Ratoc RAL-24192DM1 \235,000(税別) (製品のお求めはこちらからどうぞ)
製品の概要
音質的に定評のある「バーブラウン・24bit/192kHz対応マルチビットDAC PCM1704」を、L/R各Ch専用に2個搭載しています。
専用コントローラ(DF1704)を使用せずにPCM1704をソフトウェアで制御。デジタルフィルタを使用せず、ノンオーバーサンプリングでマルチビット本来の動作をおこなわせることにより、歪みの少ない自然な音を再生させています。
DAC部およびD/A変換以降のアナログ部はL Ch./R Ch.が完全に分離されたツイン・モノラル構成で、L/R間の信号干渉を極力排除することにより、チャンネルセパレーションを向上させ、ステレオイメージをより正確に再現します。
USBおよび同軸デジタルの2系統の入力を搭載。パソコンや各種デジタル機器など、さまざまな機器との接続が可能です。入力は本体前面のスイッチで切り替えられます。
Windows、MacOSに対応。パソコンとUSBケーブルを接続するだけで、セットアップ完了。 ドライバーのインストールなしにUSB2.0(Hi-Speed/480Mbps)、High-Band Widthモードにより、USB Audio Class 1.0準拠で24bit/192kHzまでのHD-Audioに対応します。
内部に2個の独立した高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz、24.576MHz)を搭載。モジュールから生成した低ジッターのBit
Clockを直接DAC(PCM1704)に供給し、正確なタイミングでD/A変換を実行することで、歪みのすくないアナログ波形を生成させています。
USB入力だけでなく、同軸デジタル(S/PDIF)入力信号もエンドポイントに格納。ケーブルなどに影響されやすいRecovery
Clockを使用せず、水晶発振モジュールで生成した低ジッターのBit
Clockで正確なアナログ信号を生成します。
デジタル部、DACデジタル部、アナログ部の電源回路をそれぞれ専用の独立したトランスおよび回路により完全に分離し、電源回路を通した相互干渉を排除しています。また、USB入力などのデジタル処理部のGNDとDAC、アナログ部のGNDを完全に分離。4層基板やインピーダンスを制御した基板パターン、部品配置との相乗効果により、GNDを通したノイズの伝播や相互干渉を排除しています。
オーディオ出力はアナログアンバランス出力(RCA)、バランス出力(XLR)およびヘッドホン出力(ステレオ標準ジャック)を各1系統搭載しています。
独立したヘッドホンアンプ専用の回路を搭載。ハイインピーダンスヘッドホンでも、十分な音量が得られる出力を確保しています。
iTunesやfoobar2000、Windowsメディアプレイヤーをはじめ、一般的な音楽再生アプリケーションのほとんどをホストアプリケーションとして使用可能。Windows 7、VistaではWASAPIに対応しています。
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使用機材
912のLINE入力の音質テストは、CD/SACDプレーヤーに AIRBOW X05 Ultimate、アンプにトランジスター方式の AIRBOW PM11S2 Ultimateを使い、912を使わずにX05 UltimateとPM11S2 Ultimateを直結したときの音質と、間に912を入れたときの音質を比較しました。Phono入力の音質テストは、アナログプレーヤーNottingdam Interspace HD(カートリッジは、Phasetach P-3)を912にダイレクトに接続して行いました。スピーカーは、Vienna Acoustic The Musicを使っています。
スピーカー |
プリメインアンプ |
ケーブル |
PC |
HP
EliteBook 2760p Tablet PC |
音質テスト結果
Michi Madness |
細かい音は出ているのですが、高音が濁っていてスッキリしません。低音もエネルギー感が乏しく、低音・高音の端っこが丸まったレンジの狭い音です。 パワー感に乏しく弱々しい音は、水道から水がちょろちょろ出ているような感じです。 絶対的にはそれなりの音で鳴っているのですが、このソフトをCDプレーヤーで聞いた時と比べると躍動感に大きな差が感じられます。 音がスピーカーにまとわりついて、前に出てこないのも不満に感じられます。 |
一音が出た瞬間から、RAL-24192DM1とは世界が違います。音の数が圧倒的に多く、まるでCDをSACDに変えたほど大きな差が感じられます。 音楽の躍動感も全く違っています。比較的大人しく静的な音質のRAL-24192DM1に対してD07X Ultimateは実に動的に音楽を鳴らします。低音が弾んで音が広がり、サラウンドのように音に包み込まれます。打ち込みの低音楽器がメロディーと分離して、浮き上がって前に出ます。ボーカルも湿り気があり、ニュアンスがぐいぐい伝わります。音楽が楽しく弾み、体が動くその感覚は、RAL-24192DM1とは全く違うものです。 PC+D07X Ultimate D07X Ultimateで聞く限り、打ち込みで作られているこの曲(アルバム)は、今までCDプレーヤーで聞いた時よりも音が良く(特に低音の分離感と押し出し感)、音楽的にも楽しめる感じがしました。 |
Nora・Jones Come Away with Me |
PCノイズの影響が、高音の濁りと低音の膨らみに感じられます。 |
ピアノキーのタッチノイズの明確さやギターの切れ味など高音の解像度感と低音の量感、音場の広がりなどあらゆる部分でRAL-24192DM1と大差があります。 RAL-24192DM1とD07X Ultimateでは、楽器の倍音の再現性、音色の変化の再現性に大きな差が感じられます。 しかし、最初に聞いたマッドネスに比べると両機の差は小さく感じられます。またCDよりPCの方が良いと感じたマッドネスに比べ、ノラ・ジョーンズはCDの方が好ましいと感じられました。 |
Hilary
Hahn Bach Concertos |
音場はスピーカーよりも後に展開します(前に出ません)が、今まで聞いたソフトの中では一番音は広がって感じられます。 やはり全体的に少し力が弱く、躍動感は小さく感じられますが、演奏の再現性に関しては決して悪くありません。 |
低音の量感や響きの再現性でD07X UltimateはRAL-24192DM1を大きく凌駕します。スピーカーのサイズが違うように感じるほど低音は違います。RAL-24192DM1ではホールの大きさが縮尺されましたが、D07X Ultimateはホールに回り込んで響く豊かな低音までも悠々と再現されました。 伴奏と主旋律の対比の再現性はほとんど差がなく、音楽の構成や楽音の構造の再現性はRAL-24192DM1も十分伝わります。 |
2012年 6月 逸品館代表 清原裕介
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