逸品館メルマガ バックナンバー 143

逸品館を始めてから20年すこしが経ちました。年々時間の流れと変化の速度の増加を感じますが、今年は中でも最大の変動が訪れた一年ではなかったでしょうか?明るいニュースよりも、暗いニュースが多く、先が見えない不安が日本中に蔓延しています。当然、経営者としても明るい気分にはなれません。世の中が明るく開けるのが、日本にとって何よりの栄養剤です。それには、円がもうちょっと安くならないと!

さて、この年末皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますか?私は3号館でお気に入りのソフトを聞きながら、メルマガを書いています。

逸品館は、ホームシアターとオーディオを扱う専門店らしく、音や映像を出せる製品が所狭し並べられていますから、その気になればどんなソフトでも楽しめます。さすがに仕事中に映画は観られませんから、3号館では一日中「音楽」を聞いています。それは機器のテストのためであったり、あるいは単なるBGMだったりします。

同じ装置を毎日聞いていると「時間によって音が変わる」ことに気付きます。多くのお客様が「深夜」や「休日」の音が良いと仰いますが、まったくその通りだと思います。

昨日、「退職金から200万円の予算で人生最後のコンポを選んで欲しい」というお客様が来店され、ご一緒に3号館で音を聞きながらご相談に応じました。スピーカーはすでにATC SCM-150をお使いなので変更の必要はありません。予算内で最良のプランを打ち合わせたところ、プリアンプは買い換えずデジタルプレーヤーをAIRBOW UX1-SE/Limitedに、パワーアンプをAmpzilla2000に入れ替えることで話がまとまりました。このお客様と別に、真剣に機器の購入にお悩みのお客様3組のご相談を受けました。

私の接客は、まず「お客様のお好みの音」を知るところから始まります。まず、お持ち頂いたソフトをいくつかお薦めの機器で再生します。この時に大切なのは、必ず「聞き慣れたソフト」をお聞き頂くことです。なぜなら、聞いたことがないソフトを聞いて頂いてもお客様は何も判断できないからです。普段お聞きになるソフトを大体同じくらいの音量でお聞き頂き、お客様に感想をお伺いします。的確な指摘を頂ければ、話はスムーズに進みます。お客様がご自身のお好みの音について判断を迷われているときには、参考となるソフトを再生し「聞き所のポイント」をお伝えし、もう一度お客様の判断を仰ぎます。この比較試聴を繰り返しながら、お客様の理想の音質を実現できる装置を提案してゆきます。

この接客とは対照的に装置の切り替え時だけお手伝いをして、お客様のセルフサービスで好きなソフトを好きな音量で好きなだけお聞き頂くという接客を行うこともあります。これは、事務所(社長執務室?)と試聴室が一体になっている、3号館だから出来るサービスです。この時に大切なのは、お客様が確たる判断指針をお持ちになっていらっしゃることです。それでも最終的には、お客様の選択をお伺いしそれが間違っていないかどうかを確認します。

逸品館がこだわってきたのは「お客様」と「販売員」の双方の「納得」です。ビジネス的にみれば、お客様さえ納得なされば黙って商品を販売するのが正解なのかも知れません。でも、時にはお客様に心を込めて「No」を言える専門店でありたいと思います。

では今年の締めに、「記憶」に残った製品を紹介してゆきましょう。


Apogge Duet ¥59,000(税別)
Fire-wireで接続するD/A、A/Dコンバータ。USB接続の製品よりも明らかに音が良
かった。Macでしか使えないのが難点。

Vienna Acoustics THE MUSIC ¥2,400,000(ペア・税別)
逸品館が火付け役となって、日本で確実なブランドとなったウィーンアコーステ
ィックのフラッグシップ。太くてスィートな音。ハイエンドショウ2009春/秋で
デモに使用し大好評を得た。現在3号館にも設置している。

CAV I-PIGLET ¥11,800(税込)
可愛いけど、音が良くてビックリのi-podステーション。

Rogers E40a \340,000(税別)、E20a ¥280,000(税別)
外観はともかく、音質は相当本格的。ソリッドな傾向の音質の真空管アンプとし
ては、ベストチョイス。残念ながら、LS-3/5aはイマイチだった。

ジークレフ音響 ウェルフロート \50,000(税別/3個)
こんなインシュレーター聴いたことがない!開放的で癖のない音。自然な傾向を
求めるのならインシュレーターはこれしかない。

Real-sound APEQ-2 pro OPEN価格

何度となく紹介してきた「音が良くなる」デジタルイコライザー。オーディオを
「終わらせる」危険な装置!?

Starling LS-3/5a \225,000(ペア・税別)
往年のLS-3/5aを彷彿とさせるサウンド。音学を嗜むスピーカーの完成形の一つ。

PMC PB1i ¥980,000(ペア・税別)
この時期、こんなに高いスピーカーが売れるのだろうか?予想を覆す売れ行き。

AIRBOW 全製品
納得がゆくまで自分で作り込んでいるから。

ディスプレイやプロジェクターは、これという新製品が少なく、印象に残った製品はあまり多くありませんが、発売された製品はどれも「手堅く完成度を上げてきた」という感じです。コストパフォーマンスは、明らかに良くなっています。TAXANのLEDプロジェクターが、新時代を予感させてくれました。

2009年の新製品にかかわらず、個人的なベストチョイスをご紹介しましょう。

Zingali 1.12 \2,600,000(ペア・税別)
やっぱりホーンは好きです。明るく楽しくて、聴いているだけで気分がすっきりします!一本スピーカーを選べと言われれば、やはりこれしかありません。

AIRBOW UX1SE/Limitede \1,500,000(税込)
ハイエンドショウでも必ず演奏するプレーヤー。低価格製品の音の良さでお客様を"あっ!"と言わせた後、徐々にシステムのグレードを上げて、これ以上の音はない!音質に到達した後、UX1SE/limitedを演奏すると、"!"が"ため息"に変わります。演奏そのものが、まったく別なものに感じられる、その表現力は他にはありません。

Unison-research Sinfonia \600,000(税別)
私が選ぶ真空管アンプのベスト・オブ・ベスト。音楽的という古くさい表現を遥かに超越した、音楽表現力を持つアンプ。

SST Ampzilla2000+Ambrosia2000
セカンドエディションが発売されたけれど、私は初代のこの音が好き。聴けば元気が沸いてくる。

AIRBOW LITTLE COSMOS3 \110,000(税込)
AIRBOW IMAGE11/KAI2 \42.900(税別)
音楽を楽しむために、これ以上の音質が必要なのだろうか?考えさせられるシステム。

本年も残すところ、あと1日少しとなりました。音と映像のお悩みは価格にかかわらず、何なりとお申し付け下さいませ。こんなときだからこそ間違いのないお買い物でより一層の良い音と、良い映像で心和んで頂ければと願っています。

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