今回のテストでは、コンポーネント入力のインターレス、プログレッシブのそれぞれにおいて「清原が画質調整を行って」から撮影に望みました。調整には、昨年良くお薦めしたMEDIXの画像調整ディスクを使っていません。その理由は、DLPプロジェクターの「RGBカラーマネージメント」が「R、G、B」個別のデバイスを持たないため、「液晶プロジェクター」や「プラズマテレビ」、「液晶テレビ」などと異なり「MEDIXの調整ディスクが使えない」ためです。(一部のDLPプロジェクターではMEDIXのディスクが使えたため気づくのが遅れ、すでにMEDIXのディスクを購入頂いたしたお客様には、誠に申し訳ないことをしてしまいました)
そのため、画像調整は「dtsデモディスクの映像のみ」で「自分の目を頼りに」行いましたが、結果としてコンポーネント入力(プログレッシブ)と一切調整の手を入れていないデジタル入力(DVI−D)の映像は非常に近いものとなりました。これは、調整がほぼ正しかったことと、VP8600のデジタル入力(DVI−D)の映像が非常に素直で癖が少ないということを示していると思います。
それぞれの映像によるテストからすでにおわかりのように、marantz DV8600は、「アナログ入力が弱い」ことがら明らかになりました。これはDVDから出力された信号が変換なしに画像出力される「デジタル入力」に対し、アナログ入力された信号がデジタルに変換されてから画像出力される「アナログ入力」の差が出たと言うことになりますが、それはつまり「VP8600の映像変換回路(映像入力回路)の性能が搭載されているDLPエンジンと光学系(レンズなど)の性能を十分に生かし切れていない」ということを示しています。
今回はデジタル入力とインターレスとプログレッシブのアナログ入力の差をテストしましたが、この結果から推察するとVP8600の画質は、「デジタル入力>コンポーネント、ハイビジョン入力>コンポーネント、プログレッシブ入力>コンポーネント、インターレス入力>S端子入力>コンポジット入力」の順になると考えられます。
VP8600をお考えの場合、DVDプレーヤーには「高画質のデジタル映像出力」が備わっていることが必須条件です。
※今回のテスト結果はすでにmarantzの技術に報告しています。メーカーの見解では「映像信号のアナログ→デジタル変換」部分の「カラーマネージメント(色調や色相)」部分に若干の改善を加えることで「色の悪さ」はほぼ完全に解消できそうだとの報告を受けました。この改良は、今後生産されるVP8600に実施されそうです。
↑2005年12月末のロットより、全数改良(再調整)を受けたとの報告がmarantzよりありました。
今後入手される、VP8600のデフォルトは、「調整後」の画質に近いものとお考え下さいませ。
※すでにVP8600を購入されたお客様、またこれから逸品館でVP8600を購入ご検討のお客様には「今回の画像調整値」をお教えいたします。調整を行えば、現在のロット品でも問題はありませんのでご安心下さいませ。