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marantz NA7004 音質 価格 販売 比較 Luxman da200 m200 音質 比較 試聴 評価テスト レビューLuxman DA200 M200 ネットワークプレーヤー 音質比較テストLUXMANからDA200とベストマッチする小型パワーアンプM200が発売されました。ご存じのようにDA200はUSB DACとしての機能以外に2系統のRCA入力とボリュームを備えていますので簡易なプリアンプとして使うことができますので、M200と組み合わせれば非常に小さな「セパレートアンプ」としてお使い頂けます。また、M200も入力にボリュームを装備しておりますので、CDプレーヤーやDAコンバーターと直接繋いでお使い頂けます。さらにDA200/M200にはRCAとXLRの入出力が装備されていますので、RCAで繋ぐのか?もしくはXLRで繋ぐのか?それぞれの音の違いも確認したいところです。 小型軽量で使いやすく、さらにピュアオーディオ製品としてはエントリーの価格帯でありながら、Luxmanのサービス精神がぎゅっと詰まったDA200とM200のコンビネーションは、初心者にはちょっと扱えきれないくらいの豊富なアナログ機能を持っています。今回は、M200単体での音質テストに加え、DA200との音の良い接続方法、そしてPCをトランスポーターとして使った場合の音質改善と、広い範囲での音質テストを行いました。このレポートをお読み頂ければ、PCから良い音を出すためのテクニックの大きなヒントにして頂けると思います。
音質テスト Luxman M200の「素」の音質を把握するため、RCAとXLRの出力を備えるAIRBOW DV60 Ultimateと直接接続し音出しテストを行いました。 M200のスピーカードライブ能力と相性を把握するため、テキスタイルドーム型ツィーターを搭載するVienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)、ハードドーム型ツィーターを搭載するFocal 1028Beを組み合わせて鳴らしてみました。 Mellow / Double / FLCF-4325 (このCDソフトのお求めはこちらからどうぞ) 録音の良い女性ボーカル DoubleのアルバムMellowから1曲目のStrangerを聞いてみました。冒頭部のウインドベルの澄み切った音、それに続く指打ちの音の生々しさ、ボーカルの美しさなど聞き所が満載のソフトです。 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) M200にはRCAとXLRの入力が備わりますが、まずAIRBOW DV-60 UlitimateとM200をRCA入力で直結して音を出してみました。まず組み合わせたのは普段試聴によく使うVieena Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)です。M200は小型で比較的低価格のアンプですが、十分にLuxmanらしい暖かく滑らかな音で想像以上にBeethoven Concert Grand(T3G)をリッチに鳴らします。S/Nも優れていて20-30万円クラスのプリメインアンプに匹敵するほどのクオリティーを感じるほどです。それでも欲を言うなら音のエッジが少し甘く、音像がぼやける印象がありました。そこでそれを改善する目的でハードドーム型ツィーターを搭載するFocal 1028Beにスピーカーを繋ぎ替えました。 (このテストの音をYou Tubeで聞く) Focal 1028Be →RCA(AIRBOW MSU-Mighty)→ スピーカーをFocal 1028Beに変えるとBeethoven Concert Grand(T3G)では弱かった音の輪郭が立って、音像がキリリと引き締まります。S/N感が向上して冒頭部のウインドベルの音の透明感と実在感が大幅にアップし、指打ちの音もさらにリアルになりました。高音のエッジが立つことで低音が引き締まり、前に押し出されます。Beethoven Concert Grand(T3G)も良かったのですが1028Beとの組み合わせは、それよりもさらに申し分ない音です。You Tubeの録音で低音が膨らんでいるのは音量(やや大きな音で試聴しました)とマイクの影響が大きく、実際にはこれほど膨らんで聞こえることはありません。 (このテストの音をYou Tubeで聞く) Focal 1028Be →XLR(Ortofon 7N-初代モデル)→ 次にDV60 UltimateとM200の接続をXLRに変えました。RCA接続に比べS/N感がさらに向上し、音の広がりも改善します。やや膨らみ気味だった低音も、引き締まります。ボーカルの分離や抑揚の再現も改善し、演奏の質感と雰囲気がさらに深まります。M200はXLR入力でより高音質を発揮します。可能であれば、M200はXLR接続でお使いくださることをお薦めいたします。(このテストの音をYou Tubeで聞く) 録音はしませんでしたが、DV60 UltimateとM200の間にプリアンプとしてDA200を追加した音質テストを行いました。接続はDA200の入出力の関係でXLRは使えずRCAで行い、相性の良かったFocal 1028Beを鳴らしてみました。中音に厚みが出て高音がさらに滑らかになりましたが、音の輪郭が鈍り(丸くなり)見通しと解像度が落ちてしまいました。セレクターを必要としないのであれば、DA200を使う必要は特にないと思います。DA200がM200との組合せで本領を発揮するのは、XLR出力が有効になる(DA200のRCA/LINE入力は、XLRでは出力されません)デジタル接続です(続きにPCを使ってDA200+M200の音質テストを行いました)。 テスト総評 一般的にはスピーカーはそれに見合うアンプを組み合わることが重要だと説明されます。かりに予算が100であればスピーカーとアンプは50:50のイーブンにするという考え方です。しかし、私は経験からスピーカーにできるだけお金をかけて、スピーカー80:アンプ20くらいの割合にする方が音質が優れると考えています。間違っても今回のように100万円を超えるFocal 1028Beのようなスピーカーと10万円そこそこのM200の組み合わせは推奨されませんが、今回は成功したと言って差し支えない素晴らしい音質が実現しました。
M200単体でのテストに続けて、M200にDA200を組み合わせ、PCを音源として音質をチェックしました。PCとDA200の接続はUSBで行い、接続ケーブルにはaudioquest Carbonを使いました。 音源は平井堅のCDソフトをWAVE形式でリッピングして使用しました。 Ken's Bar / 平井 堅 / DFCL1122 (このCDソフトのお求めはこちらからどうぞ)
先ず最初にDA200とM200の音の良い接続を探るため、DA200のRCA可変出力(音量はDA200側で調節)とM200のRCA固定入力を繋いで音質チェックを行いました。全然悪くない音ですが、次のテストの音質と比べて頂ければ高が少し細く、グランドピアノの低音が少し膨らみがちなことがわかります。中域はLuxらしい暖かい音ですが、フォーカスが少し甘く、情報量が少ない音(細かい音が聞こえない)です。
次にDA200のRCAを固定に変え、M200のRCA可変入力(音量はM200側で調節)に繋いで音質チェックを行いました。出だしのボーカルの密度感が増加し高域の質が改善します。それに続くグランドピアノは楽器のサイズが一回り大きくなったように感じるほど、全く違っています。低音がやや過剰で膨らんで聞こえますが、実際に聴いた感じも低音に少し膨らみがあります。伴奏とボーカルの分離とハーモニーの美しさも改善し、かなりの音質向上が実現しました。この接続であればDA200のLINE/RCAに入力された信号も出力されますし、セレクターも使えます。M200との組み合わせではDA200をプリアンプとしてRCA音量可変出力を使うのが一般的ですが、実際にはDA200を固定出力としてM200で音量調整する方が高音質でお楽しみいただけると思います。
最後にDA200の出力をXLR(固定出力/音量調節はできません)に変え、M200XLR(可変入力)に接続し音質チェックを行いました。ボーカルのきめ細やかさ、グランドピアノの音色、すべての音の細やかさと色彩感が向上し、見違えるような良い音で演奏を楽しめます。冒頭のピアノの響きの長さや透明感の違いから、XLR接続では高域をマスキングしていた高周波ノイズが減少していることがわかります。接続をRCAからXLRに変えたことで、コモンモードの高周波ノイズが効果的に減少しているのかも知れません。DA200をデジタル入力のみでご使用になるのであれば、出力はXLR(固定)を使い、M200側で音量を調整なさることをお薦めいたします。(このテストの音をYou Tubeで聞く) テスト総評 DA200とM200を購入されたら、DA200側がRCA可変出力、M200側がRCA固定入力でお使いになると思います。しかし、テストの結果その接続が最も音が悪いということになりました。最良はXLR接続ですが、残念ながらDA200はLINE入力された信号をXLRで出力しません。 普通接続の違いだけでこれほど大きな音質の違いは見られないのですが、DA200とM200は例外的に接続の方法で音質が大きく変わりました。LINE入力とデジタル入力の両方をお使いの場合には、DA200側をRCA固定出力にしてM200で音量を調整されることで高音質にお使い頂けます。デジタル入力のみでDA200をお使いになる場合には、DA200側をXLR固定出力にしてM200で音量調節してお使いください。価格を遙かに超える高音質が実現すると思います。 最後にこのセットを使ってPC側で音源ファイルをどのように扱えば、音質が改善するかをチェックしました。 (内蔵HDD) → USB(audioquest USB-Carbon) → 通常最もよく使われる方法です。PC内蔵のハードディスクにCDをWAVEでリッピングしそれを音源としました。(このテストの音をYou Tubeで聞く) (高速USBメモリ、USB2.0接続) → 次にWAVEファイルを高速USBメモリーにコピーし、USB2.0のスロットにそれを挿入して再生しました。少しだけ透明感が増したようにも感じますが、内蔵HDDとの音質差はほとんど感じられませんでした。(このテストの音をYou Tubeで聞く) (高速USBメモリ、USB3.0接続) → → 今回テストに使ったPCにはUSB3.0のスロットがありません。そこでExpress Busに拡張カードを挿入し、USB3.0のスロットを設けました。最初に購入した拡張カードはPCと相性が悪く、途中でファイル転送がフリーズしてしまいました。購入したお店にカードの相性不良を訴えると、相性保証が適用され他メーカーの製品に交換して頂けました(購入店は、PC ONE'S)。PC関連商品のような不確定要素が大きい製品は、通販ではなくお店で買っておくと安心です。 先ほどと同じUSBメモリーを使って、接続だけをUSB2.0からUSB3.0に変更し音が変わるかどうかをチェックしました。データーをHDDからUSBメモリーに移しただければ音はそれほど変わりませんでしたが、接続を2.0から3.0に変えるだけで音質は明らかに向上しています。ピアノの響きが重厚になり、ボーカルの密度が向上しています。細かい部分までハッキリと聞き取れますが、輪郭が強調されることはなく音は柔らかくなっています。メモリーは変えていないのに、接続だけで驚くほどの音質改善が実現するのは驚きです。(このテストの音をYou Tubeで聞く) (外付けHDD) → USB2.0(ケーブルは付属品) → 次にWAVEファイルを外付けHDDにコピーし、USB2.0接続で再生しました。接続ケーブルによる音質を比較するため、最初は付属品のUSBケーブルを使用しています。USBメモリー(USB3.0)と比べて、高音が曇り明らかに音質が劣化していることが聞き取れます。(このテストの音をYou Tubeで聞く) (外付けHDD) → USB2.0(ケーブルはaudioquest USB Carbon/Mini) → USBメモリー(USB3.0)は透明感と高域の見通しが大幅に改善しました。USBケーブルの変更では高域はそこまで改善していませんが、中域の厚みや滑らかさが改善し、ボーカルの説得力やグランドピアノの響きや音色の美しさが大幅に改善しています。音楽性が豊かになった感じです。 (外付けHDD) → USB2.0(ケーブルはaudioquest USB Diamond/Mini) → 最後にUSBケーブルをaudioquestの最高グレード「Diamond」に変えてみました。グランドピアノの響きが美しくなり抑揚(タッチ)の再現性が大幅に向上しています。ボーカルのきめ細やかになり、音と音の間に的確な「間」が感じられるようになりました。一音一音に説得力があり、演奏がゆっくりになったようにすら感じます。内蔵HDDから再生しているのと同じ音楽を聞いているとは思えないほど、音質/音楽性共に大幅にグレードアップしています。 このセットのままで、エゴラッピンとクラシックを聴いてみました。 Swing for Joy / EGO-WRAPPIN' / RDR-1024 (このCDソフトのお求めはこちらからどうぞ) 透明感が高く、楽器の響きも美しく再現されます。リズムとリズムの間の休符(間)がきちんと再現されることから、ノイズが抑えられていることがわかります。低音も良く出ています。(このテストの音をYou Tubeで聞く) 101 Your Best Tunes / オムニバスアルバム / UCCD-3441/6 (このCDソフトのお求めはこちらからどうぞ) 最後に交響曲を再生しました。音源がさほど良くなかったので思ったよりは音が良くありませんが、それでも交響曲をストレスなく楽しめます。PCが音源でDACとパワーアンプのセットが30万円弱。それで100万円を超えるスピーカーをこの音質で鳴らせれば、十分合格だと思います。 総合評価 雑誌やWebの情報を見ているとPC/ネットワークオーディオは、おかしな方向に進んでいるように思います。初期のCDやデジタルサウンドが歩んだとの同じ「誤った高音質の追求」へまっしぐらです。ハイビットハイサンプリングの数字競争、DSDがPCで処理できるようになった。そしてCDとPC/ネットワークオーディオのどっちの音が良いか?職業なので避けては通れませんが、「一番」を決めようとするのはほんとに意味のないことです。あえて言うなら「高音質の追求」すら意味のないことです。音楽を楽しく聞くために最も重要なのは「良い音楽ソフト」そして「それを上手く鳴らすバランスの良いシステム」です。間違っても高音質音源や、高価なオーディオセットがそれらを上回って重要なわけではありません。断言すると商売に差し支えそうですが、実際にそうです。 今回のテストからPC/ネットワークオーディオの問題点は、「ノイズ」だと想像できます。USB2.0とUSB3.0で音質が変わったのは、通信に使われる矩形波の周波数の高い3.0が2.0よりも可聴帯域のノイズ(高周波ノイズ)を発生しにくかったためではないでしょうか?あるいはPC内部でのノイズの発生が少なかったためかも知れません。USBケーブルで音質が変わったのは、ケーブルを通過する信号(矩形波)の干渉により発生するビートノイズが上質なケーブルでは小さかったためと考えられます。PC/ネットワークオーディオではデーター伝送中に「データ欠落」は起きないと考えられます。原因を一つずつ追いかけてゆくと、デジタル領域での問題は消え、「アナログ領域」での問題が残ります。デジタル領域での信号の流れや動きはほぼ完全にわかりますが(そうでなければPCは安定動作しません)、アナログ領域は謎に満ち、いまも分からない事だらけです。すべての原因がアナログにあるとは言いませんが、原因をアナログ領域に求めて考えることでPC/ネットワークオーディオの音質改善は、スムースに進められるように思います。デジタルに比べアナログは謎が多く、ほとんどが経験則でしか解決しません。小さなオーディオメーカーが大企業よりも優れた製品を作れるのはそれが理由です。 オーディオの謎は深く、それを考えるのは楽しいことだと思います。しかし良い音楽、聞きたい音楽との巡り会いはそれよりもずっと大切です。 2012年3月9日 逸品館代表 清原 裕介
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