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AUDIO ANALOGUE  PRIMO CENTO VT

AUDIO ANALOGUE

PRIMO CENTO VT

 希望小売価格 178,000円 (税抜価格)

生産完了

入力は5系統

スピーカー出力端子は両端にあるが、
プラスとマイナスの距離がやや近いので
ショートに注意する必要がある。

電源ケーブルは直出しで変更できない。

前回のテストでCDの音質に感銘を受けたため、Audio−Analogueの新しい製品を全部テストしたくなって、今回借り受けたのがハーフコンポサイズの“PRIMO CENTO VT”です。

メーカーの説明は次のようになっていますが、果たしてその真偽のほどは?

メーカーのホームページより抜粋。

PRIMO CENTO VTは、AUDIO ANALOGUEの人気商品PRIMO CDPとPRIMO SETTANTA と同じラインの、“プリモ”シリーズの新しい商品でこの“PRIMO CENTO VT”は、プリアンプ部に真空管を搭載したハイブリッドを採用しています。

“CENTO VT”とは、イタリア語で100を示すCENTOとバキュームチューブ(真空管)を意味するVTが合わさった、100ワットで駆動する真空管ハイブリッドアンプとアンプと言う意味で“PRIMO”とは“最初”つまり、音・スタイル共に“最新を作り上げる” というコンセプトを元に名付けられました。

音は、艶があり、透明感のあふれるPRIMO SETTANTAの長所も残しつつ、ハイブリットの特徴でもある、音の温かさも表現しています。高級パーツをふんだんに使用し、最新技術を惜しみなく採用する事でアップグレード機種にも劣らない本格的なサウンドを楽しめます。そして、これだけの性能を持つにもかかわらず手頃な価格も魅力の一つ。MM・MC対応のフォノイコライザーが標準装備になった事で、アナログファンの方々にも気軽にお楽しみいただける商品です。
(MM・MC対応フォノイコライザー標準装備)

試聴リポート(仲嶋)

PRIMO SETTANTAと同じパネルデザインですが、回路は真空管を用いたハイブリッド構成となっており、音質はPRIMO SETTANTAのサラリと自然な音に色彩の豊かさや潤い感が加わり、濃厚で味わい深さを感じさせます。
全体的にはややソフトで優しい印象ですが、小振りで質の良いアンプをお探しの方にはお薦めです。

試聴リポート(清原)

ROSSINI CDP 、 VERDI SETTANTA と同じコンセプトのデザイン仕上げによる「美しい外観」と天板から少しだけ見えている「真空管」がこのアンプの最大の特徴。

AIRBOW CC4300SpecialをCDプレーヤーとして、Vienna Acoustics のT3Gをスピーカーとして、一番聞き慣れた3号館の「リビング リスニングルーム」でこのアンプを試聴した。

電源を入れた瞬間の音は、やや頼りなく?どことなく希薄なイメージだが、約15〜30分を経過する頃には、中域にシッカリと真空管独特の艶と厚みを持った滑らかな音に変化した。

ボーカルのニュアンスや質感、サックスやクラリネット、弦楽器の中域の音質は真空管の助けもあって、抜群に滑らかで多彩な表現力を持つ。ピアノの持つ美しい響きや、ギターの胴鳴り、シンバルの金属の美しい光沢感も音色となって再現されるのには舌を巻かされる。さすがイタリアの歌姫は饒舌だ。

しかし、その美しく質感も高い中域に比べると超高域の伸びが少し物足りない。高域は非常に滑らかに、ロールオフしてゆく。音源がCDと言うこともあり、聞こえない周波数帯域への倍音の伸びは穏やかで、私にはすこしもの足らないようにも感じられるが、この試聴室がデットなことを考慮すると一般的にはこの方が使いやすく、音がざらつかなくて良いはずだ。

低域の厚みや力感は、不足している。絶対的な量や質感としては問題がないのだが、超高域の方向と同じように低域も穏やかにロールオフしている。ロールオフするカーブは、高域より低域の方がやや急峻だ。

グランドピアノがアップライトピアノ気味に感じられ、バスドラムがミッドバスのように少し軽い。トロンボーンの音色も少し厚みが不足して、トランペットのように聞こえる。

ウーファーが3個も付いている、T3Gをフルドライブするには、問題はない範疇だがやや力不足だと感じられたので、逸品館お薦めの小型スピーカーAIRBOW IMAGE11/KAI−Sを鳴らしてみた。

IMAGE11/KAIS−の標準アンプとして聞き慣れたAIRBOW LITTLE PLANETと比べると低域と高域の明瞭度が明らかに低下しているのを感じる。LITTLE PLANETの帯域を正三角形とするとPRIMO CENTO VTは、角の丸いおむすび型だ。音の立ち上がり、立ち下がりの速度もLITTLE PLANETより明らかに遅い。(PRIMO CENTO VTが遅いのではなく、LITTLE PLANETが群を抜いて早い)

しかし、しばらく聞いているとそんなことはほとんど気にならなくなる。それよりも1KHz付近のもっとも人間が敏感(特に日本人が敏感)な周波数帯域での音の滑らかと質感の高さに耳を奪われる。力業で音を耳に押し込むのではなく、徐々にそして自然に体の中に音楽が浸透してくるようなそんなサウンドだ。

ひとだび、この心地よさを知ってしまうと次々といろんなソフトを聞いてみたくなる。私は歌謡曲(ボーカルもの)を好んで聞くが録音の良いソフトであればあるほどこのアンプの良さは引き立ってくる。かといって、古いジャズ(60〜70年代)もムードよく鳴らす。

特にバラード系のJAZZもこのアンプの壺にハマり、チャット・ベイカーの独特な色気がくらくらするほどなまめかしい。マイルス、デイビスのミュートされたペットの独特の悲哀感も上手く表現されるが、今死ぬほど苦しい!という絶叫的な感じではなく、こんな辛いこともあったな〜という感じで、セピア調のメモリーとして心に静かに訴えてくるように聞こえる。これはイタリア人の楽観性なのだろうか?そんなことを考えさせるほど、このアンプの音質は情緒的で官能的だ。

これこそ、オーディオらしいオーディオ。イタリアのしゃれっ気が音になったアンプ。気に入れば、手放せない、そんな大きな魅力が感じられた。ただし、こんなふうに「アンプの独特の魅力」を強く感じさせる(訴えてくる)と言うことは「アンプの色づけ」は、やや多い方だと考えておく方がよい。

このアンプの性格は、ひかえめな大和撫子ではない。とびっきり美人だけど、少し頑固なところもあるスリムでスタイル抜群のイタリア娘(そんな女性とは一度も付き合ったことはないが)そういうイメージだ。死ぬまでに、一度はそういう型にはまらない恋愛をしてみるのは悪くない。それもたった10万円と少しで、異国の文化の香り、情緒を味わえるのはすごく安い。

逸品館でお薦めしている、UNISON−RESERCHのUNICO Pと比べるとボディーのサイズが小さい分、中低音の厚みが少ない気がするから、T3Gのような中型以上のスピーカーにはUNICO Pのほうが良いと思う。音の個性は同じイタリア製で似ているようだが、違っている。個人的には、PROMOのようなハッキリとした個性、主張のある音は好きだが、UNICO Pの方が、気さくで取っつきやすい感じがあり、万人に好まれるだろう。外観の質感、仕上げはPRIMOが断然良いが、付け加えておかなければいけない重要なことが一つある。それは、リモコンで動作するボリュームの段差がVERDI SETTANTA同様大きく、小音量時や音量にこだわって聞かなければいけない場合には、ちょうど良い音量に出来ないことである。

LUXMAN  CL−88 、 MQ−88

LUXMAN

メーカーWEBへのリンク

Luxman 真空管アンプへのお問い合わせ

CL-88: 希望小売価格 380,000円 (税抜価格)

MQ-88: 希望小売価格 450,000円 (税抜価格)

前面

背面

最新の回路技術とパーツを投入して完成した、新世代の真空管アンプ。それがLUXMANのCL−88、MQ−88です。

メーカーのホームページより抜粋。

私たちラックスマンには、日本国内において最も長きに渡って真空管アンプの可能性を追求してきたメーカーという自負があります。オーディオアンプのメインストリームが半導体に置き換わってからも、真空管が持つリニアリティの高さ、帯域の広さを十二分に活かした設計と物づくりを進めてきました。その最新の成果と変わらぬ情熱を、11年ぶりに満を持して発表するセパレート型真空管アンプ、CL-88/MQ-88に注ぎました。

CL-88/MQ-88はしかし、かつてのラックスマンの名機の焼直しではありません。MP3に象徴される圧縮デジタルオーディオ全盛の今日にあって、懐古的イメージで捉われがちな真空管アンプはどう在るべきかを真摯に突き詰めた結果のフォルムであり、サウンドなのです。流行や郷愁的なムードだけで流されない、語って欲しくない、真に趣味性の強い本物志向の真空管アンプの魅力をラックスマンは再び提案します。

試聴リポート(仲嶋)

久々のLUXMAN真空管アンプ。真空管アンプにありがちな懐古趣味的なデザインを採用せず、斬新でシャープなイメージのボディーからは確かに真空管らしさに頼った甘さや曖昧さを味としないシッカリとした音を聴く事が出来ます。

色彩感を感じさせつつも空間の透明度があり、ボーカルなどがステージの中央にスッと立つイメージで、音に張りがあるため躍動感が感じられ、いきいきとした再生音が特徴です。

欲を言えば低域の分離感がもう少しあれば更に理想的に感じましたが、試聴は電源投入ご割合すぐだったため、若干のエージング不足があったのかもしれません。

最近の真空管アンプの中では非常に良く出来たアンプではないでしょうか。

2006年3月

 

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