HDモードで撮影時の解像度はHDR-FX1・GR-HD1共に
充分な解像度が得られており、細部の再現性も不満はありません。
写真では解りませんがHDR-FX1は、動く物を
撮影したときも不安定感は無く安定しています。
見た目の印象に近く、もしくはよりきれいに撮影出来ます。
今回最終的にワイドで比較したのでかなり不利な条件のはずですが、従来のテレビで見た場合はDCR-VX2000もかなりきれいな映像を見せてくれます。予想以上の大健闘でした。(4:3ではもう少しシャープです)
先行発売されているVICTOR
GR-HD1は、サンプリングが1秒間30コマのために(HDR-FX1は60コマ)色の表現と動きのある被写体に対しては、コマ落ちのような「パラパラ感」が感じられますが、明らかにハイビジョンを意識させる高い解像度で、ハッとする表現力を感じさせてくれました。
対する後発のHDR-FX1は遅れてきただけのことはあり、ハイビジョン然とした解像度を欲張る映像ではなく「バランスの取れた柔らかい表現に到達」するレベルに煮詰められています。
ハイビジョンよりもスペックでは遙かに劣るDV専用のDCR-VX2000ですが、大画面で映してもかなりきれいで普通のサイズのTVで観るならこれで十分です。しかし、40インチを超える大画面やプロジェクターを使った「映写会」では、ハイビジョンの高精細度は、圧倒的に大きな魅力を持っています。
手にしたときは、これは大きいと思ったFX1ですが、DVのソフトフォーカス気味のボケ味のある柔らかさでは無く、ピントのびしっとあった細かい画質でありながら眼に柔らかいハイビジョンの映像を見ると、その大きさや重さを忘れてしまいます。
別の機会にHDR-FX1で紅葉等を撮影しましたが、条件さえ整えば配信されているBSや地上デジタル放送の画質を上回るクオリティで撮影できると確信しました。
操作性もまったく問題はなく、オートで気軽に撮るだけのビギナーから、マニュアルでフルに使いこなすプロフェッショまで、使い手や使い方を選ばず常に一定以上の高画質で撮影が可能です。
もし、一つだけ問題を指摘するとすれば、ハイビジョン撮影時には、ピントに注意して下さい。DVでは気にならない「ボケ」が、ハッキリと見えてしまい、それがとても気になることがあります。
そのためハイビジョン撮影時には、DV撮影時よりも
フォーカスをシビアに合わせて下さい。特にマニュアル撮影時は、気遣いが必要です。画角を広く意識し、どこにフォーカスを合わせるかを常に考えながら画作りして下さい。
DV方式が登場したときに「TV放送のクオリティを個人で手軽に撮影できる時代になった」と思ったのが、早くも「デジタルハイビジョンのクオリティで撮影できるカメラが登場」したのは嬉しい驚きです。
HDR-FX1は、毎年新製品が登場して価値が落ちる機器ではなく、名機DCR-VX1000のように長く色あせることはない、エポックメイキングな製品になる予感がします。
リポート掲載日:2004年11月27日(ビデオ担当:古谷)