逸品館メルマガ バックナンバー 052

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逸品館ショッピングカートメルマガ 2007.09.17
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今月発売のステレオサウンドに「響きこそ音楽そのものである」と銘打った広告コラムを掲載しました。弊社HPには、すでに掲載済みなのでご覧になられた方も少なくないと思います。
http://www.ippinkan.co.jp/column/stereosound164.html

このコラムに書いたように、最近はつくづく「響きを殺さず生かす」ことが大切だと実感しています。今月、AIRBOWからPM8001/StudioとPM6001/liveという2機種のプリメインアンプを発売しましたが、これらのモデルにも、この考えを取り入れ「回路で生まれる響き」を生かしながら音を作っています。

測定器では、「響き」は「歪み」として計測されます。その「歪み」が音楽にとってプラスに作用するか?マイナスになるか?それを判断できるのは、音楽を感じられる人間だけです。このようにオーディオ製品は、電子回路であると同時に楽器でもあるのです。オーディオ製品の楽器としての性能を確かめ、それを練り上げる唯一の方法は、「耳でアンプ(オーディオ製品)を作る」というやり方しかありません。


この方法は、昔から行われてきたことですが、最近新発売されているデジタルアンプの綺麗だけれど無表情な音を聞いていると「なぜこれほどまで心に響かない製品を作れるのだろう?」、「これらのアンプは本当に人間が聞いて作ったのだろうか?」と心底疑問を禁じ得ないことがあります。中身が薄っぺらになりつつあるのは、オーディオ製品に限ったことではありません。レストランやラーメン店の食事も然りです。どこに行っても「同じ味」。レトルトや冷凍食品を調理して、それが「料理です」と言われても、私は納得できません。きちんとトレーニング(修行)を積んだ料理人が、心を込めて作る食べ物が「料理(お袋の味も立派な料理!)」であって、インスタントに量産する食べ物は、料理とは呼べないと思うのです。


ただ、オーディオと違ってレストランが良心的なのは、インスタントな食事しか出さないレストランは「価格もそれなり」だと言うことです。マクドナルドには、マクドナルドの価格に釣り合った「味(パフォーマンス)」が存在し、そう言う意味ではバランスが取れているし、お客様は価格に応じてレストランを選べば、大きな外れなく価格相応のサービスが授受できるという点では、オーディオ業界よりも「良心的」だと思えます(ただし、安くても体に悪い添加物が入っているような食べ物を出されては別ですが)。

私から見れば、最近発売される「デジタルアンプ」の多くは、レトルトや冷凍食品と同じレベルにしか思えません。見かけは綺麗ですが(聞いた感じの音はよい)深み(音楽の表情)が足りないからです。これらは、使われている技術こそ最新ですが、音楽生成装置として考えた場合、旧来のアナログアンプに劣る(より安いアナログアンプよりも音が悪い)その内容は実に稚拙だと言わざるを得ません。現時点でデジタルアンプがアナログアンプに勝っているのは、発熱が少ないこと、消費電力が小さいこと、コンパクトなことのこの3点だけではないでしょうか?この長所を生かし、TV用のアンプや、携帯電話、パソコンなどの「家電品、家電情報機器」にデジタルアンプを搭載することは理解ができます。デジタルアンプの音をアナログアンプに置き換えるなら、フィードバックを多く掛けたアナログアンプの音に似ています。フィードバックを増やすと測定上の歪みは減りますが、音が無表情で冷たくなります。この冷たさを嫌って「ノン・フィードバック(無帰還)」のアンプを賞賛していたはずの、オーディオメーカーがなぜデジタルアンプを嫌わないのか?理解に苦しみます。デジタルアンプを「本物の味」を求められる「ピュア、オーディオ」に導入するのは、まだ時期尚早ではないでしょうか?

 

デジタルアンプのみならず、「デジタル全般」の音が、多くの場合アナログよりも人の心に冷たいのは、「響き=歪み」の有効性をまったく考慮していないことに加え、「音色/トーン」の変化に非常に乏しいという原因も大きいでしょう。私が最近大きな影響を受けたイタリア製のオーディオ製品などに比べ、日本製オーディオの多くの致命的な問題点は「音色/トーン」が変化しない、色彩感がない(モノトーン)なのです。これでは、音楽を情熱的に再現することはできません。

 

有名なPOPS、ビートルズは、英語圏のみならず世界中で愛されました。日本も例外ではありませんが、ビートルズを好きだという日本人のどれだけが、英語の歌詞を理解できたのでしょう?その割合は、多分ごく僅かだと思います。それでも、言語の壁を越えてビートルズは愛されました。それは、なぜでしょうか?同じような英語のPOPS、カーペンターズが愛された理由は?それはメロディーの美しさのみならず、彼らの楽器やボーカルの「音色/トーン」が心を打つものであったからに違いありません。

 

これらの音楽を「音色/トーン」の良いオーディオ製品と、そうでないもので聞き比べると、その違いはあまりにも明らかになります。美空ひばりや、ちあきなおみといった演歌などでも同じことです。これらをビンテッジと呼ばれるアンプやAIRBOW、そして逸品館の推薦アンプUNISON-RESEARCHやAMPZILLAと私が疑問を持つデジタルアンプで聞き比べれば、その「音色/トーン」が圧倒的に違うことは、誰にでも瞬時にわかるはずです。

しかし、こんなに大きく、そして圧倒的に違う「音色/ト−ン」の違いでさえ、最新の高級オーディオでは、表現できないものがあまりにも多いのです。オーディオ製品を作っているのは、「技術者」です。特別なトレーニングや経験を持たない彼らは、電気屋ですが音楽家ではありませから、もしかすると彼らは、「音色/トーン」を聞き分けられない、あるいは体験したことがないのかも知れません。そんな穿った見方をしたくなるほど、高級オーディオメーカーですら「音色/トーン」に無関心な所が多いようです。極論を結論を述べることが許されるなら、「音を決める人の耳、音の聞き分けをする人の耳」が悪ければ、どんなに技術が優れていても「音の良いオーディオ製品」は作れないのだということになります。しかし、最大の問題は、そんな機器にもメーカーがしたり顔で「高価なプライスタグ」を平気でぶら下げていることです。


音楽を作り、それを聞き分けられるのは「人間の耳」だけです。繰り返しますが、音楽性は、決して機械には計れません。しかし、音楽性という言葉が現に存在するように、それは計れず、目にも見えなくとも、確実に存在します。そして、芸術性と同じように私たちの「心の表現」にとって、何よりも大切なものなのです。芸術や音楽は、言葉では表しきれない、伝えきれない「心」の表現方法です。それを理解し、それを分かち合える「感性」と「心」を育むことこそが人間の成長にとって最も重要であることは、論を待たないことです。音楽を愛する一個人として、また音楽を愛するオーディオショップのオーナーとして、高価なのに心を打たないオーディオ製品の存在を知るのは、腹立たしい限りです。それは、音楽性、芸術性の在り方を考えた場合、無責任を通り越して、音楽のみならず文化の冒涜に近い行為に等しいからです。心を伝えず、心を育まないオーディオ製品を販売するのは、人の心を殺す毒を撒くようなものなのです。絶対にしてはならないことです。


話は変わりますが、槇原敬之さんが、麻薬取締法に違反して投獄され、3年の期間を経た後に発売した2枚のCD「太陽」と「HOME SWEET HOME」、そしてそれらの集大成であるライブアルバムの「THE CONCERT」を聞けば、辛いこと苦しいことに触れることで人間が大きく成長できる事が感じられます。そして、「目に見えないもの」の存在を感じることの本当の重要性に気付けるはずです。人間の心。人間らしい心を音に換え、それを伝え、受け取ることができる素晴らしい「音楽」。そして、時空を越えてコンサートを蘇らせ、人の心を結ぶことができる「オーディオ」。そんなに素晴らしく、大切な存在だからこそ、それを作る立場の人間には、大いなる責任と見識が求められると思うのです。

AIRBOWからまた新しく「スーパーアンプ」が誕生します。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/avamp/ps3001_kai.html

サラウンドアンプのPS4500/KAIシリーズの後継モデルPS3001/KAIシリーズです。このアンプの最大の特徴は、PS4500/KAIシリーズの中高音の透明感と明瞭度を生かしながら、弱点であった「低音」を克服し、さらにPS8500/Specialと同じように[7.1ch]、[アナログLINE]、[デジタル]によって異なる3種の音色を与えたことにあります。


[7.1ch]ダイレクト入力は、ストレートでシャープな音色を特徴とし、アコースティックな音源や音の良いプレーヤーとの接続に適しています。CD/DVDの2系統のLINE入力は、それよりも厚みがあり、リッチな響きが与えられています。ボーカルの入ったPOPSや録音の悪いJ-POPやROCKなどをパワフルかつ躍動的に聞かせてくれます。同軸と光、各1系統のデジタル入力は、透明感が高くクッキリとした音質であらゆるデジタルソースをAIRBOWらしい見通しの良い透明感溢れる音で再現します。


DVDソフトを演奏してもSACDに迫る!?というAIRBOWならではの高音質は、このエントリーモデルでも存分に発揮されています。地上/衛星デジタル放送のMPEG2(AAC)との相性も抜群です。PS4500/KAIで好評頂いた、疑似サラウンド方式のサークルサラウンドやドルビーサラウンドも搭載され、さらには、[HDCD]にも対応しています。最近でこそ、表記されることは少なくなりましたがミスター・チルドレンのなど録音にこだわる一部のソフトは、[HDCD]方式で録音されています。これらのソフトをPS3001/KAIシリーズにデジタル入力すると、CDを上回る[HDCD]の素晴らしい音質がお楽しみ頂けます。

AIRBOWらしい良い音に、こんな多機能を詰め込んでそれでFRモデル(PS4500/KAI-ST相当、F/C/Rの3chの音質を強化)で\68,000(税込)、SRモデル(PS4500/KAI-ML相当、全chの音質を強化)でも\88,000(税込)と、従来を大きく下回る価格で10月1日の発売を予定しています。たっぷりの音質と機能を満載したこの製品は、サラウンドファンのみならず、ピュア2chファンの皆様にも是非お勧めしたいモデルです。もちろん、30日以内なら返品を受け取るという[満足度保証]対象商品です。PS3001/KAIシリーズにご注目下さい!


INFRANOISEから、新しい考え方の「音質調整装置」RMS-1000が発売されました。
http://www.ippinkan.com/OP_OOP/option_oop_tune.htm#RMS1000

これは、私の主張である「響きを生かす」という考え方をINFRANOISEなりの手法で製品化に成功した商品です。この製品は、アナログ入力をデジタル変換し、またそれをアナログに戻すという、技術的には意味がなさそうな方法で「音を良くする/音を変える」ことを可能としました(同様の試みをPIONEERがWカセットデッキで行ったことがあります)。後日、詳細なHPを作成する予定ですが(遅れていてすみません)、効果の雰囲気を簡単に説明すると次のような感じです(あくまでもイメージで技術的な裏付けはまったくありませんのでご容赦下さい)。

時々、探偵もののTV番組(24やエイリアス)で映像をデジタル処理して高画質化し、それまでは見えなかった映像(人の可をとか車のナンバープレート)を再現するシーンが見られます。これは、アナログ信号をデジタル処理して「パソコンの信号復元プロセス」を介することで、録画時に失われた信号の品質を推測して復元するという技術です。
INFRANOISEのRMS-1000は、音声信号に対しこれとよく似た処理を行っているように聞こえます。つまり、音声信号を一旦デジタルに変換して「失われた響きを推測して付け加える」ことで音質が改善されているとしか、考えられないような不思議な効果が発揮されるのです。

入力された音よりも出力される音の方が良くなる。今までのオーディオの常識では考えられないような、そんな不思議なエフェクターがRMS-1000なのです。RMS-1000には、効果が切り替えられるスイッチが付いています。[EMSEMBLE]を選択すると、AR2000やDR3000と同じような「響きを伴う音の広がり」を得ることができます。しかも、AR2000やDR3000では、避けられなかった音のエッジの鈍りは、一切ありません。


[SESSION]を選択すると、今までのINFRANOISEでは、成し遂げられなかった「音源が明瞭化し、音が前に出る」というBBEプロセッサーによく似た効果が得られます。文字通り、JAZZのセッションやPOPS/ROCK系のソフトをもっとクッキリ、パワフルに聞きたいとお考えの方にピッタリのモードです。極端な話、JBLのスピーカーで[EMSEMBLE]を使うとそれがTANNOYに、TANNOYで[SESSION]を使うと、それがJBLに!なってしまうような感じがします。しかし、不自然な感じや音が劣化する感じはまったくありません。今までスピーカーやアンプを切り替えたり、買い換えたりしなければできなかった音色の違いを一台で両立可能にできるRMS-1000は、すごい製品ではないでしょうか?

PS3001/KAIシリーズの3種類の音色の違い。RMS-1000が切り替え可能にする2種類の音色。どちらの製品も高価な機器の存在感が薄れてしまうほど、良くできていると私には感じられます。INFRANOISEの「秋葉」さんと、私は旧知の仲ですが、技術的な交流な一切ないにも関わらず、発売する製品の「音に対する考え方やタイミング驚くほど酷似している」のは、どちらも「大阪人」らしい、一つで何でもできれば便利で安い!という「ケチくさい」考え方で作られているからでしょうか?それともオーディオ製品の在り方を突き詰めると、方向性は一致すると言うことなのでしょうか?いずれにしても興味は尽きません。

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