サブウーファーの薦め - ピュアオーディオにはサブウーファーを導入しよう!
目次
【1】概要・解説
【2】試聴テスト動画・まとめ
はじめに
スピーカーはより広い周波数のHiFi再現を目指して、フルレンジ ~ 2Way ~ 3Way とユニットの数を増やしてきました。
また高級スピーカーでは、ユニット間の干渉を防ぐためにそれぞれの帯域に独立したキャビネット(箱)が使われるようになっています。このようなスピーカーの進歩と並行して、より効率的に低音を出すためのスピーカーとしてアンプを内蔵する「サブウーファー」が生み出されました。
しかし、現在よりもスピーカーを正確に分析するための技術が未熟で、オーディオ理論もさらに不完全な状態で作られた設計された当時のサブウーファーは、低音は出てもレスポンス(信号反応速度)が悪くピュアオーディオにはとても使えるような代物ではありませんでした。
にもかかわらず、とにかく"目新しい技術"を売ろうとするメーカーとオーディオ雑誌や評論家の提灯持ち広告により、音の悪いサブウーファーが誤ったブームを引き起こした結果、「サブウーファー=悪い」という誤った烙印が押されることになってしまったのです。
脇道に逸れるお話ではありますが、オーディオの世界では似たような事例は山ほどあります。
■ case.1)DSP
今ではすべてのAVアンプに不可欠といえる"DSP"もそのひとつです。人工的にコンサート会場と同じ"響き"を作り、ステレオソースからサラウンドのような立体的で包み込まれるようなリアルな音場を作り出す"DSP"は、約40年前にYAMAHA(ヤマハ)が発明し、世界中の著名なコンサートホールの音響を実際に測定するなど本格的な普及を目指しました。しかし、当時の"デジタル演算技術が未熟"であったため、DSPにより生成された"響き"がとても人工的過ぎて、実用には達せずそのブームも一時的なものに終わりました。
同時に「DSPはピュアオーディオには使えない」という悪い評価が残されたのです。
しかし、21世紀になってからの急速なデジタル演算技術の発達により、DSP技術はその有用性を見直され、再び日の目を見ることが出来ました。
■参考:YAMAHA 公式サイト内
「シネマDSP、革新を続けるテクノロジー - 2.究極のリアリティを求めて」
■ case.2)インバーター電源
今は主流になりつつある"インバーター電源"も、当時は鳴り物入りで発売され"パルス電源"などと銘打って普及しかかりましたが、やはり音質が芳しくなく消えてしまいました。しかしこの技術も、発売当初から40年以上経過した現在では技術の発展により成果を出し、ごく普通にオーディオ用として使われ、今やリニア電源を上回る音質を獲得するに至りました。
話を戻しますが、今回はそうした情報により過小評価されがちな"サブウーファー"を正しく活用すべく、逸品館がおすすめする"良いサブウーファー"の条件やセッティング、メーカーをご紹介いたします。
逸品館おすすめの"良いサブウーファー"の条件
このように発売当初の悪評を払拭し、すでに立派な高音質化技術として確立したDSPやインバーター電源に比べると、サブウーファーは未だに「ピュアオーディオには使えない」と考えられていることが多いように思います。確かに市場には良いと思えるサブウーファーが非常に少ないのも事実です。しかし、逸品館はどこよりも早くサブウーファーの有効性に気づき、audio-proの製品を特別注文し、B2.27(Mark2)を独占的に販売してきました。この製品を耳にされた方もいらっしゃると思います。
逸品館が"B2.27"を薦めたのは、価格が安いことがポイントでした。なぜならば、真にサブウーファーの助けを必要とするスピーカーは、それほど高価な製品ではないからです。50万円を超え100万円に届くようなフロア(大型)型スピーカーなら、サブウーファーの助けを借りなくても良質な低音を再現できます。逆にペアで10~25万円程度までのブックシェルフ型やフロアスタンド型のスピーカーこそ、サブウーファーの助けを借りることで画期的な音質改善が実現するのです。そのためにはサブウーファーは十分に安い必要があります。いくら"音が良い"といっても、サブウーファーの価格が10万円を超えるようならクラス上のスピーカー購入が実現するからです。
話をまとめます。サブウーファーが有効になるのは比較的安いスピーカー(もちろん高価なスピーカー+それに見合ったサブウーファーを組み合わせるのは◎)であり、そのためのサブウーファーの価格は10万円以内が理想的。逸品館がおすすめするサブウーファーとは、この条件を満たし尚且つ音が良い製品です。その条件に合致するのが、長年サブウーファーを作り続けているPolk Audioのサブウーファーなのです。
世間はまだ知らない! 逸品館おすすめの"良いサブウーファー"の音質
それでは、逸品館が良いと認める"サブウーファーの音質"についてご紹介したいと思います。サブウーファーに限らず、一般的に「オーディオ機器は存在感が感じられた方が良い」と考えられていることが多いようですが、オーディオを音楽再生装置として考えた場合、これは大きな問題です。なぜならばオーディオ機器の存在を感じているということは、つまり人間は"オーディオ機器から音が出ている"と認識している=人間を上手くだませていないからです。
ツィーターから高音が出てくるように聞こえたり、ウーファーから低音が出てくるように聞こえたり、あるいは"スピーカーから音が出てくる"ことを感じた時点で、そのオーディオ機器は音楽を上手く鳴らせないことが確定します。本当に良いオーディオ機器は、価格にかかわらずその存在を完全に消し、目を閉じるとコンサートホールで音楽を聞いているのと錯覚してしまうような鳴り方をします。少なくとも逸品館がおすすめするオーディオ製品は、そのようなものでなくてはなりません。サブウーファーも全く同じで"存在感を感じさせない=サブウーファーから低音が出てくるのが聴こえない"のが絶対条件です。この条件を踏まえた上で、逸品館がサブウーファーに求める音質を具体的に挙げてみました。
■ 逸品館がサブウーファーに求める音質の条件
- サブウーファーを使うことでメインスピーカーがグレードアップしたように感じられ、"サブウーファーの存在"は一切感じさせない。
- サブウーファーを使うことで空間の透明感が増し、音の広がりが大きくならなければならない。
- 楽器の色彩感が濃くなり、音楽の表情が豊かにならなければならない。
■ 解説動画(YouTube)
逸品館流【サブウーファー調整術】
良いサブウーファーを手に入れたなら、それを"使いこなす"ことが重要になります。サブウーファーの設定が上手くいかなければ、良いサブウーファーも効果を発揮しません。では、まずサブウーファーの接続からお話を進めましょう。
○ 接続
サブウーファーとメインスピーカーを接続するには、"スピーカー端子からの接続"と"LINE出力からの接続"の2つの方法がありますが、逸品館では"audio-pro B2.27 Mark2"で得られた経験から、スピーカー出力を使ってサブウーファーを接続する方法を推奨しています。スピーカーのウーファーとサブウーファーの動きが同期するこの方法の方が、より自然な音質が得られることが多いから*です。(※絶対ではありません)
ただし、この場合必ず片方のチャンネルだけを繋ぐことを選んで下さい。左右両側のチャンネルを繋ぐと、サブウーファー側でアンプの左右の信号が短絡(ショート)し、アンプの音質の濁りが看過できないほど大きくなります。BTL出力のアンプをお使いの場合、両チャンネルのスピーカー出力をサブウーファーに繋ぐと、アンプから音が出なくなったり、最悪アンプが壊れてしまうことがあります。必ず片方だけを接続して下さい。
スピーカー端子との接続は"スピーカー側のスピーカー端子"もしくは"アンプ側のスピーカー出力端子"のどちらでもかまいません。もしアンプに2系統のスピーカー出力がある場合は、空いている端子とサブウーファーを接続すると良いでしょう。
以下にmarantz - STEREO 70SとPolk Audio - PSW10を用いた場合の接続例を掲載しますので、参考にしてみて下さい。
■ サブウーファー接続例(marantz - STEREO 70S + Polk Audio - PSW10 の場合)
サブウーファーを接続するアンプに"サブウーファー出力"もしくは"プリアウト"が付いている場合は、RCAケーブルを使ってサブウーファーに信号を入力できますが、プリアウトを使う場合はスピーカー端子との接続と同じ理由で、必ず一方のチャンネルだけを接続して下さい。
もしサブウーファーを組み合わせるのが"AVアンプ"なら、アンプに搭載される自動調整機能をお使い下さい。最新のAVアンプが搭載する自動調整機能はかなり良く出来ていて、大抵の場合、"マニュアル"(手動)で設定するよりも良い結果が得られます。
○ サブウーファー音質調整の考え方
一般的にサブウーファーの調整は、「音の高さ(ローパスフィルターの設定)」「音量」の2つが重要と考えられていますが、これがそもそもの間違いの始まりです。サブウーファーの調整を行うときのポイントは、音のタイミングを合わせることがより重要です。測定器は"音を連続的に扱います"が、人間は音を"断続的"に聞いています。それが測定器と人間の決定的な違いです。
人間が音を聴いている様子を"パラパラ漫画"に例えて説明します。パラパラ漫画の1場面(1枚の絵)を複数のパーツ(部品)に切り分けます。このパーツを再び1つの"場面"に戻すためにはページ数を合わせる必要があります。1ページ目の絵に2ページ目のパーツを入れたらおかしなことになってしまいます。音もそれと同じで"付け加えるスピーカー"(メインスピーカー)」と"サブウーファー"の音が出たタイミングを合わせることが重要です。昔からよく行われている"正弦波"によるスピーカーの調整が上手くいかないのは、「タイミング=時間軸の整合性」という最も重要な概念が欠如しているからです。
○ ソフトの選び方
"正弦波"などの測定信号はサブウーファーの調整には使えません。繰り返しになりますが「タイミング=時間軸の整合性」という概念が欠如しているからです。サブウーファーの調節には音楽を使います。具体的には"明確な倍音構造を持つアコースティック楽器の音"が適しています。
アコースティック楽器を使うのは、それらが正確に"物理法則に沿った音しか発生しない"からです。つまり、人間が"物理的に正しい音=楽器の音が自然か不自然か=正しいタイミング"を聞き分けることでサブウーファーの調整が可能ですが、シンセサイザーや電気的に加工された楽器の音は、"物理的な正しいタイミングを持たない"ためタイミングを判断することが難しく、サブウーファーの調整には不向きなのです。
また、シンフォニーなどの"間接音が多いソフト"もあまり適しているとは言えません。直接音と間接音が混じることでタイミングを合わせるのが難しくなるだけでなく、ダイナミックレンジの広い演奏を低価格のオーディオ機器で聞きやすくするために"イコライジング:音量調節"がされていることが多いからです。
重要なのは"測定的な音量"を合わせることではなく、サブウーファーの音とスピーカーの音の"タイミング=関係性"を正しく合わせることです。そのために必要な"音(情報)"が、正しく収録されているソフトを選んでください。
例えば、ウッドベースなどの低音から高音まで広い音域を持つ楽器は、一瞬で"低音~高音"を発生します。これをメインとサブの2つのスピーカーで再生すると、音の高さや音量だけでなく"楽器から音が出るタイミング"が合わないとウッドベースの音が正確に再現されなくなるので、タイミングを合わせる"指標(目安となる音源)"として使えます。比較的音源の少ない、シンプルな録音のソフトが使いやすいと思います。私はジャズ・ボーカル系のソフトなどを好んで調整に使っています。
■ サブウーファー調整法①(ピュアオーディオアンプの場合)
調整時にはサブウーファーのネットを外し、接続ケーブルも良いものをお選び下さい。調整がやりやすくなります。
- スピーカー出力、プリメインアンプのサブウーファー出力を使う場合、いずれの場合にもサブウーファーのカットオフと音量を共に最大に設定
- 最初にカットオフのつまみを回し、スピーカーの最低音とサブウーファーの最高音が"被さって濁らない位置(周波数)"を見つける
- 次に音量つまみを回し、最適な音量を見つける=低音を聞くのではなく、全帯域の"明感が向上する音量"を見つける
- 必要に応じて上記手順(1~3)を繰り返す
■ サブウーファー調整法②(AVアンプのSW出力を使用する場合)
基本的な調整方法は同じですが、ピュアオーディオと違い先にAVアンプ側での調整が必要となります。
◎ AVアンプ側の設定
- サブウーファーを"使う/あり"に設定
- スピーカーとの距離はリスニングポジションからメジャーなどで実測し、その数値を入力
- 音量はサブウーファー側で調整するので"±0"のまま動かさない
- 下記【LFE(ローパスフィルター)の設定を行う際の周波数目安】の数値を参考にして、クロスオーバー(LFE)の周波数を設定
※詳しくはお使いのAVアンプの説明書をご覧下さい。
LFE(ローパスフィルター)の設定を行う際の周波数目安
①ブックシェルフ型スピーカーの場合
ウーファー口径 (目安) | エンクロージャー方式 | 推奨周波数設定 (目安) |
---|---|---|
10cm程度 | 密閉型 | 100-120Hz |
バスレフ型 | 100Hz前後 | |
13cm程度 | 密閉型 | 100Hz前後 |
バスレフ型 | 80Hz前後 | |
16cm程度 | 密閉型 | 80Hz前後 |
バスレフ型 | 60-80Hz | |
20cm以上 | 密閉型 | 70Hz前後 |
バスレフ型 | 40-60Hz前後 |
②フロア型スピーカーの場合
ウーファー口径 (目安) | エンクロージャー方式 | 推奨周波数設定 (目安) |
---|---|---|
10cm程度 | 密閉型 | 80-100Hz |
バスレフ型 | 80Hz前後 | |
13cm程度 | 密閉型 | 80Hz前後 |
バスレフ型 | 60Hz前後 | |
16cm程度 | 密閉型 | 60Hz前後 |
バスレフ型 | 40-60Hz | |
20cm以上 | 密閉型 | 70Hz前後 |
バスレフ型 | 40Hz前後 |
▼ 解説動画「逸品館式 サブウーファー調整法」(YouTube)
試聴テスト使用楽曲
メイン使用機材
1. サブウーファー
■ Polk Audio - PSW10
(サブウーファー)
希望小売価格 35,000円(税別)
PSW10は、25cm径のロングストローク・ウーファーと100Wの最大出力を誇る強力なパワーアンプにより、大きく、深く、そして豊かな低音を再生し、ホームシアターの興奮をより高いレベルに引き上げます。レーザー解析によって共振や歪みの原因は設計段階で取り除かれており、セリフやヴォーカルの再生を妨げることなく正確かつクリーンな低音をお届けします。
■ Polk Audio - MXT12
(サブウーファー)
希望小売価格 45,000円(税別)
MXT12は、30cm径のロングストローク・ウーファーと強力なパワーアンプにより、大きく、深く、そして豊かな低音を再生し、ホームシアターの興奮をより高いレベルに引き上げます。ウーファー、パワーアンプ、エンクロージャーなど、主要なコンポーネントのすべてが改良されたMXT12は、手頃な価格ですべての人に素晴らしいサウンドを提供するというPolk Audioのミッションを見事に体現しています。
2. ブックシェルフスピーカー
■ Polk Audio - R200AE
(ペア・ブックシェルフスピーカー)
希望小売価格 160,000円(ペア・税別)※生産完了モデル
Polk Audioの50周年を記念して発売された、「Reserve R200」ブックシェルフ・スピーカーのコレクターズ・エディション。
創業者であるマシュー・ポークのサインとシリアルナンバーがレーザー刻印されたバックプレート、通常モデルとは異なり、チェリーウッドの突板を用いたプレミアムなエンクロージャー、アップグレードされたクロスオーバー・ネットワーク、24K金メッキ仕様の接続端子など、 貴重なコレクターズアイテムにふさわしい特別な仕様を与えられています。
試聴動画(YouTube【逸品館オーディオ情報】)
今回は組み合わせるブックシェルフ・スピーカーとしてPolk Audio - R200AEを用いて、各スピーカーを試聴してみました。
それぞれの機種で"試聴動画(YouTube)"、"楽曲ごとの評価"、最後にスピーカー別の"総評"に分けて記載しています。
■ Polk Audio - R200AE + PSW10
▼Polk Audio - R200AEとPSW10を組み合わせて聴いてみた(SW聴き比べ・1)
試聴曲 | サブウーファー | 感想 |
---|---|---|
LOVE | なし | ウッドベースの音階ははっきりと聞こえるが、フロア型と比べると量感がやや少ない。ボーカルも体から出る太い感じの音(ボディー感)が薄い。 |
あり | イントロのピアノの響きが豊かになり、鍵盤を押すタッチも力強くなった。 ウッドベースは音階がさらにハッキリし、低音方向への伸びが自然になった。 ピアノ・ギター・ドラムのブラシワークの"アタック"が向上し、それぞれの楽器の分離と明瞭度が改善する。 全体的に音像がクッキリし、演奏がゆったりと感じられるようになった。 | |
Music From The Space Camp | なし | 細かい音まではっきりと再現され、ホールの空気感も十分に感じられるが、低音が入ると量感が物足りない。リズムの刻みも、メリハリが少し不足気味。 |
あり | 空間の広がりの大きさ、楽器のエネルギー感がまるで変わってしまう。 細かい音がとてもクッキリする。金管楽器のキラキラと輝く鮮やかな感じが出てきた。 pp~ffへの盛り上がり方もグッとパワフルになり、シンフォニーらしい大きな躍動感が感じられるようになった。 | |
Never An Absolution | あり | イントロのバグパイプの音像の密度感、高域への伸びやかさが別物のようにしっかりする。空間の広さ=音の広がりも全く変わってしまう。 低音が入るパートでは、サブウーファーの音はそれほど"ある"とは感じられないが、低音方向への伸びやかさは確実に向上する。 |
■ Polk Audio - R200AE + MXT12
▼Polk Audio - R200AEとMXT12を組み合わせて聞いてみた(SW聞き比べ・2)
試聴曲 | サブウーファー | 感想 |
---|---|---|
LOVE | あり | ピアノの打鍵感(タッチ)の力強さ、グランドピアノらしい低音の厚みが全く変わってしまう。 低音が引き締まり、ボーカルの音像がクッキリと分離し、音量がやや大きくなったように感じられた。 |
Music From The Space Camp | あり | 音が出た瞬間から"演奏空間のサイズ"が全く変わってしまう。 それぞれの楽器の音はクッキリとより鮮やかになり、力強くなる。 全体的な情報量は2~3倍くらいに一気に増加し、この音を聴いてしまうと元には戻れない感じがした。 |
Never An Absolution | あり | バグパイプの音の広がり、高域への伸びやかさは、MXT12のそれを大きく凌駕する。 低音が入り、ウーファーの音量が大きくなったパートでは"低音の歪み"が小さくなったことが感じられる。 |
■ Polk Audio - R200AE + ES8 SUBWOOFER
▼Polk Audio - R200AEとES 8 SUBWOOFER を組み合わせて聞いてみた(SW聞き比べ・3)
試聴曲 | サブウーファー | 感想 |
---|---|---|
LOVE | あり | アナログアンプを搭載するPSW10やMXT12に比べて、デジタルアンプを搭載する ES8 SUBWOOFERの音質はしっかりと引き締まり、余計な響きや低音の滲みが少ない。 ベースは先に聞いた2つのサブウーファーよりも力強く、サブウーファーが空気をしっかりとグリップして駆動しているように感じられる。空間もよりクリア。 |
Music From The Space Camp | あり (ES8 SUBWOOFER:LINE入力) | 音が出た瞬間から"演奏空間のサイズ"が全く変わってしまう。 それぞれの楽器の音はクッキリとより鮮やかになり、力強くなる。 全体的な情報量は2~3倍くらいに一気に増加し、この音を聴いてしまうと元には戻れない感じがした。 |
あり (ES8 SUBWOOFER:LFE入力) | ES8 SUBWOOFERの入力をLINEからLFEに変えると、透明感とスケール感が向上し、楽器の色彩感も濃くなった。こちらの方が繋がりが良く、自然な感じだ。 | |
Never An Absolution | あり (ES8 SUBWOOFER:LFE入力) | バグパイプの力強さ、濁りや滲みの少なさ、ホールの響きの存在感がPSW10やMXT12を凌駕していることが感じられる。バグパイプの音も一層力強い |
■ Polk Audio - R200AE + ES10 SUBWOOFER
▼Polk Audio - R200AEとES10 SUBWOOFER を組み合わせて聞いてみた(SW聞き比べ・4)
試聴曲 | サブウーファー | 感想 |
---|---|---|
LOVE | あり (ES10 SUBWOOFER:LFE入力) | ES8 SUBWOOFERよりもさらに解像度が高く、リニアリティーにも優れている。 とても良く出来たHiFiサブウーファーで、R200AEがB&Wのフロア型に近づいた感じがする。 |
Music From The Space Camp | あり (ES10 SUBWOOFER:LFE入力) | シンフォニーではES10 SUBWOOFERの効果は非常に大きい。空間の広がりと透明度、楽器の音の細やかさが格段に向上する。 ES8 SUBWOOFERを繋いだR200AEをB&W - 702に例えるなら、ES10 SUBWOOFERではそれがB&W - 802になる。それくらい大きな違いがある。 MXT12よりも濁りや滲みが少なく、ユニットのサイズは一回り小さいが重低音方向への伸びもMXT12を上回って感じられる。 |
Never An Absolution | あり (ES10 SUBWOOFER:LFE入力) | バグパイプの高音への伸び、音像の密度感。空間の広がりと透明度のすべてが大きく向上する。 低音は最低部まで自然に伸びて、R200AEとの繋がりも良い。 この曲の持つ"静けさ"、"高潔さ"、"厳かさ"が余すことなく再現されるようになった。 |
試聴テスト後の感想・総評
ESシリーズのサブウーファーはより歪みが少なく、低音の精度が高く明確にHiFiに仕上げられているから、組み合わせるスピーカーは"B&W"のようなモニターの音に近づける。
性能はESシリーズのサブウーファーが確実に上だが、PSW10/MXT12との音質には明確な個性の違いが感じられる。
モデル名 | 感想 |
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PSW10 | サブウーファーの存在感を感じさせず、空間の広がりと透明感、それぞれの音像の密度感の向上、躍動感の拡大など価格をはるかに超える大きな効果が実現した。ネガティブな副作用は、全く感じられない。 |
MXT12 | ユニットのサイズが大きくなったことで、MXT12の効果はPSW10よりも明確に大きく、低音部の歪みも少ない。 |
ES8 SUBWOOFER | デジタルアンプを搭載することでES8 SUBWOOFERは、PSW10やMXT12よりも歪みの少ない引き締まった低音を再現する。しかしMXT12と比べ、ユニットのサイズが12 → 8インチと二回り小さくなったことで、最低域方向への伸びやかさは若干失われた感じがある。 |
ES10 SUBWOOFER | アナログアンプを搭載するPSW10/MXT12は、ESシリーズのサブウーファーに比べるとやや低音の響きや滲みが大きく、タンノイ的な牧歌的な鳴り方をする。それはそれで好ましい。 |