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ESOTERIC P-05 P05 D-05 D05 音質 評価 比較 テスト

Esotericより、セパレート型CD/SACDプレーヤーの入門モデル P−05 D−05が発売されました。

  

P−05
メーカー標準価格 ¥600,000(税別)
生産完了

D−05
メーカー標準価格 ¥600,000(税別)
生産完了

 P-05 の主な仕様

再生可能ディスク:スーパーオーディオCD / CD /CD-R / CD-RW

デジタル出力   :i.LINKAUDIO)端子×26P×1/4P×1
         XLR端子×2Dual AES出力時は2端子を使用)
         RCA端子×1

ワードシンク入力 :BNC端子×144.188.2176.4100kHz

一般

電 源: 100V AC 50-60Hz

消費電力:16W

外形寸法:W×H×D442×126×332mm(突起部含まず)

質 量 :14kg

D-05の主な仕様

アナログ特性 :全高調波歪 0.002%1kHz

周波数特性   :5Hz50kHz +0.5dB/-3dB(スーパーオーディオCD

S/N比      : 112dBJEITA

入力端子

・デジタル入力 i.LINKAUDIO)端子×26P×1/4P×1

XLR端子×2Dual AES入力時は、2端子を使用)

・RCA端子×1OPTICAL端子×1

・ワードシンクBNC端子×144.1/88.2/176.4/48/96/192/100kHz

出力端子

・アナログ出力 XLR端子×1系統 (L/R

・RCA端子×1系統(L/R

・ワードシンクBNC端子×144.1/88.2/176.4/48/96/192/100kHz

一般

電 源: 100V AC 50-60Hz

消費電力:14W

外形寸法:(W×H×D442×126×332mm (突起部含まず)

質 量:13kg

スーパーオーディオCDトランスポートP-05

『P-05』は20 年にわたるESOTERICターンテーブルメカニズムの集大成として新開発したVRDS-NEO(VMK-5)を搭載。高精度アルミニウム製ターンテーブルを採用。スーパーオーディオCD の高速ディスク回転に俊敏に対応するため、徹底的に高信頼化/ 静音化が図られたことにより、不要振動の原因となる回転イナーシャを最小化することに成功。さらに、ターンテーブル面に同径のポリカーボネート素材をはり合わせたハイブリッドにすることにより、ターンテーブルのレゾナンスを抑え、メカニズム回転時の静粛性も高めています。

VRDS-NEOメカニズムの高精度な読み取り精度をそのままに、トレー開閉時の動作にいたるまで、徹底的に高信頼化/ 静音化を図った最新型のターンテーブルメカニズムです。P-03にも採用している軸摺動型ピックアップとの組み合わせにより、ディスクピットのトレーサビリティを極限まで高めています。

ステレオD/AコンバーターD-05

フル32bit の演算処理能力を誇る旭化成エレクトロニクス社製のデルタシグマ型DAC デバイス「AK4397」(*1)を搭載。高音質化を実現するために、高速・高処理能力を持つデジタル部の開発に加え、そのデータを受けるアナログ部を強化するという手法を採用。これにより、より緻密な音楽表現力を獲得いたしました。

旭化成エレクトロニクス社のデバイス技術とエソテリックのデジタル音響テクノロジーとがコラボレートした最新のDAコンバーターデバイスを世界で最初(*2)に採用しました。

さらに、完全モノーラル仕様D-03 の思想を踏襲、電源部やアナログ回路などはL/Rを完全独立。アナログ用電源トランス→アナログ電源→アナログオーディオ回路を左右独立に、全く同じものを同じ経路で配置しています。

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両機種共に電源トランスには低ノイズ、低歪みに加え高効率でハイパワー駆動が可能な大型トロイダル・トランスを採用。メカニズム駆動や回路へ余裕の電源供給を実現しています。

外観仕上げはP-03/D-03と同様に肉厚アルミ材を気品のあるショートスクラッチで仕上げたフロントパネルと側板に加え、天板にも5mm 厚のアルミ材を採用。曲線を生かした外観デザインと高さ12.4cmを実現した筺体は20 周年記念モデルに相応しい品位を醸しだしています。

そして『P-05』のトップパネルにはVRDS-NEO(VMK-5)の動作が視認できるウインドウを設けました。ターンテーブル停止時のみ照明が点灯、ディスクのレーベルが確認できます。

(*1)「 AK4397」はプロフェッショナル用デジタルオーディオ機器用に開発された旭化成エレクトロニクス社のAudio4proTM およびブランド製品です。
(*2)2007年7月現在

P−05の主な特徴

■徹底的に高信頼化/静音化を図ったターンテーブルを採用したVRDS-NEO(VMK-5)メカニズムを搭載。
20 年にわたるESOTERIC ターンテーブルメカニズムの集大成として新開発したVRDS-NEO(VMK-5)は、高精度アルミニウム製ターンテーブルを採用。 スーパーオーディオCDの高速ディスク回転に俊敏に対応するため、徹底的に高信頼化/静音化が図られたことにより、不要振動の原因となる回転イナーシャを最小化することに成功。さらに、ターンテーブル面に同径のポリカーボネート素材をはり合わせたハイブリッドにすることにより、ターンテーブルのレゾナンスを抑え、メカニズム回転時の静粛性も高めています。

高剛性BMC(Bulk Molding compound)とスチールによるハイブリッド構造のブリッジ部
ターンテーブルを保持するブリッジ部は精密成型が可能で、質量があり内部損失を持つ高剛性BMC(Bulk Molding compound)と高質量のスチールによるハイブリッド構造を採用。ターンテーブル回転時に発生するモーターなどの振動を大幅に減衰させ滑らかな回転に貢献しています。

エソテリック独自の高精度ローディング機構
トレーの開閉からディスククランプまでの動作をエソテリック独自技術の差動ギア方式で行うディスク・ローディング機構を採用。トレー開閉用のギアとクランプ用のギアが常にかみ合ったまま一連の動作が行えるため、ガタつきが無くより滑らかで静かなディスク・ローディング動作を実現しています。(特許第2861798号 ティアック株式会社所有)

新開発のスピンドル機構
スピンドル部は、ディスク・ローディング時にターンテーブルを一時的に分離する新方式を採用。これによりターンテーブル回転用のスピンドルモーターを下側に配置することが可能となり、メカニズム全体の小型・薄型化に成功しました。(特許出願中)また、スピンドルモーターはモーター自体の回転検出信号が得られるFG付き方式を採用、高度な
回転制御を可能としています。さらに、モーター軸を最短にすることにより回転時の軸振れを極少とし、ターンテーブルの高精度回転に貢献しています。

レーザー光軸の傾きを発生させない軸摺動型ピックアップを採用
P-03でも採用している軸摺動型ピックアップを搭載。レンズを移動させたときにレーザーの光軸が常に垂直方向を維持し、傾かない構造のピックアップと面振れを極少とするターンテーブルメカニズムの組み合わせにより高精度な信号読み取りを実現しています。

■ハイスピードで余裕の電源供給力を誇る大型トロイダル・トランスを搭載
低ノイズ、低歪みに加え高効率でハイパワー駆動が可能なトロイダル・トランスを採用。メカニズム駆動や回路へ余裕の電源供給を実現しています。

■CDのPCM信号アップコンバート機能
CDから読み出されたデジタルオーディオデータは高精度水晶発振器からの高精度クロックを用いて、ジッターの低減とアップコンバートが行われ出力されます。CD再生時のアップコンバート機能はfs88.2kHz(2倍)、fs176.4kHz(4倍)での出力が可能です。(スーパーオーディオCDはDSD信号/1bit64fsのまま出力されます。)

■ワードシンク機能
ワードシンク機能により、外部からワードクロックに同期することができます。入力可能周波数は、44.1/88.2/176.4/100kHzに対応。エソテリック独自のユニバーサルクロック(100kHz)も入力でき、マスタークロックジェネレータ(ルビジウム搭載のESOTERIC G‐0Rb等)やワードクロック出力を搭載する機器との同期運転することで、ジッター精度を飛躍的に向上させることが可能です。

■ジッターを低減するフローレートコントロールに対応したi.LINKインターフェースを装備
i.LINKインターフェースにより出力が可能。独自に開発した高音質IEEE1394(i.LINK)回路は、ジッターを低減するフローレートコントロールに対応。フローレートコントロールに対応した「D-05」などの接続機器(受信側)の高精度クロックを用いて信号を制御、スーパーオーディオCDならではの良質なデジタル伝送での再生をお楽しみいただけます。
i.LINK端子は6Pに加え4Pも装備しています。

■音質に悪影響を与える内外部振動を徹底排除する高剛性ボディコンストラクションを採用
肉厚アルミ材のフロントパネルに加えトップパネルと側板にも5mm厚のアルミ材を採用。ボディ全体を強化すると共にボトムシャーシー内部に8mm厚のスタビライザー、外部に5mm厚のスチール製ボードを装着。エソテリック独自の3点支持ピンポイントフットとあいまって、メカニズム取付けの高精度化と筺体の高剛性・低共振化を図っています。トップパネルにはVRDS-NEO(VMK-5)の動作が視認できるウインドウを設けました。ターンテーブル停止時のみ照明が点灯、ディスクのレーベルが確認できます。

D−05の主な特徴

■DACデバイスはDSD・PCM対応のフル32bit演算処理DAコンバーターを採用
32bitの処理能力を誇る旭化成エレクトロニクス社製のデルタシグマ型DACデバイス「AK4397」をD/Aコンバーターに世界で最初に搭載。高音質化を実現するために、高速・高処理能力を持つデジタル部の開発とそのデータを受けるアナログ部を強化。「AK4397」は入力I/Fのみならず、内部のデジタルフィルター、デルタシグマモジュレーターに至るまで32bitという広い演算空間と高い処理能力を可能としています。32bitデジタル演算部は既存の24bit以下のデータが入
力された場合でも高精度の演算を行い高音質再生に寄与します。
DACデバイスのアナログ部はチャンネル間を完全対称にレイアウトしています。回路ブロックごとに専用の電源を採用しデバイス内部のクロストーク、ブロック間の干渉を徹底的に排除、さらに、デバイス内部で発生するジッター成分を極力抑えるため、クロック専用の電源も設けジッターの影響を極小にしています。『D-05』ではこのデバイスをL/Rチャンネルに各1基づつ搭載しています。定位感に優れ、スーパーオーディオCDならではの密度感を伴った滑らかな音質
を引き出し、CDにおいてもテクスチュアに優れた音質を獲得しました。1Bit型DACとマルチBit型DACの特長を兼ね備えた32Bit演算処理能力を持つDACデバイスです。

■CD等のPCM信号をDSD出力信号にコンバートするDSDコンバート機能を装備
CDのPCM信号をDSD信号にコンバートするモードを装備。「P-03」やCDトランスポート、デジタルチューナーなどのデジタル出力のある機器と組合せることにより、DSD信号にコンバートされた音質がお楽しみいただけます。PCMの音像感、押し出し感のある音質、DSDのワイドレンジで空気感のある音質など、ソースに合わせお好みの音質でデジタルフォーマットできるエソテリックならではの機能です。

■「D-03」のL/Rデュアルモノ思想を踏襲したステレオD/Aコンバーター
電源部やアナログ回路などはL/Rを完全独立。アナログ用電源トランス→アナログ電源→アナログオーディオ回路を左右独立に、全く同じものを同じ経路で配置。さらに電源トランスもL/Rチャンネル用に2台搭載する完全デュアルモノ構造の贅沢な仕様です。「D-03」思想を随所に踏襲。チャンネル間のクロストーク、L/Rの電源供給量の影響を極少とし、また基板内のL、Rが同一の部品配置・パターンになることにより、L、Rの音質差をなくすことを可能としました。演奏家の周囲の空気感、楽器の姿やコンサートホールの見通しの良さ等アンビエンス、プレゼンス情報の再生においても真価を発揮します。

■L/Rチャンネル用に独立搭載のトランスはハイスピードで余裕の電源供給力を誇る大型トロイダル・トランスを採用
低ノイズ、低歪みに加え高効率でハイパワー駆動が可能なトロイダル・トランスをL/Rチャンネル用に2台搭載。デジタルおよびアナログ回路へ余裕の電源供給を実現しています。

■ジッターを低減するフローレートコントロールに対応したi.LINKインターフェースを装備
独自に開発した高音質i.LINK(IEEE1394)回路はジッターを低減するフローレートコントロールに対応。フローレートコントロールに対応したi.LINKインターフェースのある機器と組み合わせ、「D-05」の高精度クロックにより受けた信号を制御。スーパーオーディオCDならではの良質なデジタル伝送での再生をお楽しみいただけます。i.LINK端子は6Pと4Pを各1装備しています。
■ワードシンク機能により、外部機器との同期運転が可能
ワードシンク機能は、ワードクロックを出力するOUTモードと外部からのワードクロックに同期するINモードを装備しています。入出力ワードクロックは、44.1/88.2/176.4/48/96/192kHzに加えエソテリック独自のユニバーサルクロック100kHzが可能です。マスタークロックジェネレータ(ルビジウム搭載のESOTERIC G‐0Rb等)から高精度ワードクロッ
クを受けるワードクロック入力(INモード)と、「D-05」に内蔵の高精度水晶発振器による「P-05」などの外部機器へ高精度ワードクロック供給するワードクロック出力(OUTモード)により、ジッター精度や位相整合を飛躍的に向上させ、ハイスピードで実在感とデリカシーに富んだ音質をお楽しみいただけます。

■ワード機能のないデジタル機器の接続時にジッター低減に効果を発揮するPLL2(Dual PLL)モード
入力PLL回路を2段で搭載。接続する機器のレベルに応じ、1段のPLL回路を使用したPLL1モードとPLL回路を2段使用したPLL2(Dual PLL)モードが選択できます。PLL2(Dual PLL)モードでは「D-05」の高精度水晶発振器を用い高純度なマスタークロックをDACデバイスに供給することができ、ジッター精度や位相整合が向上、伝送ジッターを効果的に低減することができます。ワードシンク機能がない機器からの入力に対しても音質に悪影響のあるジッター成分を
低減することにより安定感があり音楽表現力に優れた再生を可能とします。

■音質に悪影響を与える不要ノイズや内・外部振動を徹底排除する高剛性ボディコンストラクション
肉厚アルミ材のフロントパネルに加えトップパネルと側板にも5mm厚のアルミ材を採用、剛性を高めると共にボディ全体をエソテリック独自のピンポイントフットで3点支持。筐体の高精度化と高剛性・低共振化を徹底しています。外観仕上げはショートスクラッチで仕上げたフロントパネルとサンドブラスト仕上げのサイドパネル、トップパネルを採用、『P-05』と同じ高さ12.6cmを実現した筺体はより一層の品位と風格を醸しだしています。

逸品館による音質インプレッション (CDのみの音質テストです)
※プロトタイプによるテストのため市販機と音質が異なる可能性があります。

P−05の音質テストは、ワードシンクなしRCA出力44.1KHzでD−05と接続して行った。音の広がり感や柔らかさは、新世代のEsotericサウンド(P−03、D−03)を引き継いでいる。デジタルの刺々しさを感じさせない、柔らかさと豊かな間接音(エコー感)、平面的にならない立体的な音場を実現している。
雰囲気は大変良いのだが、気になったのが「情報量の少なさ」だ。上級機に比べると明らかに音数が少なく、密度感(粒子)が希薄で音が薄い。価格を考えた場合、これはかなりのマイナス点になるのではないだろうか?試聴室に常設しているX−01D2と比較してみたところその差はあまりにも明らかだった。

純粋にCDの音質を求めて購入するのなら、P−05+D−05よりもX−01D2が絶対にお薦めである。直接は比較しなかったが解像力という部分では、CDの再生では下位モデルのSA60にも敵わないかもしれないと言う印象を持った。

納得が行かなかったのでP−05とD−05をそれぞれ単体でテストする。まず、トランスポーターを一番近くにあったAIRBOW UX−1SEに変えてD−05の音を聞いてみたが、あまりに大きな差は感じられなかった。次に、P−05をAIRBOW PS8500/Specialに繋いで聞く。あろう事か、D−05よりも遙かにきめ細やかで透明度が高く、解像度の高い音が出た。D−05に繋いでいたアンプは、AIRBOW PM8001/Space だが、このアンプとPS8500/Specialでは、アンプ自体の音にはそんなに大きな差がないから、D−05はPS8500/Specialに内蔵されているDACよりも音質が芳しくないかもしれないという結果になった。

これらのテストから考えてD−05の音質には疑問が残らざるを得ない。あえてINFRA NOISE DAC−1とは、比較しなかったが、もし比較すればDAC−1とD−05の価格差を覆して余りある大きな差が確認できるのではないかと思う。プロトタイプの音を聞く限り、P−05よりもD−05は、薦めしにくい。好き嫌いという尺度で評価をかなり甘くしても、その音質には疑問の余地が残るからだ。

もちろん、今回テストしたD−05が市販機に近い最終のプロトタイプで市販モデルと音質が異なる可能性はある。それを考慮しても、D−05は購入前に必ず他のDACとの比較試聴を行われることをお薦めする。聞かずにセットで購入するとP−05の足を引っ張ってしまうかも知れない。

D−05のテストに引き続き、P−05の実力を確認するため、EMT 986のデジタル出力の音質と比較してみたが、これは問題にならないほどP−05の音が素晴らしかった。P−05とP−03の直接対決は行わなかったが、たぶん価格ほど大きな差はないはずである。なぜなら、AIRBOW UX1SEとEsoteric P−03のデジタル出力の音質にはほとんど差がないことを以前に確認しているからだ。三者比較からの結論になるが、AIRBOW UX−1SEとの音質差が想像していたよりもずっと小さかったP−05の音質はP−03に近いと思われるからである。

すでに良質なDACをお持ちなら、トランスポーターにP−05を導入なさると良い。そのDACの音質をもう一度見直せるはずだ。そして、DACの音質はトランスポーターに大きく依存することを思い知らされるだろう。P−05は、素晴らしい!解像度が高くクリアで、音楽性も高い。旧来のEsotericのように解像度ばかり高くて、硬く冷たい音ではない。暖かい血の通った音楽を再現する。現在のCDトランスポーターの相場に照らし合わせて考えるなら、60万円という価格は望外に安い!紛れもなく世界に誇れるトランスポーターがまた一つEsotericから誕生したことは間違いがなさそうだ。

2007年7月 清原 裕介

  

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