NASAから土星探索機「ボイジャー1号」が太陽系外への旅に出たというニュースが入ってきました。「ボイジャー1号」には、私達に馴染みの深いカナダのピアニスト「グレン・グールド」が演奏する「バッハ平均律」や55カ国語の挨拶などが録音された銅製のレコードが搭載されています。再生用の「針」も搭載されていますから、それほど科学水準が高くなくても再生が可能です。
なぜデジタル記録を使わなかったのか?それは、デジタル記録は一種の暗号のようなもので再生するのが難しいからです。また、一部のデーターが損なわれても、アナログ記録ならば残った部分は無事再現できますが、デジタルの場合一部が損傷するだけで全体が再現不能になる危険性があります。身近な例ではHDDのクラッシュがそれに相当します。
デジタル優位、アナログ低位と考えられている情報記録方式ですが、以外とデジタルには弱点があり、実際にはアナログも捨てたものじゃないと言うことです。どこかオーディオと似ていますね。
「ボイジャー1号」が最も近い恒星群に到達するのは4万年後だそうです。
この広大な空間と悠久の時の中で営まれる、私達の毎日は宇宙スケールと比較すると本当に小さなものでしかありません。その中で私達が暮らしている環境、知り得る知識など取るに足りない小ささです。そんなちっぽけなものに縛られることはありません。短い命、短い人生だから精一杯楽しまなければ!
無限に広がる星空を見ていると、それだけで気分がスッキリしますが、グールドのバッハ平均律が選ばれたのは、科学者の一人が戦時中にその曲を聴いて宇宙のような広がりと安らぎを感じたからだそうです。
人間はちっぽけな存在かも知れませんが、その心は宇宙に通じます。それを表現する音楽に触れたとき、私達は「ちっぽけ」なストレスから解き放たれます。そういう無限の広がりが感じられるような音を奏でてくれる、システムをこれからもご紹介して行たいと思います。