■各種コンテンツ ■サービス・キャンペーン ■逸品館運営・外部ショップ ■Twitter・Facebook ■試聴機レンタルサービス ■オーディオ逸品館 MI事業部 オフィシャルサイト |
SOULNOTE USB-DAC D-2 TEAC CG-10M atacama アタカマオーディオボード 試聴 音質 比較 評価 レビュー 評判
AIRBOW NT505 Special 、 MNP-i5 Roon ネットワーク(LAN)/USB 音質比較 TEAC CG-10M クロックジェネレーター 音質比較TEAC NT-505のカスタムモデル、「AIRBOW NT-505 Special」に 「AIRBOW ミュージックPC MNP-i5 Roon」を組み合わせて、ネットワーク(LAN」接続とUSB接続、D-D-コンバーターとしてAIRBOW N-05 Ultimateを追加した同軸デジタル(S/PDIF)接続、の3つの接続の違いによる音質比較と、クロックジェネレーターとして「TEAC CG-10M」を追加した場合の音質を比較してみました。 違うページにも書きましたが、30年以上前に設定された「S/PDIF(同軸/光デジタル)」によるデジタル音声接続と最新の「USB」によるデジタル接続を比べて、30年以上前の規格が「優位」だとは考えにくいことです。しかし、接続に「CPUとOS」を必要とする「USB」に比べ、ハードウェアだけで接続が可能な「S/PDIF」は、比べものにならないくらいシンプルで信号処理が簡単です。また、接続に使われるRCA端子やケーブルもかなり高級な物が出回っていて、端子とケーブルにオーディオ用高級品がまだ少ないUSBと比べ「接続時の端子ケーブル品質」で有利です。 もちろん、RCA同軸デジタル接続では、最大でDSD 2.8MHz・PCM 196/24bit以下の信号しか伝送できませんが、経験上ハイエンド・デジタル機器であれば、44.1KHzもしくは48KHz、16-24bitのPCM信号であれば、ハイレゾやDSDに頼らなくてもほぼ最高に近い音質を引き出せるはずなので、USBが絶対に有利とも考えられません。 実際に「Esoteric N-03TとGrandioso K1、TAD D600を使った、USB/同軸デジタル接続比較」では、「同軸デジタル接続は、USB接続に何ら劣らないどころか、それを上回ることすらある」という、俄には信じがたい結果が得られています。 そこで今回のテストでは3つのデジタル接続「ネットワーク、USB、同軸デジタル」時の音質比較と「クロックジェネレーターの効果の確認」をさらに綿密に行うことを目的としました。 NT505 Special 販売価格 240.000円(税別) TEACの最新型ネットワークプレ−ヤー「NT-505」に様々な高音質化改良を加え、カスタムモデル化することで「Esoteric製品」に迫る音質を実現した、価値ある小型ネットワークプレーヤーです。 ・Esotric製品に匹敵する高音質パーツを多用 NT-505の設計は、Esotericモデルと共通しています。主な違いは、回路の簡素化と電源の小型化ですが、電源の小型化には電源平滑コンデンサーの大型化(ノーマル比4倍アップ)で対処し、ノーマル NT-505を大きく超える中低音の厚みと躍動感のあるエネルギッシュな音質を実現することに成功しています。 デジタル回路、アナログ回路には、高音質のパーツを大量投入することで、信号品質を向上し、ノーマル NT-505では再現しきれない、細やかな音質や空気感の創出を実現しています。また、高域の滑らかさや透明感の決め手となる、高域フィルターのパーツを変更することで、ノーマル NT-505で感じられる「高域の硬さ」、「平面的な音場」を改善し、Esoteric 高級モデルに迫る滑らかさと体が包まれるような立体的な音場を実現しています。 AIRBOW(エアボウ) NT-505 Special 販売価格 240,000円(税別) (メーカーホームページ)
TEAC(ティアック) CG-10M メーカー希望小売価格 OPEN (メーカーホームページ)
試聴テスト 同軸デジタル(S/PDIF)接続には、USB-S/PDIF変換機にAIRBOW N05 Ultimateを使い、MNP-i5 RoonとN05 Ultimateはネットワーク(LAN・Air Play)接続、N05 UltimateとNT505 Specialは、RCA同軸デジタル接続を行いました。 比較したのは次の4通りです。
試聴は、Vienna Acoustics LisztにAIRBOW プリメインアンプ PM10 Ultimateを組み合わせて行いました。YouTubeの音声は、すべてXLR(バランス)出力から直接録っています。
AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 460,000円(税別)(現金で購入)・(カードで購入) AIRBOW N05 Ultimate 販売価格 630,000円(税別)(現金で購入)・(カードで購入) AIRBOW PM10 Ultimate 販売価格 780,000円(税込)(現金で購入)・(カードで購入) Vienna Acoustics Liszt (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) この比較試聴のYouTube動画はこちらからご覧いただけます。 音質テストに使ったソフト
高域に適度なメリハリのある、クッキリと明るい音。
中低音にしっかりとウェイトが乗った、滑らかで繊細な音が出てくる。 CG-10Mを追加すると音が細やかになって、無駄な響きが減り、音場がスッキリする。 MNP-i5
Roonを直接LAN接続するよりも、N05 UltimateをLAN接続し、N05
UltimateとNT505
Specialを同軸接続する方が音場の透明感が高く、厚みのある音が出る。解像度も向上し、音の数も増えた。
ピアノの重み、重量感がしっかり出る。解像度も高く、ピアノのキーの動きまでが伝わってくる。 CDをリッピングした信号とはひと味違う音質で、ハイレゾ録音の良さが出ている。
RoonからAir Playで出力すると、元々の録音がFLAC 192KHz/24bitなのにDACとの接続時に信号が「44.1KHz/16bit」にダウンコンバートされるため、解像度はUSB出力よりも僅かに低くなり、それぞれの音の分離も悪くなってしまう。しかし、その「劣化具合」が逆に心地よく、アナログ的な滑らかさと、音の厚みが醸し出され、オープンリールのテープレコーダーを聞いているような心地よく暖かい音質になった。
ピアノの打鍵感の微妙な違いがしっかり出てくる。 MNP-i5 RoonをNT505 Specialに直接繋いでいるときと、音質はほとんど変わらないが、密度感は僅かに上がったように感じられる。
冒頭部分の低音の量感がすごく出てきて、部屋の壁が共振して響いた。
USB接続に比べて明瞭度は落ちるが、響きの成分が増えて音がより大きく広がるようになる。 レコーディングされた音が見えるような鳴り方をしたUSB接続と違って、LAN接続ではS席でコンサートを聞いているような響きに包み込まれるような鳴り方をする。
CG-10Mを追加すると低音が引き締まって、聞こえなかったいろいろな音が聞こえ始める。まるで「音の玉手箱」を見ているようだ。音の広がりも増加する。
N05
Ultimateを追加し、同軸デジタル接続に変えることで、低音がよりしっかり出るようになった。 試聴後感想 今回の比較試聴の目玉は、「USB vs 同軸デジタル」接続比較です。 そもそも「USB」というデジタル接続規格は、同軸/光デジタル(S/PDIF)を超えるものとして開発されました。しかし、USB接続は複雑なため、必ず「コンピューター(マイコン)」と専用のドライバーソフト(OSに標準の場合もありますが)が必要になります。パソコンを使うときには、どうしても「余計なノイズ」の発生が問題となります。 これに対して、S/PDIFは処理が単純で接続には、パソコンなどによるデコードが必要ではありません。もちろん、USB接続に比べると「エラー」は、発生しやすいのですが、S/PDIFで伝送するような低周波の信号では、そもそもエラーなどは発生しにくく、この点は問題ありません。 ここまでは、私の「技術的推測」ですが、それはともかく私たちは「デジタルケーブルでが変わる」ことを知っています。もちろん、USB接続時もケーブルで音は変わりますが、USBはパソコンから生まれた伝送規格なのでRCAほど「端子の堅牢さ」や「ケーブルの品質」にこだわった製品は発売されていません。中でも「端子」は、同軸デジタル接続に使われる「オーディオ専用のRCA端子」とは比べものにならない「お粗末さ」なものしかありません。 私たちは「デジタル」と聞くと、どうしても「規格の新しさや伝達能力性能」にばかり気を取られ、「ケーブルや端子」のような「機械的なローテク部分」を忘れがちです。けれど、オーディオとはそういう「ローテク」の影響をとても大きく受けています。もし、USBと同軸デジタルの「音質性能」が同じだとすれば、「より良い素材」を使える「RCA同軸デジタル接続」が、USB接続の音質を上回ることも十分に考えられます。 今回の比較試聴では、それが「裏付けられる(肯定的な)」結果が出ました。 もちろん、このような比較試聴はその時の条件によって大きく左右されるため「絶対」とは言えませんが、少なくとも「同軸デジタル接続は音質においてUSBよりも明かに悪い」ということはなさそうです。そればかりか、「音楽の雰囲気を寄り濃くしてくれる、音色や音の厚みにおいてUSBよりも優秀である」とさえ感じられたのです。 すでに「デジタルオーディオ」の世界は、録音時に「失われた情報がデジタル演算によって補われて、入力されたときよりも出力される音質が良くなる」という段階にまで進歩しました。そのため、記録されている信号が「ハイレゾやDSD」でなくても、あるいはDACに出力されるフォーマットが「44.1/48KHz、16-24bit」のPCM信号でも、ハイレゾやDSDに匹敵する十分な音質が実現するようになって来ました。特にハイエンドDACでは、48KHz/24bit以下のフォーマットで、ほぼ最高の音質が発揮できるようになっています。だから、慌てて最新技術やフォーマットに飛びつく必要など、全くありませんし、新製品が出たからと言って頻繁にDACを買い換える必要もありません。 これからのデジタルオーディオで重要なのは、DACよりも「トランスポーター」です。Esotericから発売された「N-03T」は、これからのデジタルの未来を「垣間見せて」くれました。しかし、N-03Tに使われているプラットフォームは、たぶん「アーム」がベースでOSやドライバーも汎用品でしかありません。データーベースの更新もとても遅いですが、それでもあれくらいの音質を発揮します。 では、一般品ではなく、業務用のマザーボードやメモリー、CPU、SSDを搭載する専用PCを作り、それに最適化された専用ソフトウェアーを使えば、どんな音が出せるでしょう? すでにそのような製品の開発が終了し、近日AIRBOWから発売予定です(予価150万円)が、これは皆さまの想像を絶する音質を発揮します。どれだけすごいかというと、この製品にCDプレーヤーの出力を「アナログ入力」して、内部演算で失われた波形を復元し「デジタル出力」して、適当なDACに入力すれば、CDプレーヤーから出力された音質を遙かに超える音質が実現するのです。このレベルになれば、記録されているフォーマットの種類は全く問わなくなります(ただし非圧縮音声に限ります)。 CDの登場で「音質の進歩が停止した」と感じられていたオーディオですが、PCとソフトウェアーの進化でハイエンドオーディオの音質は、一気に進みました。何よりも有り難いのは「録音が悪くても良い音が引き出せる」ということです。 2018年8月 逸品館代表 清原裕介 |
|