ハイビジョン対応の高精細度パネルを採用しているため、約2m離れれば液晶のドットや画像の荒れも感じなくなり滑らかな画像を楽しめます。画質の滑らかさ、細やかさは、高額品と比べても遜色はありません。視野角は、やはり少し狭いと感じることがありますが、自宅で普通に使用する分にはまず問題にならない範囲です。
液晶テレビのHDMI入力の映像は、これまで解像度は高くなりきめ細かくなる反面、画面全体が白ぽっくなり黒色の淡い浮き気味なイメージであまり良い印象はなかったのですが、今回FTV−321Hの各映像をじっくり見てその考えが変わりました。
ハイビジョン放送のビデオ収録画像ではHDMI接続の方はグレーの階調に表現(再現性)の幅があるため、黒沈みに不足感どころかより引き締まった奥行きのある画質が得られデジタル画像の良さを実感しました。
DVD画像のビデオ収録映像も輪郭の強調感が薄れ、中間調が豊富なため、質感も柔らかく奥行きが自然で映像がやさしく感じられます。
DVDの映画ソフトではD端子接続の方が見慣れている事もあると思いますが、フィルム映画は色乗りが良く、雰囲気よく再現します。
HDMI接続だと色が薄い(色乗りが浅い)ためか、全体に映像がすこしやせた印象になりますが、アニメやCGでは、D端子接続に比べ細部の描写が向上するので好みが分れるでしょう。
少し前にプログレッシブTVが出たときに従来のインターレスTVに比べ画像の甘さや不自然さを強く感じ画質が改善する印象はなかったのですが、最近はその欠点が徐々に払拭され、今あらためてインターレスTVを見ると、画像の粗さが気になってプログレッシブがよく見えます。FTV−321HのD端子接続とHDMI接続の画像違いも同じようにプレーヤーがさらに良くなれば、HDMIがあらゆる点で良く見えるようなるかも知れません。
1インチ10,000円を大きく切り、1インチ4,000円と同サイズのブラウン管TVとあまり変わらない低価格を実現した“FTV−321H”は、薄型軽量で部屋の模様替えにも自由度が高く、この画質ならブラウン管を選ぶ理由はもうありません。手軽にハイビジョン映像やDVDビデオを楽しむには十分な性能の低価格液晶TVです。