|
音質テスト
オーディオボード、インシュレーター、電源アクセサリーなどオーディオアクセサリー専門メーカー「Kripton」から発売されている、ノイズフィルター内蔵電源タップ「PB-HR700」を同社の電源ケーブル「PC-HR500」と組み合わせて音質をチェックしました。
・PB-HR700の特長
カーボンマトリックス3層材採用のボディーに2回路フィルター入り電源回路を収めた電源タップで次のような特徴を持っています。
リスニングの電源環境で発生するノイズの大幅な削減
新素材〈ネオフェード〉カーボンマトリックス3層材を振動ノイズの影響を受けやすいコンセントと筐体の間に緩衝材として採用。Kripton
HR
Series電源ボックスのフラグシップ機(PB−HR1000)で高評価を得た「電源フィルター2回路構成」を採用し、「大電流機器・高ノイズ機器」と「小電流機器」との分離接続を可能とすることで、機器間の相互影響を大幅に軽減します。
非磁性体の「ステンレス」を筐体に採用
測定と試聴から検討した結果、「電磁遮蔽に強く、防振に優れ、重い素材」のステンレスを採用しています。
コンセントと筐体下部取り付け部に〈ネオフェード〉カーボンマトリックス3層材を採用
振動理論の観点から構造体の共振を抑え、振動エネルギーを効率よく吸収する〈ネオフェード〉(機能性ポリエステル)をCERP(カーボン繊維強化プラスチック)で上下に挟んだ3層構造の特殊カーボン素材を三菱ガス化学(株)とオーディオ用素材として共同開発しました。この新素材〈ネオフェード〉カーボンマトリックス3層材をコンセントと筐体下部の固定用緩衝材として採用することで、音を汚し、なまらせる不要振動をスムーズに吸収させています。
高導電率導線(PCOCC-A)を採用して広帯域の高音質を実現
ジャンパー導線に採用している単結晶状高純度無酸素銅(PCOCC-A)とは、銅の結晶を連続的に成長させて、信号電送方向の結晶粒界を理論的に最小にした素材です。導線としては理想的な構造であり、音響的にみても癖のない広帯域の音を再現します。このジャンパー導線は好評の「HRシルキー電源ケーブル(PC−HR500)」と同仕様を採用しました。
ハイグレードコンセント、インレットを採用
コンセントは定評のある「レビトン社製ホスピタルグレード」、ACインレットは「ロジュウムメッキ仕上げ」を採用し、高品位・高音質を実現します。また、コンセント2個はパワーアンプ、パソコン等の「大電流機器・高ノイズ機器」を4個はDVD/CDプレーヤー、プリアンプ、DAC等の「小電流機器」を接続する大小電力分離型設計となっています。また、ACインレットには、信頼性が高く定評のあるロジュウムメッキ仕上げを採用しました。
高級ハイブリッド・インシュレーターをフットに採用
単品販売と同仕様の〈ネオフェード〉カーボンマトリックス3層材と、ステンレスのハイブリッドで高性能なインシュレーターをフットに採用、外部振動を大幅に吸収します。
DLNA サーバー:AIRBOW SSS-2013 | AVプリアンプ:AIRBOW AV8801 Special | パワーアンプ:AIRBOW MM7055 Special |
Kripton PB-HR700 | ||||||||||||||||||
別売り:シルキー電源ケーブル PC-HR500 ¥38,000−(税込) |
|
|||||||||||||||||
|
試聴後感想
PB−HR700の後でPB-HR1000も聞いてみたのですが、響きの成分がさらに少なくなり、明瞭度の増加と引き替えに雰囲気が薄くなりました。
今回はAIRBOWという、やや特殊?な音質の製品を選んだためこのような結果になったのかも知れません。
交響曲のライブで「どの座席」に座るかで音楽的な雰囲気が変わります。舞台袖やベランダ席前方で聞く「鮮烈な楽器の音」は、音としての魅力に溢れています。コンサートホール中央や前方で聞く「混じり合った楽器の響き」は、音楽の造形美に溢れています。完成する前の「美しいピース」を選ぶのか、完成された「全体像」を選ぶのか、絵画が見る距離によって印象を変えるように、音楽も音の明瞭度感でその表情を大きく変えます。
Kriptonの電源タップを使うことで確実に「楽器(音源)」との距離は詰まります。後は、それをどのように音作りに使いこなすかだと思います。
逸品館代表 清原 裕介
|