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Luxman L509X Thorens(トレーンス) フォノイコライザーアンプ CD レコード デジタル アナログ 音質 比較 評価 レビュー 試聴

デジタル VS アナログ フォノイコライザー Thorens MM-FLEX 音質比較テスト

 THORENS MM-FLEX(フォノイコライザーアンプ)

  

Thorens MM-FLEX メーカー希望小売 39,000円(1台・税別) (メーカーホームページ

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 Luxman(ラックスマン) L509X (L-505uX2の試聴テストはこちら

  

Luxman L509X メーカー希望小売 780,000円(1台・税別) (メーカーホームページ

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比較試聴の概要

Luxmanか試聴機として届けられていた、L-509XにThorens(トーレンス)のレコードプレーヤー、TD-190-2を組み合わせ、L-509X内蔵フォノイコライザーアンプ(Phono入力)とThorensから発売された、小型フォノイコライザーアンプ、「MM-FLEX」の音質を比較しました。

また、「デジタル」と「アナログ」も兼ねて、L-509Xを使って「デジタル(AIRBOW MNP-i5 Roon + HD-DAC1 Special)」、「内蔵フォノイコライザーアンプ(Phono入力 + Thorens TD-190/2)」、「Thorens MM-FLEX(L-509Xライン入力 + MM-FLEX + TD-190/2)」の3通りの音質を比較しました。

試聴環境

 AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 480,000円(税込み)現金で購入)・(カードで購入

 AIRBOW HD-DAC1 Special 販売価格 180,000円(税込み)現金で購入)・(カードで購入

 Thorens TD-190-2 メーカー希望小売価格 125,000円(税込み)現金で購入)・(カードで購入

 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す

今回の比較試聴は、YouTube 逸品館チャンネルで、ご覧いただけます。

試聴CDソフトとレコード (デジタルの再生には、CDからリッピングしたWAVファイルを使用)

シンセサイザーも伴奏に使われるPOPS系のソフト。アマンダさんの独特な声の太さや甘さ、シンセサイザーの音がどのように再現されるかがポイント。

鋭いパイプオルガンと金管楽器の音、柔らかい人間の声、男女混声コーラスの複雑な響き。
それぞれの音の分離と広がりをチェックします。SACDハイブリッドソフトのCD層の音声をリッピングして使いました。

アナログレコード後期の優秀録音盤がCD化されて発売されたディスク。美しい峰純子さんの歌声とジャズトリオの伴奏のマッチングが聞き所。

音質評価

 +  + 

上野組み合わせで聞く「デジタルの音」を基準として、内蔵フォノイコライザーアンプ(L-509X Phono入力)とThorens MM-FLEXを使ったとき(L-509X RCA入力 + Thorens MM-FLEX)を聞き比べた感想を書いています。

 + 

デジタルに比べると低音が少し緩くなりますが、ボーカルは滑らかで甘くなります。

パーカッションの「木質的」な質感、伴奏とボーカルの分離感やハーモニーの透明感も向上しています。

デジタルで感じでいた「生音との違和感」がほぼ完全に消えて、より肌に馴染む感覚です。

きめ細やかさも向上し、綿シャツが上質なシルクのシャツに替わったような変化を音に感じます。
 +  + 

内蔵フォノイコライザーアンプ(Phono入力)に比べ、低音がしっかりしてきました。

ボーカルは声の太さ、表現の深さが向上しています。ゆったりと。「渋く」鳴ります。
実際にスピーカーで聞き比べたときは、MM-FLEXの方がゆとりと深みがあって、より良く聞こえたのですが、YouTubeにアップロードする動画で聞き比べると、L-509X内蔵フォノイコライザーの方が、音がクッキリして良い音に聞こえました。

 + 

低音の量がデジタルよりも多く、パイプオルガンの音が太くなります。パイプオルガンの低音と高音のパイプの音の違いも聞き分けられるようになりました。

低音に世取りが出たので、ホール(教会)を満たす響きがリッチになって、まったく違う演奏を聞いているように音が大きく広がります・

金管楽器も生々しく、コーラスのパートでは「静寂感」がうまく醸し出されます。男女の声の違い、パートの違いもハッキリと聞き取れます。

デジタルでは不足していた、教会のライブらしい、静かで厳かな感じが上手く醸し出されました。
 +  + 

MM-FLEXを使うと低音の量感がぐっと増えましたが、高音の切れ味は内蔵フォノイコの方が良かった気がします。
デジタルからレコードに変えたとき、内蔵フォノイコだと「違う!」という感じがあったのですが、MM-FLEXだと、デジタルと音調がさほど変わりません。それは、AIRBOWのデジタルサウンドとThorensのアナログサウンドの「チューニング(音決め)」がピタリと一致しているからでしょう。

MM-FLEXは、じっくりと何度も聞き比べると、より深みのある音に聞こえるようになります。
派手さはありませんが、実直で深みのある音です。シンセサイザーは密度感が高く重厚で、いかにも高級アンプで聴いているという満足感のある音で鳴りました。

 + 

レコードだと、ピアノの音の輝きが増します。ボーカルに寄り添うように弾いている、ピアニストの絶妙なタッチも上手く醸し出されます。

レコードのパチパチというノイズも、雰囲気を深めるのにひと味かっているのでしょうか、訴えるように歌う、峰純子さんの味わいの深さが、実に上手く再現されました。

 +  + 

ピアノの音が実に自然です。内蔵フォノイコでは、やや「カジュアル」に聞こえたこの曲が、より深い大人のジャズとして聞こえるようになります。

峰純子さんの英語の発音も正しくなります。
内蔵フォノイコよりも、音が少し柔らかく、抑えめになる感じがしますが、深みのある自然な音です。

試聴後感想

試聴機返却期日が迫っていたため、今回の音質レポートは「収録時に聞いた音」を思い出しながら、YouTubeのために編集した動画で音を確認しながら書きました。

動画で比べると内蔵フォノイコライザーの方が、MM-FLEXよりも音に艶があり透明感も高く、音が良いと思いました。けれど、録音中に聞いていた印象では、MM-FLEXの方が自然で音が深く、内蔵フォノイコライザーよりも音が良いと感じられました。

結論として言えるのは、L-509Xはレコードを聞く方が、ライン入力よりも音のバランスが向上すること。そしてMM-FLEXは、見かけよりもずっと音が良く、数十万円クラスのプリメインアンプが内蔵するフォノイコライザーアンプと比較できるだけの性能は持っていることでしょう。
フォノイコライザー・アンプを搭載しないアンプをお使いで、レコードを聞きたいとお考えなら、MM-FLEXは自信を持っておすすめできる製品です。

蛇足ですが、もしレコードを聞くために「レコードプレーヤーとフォノイコライザー・アンプの両方が必要」ならば、TD-190/2とMM-FLEXを買うよりも、フォノイコライザー・アンプを内蔵する「Thorens TD-170EV」をおすすめします。TD190/2よりも安く、同じくらい良い音でレコードを聞けるようになるからです。

2017年10月 逸品館代表 清原裕介

 

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