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2015年秋、Tannoy(タンノイ)社から、「Turnberry GR/LE(LEはLimitedの略)」が発売されました。このモデルは、世界限定150セットの限定モデルで、日本への割り当ては50セットです。 ウォールナットの無垢材を使った箱形のキャビネットに重厚なサランネットを組み合わせた、ビンテッジ・スタイルを踏襲し続けている「Tannoy Prestige シリーズ」は、主に日本を中心としたアジア市場向けの特別モデルです。このシリーズが日本(アジア)のオーディオマニア垂涎となったのは、ステレオサウンドの評論家を務めていた「芥川賞作家 五味康祐」さんが、Tannoy Autographを愛用していたからでしょう。当時のTannoy Autographに採用されていた、Tannoyを代表する15インチ同軸2Wayユニットは、モニターレッドの名称で今も語り継がれる名器となっています。余談ですが、ステレオサウンド編集部がモニター・スピーカーに使っていた「JBL 4343/4344」なども、日本(アジア)以外ではほとんど知られていない特別なモデルです。 それはともかく、15インチの同軸ユニットを搭載したAutographは、当時あまりにも高価で、また巨大だったため、普及価格帯の製品として10インチ同軸2Wayユニットを搭載した「3LZ」がラインナップに加わりました。Tannoyというブランドイメージと、手頃なサイズと価格が奏功し「3LZ」はかなりの数が売れました。そして、このスピーカーに組み合わせるアンプとして「luxmna SQ-38F(FD)」が珍重されていました。その後も、10インチの同軸ユニットを搭載する普及価格のTannoyはよく売れました。 Tannoy(タンノイ)Stirling(スターリング)の名前を知らないオーディオファンは、ほとんどいないはずですが、このモデルこそ「3LZ」の流れを引く、10インチ同軸ユニットを搭載するPrestigeモデルの代表作なのです。その後、Stirlingの派生モデルとしてキャビネットの背丈を伸ばしたTurnberryや、上級モデルとしてマグネットに貴重なアルニコを使う、Kensingtonが加わりました。 今回テストする4モデルは、Prestige シリーズの10インチ同軸2Wayユニットを搭載するすべてのモデルです。
試聴する4モデルを比較すると、最も安いのは、Stirling GR の「380,000円/1台・税別」です。このStirling GRとTurnberry GRのウーファーは、マルチファイバペーパーコーン口径254mmのウーファーの中央に、ストレートホーンが組み合わせたTannoy伝統の「同軸2Wayユニット」が使われています。ウーファーの磁気回路には、一般的なフェライト・マグネットが使われます。 これまで、StirlingとTurnberryには「同一のユニット」が使われていました。しかし、GR シリーズからはホーン振動板の口径がStirling GR/25mm、Turnberry GR/33mmと異なるサイズが選ばれ、これに合わせてクロスオーバー周波数もStirling:1.8kHz/Turnberry:1.3kHzと異なっています。Turnberryが発売されてから、価格が少し安い「小型モデル」として存在感を失いがちだったStirlingが、ユニット変更でどのように差別化されているかが、「聞き所」のひとつになります。Turnberry GRの価格は「450,000円/1台・税別」で、Stirling GRから手を伸ばせば届くくらいの価格帯に収まっています。 限定モデルとして発売された、「Turnberry GR/LE」は、キャビネットがTurnberryt GRと同一なのにもかかわらず、価格はTurnberry の「450,000円/1台・税別」から、一気に「720,000円/1台・税別」まで向上しています。いくら限定モデルといっても、これは少し「やりすぎ」の感があります。けれど、その価格の秘密はキャビネットではなく「ユニット」にあるのです。Turnberry GR/LEには、フェライトよりも遙かに高価なため、一部の高級スピーカーにしか使われる事のない、アルニコマグネットがウーファーの磁気回路に採用されています。マルチファイバペーパーコーン口径250mmウーファーに52mmのホーン型ツィーターを組み合わせた、この同軸2Wayユニットは、上級モデルKensington GRと同一の物です。 このユニットが奢られた、Turnberry GR/LEのクロスオーバー周波数は、1.1kHzとKensingtonと同一まで引き下げられ(ホーンのクロスオーバー周波数は低いほど中高音が良くなります)、キャビネットがTurnberry GRと同一にもかかわらず、重量が7.8kgも重くなっています。それほど強力なマグネットがウーファーの磁気回路の奢られていると言うことです。この強力なウーファーを搭載したことにより、Turnberry GR/LEの低域再生限界周波数は、Turnberry GRの34Hzから29Khzと一気に引き下げられています。この低域再生限界周波数の29kHzは、キャビネットの容量がTurnberry GR/LEよりも僅かに5L大きい、Kensington GRと同じです。 このように、今回試聴する10インチ同軸2Wayユニットを搭載するのPrestigeの4モデルは見かけだけでなく、その仕様が微妙に違っているので、どんな音を出してくれるのか興味津々で試聴に臨みました。 試聴環境 今回の試聴は、翌日に行った「Esoteric Tannoy 新製品試聴会(試聴会の録画がご覧いただけます)」のために準備した「Esoteric K01X、C03Xs、S03」を使いました。各機器の説明および試聴の概要は下の動画でご覧いただけます。 テスト概要のご紹介動画
さらに今回の撮影では、試聴のために毎回行っている「スピーカーの音の良い位置を探る方法」を収録しました。しかし、運悪くこの日は「左耳」が一時的にほとんど聞こえない状態だったので、セッティングがうまく行えたかどうか疑問です。事実、左耳が復調した翌日は、このセッティングよりのさらに良い位置を容易に見つけることができました。しかし、そういう事情があったにせよ、Tannoyの同軸2Way搭載スピーカーが、僅かな「設置位置」の違いで、大きく音質が左右される特長と、それをどのように設置すれば「音を良くできるか」は、このビデオでもお伝えできると考えています。 このセッティングの実演は、下の動画でご覧いただけます。 Tannoy セッティング方法のご紹介動画 試聴ソフト
2015年12月 逸品館代表 清原裕介 |
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