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Thorens TD240-2 TD2035 TD550 GoldRing 1012GX ortofon 2m Black 音質 価格 販売 比較 Thorens TD240-2 TD2035 TD550 GoldRing 1012GX ortofon 2m Black レコードプレーヤー カートリッジ 音質 価格 販売 比較Thorens レコードプレーヤー TD240-2、TD2035、TD550 音質 評価 テストThorens / トーレンス について Thorens/トーレンス社は、1883年スイスでオルゴールの製造メーカーとして誕生しました。機械的精密さと熟練した音階調整が必要とされるオルゴールの製造で培われた「精密さ」と「響きの良さ/整った音階」は現在生産されるレコードプレーヤーに生かされています。トーレンス社製品の底に流れる基本精神は一つ、高品質と高信頼性です。 トーレンスが開発し、こだわり続けるたベルトドライブ方式にもその思想は現れています。 1970年代にはダイレクトドライブ方式が世界的な規模でもてはやされたことがありますが、トーレンス社ではそれよりも40年も前、1929年にダイレクトドライブ方式の特許を取得し、実際に製品化していたにも拘わらず、その後開発した自社のベルトドライブシステムの改良を続けました。すでに当時、トーレンス社はダイレクトドライブ方式の限界を見極めていたのかもしれません。 レコードプレーヤー・システムの音楽再生上のクオリティをトーレンス独自の精緻さで突き詰めていった結論こそ、ベルトドライブ方式。現在、他のいかなるドライブシステムも、トーレンス・ターンテープルの音楽再生クオリティを凌駕し得ないと言う事実は、その選択の確かさをうかがわせざるを得ません。 現在のトーレンス製品には、この独自のベルトドライブシステムが持つ利点を最大限生かすための独特のフローティング・サスペンション方式をはじめ多くの新しい技術や素材を採り入れつつ、完全を目指した絶えまざる追求の中で得られた膨大な経験が生かされています。また、トーレンス製品は未だに多くの部分が金属系素材・木質系素材によって作られており、プラスチック製品はその素性が必要であると思われる部分以外は使用していません。 技術はもちろん、素材選びからも一切の妥協を排除したい。この頑固な、しかし単純明快な品質管理こそ、10年、20年に渡り使用されても製造当時の性能を維持し続けることができる、トーレンス製レコードプレーヤーのバックボーンでもあるのです。本物とは、こうした長年にわたる地道な努力と研究過程のみから生まれてくるものかも知れません。(日本語カタログダウンロード) (Thorensを中古で探す)・(逸品館お薦めのアナログプレーヤー製品はこちら) 今回は、現在のThorens 輸入代理店「Ballad」から届けられた、TD240-2(アーム・カートリッジ付属)、TH2035(TP92アーム付き)、TD550(SME 309アーム付き)の3台です。カートリッジはそれぞれTD240-2/付属品(audiotechnica AT-95E)、TD2035/別売品(audiotechnica AT-95E)、TD550/別売品(ortofon 2M Black)が装着されていました。今回はこれらのカートリッジに加え、逸品館お薦めのGoldring 1012GXを取り付けた時の音質も試聴し、カートリッジによる音の違いも比較しました。 使用機材
試聴したレコード
試聴したカートリッジ
試聴後感想 音質的にはそれで十分満足なのですが、こうして久しぶりにレコードを聴くと、その良さは格別であると気づかされます。 今回テストしたThorenseのプレーヤーでは、TD240-2が断然お薦めです。Nottingham Interspaceと比べて音質は及びませんが、レコードらしい雰囲気の濃さではそれを上回ります。Thorensのエントリーモデルは、昔ながらの作り方を継承し無理して音質やデザインを追求しなかったため、ビンテッジ製品らしい雰囲気が残っているからでしょう。 レコードを「らしい音」で聴きたい。しかし、CDのように手間はかけたくない。その夢を叶えてくれるのが、TD240-2です。このプレーヤーはThorensらしい芳醇なサウンドでレコードを文字通り「奏で」てくれます。そこから出てくる音は柔らかく厚みがあり、艶やかで滑らかです。誰が聞いても「この音は違う!」と感じるでしょう。今回のテストで借用した、TD240-2は試聴機として発注しました。一号館に設置していますから、Thorensが持つビンテッジな世界をご堪能下さい。 新製品のTD2035/TP92はTD240-2に比べて割高に感じますが、価格差がその音質に反映されています。予算に余裕があり、レコードを聴くことを「特別なこと」と感じていらっしゃるのであれば、TD2035/TP92を選択するのはよいチョイスだと思います。Nottinghamほど高解像度ではありませんが、音質と雰囲気の絶妙なバランス感覚が最高です。しかし、アームをTP92以外のものにすると、そのバランスは崩れそうに思います。 最高峰モデルのTD550は、価格差ほどの音質差を感じられませんでしたが、その原因のほとんどはortofonのカートリッジとSMEのアームにありそうです。この二つのメーカーは、設立当時から会社のオーナーや技術者が変わり、当初の音を留めているとは思えません。にもかかわらず、ブランド料として製品の価格がやけに高く、価格と性能が一致していない商品が多いように思います。アームはThorensの純正品TP125、カートリッジはMCタイプをお選びになられることをお薦めします。話は変わります。 最近、便利に恵まれる不幸を感じることが多々あります。毎日を生きる楽しさを見いだせないと言い換えても良いでしょう。 話は飛躍します。 「火星移住」が現実に見えてきました。もちろん、実現するかどうかはまだまだ分かりませんが、それが夢物語から目標へと変わりつつあります。もし、火星に移住したら・・・。想像するだけでワクワクします。きっと火星では毎日が生きる事へのチャレンジの連続になるでしょう。危険に満ちて不便極まりない生活を毎日を克服する困難がどれほどの喜びに変わることでしょう。もちろん、想像の中での話です。 話を戻します。 最近は週3回ジムに行って簡単なマシントレーニングを行っていますが、マシントレーニングは退屈なので暇つぶしに「携帯ゲーム」をダウンロードしてやっています。しかし、ゲームを終えた時の空虚な感覚、満たされない感覚が半端ではありません。なんだか自分が機械の奴隷に成り下がって虚無な時間を過ごしたような、いたたまれない砂を噛むような気持ちがするのです。 便利であること、スイッチをひねれば電気が付き、火が出ること。画面を見ればあらゆる情報が手にはいることは、本当に幸せなのでしょうか? 見たことない土地を僅かな情報から想像し、時間をかけてたどり着く喜び。特急で過ぎ去る地域を各停で味わう喜び。それに回帰しようとするのは、加齢のせいだけでしょうか? レコードを聴く喜びは、レコードを扱う手間(不便)と表裏一体であるような気がします。 レコードで音楽を聞くとデジタルにはない音楽との一体感を強く感じます。手触り、振動、音、・・・。5感すべてで「音楽」を感じられるのです。 それなりの手間と不便をかけて音を出すなら、やはり深みのある音楽を聞きたいと思うでしょう。 デジタルは簡便です。しかし、便利さと引き替えに大切な何かが欠如しています。私達の今の暮らしと同じように。 レコードで音楽を聞きましょう。忘れた何かを思い出せそうな気がします。そしてそれこそが、忘れてはならない大切なものなのです。 2013年9月4日 逸品館代表 清原 裕介 |
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