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Cambridge Audio Azur 840A 、 Azur 840C 音質評価
製品の概要
Cambridge Audio (ケンブリッジオーディオ) は1968 年初頭に設立されたイギリス・ロンドンに位置するオーディオメーカーです。イギリス ロンドン本社のケンブリッジオーディオで80 名程が在籍しており、その中の20 人にも及ぶ技術者がチーム一丸となり、日々ユーザーの視点を忘れず情熱を持って製品を生み出しています。オーディオメーカーとしてこの規模かはかなり大きく、Accuphase、Luxman、Esotericなどを凌ぎます。また、What Hi-Fi Sound and Vision でベストバイを獲得するなどイギリス国内での評価も高く、革新的・技術的に先んじた高い完成度の機器を手頃な価格で提供することを得意としています。日本市場では、USB 接続可能なDAC「DacMagic」や、iPodトランスポーター「iD100」、ブルーレイプレーヤー「Azur751BD/651BD」などを始め、CD ・アンプ・チューナー・SD カード・USB 接続等の多機能オールインワンの「One+」、Minxスピーカーシステムなど、実に様々な製品がナスペックにより輸入され発売されています。
今回テストするのは、CambridgeのトップモデルAzur 840A(プリメインアンプ)とAzur 840c(CDプレーヤー)です。
Azur 840AにはクラスB回路の歪みを半分以下に低減し、クラスA回路に歪み率を近づけるCambridge Audio(ケンブリッジ・オーディオ) の最新技術である Class XD (crossover displacement) テクノロジーが搭載されています。この回路により従来の回路に比べナチュラルに響く弦楽器等の高域音の響き、スピーカーを駆動するというより鳴るにまかせると表現が近いウッドベースや太鼓等の力強くてナチュラルな低域音、楽器の位置やヴォーカルの口の動きまで感じ得る自然な音場表現に優れるとCambridgeは主張しています。出力も8Ω時に120W+120Wと十分です。
CD
プレーヤー・Azur 840C(SACDは再生不可)には、Technologies(アナグラム・テクノロジーズ)社 のデジタル技術最新のアップアンプリング・テクノロジーが採用されています。CDは384kHz/24bitにアップサンプリングされ、Analog
Devices(アナログデバイセズ)の 24 ビットD/A
コンバーター「AD1955」2 個に送られます。この技術によりAzur
840cは入力されたデジタル信号をデュアルチャンネル24
ビット384kHz のクォリティーで再現します。Cambridgeは通常のCD
を画期的な音質で再生すると主張します。各2系統ずつ設けられたS/P
DIF Co-ax/TOSLINKデジタル入力は192kHz/24bit
まで対応。さらに各1系統設けられているCo-ax/TOSLINK
デジタル出力は驚く事に、192kHz/24bitの出力が可能となっています。アナログ出力はアンバランス・バランス、各1系統が備わっています。
音質テストには、スピーカーにVienna
Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)を使い、Azur 840cの比較のためAIRBOW NA7004Special+iPodの組み合わせを用意しました。
Vienna Acoustics BEETHOVEN-CONCERT-GRAND(T3G)
+
AIRBOW NA7004/Special + iPod Touch(MP3/320bps)接続ケーブルは、iPod付属品
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<明るい>
- - * - - - - - - <暗い> |
<柔らかい> - - - - - * - - - <硬い> |
<総評> アンプの840Aをそのままに、プレーヤーをAIRBOW 低音の量感が少し増え、中域にも厚みが出てニュアンスが細かくなりました。高域は音の数が増え、音像の密度感や空気感が濃くなりました。デジカメの画像に例えると画素が増えたような印象です。 Azur 840Aの美点である、少し明るめで柔らかく色気のある音の傾向はプレーヤーを変えても変わらず、リラックスして音楽を楽しめます。 機能的には、バランス出力と同軸と光のデジタル入出力が備わっているところが長所ですが、SACDは再生できません。 音の品位(クオリティー)や解像度などはこのクラスの標準と言ったところで、384kHz/24bitという数字から想像するほどの超高解像度の音ではありません。デバイスや技術はすごく新しく進んでいますが、その音質はLuxmanのD-05クラスの国産品と大体同じくらいではないかと思いました。 今回のテストでは、ウォーミングアップ時間が2時間ほどと少し短かったので、もう少し鳴らすとプラスアルファーの色気が出てくるかも知れません。 |
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2011年 12月 逸品館代表 清原裕介
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