今回の試聴は、marantzブランドマネージャー・高山氏とB&Wブランドマネージャー・加納氏などのご協力により、D&M)川崎本社試聴室で収録しました。アップロードした動画からは、家電総合メーカーの大企業にはない「自由な雰囲気」を持つmarantzというメーカーの社風や、二人のブランドマネージャーを含む社員みんなが「自社製品と音楽を愛している」事が伝わると思います。
一人のエンジニアやチームが長期間にわたり、自分たちのオーディオ機器の音質に責任を持ち、自分たちの作るものは自分たちで考えるという構造は、転属が多い日本の大企業では育ちにくくD&M社のようなオーディオ専業メーカーならではの良さです。そして、そこから生み出せる「製品」には、良い意味で「真心のこもったハンドメイド感覚」が生きています。そんな、marantz製品を逸品館はおすすめいたします。今回撮影した動画は合計9本で構成され、すでにすべてYouTubeにアップロードを終えています。marantz製品の素晴らしさを是非ご確認いただければと思います。
それでは、それぞれの製品と撮影した動画を詳しくご紹介いたしましょう。
スピーカー B&W 702S3 (現金で購入 )・(カードで購入 )
メーカー希望小売価格 グロス・ブラック
518,000円(1台・税別)・その他の仕上げ 495,000円(1台・税別)
スピーカー B&W
805D4 Signature (現金で購入 )・(カードで購入 )
メーカー希望小売価格 800,000円(1台・税別)
長く私は「B&W」を理に強く情に薄いスピーカーだと評してきました。
しかし、2020年7月発売の「700S2シリーズ」、2020年9月発売の「600AEシリーズ」や、2021年9月発売の「800D4シリーズ」は、情の再現(ミュージカリティー)で大幅な向上が実現します。
S2からS3へのモデルチェンジで上級モデル800D4シリーズ同等技術を取り入れたことで、製品価格が一部旧型上位モデル800シリーズの価格を超えるほど上昇した「700S3シリーズ」ですが、幅を狭めラウンド形状に変更されたフロントバッフルや独立したキャビネットを持つツィーターが丁髷のように上に付く「ツイーター・オン・トップ」が幅広く採用されたことで、リスナーの体を音が包む込むような大きな「音の広がり(立体感)」が実現し、S2から搭載が開始された「カーボンツィーター」のさらなる改良により「高域と低域方向への再生周波数レンジの拡大」と「自然な音の繋がり」、そして「より暖かく情熱的な音」が実現しました。結果として700S3シリーズは、B&Wの持つ「モニタースピーカー」としての主軸を一切ぶらすことなく、より高い「ミュージカリティー(音楽性)」を実現しています。
「動画(1)試聴概要と機材説明」では、今回モニターに使ったB&W
702S3の詳しい説明と今回の聞き比べの目的について説明します。
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ネットワークレシーバー Model 40n 260,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
このアンプの特徴は、HDMI/ARCを含む「こだわったネットワーク入力」を備えることと、あえて「アナログアンプ」を採用したところにあります。
Model 40nには、新開発の「専用オリジナル高音質クロックジェネレーター」が搭載されています。ジッターを低減し、高音質を実現するこの回路の効果で「HEOS」を通じて接続できるネット-ワーク音楽サービスだけでなく「HDMI/ARC」や従来型の同軸/光デジタル入力の音質を大幅に改善することに成功しています。D&M製品専用ネットワーク再生アプリ「HEOS」は、メーカーから無償提供されるアプリとしては高機能で使いやすいという特徴を持ちます。
Model 40nは「HEOS」により様々な、ネットワーク音楽サービスに高音質接続できます。
Model 40nがパワーアンプ段に「アナログ回路」を採用するのは「コストダウン」がもっとも大きな目的ですが、同時にアナログ回路ならではの「ミュージカリティー(音楽性)」を実現するところにもあります。
アナログパワーアンプの魅力は「動画(4)Model 30とSACD 30nでネットワークとディスクを聞いてみた」をご覧下されば伝わると思います。
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SACDプレーヤー SACD 30n 298,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
このモデルの最大の特徴は何と言っても「ディスクリートDAC」を搭載するmarantzの最廉価モデルだということでしょう。
小さなチップにすべての回路が収まる「DACチップ」と違い、ディスクリートDACでは通常サイズのオーディオ専用パーツが使用できるだけではなく、回路全体の電流量を大幅に増やせるため「解像度(明瞭度)」と「躍動感(力強さ)」が大きく改善します。
「動画(3)Model 40nとSACD 30nでネットワークで聞いてみた」で驚くほど大きなその違いを確認できます。
同時にこの動画では「アンプを買い換えなければ解決しない」と考えていた「スピーカーの駆動」が、「プレーヤーに原因がある」ということを伺い知ることができます。
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プリメインアンプ Model 30 298,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
Philipsの開発陣が多く在籍するオランダ「HYPEX(ハイペックス)」社のクラスDパワーアンプ素子は、marantz
SA-10/SA-12 OSE/Model 30nに共通して採用されます。「動画(4)Model 30とSACD 30nでネットワークとディスクを聞いてみた」では、Model
40nが搭載するアナログアンプとModel 30が搭載するデジタルアンプの音の違いがよくわかります。
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また、ネットワーク入力とディスク再生の「それぞれの音の違い」も確認できます。フォーマットが劣る、この動画を見れば「古い」という理由だけで「ディスク離れ」を決断するのは時期尚早だとお分かりいただけると思います。ディスクにはディスクの良さがあるからです。同時に「なぜ1つの高音質メディアを選ばなければならないのか?(常に音質ナンバー1を決めなくてはならないのか?)」という疑問も感じます。
SA-12 OSE 350,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
SACD 30nと同じ「ディスクリートDAC」を搭載しながらネット-ワーク入力を持たないにもかかわらず、価格が高いSA-12
OSEには、上級モデルSA-10と同等の高剛性シャーシーが使われるなどデザインこそ古いままながら、Model
30nでは省略された高音質技術が使われています。
「動画(5)・Model 30とSA-12 OSEでディスクを聞いてみた(5)」をご覧下されば、同じ「ディスク」を聞き比べることで、Model
30nでは感じられなかった魅力がSA-12 OSEに残されていることに気付けるでしょう。
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PM-12 OSE 350,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
PM-12
OSEはその外観やシャーシを除き、内部の構成はかなりModel 30に近いアンプです。しかし実際の音はかなり違いがありました。「動画(6)PM-12
OSEとSA-12 OSEでディスクを聞いてみた」では、その違いだけではなくPM-12
OSEとPM-10に共通する「ウォーミングアップ前後の音質の違い」も確認できます。
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SA-10 600,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
発売から早くも6年が経過するSA-10は、モデルチェンジの早いデジタル機器としてはすでに「旧世代」のイメージがあります。けれど業界に先駆けて採用した「ディスクリートDAC」や開発が熟成に達している「D&M
オリジナルディスク再生メカ」の構成を考えれば、「旧世代の安さ(オーディオ機器価格はこの6年で大きく上昇)」で購入できる最安のフラッグシップモデルとも考えられます。
「動画(7)PM-12 OSEとSA-10でディスクを聞いてみた」を見ることで、今こそ「お買い時」なSA-10の素晴らしい実力と「アンプの鳴り方(スピーカー駆動力)」がアンプではなくプレーヤーに大きく依存しているという「事実」を再確認できます。
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一般的な「オーディオの常識」が、事実御前でいかに「陳腐」なものであるか、再確認して下さい。
そして、「下手な常識」や「思い込み」こそが、あなたをより良い音から「遠ざけている」ということにお気づき下さい。
PM-10 600,000円(税別) (現金で購入 )・(カードで購入 )
SA-12 OSEやModel 40nに搭載される「ハイペックス・クラスDパワーアンプ」を片チャンネル「2台」搭載することで、実用レベルの筐体サイズで理想のパワーアンプシステム「BTL(バランス)出力」を実現しいるだけで驚異的なのに、さらにmarantzが高音質プリアンプのために開発していた「HDAM
SA3」を多段で採用して60万円という価格は、驚きを通り越してあり得ないと思えるほどです。
「動画(8)PM-10とSA-10でディスクを聞いてみた」の後半で、ウォーミングアップが完了したSA/PM-10がならす「夏の終わりのハーモニー」を一聴するだけでそれが「過大広告」ではないとお分かりいただけると思います。
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さらに「動画(9)PM-10とSA-10でB&W 805D4 Signatureを聞いてみた」に至っては、様々なオーディオショウで繰り返される「1000万円を超えるようなハイエンドオーディオシステム」とこの動画の音を比べることで、多くの超高級オーディオが実は「魂の抜けたような音でしか鳴っていない」ことにお気づきになると思います。
逸品館は常々「オーディオ製品の価格差一桁は誤差程度しか音質に影響しない」と主張していますが、スピーカーを除いてそれが「あながち言い過ぎ」ではないともお気づきになると思います。
とにかく「最高の音質」は「最高の価格」で実現するのではなく、「最高の情熱」がそれを生み出すのだとお伝えできればと思います。
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メインタイトル「D&M本社AV試聴ルームでMarantz HiFi全モデルを聞き比べ」・YouTube
・試聴概要と機材説明(1)
今回の試聴の目的とモニターとして使ったB&W 702S3の詳しい説明。
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・Model 40nをネットワークで聞いてみた(2)
音楽を聞くのにもっと安いセットとして、ネットワークレシーバーModel
40nから聞き始めました。
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・Model 40nとSACD 30nでネットワークで聞いてみた(3) Model
40nを「アナログ入力プリメインアンプ」として使い、SACD30nのネットワークの音質をチェックしました。
同時に「アンプの音質(スピーカーの鳴り方)」が、プレーヤーの変更でこれほど大きく変わるという所も試聴の大きなポイントです。
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・Model 30とSACD 30nでネットワークとディスクを聞いてみた(4)
出力アンプにアナログ回路を採用する「Model 40n」とデジタル回路(クラスD)を採用する「Model
30」との音質の違いが注目のポイントです。
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・Model 30とSA-12 OSEでディスクを聞いてみた(5)
同じ「ディスクリートDAC」を採用しながらネットワーク入力を持つ「Model
30n」と、よりピュアオーディオ志向が強い「SA-12 OSE」の音質の違いに注目しましょう。
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・PM-12 OSEとSA-12 OSEでディスクを聞いてみた(6)
同じ「デジタル出力(クラスD)」を採用する新型「Model 30」と旧世代の「PM-12
OSE」の音質の違いに注目です。
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・PM-12 OSEとSA-10でディスクを聞いてみた(7) marantzが始めて「ディスクリートDAC」を搭載したフラッグシップSACDプレーヤー「SA-10」は現在の基準でどれくらいの音質を実現していたのか?
そして再び「プレーヤーの入れ替え」でプリメインアンプの音質が驚異的に向上するという事実を確認できます。
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・PM-10とSA-10でディスクを聞いてみた(8) PM-12 OSEからPM-10にアンプを買えた時点と15分ほど音楽を聞いた後の「PM-10」の音質の違いに注目しましょう。
オーディオ機器にとって「ウォーミングアップ」がどれくらい重要なのかよくわかると思います。
同時に「ウォーミングアップなし」で開始されるショップでの試聴に疑問を感じられると思います。
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・PM-10とSA-10でB&W 805D4 Signatureを聞いてみた(9) B&W
702S3と805D4 Signatureには倍近い価格の開きがあります。
それでも出る音は,それ以上大きな価値に差があると感じます。
それと共に「たった60万円」に過ぎない、marantzのSACDプレーヤーとプリメインアンプが、ここまで良い音で804D4
Signatureを鳴らすことに「それ以上」驚かされます。
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2023年9月 逸品館代表 清原
裕介