MARANTZ VP8600 SANYO LP-Z4 EPSON EMP-TW600 MITSUBISHI LVP-HC3000 AIRBOW DV9500/KAI SPECIAL DV9600

SANYO LP-Z4

EPSON EMP-TW600

MITSUBISHI LVP-HC3000

NEC HT1100JK
 AIRBOW DV9500/SPECIAL

カラーバー、グレースケールによる画質比較

 

marantz VP8600


外観

実売価格

40万円

デバイス・画素数

DMDパネル、0.81インチ・1280×720

コントラスト比

2500:1


輝度

800ルーメン

光源

200W VIP

ズーム

1.3倍 マニュアルズーム

ワイド100までの投影距離

3.0〜4.0m

入力端子

DVI-D(HDCP対応)
D-sub15Pin(RGB)

コンポーネント2系統(5RCA/3RCA)
コンポジット(RCA)

S-ビデオ (S端子)

質量

12kg


外形寸法幅×奥行×高さ

435×385×190mm

消費電力

255w  (待機時1.3W)

テスト環境

場所
逸品館1号館シアタールーム

スクリーン
OS(Home Theater) ワイド90型 ピュアマット2

DVDプレーヤー
AIRBOW DV9500/KAI(Special)
プロジェクターの調整

VP8600
調整済みとデフォルトの両方を撮影しました。

入力信号フォーマット
DVI(デジタル入力)とコンポーネント(インターレス)、コンポーネント(プログレッシブ)の3つを撮影しました。

dtsデモディスク“メニュー画面”による比較

MARANTZ VP8600(デフォルト、プログレッシブ) MARANTZ VP8600(デフォルト、DVI)
MARANTZ VP8600(調整済み、インターレス) MARANTZ VP8600(調整済み、プログレッシブ)

コンポーネント入力ののデフォルト(プログレッシブ)の映像は、色相が青緑にシフトし明らかにおかしい。同じデフォルトでもデジタル入力(DVI−D)になると発色は改善されている。
調整後のコンポーネント入力の「インターレス」と「プログレッシブ」は、発色が異なるがこれは「映像調整のメモリー(設定値の記憶)がインターレスとプログレッシブが個別に行われるためで、設定を同じにしても「発色は同じにならない」という特徴がある。インターレスでは映像の細部に「ジャギー(斜めの線がギザギザになる)が発生」しているが、実際に見た目にもこの「ジャギー」はかなり目障りに感じられれる。

dtsデモディスク“グラディエーター”による比較

MARANTZ VP8600(デフォルト、プログレッシブ) MARANTZ VP8600(デフォルト、DVI)
MARANTZ VP8600(調整済み、インターレス) MARANTZ VP8600(調整済み、プログレッシブ)

やはり、コンポーネント入力(プログレッシブ)のデフォルトのみ明らかにおかしい。念のため2台のVP8600をテストしてみたが同様の傾向にあり、単なる個体差ではない。
それに対してデジタル入力(DVI−D)すると、私が調整したコンポーネント(プログレッシブ)とほとんど差がなくなり、さらに奥行きなどの点で優位になる部分も出てくる。

dtsデモディスク“タイタン”による比較

MARANTZ VP8600(デフォルト、プログレッシブ) MARANTZ VP8600(デフォルト、DVI)
MARANTZ VP8600(調整済み、インターレス) MARANTZ VP8600(調整済み、プログレッシブ)

“グラディエイター”で感じた傾向がそのまま。さらに明確になる。
コンポーネント入力(インターレス)の画像は、鮮明だが細部が粗い。シャープネスを強くしたようなイメージ。奥行き感や、色彩などの情報が明らかにコンポーネント入力(ポログレッシブ)、デジタル入力(DVI−D)に劣っている。

dtsデモディスク“ロストワールド”による比較

MARANTZ VP8600(デフォルト、プログレッシブ) MARANTZ VP8600(デフォルト、DVI)
MARANTZ VP8600(調整済み、インターレス) MARANTZ VP8600(調整済み、プログレッシブ)

“グラディエイター”、“タイタン”と傾向は同じだが、デジタル入力(DVI−D)の後ろ側の人物の手のあたり(双眼鏡の部分)を見ると、コンポーネント入力よりも情報量が多く「奥行き感」、「色彩の階調」がより豊かに再現されているのがわかる。
コンポーネント入力(プログレッシブ)は、やや強調された感じがあるが、クッキリしてこれはこれで悪くない。

MEDIXテストディスク“桜”による比較

MARANTZ VP8600(デフォルト、プログレッシブ) MARANTZ VP8600(デフォルト、DVI)
MARANTZ VP8600(調整済み、インターレス) MARANTZ VP8600(調整済み、プログレッシブ)

デジタル入力(DVI−D)の映像の情報量が多い。AIRBOW DV9500/Specialの優秀さにも助けられて「花びら」や「茎」の細かい部分まで綺麗に再現されている。コンポーネント入力(プログレッシブ)は、自然な感じだが細かい部分の再現性においてデジタルには適わない。

marantz VP8600入力信号による画質比較のまとめ

今回のテストでは、コンポーネント入力のインターレス、プログレッシブのそれぞれにおいて「清原が画質調整を行って」から撮影に望みました。調整には、昨年良くお薦めしたMEDIXの画像調整ディスクを使っていません。その理由は、DLPプロジェクターの「RGBカラーマネージメント」が「R、G、B」個別のデバイスを持たないため、「液晶プロジェクター」や「プラズマテレビ」、「液晶テレビ」などと異なり「MEDIXの調整ディスクが使えない」ためです。(一部のDLPプロジェクターではMEDIXのディスクが使えたため気づくのが遅れ、すでにMEDIXのディスクを購入頂いたしたお客様には、誠に申し訳ないことをしてしまいました)

そのため、画像調整は「dtsデモディスクの映像のみ」で「自分の目を頼りに」行いましたが、結果としてコンポーネント入力(プログレッシブ)と一切調整の手を入れていないデジタル入力(DVI−D)の映像は非常に近いものとなりました。これは、調整がほぼ正しかったことと、VP8600のデジタル入力(DVI−D)の映像が非常に素直で癖が少ないということを示していると思います。

それぞれの映像によるテストからすでにおわかりのように、marantz DV8600は、「アナログ入力が弱い」ことがら明らかになりました。これはDVDから出力された信号が変換なしに画像出力される「デジタル入力」に対し、アナログ入力された信号がデジタルに変換されてから画像出力される「アナログ入力」の差が出たと言うことになりますが、それはつまり「VP8600の映像変換回路(映像入力回路)の性能が搭載されているDLPエンジンと光学系(レンズなど)の性能を十分に生かし切れていない」ということを示しています。

今回はデジタル入力とインターレスとプログレッシブのアナログ入力の差をテストしましたが、この結果から推察するとVP8600の画質は、「デジタル入力>コンポーネント、ハイビジョン入力>コンポーネント、プログレッシブ入力>コンポーネント、インターレス入力>S端子入力>コンポジット入力」の順になると考えられます。

VP8600をお考えの場合、DVDプレーヤーには「高画質のデジタル映像出力」が備わっていることが必須条件です。

※今回のテスト結果はすでにmarantzの技術に報告しています。メーカーの見解では「映像信号のアナログ→デジタル変換」部分の「カラーマネージメント(色調や色相)」部分に若干の改善を加えることで「色の悪さ」はほぼ完全に解消できそうだとの報告を受けました。この改良は、今後生産されるVP8600に実施されそうです。
↑2005年12月末のロットより、全数改良(再調整)を受けたとの報告がmarantzよりありました。
  今後入手される、VP8600のデフォルトは、「調整後」の画質に近いものとお考え下さいませ。
※すでにVP8600を購入されたお客様、またこれから逸品館でVP8600を購入ご検討のお客様には「今回の画像調整値」をお教えいたします。調整を行えば、現在のロット品でも問題はありませんのでご安心下さいませ。

2005年12月15日 清原 裕介

 

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