【納得できるシアター作り】1. ホームシアターの実現に向けて

サラウンドスピーカーの最適な設置場所

「ホームシアター」
それは、ご自宅に映画館のような異次元の世界を生み出す魔法のような部屋です。けれど、決して映画館のように大きなスペースも、大がかりなシステムも必要ありません。今お使いのテレビの音を少し良くして上げるだけでも、映画やライブ、スポーツ放送放送などの臨場感は驚くほどアップします。

ホームシアターと聞いて連想なさるのは、前と後にスピーカーを置く、サウンド・システムだと思います。
けれど、いきなりリアスピーカーを導入しなくても、前側にスピーカーを追加するだけでも音質を大きく改善する事ができます。
今のテレビは、薄くなったためにスピーカーの音を響かせるためのスペースがなくなってしまい、ブラウン管時代のテレビに比べて低音が出にくく、中高音も聞き取りにくくなっています。

そんなテレビの音を良くする一番簡単な方法はアンプ内蔵スピーカーをTVの音声出力に繋ぐことです。ほとんどのテレビには音量可変の音声出力(テレビの説明書に書いてあります)が備わっています。

この端子にアンプを内蔵するスピーカーを繋ぐだけで、テレビの音はビックリするくらい良くなります。良いスピーカーを使うと、音質だけではなく、音の広がり(立体感)も大きく改善します。逸品館おすすめのアンプ内蔵スピーカーをお使いいただくだけで、TV放送や映画を見るときの臨場感が全く変わります。

■映像と音質を融合させよう

ホームシアターの基本は、大画面・高画質とお考えだと思います。

それは正しいのですが、逸品館が大切にしているのが画面と音質のバランスです。
料理を食べるときは味と香りの両方を味わい、そのバランスがお互いの味わいをより深めます。映像と音質も同じように、互いがバランスよくマッチしたとき、映像は音によってより美しくなり、音は映像によってより美しくなるのです。

良い映像には良い音質を。これがよいホームシアターを作るときの秘訣です。
大切なのは「製品の価格を合わせる」ことではなく「相性の良い製品を組み合わせる」ことです。バランスのとれた製品選びなら、実際に製品をテストしている逸品館におまかせ下さい。

ディスプレイの選び方

ホームシアターの主役はプロジェクターとスクリーンだと考えられがちです。確かに100インチ以上の大画面の実現にはプロジェクターが必要ですが、50インチ以上の大画面TVなら、十分に映画の迫力を味わえます。

ディスプレイと視聴者の最適距離大画面TVの場合は、画面サイズの1.5~2倍が最適距離です。
※50インチTVの場合は、2~3m
 スクリーンの場合は、画面サイズの約1.2~1.5倍が最適距離です。
※スクリーン100インチの場合は、3m~4.5mこれ以上画面に近いと、長時間の視聴で疲れることがあります。

画面サイズ
ホームシアターをお楽しみになる場合には、少し小さめの画面を選ぶ方が画質的には有利です。それは、人間の視覚には面積が小さいほど色が濃く見えるという特徴があるため、同じ画質でも画面が小さい方がクッキリ・ハッキリ見えるためです。また、動きのある場面も大画面になればなるほど素子の応答スピードに早さが要求されるため、素子の応答スピードが十分でないTVやプロジェクターでは、大画面になればなるほど動きがぎくしゃくしたり残像感が生じるようになります。プロジェクターの場合も、スクリーンサイズを欲張らない方が失敗しません。

お薦め画面サイズ
おおむね、「6畳=60インチ」「8畳=80インチ」「10畳以上=100インチ」くらいが適当な画面の大きさです。100インチ以上大画面を楽しみたいとお考えなら、10畳以上のスペースが必要です。それよりも部屋が小さい場合には、大画面TVを選ぶ方がよいでしょう。

センタースピーカーの設置に注意
スクリーンサイズが120インチを越えると、スクリーンの上下長が1400mmに達します。一般家屋での床から天井までの高さは、2400-2500mm程度ですから、スクリーンを天井から400mm下げると、床からスクリーン下端までの距離が600mm以下になってしまうので、センタースピーカーの設置に問題が生じます。このような場合、他店のインストール例では、センタースピーカーを床近くやあるいは天井付近に設置していますが、それでは「絶対に!」良好なサラウンド効果が得られません。
スクリーン膜面の外側にしかセンタースピーカーを設置できないのなら、センタースピーカーを使わない方が音のバランスが良くなります。また、センタースピーカーの設置をお考えなら、スクリーンサイズは110インチ程度に抑える方がセンタースピーカーの設置が楽になります。

部屋の大きさにあったスクリーンの選び方

逸品館のお薦めプロジェクターはこちら

逸品館のお薦めスクリーンはこちら

■AVアンプ

最近は自動音場調節機能が搭載されるアンプが増えています。熟練した人間のセッティングには及びませんが、初心者が手動でセットするよりもAVアンプに設定を任せた方が確実に良い音が実現します。
オートのセッティングに満足できないときには、レーザー距離計やメジャーなどを使って「スピーカーとリスニングポジションまでの距離を実測」してアンプに入力し、各スピーカーの音量をマニュアルで合わせて下さい。

サラウンド方式とスピーカーの数

サラウンドの進化は留まるところを知らず、5.1chから始まったシステムも、遂に11.2chに到達しました。映画館のように大きなスペースではスピーカーを増やすことは効果があるのですが、一般家庭では隣り合うスピーカーの距離が2m以下になるようであれば、スピーカーの増設は音質改善に繋がらない場合があります

スピーカーからスピーカーへ音が移動するときスピーカーの音色が異なると違和感を生じます。可能な限り同一メーカーのスピーカーをお使い下さい。狭い空間にメーカーや音色の違うスピーカーを押し込むと、音質は確実に悪化します。

経験的には、かなり広い部屋でも、スピーカーの数は(5.0 chもしくは6.0 ch)で十分に音が広がります。

スピーカーケーブルの埋設に大変便利な「ノイトリック」スピーカーコネクターはこちら

Dolby Atmos(ドルビーアトモス)
アトモスの音声は、これまでの2D(平面)から3D(立体)に変わりました。そのため天井にスピーカーを増設することが求められています。しかし、従来のシステムでアトモスの効果が出ないわけでなありません。サラウンドソースがAtmosの場合、Atomos対応AVなら「フロントスピーカーにハイトスピーカー(天井付けスピーカー)の音が混ざって再生」されます。フロントスピーカーから出たハイトスピーカー(天井スピーカー)の音は、天井で反射され擬似的にハイトスピーカーを付けたのと同じような効果を発揮します。天井にスピーカーを付けた場合を100%として、フロントスピーカーから擬似的に天井用の音を発生する場合、その半分以上の効果は出せると思います。少なくとも、それまでのサラウンドソフト比べて上方への音の広がりは確実に向上しますので、まずはアンプをアトモス対応に買い替えてください。

さらに大きな効果を発揮させるには、Enableスピーカーの増設が効果的です。

○ドルビーデジタル TrueHD、DTS-HD、ドルビーデジタルプラス
(ブルーレイから採用された高音質サラウンド)

DVDに比べて豊富なデータが記録できるブルーレイには、ハイレゾやDSD(SACD)に匹敵する音質のサラウンドが収録されています。しかし、ディスク(メディア)が高音質に対応していても、そもそも録音されている音声そのものの音質が不十分(劣悪な)場合、BDだからと言ってDVDよりも音が悪いことがあります。また、J-POPなどの「音楽ソフト」では、折角購入したBDの音質がDVDと変わらないことがあります。

映像は圧倒的にBDが綺麗ですが、音質に関しては、BDに合わせて高音質に作られたディスクではない場合、DVDとあまり差がないことが多いので、音質を求めて無理にDVDをBDに買い換える必要はありません。また、AIRBOWなど音質に優れているAVアンプでは、DVDディスクでも音質に不満は生じません。

逸品館のお薦めAVアンプはこちら

理想は6.1 ch+ハイトスピーカー

「フロント左右」「センター」「リア左右」+「サブウーファー」の「5本+1本のスピーカー(5.1ch)」から始まった、ドルビーサラウンドですが、最終的にはリアスピーカーが「2本」の「7本+1本のスピーカー(7.1ch)」あるいは、サブウーファーをさらに一本追加して「7.2ch」へと進化しました。

しかし、いたずらにスピーカーを増やすと相互のスピーカーから発せられる音が悪い干渉を起こして、音がぼやけたり濁ってしまうことがあります。センタースピーカーを2本にしないのは、中央の定位が悪くなるためですが、同じ理由でリア・センタースピーカーを2本にすると、後方中央への音の広がりが悪くなることがあります。逆にリアセンタ-・スピーカーを1本から2本に増やしても、後方左右への音の広がりはそれほど大きくなりません。リアスピーカーを2本にして音が良くなるのは、かなり広いスペースが必要です。同じ理由でサブウーファーを2本にすることもお薦めできません

一般家庭で最良のサラウンド効果を発揮させるには、フロントとリアに大型スピーカー(フロア型スピーカー)を使った、「6.0 ch+ハイトスピーカー」の設定がベストです。

逸品館のお薦めサラウンドスピーカーはこちら

○疑似サラウンド

AVアンプには様々な方法で、モノラルやステレオ・ソースを擬似的にサラウンド化するプログラムが搭載されています。従来のAVアンプでは、擬似的に作り出される音声の精度が低く、疑似サラウンドを使った場合「違和感」を覚えることがありました。特に音楽でそのようなことが多かったのですが、現在発売されている32bitプロセスを採用する高音質AVアンプに搭載されるDSPの性能は非常に高く、この機能を積極的に利用することで、映画や音楽をより躍動的に楽しむ事ができるようになっています。お試しください。

○THX
ドルビーデジタルと共にTHX対応製品というものが存在しますが、サラウンドなどの定められた規格を示すのではなく、「ある一定の音質・画質をドルビー研究所が認定した製品」と言う意味(いわゆるお墨付き)なので、特に気にする必要はありません。