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ケンブリッジ Azur
650bd Cambridge 音質試聴テスト 評価 販売
Cambridge
Azur 651BD 音質・画質テスト
Naspecが輸入代理業務を行う、イギリスCambridge(ケンブリッジ)オーディオから、好評のうちに完売したリージョンフリーに対応しSACDの再生も可能なブルーレイプレーヤーAzur 650BDの後継モデルAzur 651BDが発売されました。早速試聴を取り寄せて、AIRBOW UD7006/Specialと比較を行いました。
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Azur651BDに限らず最新のBDプレーヤーは、SACD、DVD/DVDオーディオなどブルーレイに加えてほとんどの光ディスクメディアの再生に対応します。今回は画質に加えそれぞれの音質をAIRBOW UD7006/Specialとの比較で確認しました。 アンプはAIRBOW SR6006/Special、スピーカーはVienna Acoustics Beethoven Concert Grandを使いました。 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand RC
Succession : Wonderful Days (SHM-CD) アナログ出力 HDMI出力 (接続ケーブル:audioquest Forest-2)
HDMI出力 (音声接続ケーブル:audioquest Forest-2) Azur 651BD 音が明るく、躍動して楽しめます。画質はピントがやや甘めで解像度がそれほど高くないのですが、コントラストが高く色鮮やかでクッキリして見ていて楽しくなります。音質と映像がマッチして「KARAの持つ楽しさ」が前面に出てくる印象です。この性能なら、Azur651BDを購入して良かったと感じられると思います。 十分納得した651BDですが、念のためにAIRBOW UD7006/Specialと比較しました。 まず画質を比べました。Azur651BDはHDMI出力が2系統あってAVアンプとディスプレイをそれぞれ個別に(直接)繋げますが、UD7006/Specialは1系統なのでディスプレイにはAVアンプ(SR6006/Special)を経由して繋ぐことになります。そこでUD7006/Specialまでのケーブルはaudioquest Forest(651BDとSR6006/Specialの接続に使ったケーブル)を使用し、SR6006/Specialからディスプレイへは651BDとディスプレイを繋いだケーブル(audioquest HDMI-X)を使用しました。 アンプを経由したことで画質は劣化するかと思ったのですが、それは杞憂でした。ディティールの曖昧さが消え、ピントがシャープになります。エッジがハッキリ(すっきり)することで、細部の解像度も上がります。発色が鮮やかな651BDに比べUD7006/Specialは、ナチュラルな傾向で中間調が多く奥行きが深くなります。動きも滑らかになりました。しかし、その違いは価格差ほどではありません。少し違うといった感じで、ケーブルの変更で変えられる範囲に感じました。 差の小さい画質に比べ、音質は次元が違います。音の数が数倍に増加し、同じDVDの音を聞いているとは到底感じられません。特に高域の音の数と鮮やかさ、空間の透明感と広がり感、定位のシャープさは全く別物です。651BDの音は決して悪くなく十分納得して楽しめるものでしたが、UD7006/Specialを聞いた後ではそれが初期の圧縮メディアほどに感じられます。これは651BDが至らないのではなく、一般的なBD/DVDの音質を遙かに超え同価格帯の良くできたCD/SACDプレーヤーさえ凌駕するほどのUD7006/Specialを褒めるべきでしょう。映像は価格差を考えるとどちらでも良かったと思えますが、こと音に関しては価格の差を考えるまでもなく元に戻れない大きな差がありました。 Azur 651BD 映像は少しノイジーで薄い霧がかかったようなイメージがあり、BDならもう少しクリアーであって欲しいと感じました。音質はナチュラルで聴き疲れを感じさせない、良い意味でバランスの取れた中庸な音です。 DVDでは651BDとそれほど大きな差が感じられなかった画質ですが、BDでは明らかに違います。UD7006/Specialの画質はノイズが少なくクリアで奥行きがあり、動きも滑らかです。砂漠に近い小さなカフェの場面で651BDの映像はノイズが乗って砂が舞うように濁って感じられましたが、UD7006/Specialではノイズが消えて空気が透明になり、乾いた砂漠の空気とその熱さが伝わるようなクリアで奥行きの深い映像に変わりました。ジンジャーを演じるシャロンストーンの肌の質感も一段と滑らかで美しく感じられます。ディスプレイの存在を感じないような奥行きの深さと透明感、色彩の豊富さが感じられるBDの高画質を納得できる映像が得られました。音質はDVD同様に情報量が全く違います。音が細かくクリアで音場が大きく広がり、スピーカーの存在感が消えます。映像と音質のクォリティーは、非常に高くBDの実力をまざまざと感じる質の高さが感じられました。 |
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今回のテストはAzur651BD単体で行う予定でしたが、画質の比較に一般的なPC用ディスプレイ(フルHD)を使ったため絶対的な「画質」の判別に自信が持てず、比較確認の目的でAIRBOW UD7006/Specialと比べてみました。 音質はUD7006/Specialが651BDを凌駕し、どなたがお聞きになってもすぐに違いのわかる差が感じられました。しかし、それはAzur651BDの「音」が悪いわけではありません。Azur 651BDの音質は質感が少し低く感じられましたが、それでもこの価格帯のBDプレーヤーの水準には十分達しています。UD7006/Specialとの違いは、今回使ったような本格的なAVアンプとスピーカーがあって初めてわかるものです。少なくともTV内蔵のスピーカーでは、その違いは無視できるでしょう。プアな音響機器と組み合わせた時には、651BDならではの「楽しい音」が一般的に高く評価されると思います。 DVDの画質はややS/Nが低く輪郭がざらついて感じられる事がありましたが、発色とコントラストに優れ音質同様「見ていて楽しい映像」に仕上がっています。しかし、BDの画質はUD7006/Specialと大きな差がありましたから、画質を求められるならばAIRBOW AIRBOWや他の国産BDプレーヤーが絶対にマネできないのは、Azur651BD/751BDがディスクのリージョンコードに関係なくDVDを再生できる(BDはリージョンAのみ対応)ことです。日本語字幕にデーターをとられないピュアな画質が記録された海外DVDディスクの美しさは別格だといわれていますから、DVD中心に楽しみたいとお考えならAzur 651BDは悪くない選択だと思います。 |
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2011年11月 清原 裕介 |