【納得できるシアター作り】2. ホームシアターを自分で設計しよう

ホームシアターを設計する

Q)遮音工事は必要ですか?

A. ホームシアターは、音量が大きいほど迫力が出ますので、簡易的でも遮音工事は行った方が良いと思います。

遮音工事は高価だという印象がありますが、部屋の壁を2重にする、床に遮音用のフローリングを施工する、ドアや窓硝子を2重にするなど、一般建材を上手く使った施工を行えば、普通の改装費用+必要最小限の費用でも実用的な遮音工事が行えます。また、音が抜ける方向だけを遮音するなどの方法もございます。

低予算で効果的な遮音工事をご提案いたしますので、ご相談下さい。

Q)プロジェクターやプラズマTVなどの大画面ディスプレイがないとホームシアターは楽しめませんか?

いいえ、決してそんなことはありません。現在お使いのTVなどにサラウンド・サウンドシステムを追加するだけでも、驚くほど臨場感のあるホームシアターを完成させることが出来ます。

Q)大画面TVとプロジェクターのどちらを選べばいいですか?

プロジェクターは100インチ以上の大画面を低価格で実現できるのでホームシアターには大変便利な製品です。しかし、部屋を暗くしないと見ることができません。それに対し大画面TVは、部屋を暗くしなくても見られますから、より手軽に大画面を楽しめます。実際の使い勝手に応じてプロジェクターか大画面TVかをお選び下さい。

もし、あなたが「昼も夜も」「1人でもみんなでも」あらゆるシーンでホームシアターをフルに楽しみたいとお考えなら、大画面TVの前にスクリーンを取り付ける方法がお薦めです。この方法なら1つのサラウンドシステム=1つの場所を大画面TVとプロジェクターで共用できますから、その場の雰囲気やご覧になる番組に応じて両方を切り替えられるので便利です。

Q)プロジェクターは、昼間でも見られますか?

ホームシアターに必要な暗さは映画館と同じとお考え下さい。昼間でも遮光カーテンなどを使い部屋を暗くすれば十分綺麗に見られますが、リビングなどの広い空間では思わない場所から光が漏れてくる事があります。プロジェクターのご購入に先立って、必ず設置場所の光漏れチェックを行って下さい。

どうしても光の漏れが避けられない場合は、スクリーンに光が差し込まない位置に設置するなどして対処できることがあります。映画館をイメージして頂ければ、大体の様子はつかめると思います。

Q)プロジェクターを見るときには、部屋を真っ暗にしないといけないのですか?

プロジェクターとTVとの違いは画面の黒さです。プロジェクターもTVも光が出ていないときが一番黒い色の階調(表現)なのです。明るい部屋でスイッチを切ったTVの画面を見たときには画面は黒く見えますが、プロジェクターのスイッチを切っていてもスクリーンは白く見えています。

スクリーンに光が当たってスクリーンが白く見えるような状態では、黒が浮いて(黒が灰色)しまいます。手元はある程度明るくても差し支えありませんが、スクリーンに光が当たることは極力避けてください。どうしてもスクリーンが真っ黒(スクリーン周辺を真っ暗)に出来ない場合には、スクリーン自体が灰色(グレー)になったタイプのスクリーンを使えば、画質は若干損なわれますが黒浮きをある程度緩和できます。

天井や壁からも光は反射します。映画館の天井や壁面が黒いのは反射を低減するためですが、可能であればシアタールームのスクリーンやTVに近い天井と壁面は光を反射しにくい暗い色にすることで画質はハッキリと向上します。

Q)スクリーンは必要ですか?

壁が平面で真っ白であれば、スクリーンがなくてもプロジェクターの映像を見ることが出来ます。しかし、高額なスクリーン(ホームシアター・ピュアマット2)などのスクリーンは、光の反射色を研究して作られていますので、壁や紙などに投射するときに比べて遙かに奥行きのある綺麗な映像をお楽しみ頂けます。良質な画像をお望みの場合、スクリーンにもしっかり予算をかけてください。

Q)どれくらいの広さが必要ですか?

100インチスクリーンの画面は「16:9 / 2.2 m・4:3 / 2.0 m」です。その他のサイズは、100インチ幅の1 / 100「2.2 cm / 2 cm」にスクリーンの大きさを掛けることで簡単に求めることが出来ます。(【例】16:9 の 80インチ なら 2.2 × 80 = 176cm)

プロジェクターの投影距離距離は、スクリーンの横幅の約1.3~1.8倍程度が必要になります。(詳しくはプロジェクターのカタログをご覧下さい)
目安としては、「部屋畳を10倍すると適正なスクリーンのサイズになる」とお考え下さい。(【例】8畳 × 10=80インチ)

ただし、実際に取り付けられるスクリーンのサイズはあくまでも部屋の椅子(ソファー)やテーブルなどのレイアウト、遮光性などの設置環境に応じて決まりますから、スクリーンの購入前に十分な検討をお忘れなく。スクリーンに関しては大は小を兼ねると言うことは出来ません。大きいスクリーンを使いたいという気持ちはよく分かりますが、大きすぎるスクリーンは後々色々な問題が起きる可能性がありますので、10インチくらい小さめにしておくのがベストです。家庭用では120インチ程度が最大です。

部屋の大きさにあったプロジェクターと最大サイズのスクリーンの選び方

Q)どれくらいの予算が必要ですか?

TVやプロジェクターをすでにお持ちなら、20万円程度からAVアンプとスピーカーをセットで揃えることができます。音楽なども一緒に聴きたいとお考えなら、AVアンプに20万円、スピーカーセットに20~30万円程度の予算をお考え下さい。

逸品館のお薦めAVアンプはこちら

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プロジェクターとAVアンプ・スピーカー・スクリーンのセット(BDやHDDレコーダーなどの再生機器は除く)で100万円あれば、映画館を超える高いクオリティーのホームシアターが実現可能です。

逸品館のお薦めプロジェクターはこちら

Q)置き場所や取り付けはどのようにすればよいですか?

最も簡単な方法は、自立型スクリーンとプロジェクターを床置きにする方法です。これなら、必要なときにスクリーンとプロジェクターを準備すればよいのでどんな部屋でも簡単に大画面を楽しめ、工事も全く必要ありません。問題点は、設置と撤収に5分ほどかかるのと画面サイズは80インチ程度にしか出来ないことです。賃貸住宅の6~8畳程度の比較的小さなスペースやシステムを持ち運びたい時にお薦めです。

次にお薦めなのがスクリーンを常設しプロジェクターは床置きする方法です。ただし、この場合スクリーンを壁または天井に取り付けるために、φ3~4mm・長さ20~30mm程度の木ねじを2~4本程度壁に打ち込む必要があります。スクリーン自体が軽く取り付けに工夫がされているイーストン社のスクリーンなら電動100インチのスクリーンでも一人(二人を推奨)で取り付けが可能です。

賃貸物件などで壁への工事が許されない場合には、突っ張り棒などにスクリーンが取り付けられるエクステンション・ポールを使えば、工事なしにスクリーンを取り付けられます。

プロジェクターは使い勝手から考えれば、可能な限り天井に取り付けるのが好ましいのですが、プロジェクターを天井に取り付けるためには映像ケーブル100V電源をプロジェクターまで配線しなければなりません。これらのケーブルを露出させると非常に見苦しいので、壁や天井内にケーブルを隠す工事が必要となります。工事自体はそれほど難しくありませんが壁と天井を工事するには、かなり高額な改装工事が必要になります。

このような場合、逸品館がお薦めしている方法は、スクリーン反対側の壁面・天井に近い場所に、高さの稼げるラックを設置してその上にプロジェクターを乗せる手法や、壁面にプロジェクターが乗せられる小さな棚板を取り付けて、その上にプロジェクターを置く手法です。これなら、取付工事もプロジェクター取付ブラケットも不必要で、簡単かつ便利にシアターを始められます

Q)ケーブル類で部屋をゴチャゴチャにしたくないのですが、何か良い方法はありますか?

残念ながら完全にケーブルレスのシステムはありません。しかし、「リアスピーカー」「プロジェクター」に関しては、100Vのコンセントさえ準備できれば音声や映像はワイヤレスで飛ばせるシステムが発売されています。(詳しくは弊社にお尋ねください)
そうでない場合も、品質が高く細いケーブルや目立ちにくいケーブルを選び、それらをモールや絨毯などで覆えば、見た目をかなりスッキリさせられます。

音質や画質的な理由、あるいは予算的な都合から「ケーブルを出来るだけ短くしたい」とお考えになるのは良く理解できますが、余裕のない配線の取り回しは施工が難しくなる割に画質や音質は改善されないのでお薦めできません。

ケーブルが長くなるのを厭わずに、壁に添ってケーブルを配置することで見た目も美しく、音質や画質を損なわない配線が可能です。

Q)新築、改築でこれからシアタールームを新設しようと思うのですが、どこに気を付ければよいですか?

1.部屋の家具やスピーカーレイアウトを考えながら、スクリーンとプロジェクターの取り付け位置を決めて下さい。

2.遮音対策が必要になる場合には、逸品館にご相談下さい。音響メーカーが遮音対策込みのオーディオルームの設計を請け負っていますが、高価な場合が多いので弊社にご相談頂く方が得策だと思います。

3.AV機器用の電源を他の家電品と一緒にすると画質音質が低下したり、ノイズが発生する原因になりますから、専用電源の配線が必要になります。プロジェクター・映像(DVDなど)・音声(アンプなど)、それぞれに専用の3つの回線とその他の家電用に1つの合計4つの電力線を準備すれば、最低限大丈夫ですが、更に高音質高画質を狙われる場合には弊社までご相談下さい。

4.部屋の壁紙や壁材などの選択は、音質や画質に大きな影響を与えます。安易に音の悪い壁紙を選択すると後でどうしようもないことになりますからくれぐれもご注意ください。

5.結局は、専門家や弊社にご相談頂くのがもっとも賢い近道です。ご来店時に住宅の図面をご持参頂くと詳しいアドバイスが可能です。

更に踏み込んだ内容のご質問やご不明な点がございましたら、弊社ホームページの「掲示板」からもご質問を承ります。