今年のプロ野球ペナントレースは、中日の優勝で幕を閉じました。大阪を本拠地とする阪神タイガースは、1964年の優勝を最後に20年以上優勝から遠ざかり、1985年に21年ぶりのリーグ優勝を勝ち取りました。優勝しない阪神を応援するのが好きだった私は、1985年の優勝から急速にプロ野球への興味を失い、今は完全に浦島太郎状態です。
2003年にはタイガースの優勝にあやかって、逸品館も「優勝セール」を実施してかなりの好評を得ましたが、そのときの私はすでに選手の名前すら知りませんでした。阪神ファンの皆様、誠に申し訳ありません。
でも、優勝しないチームを応援するのって、なんだか面白くないですか?以前に「幸せの一歩手前が一番幸せ」という言葉をお伝えしたことがあると思いますが、正にその通りだと思います。優勝しないから、夢や目標が続くのかもしれませんね。
ある意味では、「高価なお買い物」もそうではないかと思います。商品を検討して手元に届くまでが、一番の幸せかもしれません。でもオーディオやホームシアターは違います。選択を間違えてさえいなければ、手に入れてからいい音を出せるまで幸せが続きます。いい音を求める間、ずっと楽しい夢を見続けることができますし、いい音が出たら次は音楽と、無限に楽しみは続きます。
調整と言えばTVもたいていの場合、微調整を行うことで画質は見違えるように良くなります。私がTVを調整するときは、まず「黒」を見ます。多くのTVでは、標準設定の輝度が高すぎて「黒」が「灰色」になっています。輝度を落とし、コントラストを調整することで髪の毛や黒い服の色が黒くなり、白い部分での色飛びを抑えられます。しかし、部屋が明るいときと暗いときでは条件が変わるので、TVを見るときの部屋の明るさで「黒」を決めなければなりません。暗い部屋では輝度を落とし、明るい部屋では少しあげます。部屋の明るさに応じ輝度が自動調整されるTVがありますが、機能がうまく働くモデルとそうでないモデルがあるようです。
次に黒から白にかけての階調が滑らかでしっかりと出るように、コントラストを調整します。黒が浮かず、白が飛ばず、階調がしっかり出るのがベストです。
色のバランスが悪いときには、画面の色温度と一番簡単な色調整だけで色を調整します。各色に独立したガンマカーブや、色コントラスト、色の輝度調整など細かいメニューが付いているTVやプロジェクターもありますが、きちんとした「基準のソース」をお持ちでない場合は、あまり触らない方がよいと思います。なぜならば、放送される番組によって色や画質がずいぶん違うので、それを理解していないと何度微調整を行ってもしっくりこなくるからです。ポイントは「丁度良いところ」を見つけることですが、基準がなければこれがなかなか難しいです。スタジオライブ放送や競馬中継は、割と信頼できるソースです。
音の場合はどうでしょう?音と映像では方法は違いますが、特定のソフトに合わせ込むのではなく、すべてのソフトがまんべんなく鳴る「丁度良いところ」を探すのは、TVの調整によく似ています。
スピーカーやケーブルなどの音質を比較するときは「音量」が重要です。一般的には音量が大きい方が「差」がよりよくわかります。しかし、大きすぎると部屋の反射が強くなって「差」がわかりにくくなります。音量から始めるセッティングの考えは次のページに掲載しています。
http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/newpage213.htm
しかしこれを書いたのは、10年近く前なので「少し間違っているところ」があります。それは、スピーカーの背後を吸音するという部分です。修正を加えたのが次のページです。
http://www.ippinkan.co.jp/setting/hometheater4_6.html
映像と音で大きく違うのが「繰り返しチェック」です。映像は同じ場面を何度も繰り返してみることで調整しますが、音は違います。同じソースを繰り返して聞くことで脳が音を記憶してしまい、「違い」に鈍感になるからです。セッティングに迷ったとき、頼りになるのが「環境の音」です。環境の音には同じ繰り返しがないので、脳が音を記憶できず繰り返しの試聴に問題が生じません。また、好き嫌いを超えて「自然」、「不自然」の判断ができるので、どちらが「正解に近い=自然な音か」が判断しやすいのです。お薦めは「せせらぎ」です。下のページからお求め頂けます。
http://www.ippinkan.com/OP_OOP/option_oop_maintenance.htm
セッティングに興味を持たれたら、次のページにいろいろ集めて掲載しています
のでご参考になさってください。
http://www.ippinkan.co.jp/setting/hometheater.html
3号館にEsoteric K-01とTAD D600という最新最強のCD/SACDプレーヤーを導入
しました。K-01にはUSBとS/PDIF、D600にはS/PDIFのデジタル入力が備わってお
り、設置しているBrainstorm DCD-8と組み合わせてPCを音源として音楽を聴くこ
ともできます。年末年始からそろそろ本格的な「ネットワーク・プレーヤー時代」
が始まりそうです。CDが登場したときアナログが頂点に達したように、次世代の
メディアが登場しつつある今、CDのサウンドが頂点を迎えつつあるのかもしれま
せん。ハイエンドショウ2010秋が終わる10日過ぎには、エージングも十分に
終わっていると思います。
http://www.ippinkan.com/audio_sale/cd_25up.htm