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audioquest dragonfly audiotechnica AT-HA40USB 音質 試聴 比較 レビュー 価格Dragon Fly V1.2 の音質テストはこちら 、 Dragon Fly Black/Red Jitter Bug の音質テストはこちら audioquest から発売されましたUSBメモリー型DAC”Dragonfly”の音質をaudiotechnica AT-HA40USBと比較しました。ケーブル専門メーカーとしてコストパフォーマンスに優れる低価格製品をラインナップする、audioquestから19×12×46(mm) の小型DAC"Dragonfly"が発売されました。この製品はUSBメモリーとほとんど変わらないサイズのボディーに先進的な高音質テクノロジーが満載されています。
実売価格約半分のヘッドホンアンプ内蔵USB DAC audiotechnica"AT-HA40USB”をDragonflyとの音質比較しました。
音質比較テスト 通常PC側で音量を調節するとデジタル信号が絞られて微小音量のデーターが消えてしまう(ビット落ち)が発生することがあります。この音質劣化に対応するため、AT-HA40USBは本体に回転式のアナログボリュームを装備しています。ボリュームがなさそうに見えるDragonflyですが非常に良く考えられていて、PCに接続するだけでDragonflyの内蔵ボリュームが作動します。つまり、PC側で音量を操作しても「PCのデジタル出力/最大音量」、「Dragonfly内蔵の64ステップアナログボリューム/PC連動で音量可変」となり、ビット落ちが発生しないのです。このあたりはさすがに音にこだわるAudioquestらしさが感じられます。 音質比較には、Acerのネットブックを使いました。OSはWindows Starter、再生にはWin Ampを使いました。PCは内蔵メモリーを2GBに拡張し、HDDをSSDに変更していますが音質にはさほど影響しないと思います。ヘッドホンは愛用の"Sennheiser HD 25-1"を使いました。ミュージック・データーは、USBメモリーに収録したCDのリッピングデーターを使用しています。 テストに際して、実際にPCでの音量調節による音質劣化が起きるのかどうかを確認するためにAT-HA40USBでチェックしました。AT-HA40USBのボリュームを最大にしてPCで音量を調節するとPCのヘッドホン出力と比較してメリットがまったく感じられず、高音はさらにちゃらちゃらしてしまいました。PCの音量を最大にしてAT-HA40USBのボリュームで音量を調節すると、音が柔らかくなって広がりが出ました。またPCのヘッドホン出力だと気になる「高域のノイズ感」も低減し、小さな音がクリアに分離して聞き取れるようになりました。
試聴後感想 今までいくつかの低価格(1万円〜2万円まで)の外付けUSB ヘッドホンアンプ(DAC)をテストしましたが、PCのヘッドホン出力と比較して「全然音が違う!」と感じるまでには至りませんでした。その理由は「音楽の再現性に大差がなかった」からです。今回のテストでもaudiotechnica AT-HA40USBは音質は改善しました、音の癖はPCヘッドホン出力よりも強くなりました。テストの結果ヘッドホンアンプとしてAT-HA40USBはあまりお薦めができないと感じたので、光デジタル出力を使ってPCのUSB出力を「光デジタル出力 S/PDIF」に変換して、AIRBOW K07 Ultimateに入力してPCとK07 Ultimateを直接USBで接続した場合と比較して聞き比べてみましたが、この結果もはなはだ芳しくありませんでした。解像度が著しく低下して、音が濁ってしまったからです。あまりにも低価格のUSBヘッドホンアンプやUSB DACはPCのヘッドホン出力とさほど音が変わらないのかも知れません。 ところがaudioqusetのDragonflyは違います。メーカーから届いたDragonflyのカタログには「DragonflyをUSBジャックに装着することで、コンピューターでの再生よりも格段に優れたサンドをお届けできます。コンピューターのオーディオ回路設計、製造予算は限られています。また、すべてのコンピューター・エンジニアが優れたサウンドを経験しているとは限りません」と書かれています。このコメントを逆読みすれば、Dragonflyは回路設計、製造にコストが投入され、さらに「優れたサウンドを経験したエンジニアが音を聞いて設計している」と捉えられます。 AudioquestはDragonflyにAudioquestが考える音楽性を与えられたと自負しているようです。その主張通りDragonflyは音が良いだけではなく「優れた音楽性」を持っていることが聞き取れました。特に「シンフォニー」のように使われる楽器の数が多く、複雑な構成の音楽でその能力がフルに発揮されます。しかし、コンプレッサーで音圧を限界まで高めている、Pops系の音楽ではPCヘッドホン出力の音と大きな差が感じられないことがあるかも知れません。 ハイエンドと呼ばれるような高音質オーディオ機器で音楽を聞く場合、録音されたときの機材(スタジオの機材や音質)が再生装置のグレードを下回っていると(最近はそのようなソフトが多く困ります)、装置の性能がいくら高くてもその真価が発揮できません(良い音が鳴りません)。「聞けるソフトが増えない」。それは、今のオーディオが抱えている重要な問題です。すでに聞くべき音楽は、一生かかっても聞ききれないほど残っています。あるいは名演奏だけ、装置を変えて聞き直すだけでも納得できるかも知れません。しかし、最新の音楽、最新のソフトも良い音で聴いてみたいという思いは常にあります。今後もそういうオーディオファンが唸るようなソフトの発売が継続されることを願って止みません。 2012年10月 逸品館代表 清原裕介 |
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