取りました。 コンセントの形状が2Pのため、3Pに変換する目的でAIRBOW 4口電源タップ ABPT-4.18Vを使いました。 AETの電源ケーブルはすべてプラグが3Pなので、チェックを行う前に2P壁コンセントに直接繋いでいたKDK-OFCを外し、中間にAIRBOW ABPT-4.18Vを繋ぎました。この電源タップの音が良いことは、開発者である私が一番よく知っているはずですが、壁コンセントにABPT-4.18Vを繋いだことで数割以上音が良くなり、電源タップを使うときと使わないときの音質差が思っていた以上に大きかったことにちょっと驚きました。 音源はノラ・ジョーンズのデビューアルバム“Come Away With Me”の3曲目を聞き比べました。 |
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各ケーブルの特徴とテスト結果 |
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試聴後感想 |
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今回のテストでは音源に「PC」、接続に「USB」を使ったため、通常のテストよりも音質差がかなり小さくなってしまったように思います。そこで後日、AIRBOW SA8004/Studioを使った追加テストを行い、データーとコメントを補正しました。 2009年秋に発売されたEvidenceを皮切りにスタートしたAETの新しいサウンドは、従来の音を維持しながらより深い方向への探求が感じられます。一音の深さ、音が消えて行く時の静けさ、そういったデリケートな部分での完成度が一段と向上しています。特にSCR/EVDは価格が高くなりましたが、音質では上級モデルのSIN/EVOを超えるほどの改善が実現し、実質的には「値下げ」と行って差し支えない価格の上昇を補ってあまりあるほど大きな改善が確認できました。 音決めに際し、ある意味で無限の「カット&トライ」が繰り返せるAIRBOWのコンポーネントとは違い、ケーブルは工場で量産するため音質テストに必要な数mの最小単位での試作ができません。そのため一回の音質テストでも最低で数百メータ単位のケーブルを試作せねばならず、そのコストは安くても数十万円、高級モデルになれば数百万円もの多額になります。そのためケーブルの音質は、「机上の設計」でほとんど決まります。 興味深いのは、構造やシールド材がまったく違うHHS/AC/EVDとSCR/AC/EVO、構造とシールド材は同じで絶縁体が違うSCR/EVDとSIN/EVOの音質の傾向に一切の揺らぎのないことです。試作を繰り返さなくても「数回の試作で音をピンポイントに仕上げられる音決めの確かさ」こそAETが現在非常に高い技術力を有していることの証だと思います。 |
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2010年9月 清原 裕介 |
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AET製品新着情報 |
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