Polk Audio - Signature Elite シリーズ( ES60 / ES55 / ES35 / ES30 )+ AIRBOW - SR6015 MAX-TI Special / IMAGE11-KAI3 による超高音質サラウンドのご紹介
目次
レポート概要
映画好きなら誰もがあこがれる"ホームシアター"。
2000年当時は、大型画面はプロジェクターとスクリーン合わせて最低でも50万円。
音響システムはスピーカーとAVアンプ合わせて100万円。合計で150万円~200万円が"本格的ホームシアタ-"の相場でした。
けれど、2020年からは違います。
大型テレビやプロジェクタースクリーンは、驚くほど安くなり10万円から。
音響システムは、サラウンドスピーカーが5.0chで約30万円、AVアンプが約30万円の合計100万円を大きく切る価格となりました。
サラウンドアンプは欲張らなければ、10万円未満でも良い製品が探せますから、スタート合計は50万円」一気に安くなっています。
今回は、合計100万円クラスのシステムで、映画も音楽もとことん楽しめる、
少し前の300万円クラスに匹敵するほどの音質を実現できるシステムをご紹介いたします。
今回のメイン使用機材
■ アンプ
音質の決め手となるAVアンプには、逸品館オリジナルのmarantzカスタムモデル「SR6015 MAX-TI Special」を選びました。
この製品は、marantz - SR6015のパーツを約200個近く交換することで、9chアンプ搭載AVアンプとして最高の音質を実現するために製作したモデルです。徹底的なチューンナップの効果で、AVアンプでありながら同価格帯のピュアオーディオプリメインアンプに相当する透明で滑らか、そしてきめ細やかでダイナミックな音質を実現しますが、特に注目して欲しいのは小音量時の表現力です。展示会や専門店の試聴室では大音量での試聴が可能です。しかし、ご家庭ではそれほどの大音量での視聴は難しく、音量低下による音痩せ=表現力の劣化が避けられません。しかし、200個近くのパーツを最高級ピュアオーディオ製品同等に交換することで、音にならないような空気の動きまで明確に再現するAIRBOW - SR6015 MAX-TI Specialでは、いくら音量を絞っても、大音量時と変わらない音の広がり、表現力が保たれます。
さらに、映画などよりもアンプの音質が厳しく求められる音楽再生に置いてもその能力は遺憾なく発揮され、AVアンプ1台でサラウンドもステレオも十分な音質で楽しめます。
▽ AIRBOW - SR6015 MAX-TI Special
(9.2ch・AVサウンドレシーバー)
■メーカー希望小売価格 298,000円(税別)
■ スピーカー
スピーカーは逸品館一推しのバリュー製品。Polk Audio - Signature Elite(ES)シリーズから、サブウーファーを不要にするためにフロントは一番大きいES60、リアもそれに次ぐ大型のES55を使います。
■ Polk Audio - Signature Elite シリーズ(4機種)
Polk Audio - ES60
(フロントスピーカー)
Polk Audio - ES35
(センタースピーカー)
Polk Audio - ES30
(センタースピーカー2)
Polk Audio - ES55
(リアスピーカー)
▽ AIRBOW - IMAGE11 KAI3
(ブックシェルフスピーカー)
■メーカー希望小売価格 42,500円(ペア・税別)
その他の使用機材
■ ルームアコースティックアクセサリー
ホームシアタ-「セッティング」のポイント
■ルームアコースティックと遮光
時々インストーラーの手によって美しくまとめられた「ホームシアター」を見ることがあります。けれど、見た目は良くても質は不十分だろうという気がします。理由はリビングの居心地の良さとシアタールームに求められる特質が正反対だからです。例えば、映画館の壁が白いものであれば、画像は綺麗に写ると思いますか?答えは「No」です。
白い壁や天井を使うとプロジェクターから投影(TVの画面)された光が壁や天井あるいは床で反射して、それがスクリーン(画面)に戻り(照らし)、画面の黒色が浮いてしまいます。そのため、ホームシアターの壁や天井は、光を反射しないような色(例えば黒)が理想です。けれど、天井や壁が黒いと、部屋のイメージが暗くなって、居心地が悪くなります。
音も同じです。スピーカーから出た音が壁や天井で反射すると、濁った響きが発生し、音の広がりや音像のフォーカスが低下します。コンサートホールが楽器の音を綺麗に反射できるように設計されますが、その音をサラウンドで再生するシアタールームでは、作られた反射が再生されるので、それをさらに余計に反射させないように、壁や天井、床を音を反射しにくくすることが大切です。
以上の点を考慮した場合、特別に外観にこだわるのでなければ専用の部屋を作るよりも、既存のリビングに遮光カーテン(光を通さず、光を反射しないカーテン)を取り付ける方が、映像も音も良い環境が作り出せます。普段はカーテンを開けておいて、より良い画質音質を望むときだけカーテンを閉めれば良いのです。床からの反射を防ぐために、スピーカーの前の床に毛足の長い絨毯や、ムートンを敷くのも効果的です。
カーテンの施工が難しい場合には、今回のセッティングにも用いたAIRBOWのルームアコースティックアクセサリー「もや取り君」をお薦めします。この製品は、小型軽量で最大の効果を発揮しつつ低価格を実現するために、私が長年研究を重ねた上で生み出した、画期的な音響チューニング材です。部屋の外観を大きく損ねることなく、大型で高価な吸音材を超える効果を発揮します。
この製品の最も大きなポイントは吸音材に音を通すための穴を開けていることです。サイズと形状、場所を研究して決定されたこの穴から吸音材の背後に回り込んだ音は、打ち消し合い(サイレンサー)効果により消したい周波数が効果的に低減され、サイズを超えた大きな効果を発揮します(意匠登録済)。また素材が軽いので、付属のピンで壁や天井に簡単に取り付けられ、取り外しも簡単なので賃貸物件でもご使用いただけると思います。
プレミアムは、表面に反射体(厚紙)を貼り付け、反射と吸音を両立させたピュアオーディオ(ステレオ)向きの製品です。ピュアは、形状と表面反射を見直すことで、吸音効果を維持しながら価格を抑えたモデルです。三角形状のスマイルは、部屋のコーナー部や、壁面(天井)にすこし浮かした状態で取り付けることで、従来の同サイズの吸音材の数倍の効果が期待できます。
いずれの吸音材もAIRBOWらしく、できるだけ低価格で作っていますが効果は抜群です。
もや取り君「プレミアム」・「ピュア」の使い方
■もや取り君「スマイル」の使い方
プレミアムは、表面に反射体(厚紙)を貼り付け、反射と吸音を両立させたピュアオーディオ(ステレオ)向きの製品です。ピュアは、形状と表面反射を見直すことで、吸音効果を維持しながら価格を抑えたモデルです。三角形状のスマイルは、部屋のコーナー部や、壁面(天井)にすこし浮かした状態で取り付けることで、従来の同サイズの吸音材の数倍の効果が期待できます。
※ルームアコースティックについての詳細は、こちらのページをご覧下さい。
使用機材メーカー・ブランド
Polk Audio
(ポークオーディオ)
AIRBOW
(エアボウ)
試聴テスト使用楽曲
レポート本文
スピーカーの配置
スピーカーの配置は高さと壁から離すことが重要なポイントです。センタースピーカーは、可能な限り画面中央の高さ合わせたいのですが、サウンド透過型のスクリーンでないと無理です。けれど画像が4Kや8Kになると、サウンド透過型スクリーンの生地の荒さが画質の問題になってきます。かといって、天井や床にセンタースピーカーを取り付けるのは止めるべきです。
できるだけ画面に近いところにセンタースピーカーを設置する
アトモスなどのスピーカーを壁や天井に埋め込むのもあまり良くありません。センタースピーカーを天井や床に設置した場合と共通する問題点は、スピーカーと平面を繋げるとその平面が仮想バッフルとして働き、音が濁り音像が肥大する原因になるためです。スピーカーと壁や天井の間に僅か数㎝の隙間を空けるだけで、この問題は回避できます。天井にスピーカーを取り付ける場合には、できればアームで天井から離れているモデルをお選び下さい。無理な場合は、ユニットがむき出しになっているものではなく、きちんとしたボックスに入っている製品をお選び下さい。同様な理由で、フロントスピーカーを壁に作ったボックスに埋め込むのも悪い方法です。どうしてもそうしたい場合には、音質は期待できないのであまり高価なスピーカーを使ってもその能力は発揮できないとお考え下さい。
以下動画にて、スピーカー配置のポイントを詳しく説明しています。
■センタースピーカーの選び方
ほとんどのメーカーは、ツィーターが中央にウーファーをその左右に配置した横型のセンタースピーカーをラインナップしています。それが絶対にダメというわけではありませんが、ウーファーが1つの小型密閉型スピーカーが理想です。
その理由と、一般的なセンタースピーカーとの音の違いを比較した動画をご用意しました。
センタースピーカー選択・実演動画
サラウンドのセッティングについて、さらに詳しくは以下の特集をご覧下さい。
納得の画質・音質 を実現する!
「失敗しない、ホームシアターの作り方」
■デモソフトによる「5.0chサラウンド」音質チェック
■SACDサラウンドディスクによる「5.0chサラウンド」音質チェック
バーチャルサラウンド
サラウンドシステムをお持ちならバーチャル・サラウンドを使わない手はありません。確かに初期のバーチャルサラウンドは、いかにもわざとらしい音でした。けれど、AVアンプのDSP(サウンドプロセッサー)の処理が24bitから32bit(ヤマハの上級モデルは64bit)になったことで、作り出される残響がかなり自然になり、ステレオだけではなくモノラルの音源でも適切なバーチャルサラウンドを使うことで、実際のライブを聞いているような音場が実現するようになりました。
さらにバーチャルサラウンドを使うことで、再生に使うスピーカーの数(ユニットの数)が増えることにより、音の広がりだけではなく音楽の躍動感(ダイナミックレンジ)も大きく拡大します。また、小音量時でも音痩せしなくなるなど、バーチャルサラウンドは効果大なのです。
この動画では、6曲のステレオソース、1曲のモノラルソースをステレオで聞いた場合とバーチャル・サラウンドで聞いた場合を比較しています。さらに、4曲のステレオソースをバーチャルサラウンドで再生し、その効果を実感していただけます。
■LAN入力音源を「バーチャル・サラウンド」で聴いてみた
レポート 逸品館代表 清原 裕介
作成日時 2022年2月