逸品館メルマガ バックナンバー 295

今週は、いくつかのテスト結果をWEBにアップロードしました。さらに、Focal Scara Utopiaを使ったスピーカーベースによる音の違いを動画でYouTube/逸品館チャンネルにアップロードしました。


☆Focal Scala Utopiaを使って、スピーカーベースによる音の違いを検証し、動画でアップロードしました(約17分の録画です)。
http://www.ustream.tv/recorded/35995447

☆Sonusfaberの最新モデルVenere3.0をAIRBOW SSS-2013とSA11S3 Ultimate、PM15S2 Masterの組み合わせで聞いてみました。さらにアンプをROTELの新製品RA-1570に変更し、アンプによる鳴り方の違いをテストしました。その結果、Venere3.0は逸品館お薦めのVienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)に迫る非常に良くできたスピーカーであることが確認できました。
http://www.ippinkan.com/sonusfaber_venere.htm

☆スピーカーをSonusFaber Venere3.0に固定したまま、アンプをDENONの新型AVアンプAVR-X4000に変更し、AIRBOW SSS-2013とHDMI接続して音質をチェックしました。これまでのAVアンプの概念を覆すほど、ピュアオーディオに近い滑らかで暖かい音に驚かされました。
http://www.ippinkan.com/denon_avr-x4000.htm

ここからはAIRBOW SSS-2013を中心とした、PC/ネットワークプレーヤーのお話になります。

最近、PC/ネットワークプレーヤーの情報が多くなりました。これらの新製品は、従来CD/SACDプレーヤーに変わるのでしょうか?答えは「Yes」です。その時期は分かりませんが、流通コストやスペースファクターの優位性、その簡便性でCDがレコードを淘汰したように、CD/SACD/DVD/BDなどの光ディスクメディアは徐々にネットワーク配信に変わり、コンテンツ(楽曲や動画)の記録先はディスクからデーターストレージになることでしょう。

近未来に予想される「ディスクレス」の時代に向けて今在必要なのは、PC・ネットワークプレーヤーの優位性や特徴に関する情報ではなく、「CD/SACDプレーヤーからどのようにPC/ネットワークプレーヤーに移行すればよいのか?」という具体的な説明だと思います。しかし、現時点でのPC/ネットワークプレーヤーの情報は「高音質」に偏り、従来のCD/SACDプレーヤーからの「乗り換え」や「共存」の説明が不足しています。

そこで逸品館は、これまでに培ったオーディオのノウハウとここ数年で得られたPC/ネットワークプレーヤー情報から「より現実的なPC/ネットワークプレーヤーの情報」をまとめることにしました。

1.    CD/SACDプレーヤーとPC/ネットワークプレーヤーの違い

CD/SACDプレーヤーは、ディスクに刻まれたピットをレーザー光線で読み取ることで「デジタル音声データー」を読み出します。そのため再生される音質(プレーヤーから出てくる音)は、ディスクの材質、表面の汚れ、メカニズムなどの影響を大きく受けます。現実に「高価な高音質メカニズム」を搭載する高級CD/SACDプレーヤーの存在がそれを裏付けます。

これに対しCDよりも遙かに回転速度(データー転送速度)の速いHDDやメモリーからデジタルデーターを読み出すPC/ネットワークプレーヤーでは、CD/SACDプレーヤーに比べ読み取りメカニズムの影響は最小限に留まります。それでもメモリーやHDDの違いにより音質は変わりますが、あまり神経質になる必要はないと思います。

CDプレーヤーが登場した頃に「CDはデジタル記録だからアナログのように価格で音は変わらない」と言われました。現在は、CD/SACDプレーヤーの音質が「価格で変わらない」と考えるオーディオマニアは一人もいらっしゃらないはずですが、この言葉にも根拠があります。それは、メカニズムを変えても「読み出せるデジタルデーターは変わらない(読み取りエラーは起きていない)」からです。

メカニズムの価格や精度にかかわらず「読み出せるデーターは同じ」だから「音も変わらない」。このおかしな「迷言」をどこかで耳にされたことはありませんか?PC/ネットワークプレーヤーは「読み取りエラーを起こさないからCDプレーヤーよりも音が良い」という言葉と同じですが、デジタルを頭で考えたときに誰もが思いつく「データーが変わらないなら音も変わらない」、「データーの精度が高ければ音が良い」という考えがオーディオ機器には当てはまりません。

ここでPCが搭載する「プログラム(OS)」に注目して高音質を実現した、AIRBOW製品をご紹介します。2013年5月に発売したAIRBOW SSS-2013は、「オーディオ専用OS」を搭載した初めてのミュージックコンピューターです。MSHDと名付けられたこの「オーディオ専用高音質OS(i-CAT開発)」は、64bit Real Time Linuxをオーディオ用途にチューンナップしたOSですが、今までになかった高音質を実現します。

PCが搭載するOSで音が変わる?それは使用するPCで表計算の演算結果が変わると言われているようで、俄には信じられないかも知れません。確かにデジタルデーター領域だけを見れば、OSのチューンナップで音質が変わることは説明することはできません。なぜならデジタルデーターは、PCの回路やソフトウェアーの品質によって内容が変わらないからです。

ここで再び登場するのが、アナログ回路です。PCからDACに出力される「デジタル信号」は「アナログ波形(矩形波)」で出力されます。DACは受け取った「矩形波の角」でデジタルデーターを判別します。この角が「立っている(正確に立ち上がっている)」か「丸まっている(立ち上がりが鈍っている)」かは、デジタル信号を復調する場合の品質に大きく影響します。アシンクロナス回路を搭載するUSB接続や本来タイミング情報を持たないプロトコル接続のLANでさえ、到達する波形の影響を受けるようです。なぜ、PCから出力されるデジタル信号が中継器(HUBなど)を経由しても、DACから再生される音質に影響を与えるかはよく分かりませんが、USB/LANケーブルの品質がDACの音質を左右するのも同じ「出力信号波形」が影響しているのだと思われます。

PCから出力されるデーター信号の波形が音質に影響するのであれば、ソフトウェアーやプラットフォーム(PCの土台となる基盤)の改良により改善した「データー信号波形品質の向上により、「再現される音質の向上」が実現することは、十分考えられます。またソフトウェアーのチューンナップやプラットフォームの高級化によってもたらされた「アナログ波形品質の向上」により高音質が実現すると考えることで、PC/ネットワークプレーヤーも従来のオーディオ機器と同じように接続ケーブルや電源、あるいはインシュレーターの影響を受ける事実を受け入れられると思います。

コンピューターとは論理プログラムを搭載したアナログ機器です。DAコンバーターに出力されるデーターが「アナログ波形」という形を取る限り、プログラム本体(OSやプレーヤーソフト)の制御方式の違いや、アナログ波形を生成するハードウェアが音質に影響するのは当然です。PC/ネットワークプレーヤーがCD/SACDと違っているのは、同じデジタル機器でもPC/ネットワークプレーヤーは「メカニズム」と同等に「ソフトウェアー」の影響も受けることです。CD/SACDがメカニズムで音が変わったように、I-CATが開発したMSHDはPCの制御をオーディオに特化させることで高音質を実現した、従来のCD/SACDメカニズムにも匹敵する「新しい時代のオーディオ用OS」だと考えられます。

☆ソフトあってこそのオーディオ!
TADで沖縄民謡歌手の凄さを再認識させられた!夏川りみ「てぃだ〜太陽・風ぬ想い〜/2002年発売」とオムニバスアルバム「おきなわうた/2009年発売」の2枚のCDを買いました。圧縮のあまりされていない自然な音と、お金(売れ行き)とは無縁ののびのびしたボーカルに心から癒されま
した。発売から10年を経過したアルバムを正価で買うのは少し抵抗があるかも知れませんが、買って良かった!と言うのが正直な感想です。
http://astore.amazon.co.jp/ippinkan-22?_encoding=UTF8&node=49

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