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CAV T-88α TRIODE TRV-88SER AIRBOW TRV-88SER VINTAGE YARLAND TJ-88P 真空管プリメインアンプ 音質 比較 レビュー 価格 試聴 販売KT88 真空管プリメインアンプ 音質比較テスト
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Triode TRV-88SER |
CAV T-88α |
YARLAND TJ88-P |
AIRBOW TRV-88SER Vintage |
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使用真空管 | 12AX7×1 12AU7×2 KT88×4 |
12AX7×2 6SN7×4 KT88×4 |
12AX7×2 12AU7×2 12BH7×2 KT88×4 |
12AX7×1 12AU7×2 KT88×4 |
最大出力 | 45W×45W | 45W×45W | 50W×50W | 45W×45W |
出力タップ | 6/8Ω | 4/8Ω | 4/8Ω | 6/8Ω |
消費電力 | 140W | 250W | 150W | 140W |
入力 | LINE(RCA)×3 Phono(MM)×1 |
LINE(RCA)×3 Phono(MM)×1 |
LINE(RCA)×3 LINE(XLR)×1 |
LINE(RCA)×3 Phono(MM)×1 |
出力 | REC-OUT(RCA)×1 | REC-OUT(RCA)×1 | REC-OUT(RCA)×1 | |
ヘッドホン出力 | ○ | × | × | ○ |
リモコン | ○ | × | × | ○ |
サイズ(W*D*Hmm)・重量 | 340/315/185 ・ 15s | 400/380/215 ・ 28s | 350/430/210 ・ 28s | 340/315/185 ・ 15s |
付属品 | リモコン・電源ケーブル | 電源ケーブル | 電源ケーブル | リモコン・電源ケーブル |
メーカー希望小売価格 | 190,000円(税別) | 180,000円(税別) | 198,000円(税別) | 266,666円(税別) |
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真空管の数の違いについて
上の表で比較すると「KT88×4」は共通ですが、それ以外の真空管の種類と数が違っていることがわかります。KT88は出力管と呼ばれスピーカーを動かす(鳴らす)エネルギー(出力)を取り出すために使われています。
まず、CD(LINE)から入力された最大電圧1Vの信号を増幅し、出力管のKT88を十分ドライブするだけの電圧を取り出す必要があります。4台に共通する12AX7という真空管は増幅率が高く、入力された信号電圧の増幅に使われます。さらにこれら4台のアンプは片方のチャンネルの「プラス側とマイナス側」をそれぞれ一対のKT88で増幅する「プッシュプル」と言う方式を採用して40Wを超える出力を実現していますが、このためには「反転回路」が必要になります。
4台で共通しない真空管は、反転回路に使われますが、同時に電圧増幅も行います。12AX7を最大効率で使えば、KT88をドライブするだけの電圧が得られますが、CAV T-88α、YARLAND TJ88-Pでは、真空管の数を増やすことにより「一つの真空管が増幅する電圧(比率)」をあえて下げています。こうすることで真空管の増幅率を「フル」に使わずに、「最も歪みの少ない領域だけ」を使うことができるので、アンプの歪み率を下げられます。限度はありますが、真空管の数を増やすことで「歪み」が下がります。そういう意味では、CAVとYARLANDのアンプは、Triode(AIRBOW)に比べてより上級の「贅沢な回路」を採用していると言えるでしょう。、
試聴機材
AIRBOW CD3N
Analogue (この商品のお問い合わせはこちらからどうぞ)
Triode TRV-88SER 190,000円(税別) (この商品のお問い合わせはこちらからどうぞ)
動画による音質評価
音質評価 TRV-88SERは、KT88を使ったアンプとしては比較的低価格の15万円(税別)です。この価格ですがリモコン、MM対応Phono入力を装備するなど内容は充実しています。TRV-88SERの全体的な傾向として、高音のメリハリが効いていることがあげられます。画像に例えるとシャープネスが強い感じで、音の輪郭が強調されています。TRV-88SERはこの輪郭の強調感により、音が前に出る傾向があり元気な音で音楽を鳴らします。JAZZ。POPSなどは力強く明るく鳴らすのですが、輪郭の強調により前後方向への音の広がりが浅くなり、交響曲など楽器の多いクラシックはあまり得意とは言えないようです。 組み合わせるスピーカーは選びませんが、高域が強いスピーカーよりもTriodeが扱う「Spendor」のようにテキスタイルドーム型ツィーターを使った「高域が優しいスピーカーー」との相性に優れているように思います。
CAV T-88α 180,000円(税別)(この商品のお問い合わせはこちらからどうぞ)
動画による音質評価
音質評価 試聴スピーカーにVienna
Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)、ソースはAIRBOW NA11S1/Ultimate+iPod(WAV)アンプの設定は「Triode」ポジションで行いました。 先に書きましたがTRV-88SERは元気の良い音を出しますが、高域が少し硬くざらつく感じがあります。そのため音場の奥行きと広がりが、真空管アンプとしては少し小さめです。それに比べT-88αが音のきめ細やかさや質感の高さで優れていることが、音が出た瞬間から感じられます。
このソフトには「ややエレクトリックな弦楽器の音」が収録されていますが、T-88αは音のエッジを鈍らせずそれらの音をスッキリ・ハッキリと再現します。真空管的な「艶」はそれほど強く感じられませんが、癖が少なく良い意味で「トランジスターアンプ」との違和感のない音は、クールな魅力に満ちています。良く調音された高級アンプの音質で、アセントが鳴りました。 イントロのギターの音がとてもスッキリしています。余韻も透明で美しく、ギタリストの操作から感情がダイレクトに伝わります。ボーカルはもうすこし「厚み」が欲しいですが、ギターとの分離感に優れ「生音」を聞いているように濁りがありません。
ピアノの低音は僅かに軽く、KT-88をプッシュで使うアンプとしては「やや控え目」な低音です。けれど中高音のきめ細かさは、下手な300Bシングルアンプを上回るほどの透明感です。すでに聞いた2曲でも感じましたが、楽器それぞれの音とボーカルの分離が見事で、音の重なりが「滲まず、向こう側が透けて見えるような透明感」を持っています。この驚異的な分離能力は18万円という価格を大きく超えています。音の質感だけで評価するなら2倍くらいの価値は十分あるでしょう。 この曲を聴いた印象としては、押しが若干弱く綺麗だけれどガッツはそれほど強くないという感じです。少し明るく、繊細でしっとりと落ち着いた音で「My
One End Only Love」が鳴りました。
強くコンポレッサーがかけられ、音の頭がつぶれ気味な音圧の高い(平均音量の大きい)J-POPをスピーカーで聴くと、高域がうるさく固まってしまいます。T-88αは真空管アンプならではの「空間分離能力」でそれを上手くほぐして聞かせます。楽器の音が重なった部分、ボーカルと楽器が重なる部分でも、音と音の間に「隙間」が感じられ、立体的に音場が広がります。 試聴後感想 低音は有り余る力感はありませんが、必要にして十分。中音は「厚ぼったく」なく、良い意味でクール!高音はS/N感が高く、繊細で透明です。また音の立ち上がりが早く、下手な真空管アンプになりがちな「もたもた感、もやもや感」とは無縁なのは素晴らしいと思います。特徴的なのは空間の広がりと、音の分離感の優秀さです。サラウンドのように大きく広がる音場感は、このクラスの真空管アンプの標準を大きく超えています。 YARLAND TJ88-P 198,000円(税別・生産完了品)(この商品のお問い合わせはこちらからどうぞ)
動画による音質評価
音質評価 CAV
T-88αよりも僅かに高いYARLAND
TJ88-Pですが実質的な値引きが少ないので、価格差は少しあります。また、Triodeが装備するリモコンやPhono入力も省かれています。けれど、天然木から削り出されたフロントパネルや綺麗に仕上げられたピアノブラックの塗装は、50万円クラスのアンプとまったく遜色ありません。音質も外観の良さに伴うもので、TJ88-Pを聞いてしまうと、あれほど良くできていたと感じられるCAV
T-88αの音が「なんだか薄く」感じられるほどです。 中低音に粘りと厚みがあり、中高音には真空管アンプらしい「艶」が感じられます。外観だけではなく、音質も海外輸入品の50万円クラスの真空管アンプに十分匹敵します。価格は1/2以下!大変お買い得なアンプです。 AIRBOW TRV-88SER Vintage 266,666円(税別)(この商品のお問い合わせはこちらからどうぞ)
動画による音質評価
音質テスト結果 TriodeのTRV-88SERを「フルチューンナップ」したのが、AIRBOW
TRV-88SER
Vintageです。価格はベースモデルの2倍以上と驚くほど高価ですが、真空管をすべて交換(KT88/ソブテック、ミニチュア管/JJ高信頼管」、さらにすべてのコンデンサーを長寿命品に交換しています。消耗部品の交換だけで、その寿命は通常の使用で20年を超えるほど長くなっています。改造に使ったパーツ総額が6万円を大きく超え、さらに微に入り細にわたる細やかな音質チューンが行われていますので不当に高い値段が付けられているのではありません。 なによりも注目して頂きたいのは、その「音質」です。直前に聞いたYARLAND
TJ88-Pの音も素晴らしかったのですが、TRV-88SER
Vintageはすべての音が一段と磨き込まれ、輝きを放つような「鮮やかな音色」で楽器やボーカルを再現します。低音も力強く弾み、同じソフト・同じ演奏を聴いているとは思えないほど躍動的で楽しい音が出ます。聞き比べた瞬間に、それがわかります。 真空管アンプ音質比較を終えて 今回は真空管アンプと抜群に相性の良いCDプレーヤー「AIRBOW
CD3N Analogue」を使いました。スピーカーはTAD
E1とこのクラスのアンプとは組み合わされることが少ない高額品を選んでいますが、TAD
E1はアンプに過大な負荷をかけず、真空管アンプとの相性も抜群です。そのためEARもデモンストレーションにTAD
E1を好んでよく使っています。こんなことを最初に書いたのは、メーカー希望小売価格
15万円(税別)のTriode
TRV-88SERの音出しでさえ「相当良い音」が出て驚いたからです。 さらにCAV
T-88α、YARLAND TJ88-P、AIRBOW TRV-88SER Vintageと試聴が進むと 「TRV-88SER:価格が信じられないほど元気で明るく楽しい音」 ↓ 「T-88α:セパレートアンプを鳴らしているのでは?と思うほどきめ細かく透明感の質感の高い音」 ↓ 「TJ88-P:T-88αの音が元気なく感じられるほど、躍動するエネルギッシュな音」 ↓<「TRV-88SER
Vintage:直前まで聞いていた音とは、色彩の鮮やかさ、楽器そのものの音の良さ、など音色の良さと音楽表現力が全く違っている音」 と、どんどん音が「良くなって行く」のがヘッドホン(イヤホン)を介して音を聞いていてもハッキリとわかるからです。 この真空管アンプ音質比較テストは、アンプそれぞれの違いだけではなく「アンプを変えるとスピーカーのとがどのように良くなって行くか(変わって行くかではなく)」が体感できると思います。そんな聞き比べを通じて、オーディオの不思議な楽しさを味わって頂ければと思います。
2015年 2月 逸品館代表 清原裕介
形式
真空管式プリメインアンプ
入力数
RCA×3
、 Phono(MM)×1
入力感度
400mV
入力インピーダンス
100KΩ
最大出力(Ω)
45W×2(8/6Ω)
周波数特性
10Hz-50KHz(+1、-4dB)
消費電力
140W(実測値)
サイズ(W/D/H)/重量
345×320×185(mm)/17kg
付属品
電源ケーブル・リモコン
形式
A級真空管式プリメインアンプ
入力数
RCA×3
、 Phono(MM)×1
入力感度
300mV
入力インピーダンス
100KΩ
最大出力(Ω)
45W×2(8/4Ω)
周波数特性
15Hz-50KHz(±1dB)
消費電力
230W(カタログ値)
サイズ(W/D/H)/重量
400×380×215(mm)/28kg
付属品
電源ケーブル
※ CAV
T-88αの文字によるレポートはソースにAIRBOW
NA11S1/Ultimate iPod Touch(WAV)、スピーカーはVienna Acoustics
Beethoven Concert
Grand(T3G)を使って前日に行ったものです。 Time
Warp/Zarathustra etc Erich Kunzel 「Ascent」
中高音はきめ細かく、歪み(音の無駄な響きや、立ち上がりの遅れ)が少ない感じです。低音は真空管アンプとは思えないほどしっかりしています。このあたりは良い意味で真空管アンプらしくなくトランジスターアンプととても良く似ているのですが、全体的な滑らかさやスッキリと見通しの良い高音に真空管ならではの魅力が感じられます。トランジスターアンプに比べて音場が大きく立体的に広がり、身体を包み込むようなリッチな空間が実現するのも魅力です。 ラスト・ライブ・アット・ダグ
グレース・マーヤ 「Mona Lisa」
美しく透明な空間にモナリザが、静かに描かれて行きます。電気的な歪みや嫌らしさを一切感じさせないその表現力は価格を考えると大したものです。曲が終わり、観客の拍手がゆっくりと会場に広がっていく用スがリアルで、ライブ会場の雰囲気がとても良く伝わりました。 ア・チャイルド・イズ・ボーン 峰純子 「My
One End Only Love」
Box
Emotions CD+DVD, Limited Edition Super Fly 「誕生」
ギターのドライブ感も十分、ボーカルの伸びやかさとパワー感の再現にも優れ、録音の芳しくないソフトにもかかわらず、思ったより遙かによい音で「誕生」が鳴って驚きました。この音の出方は、真空管アンプならではのものです。
T-88αは真空管アンプとしては、かなりHiFiなサウンドに仕上がっています。歪み感が非常に小さく、音場が澄み切っていますが、、真空管アンプとしては「やや無個性」に感じられるかも知れません。けれど音質感は、価格を大きく超えて感じられるでしょう。もしT-88αの音が薄めに感じられるなら、CDプレーヤーに「濃いめの音」をチョイスすればほどよい感じになると思います。また、CDよりも音が濃い「アナログ・レコード」との相性は抜群だと予想します。
リモコンがなく、価格は少し高いですが、その音質はセパレートアンプのレベルに近いものです。これで「音に見合うデザイン(質感は高い)」が実現していれば、文句なしにお薦めですが、外観はあまりにも「素っ気ない」感じ。その点が少し惜しいと思います。
形式
真空管式プリメインアンプ
入力数
RCA×3
、XLR×1
入力感度
ND
入力インピーダンス
100KΩ
最大出力(Ω)
50W×2(8/4Ω)
周波数特性
10Hz-50KHz(-1dB)
消費電力
150W(カタログ値)
サイズ(W/D/H)/重量
350×430×210(mm)/28kg
付属品
電源ケーブル、リモコン
形式
真空管式プリメインアンプ
入力数
RCA×3
、 Phono(MM)×1
入力感度
400mV
入力インピーダンス
100KΩ
最大出力(Ω)
45W×2(8/6Ω)
周波数特性
10Hz-50KHz(+1、-4dB)
消費電力
140W(実測値)
サイズ(W/D/H)/重量
345×320×185(mm)/17kg
付属品
電源ケーブル・リモコン
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