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Tiglon MSS-DF100SP、MS-DF12SP、QED PROFILE 79 STRAND SIGNATURE REVELATION スピーカーケーブル音質 比較 評価 レビュー 試聴MSS-DF100SP 、 MS-DF12SP 、 MS-DF12R(RCAケーブル)PROFILE 79 STRAND 、 SIGNATURE REVELATION スピーカーケーブル 音質比較試聴 マグネシウムをシールド素材に使ったオーディオ用ケーブルでおなじみの「TiGLON(ティグロン)」から、発売された10周年記念モデル「電源ケーブル音質比較」に続いて、スピーカーケーブルとRCAケーブルも聞き比べてみました。
試聴環境 試聴は、Roonが使えてソース選択の便利な、デジタルトランスポータ「AIRBOW MNP-i5 Roon」に「AIRBOW N05 Ultimate」をLAN接続(接続は、Airplay)し、アナログRCA出力を「AIRBOW HD-AMP1 Special」に入力して、スピーカー「AIRBOW GHOST SP2」で聞き比べました。電源ケーブルは、電源ケーブル聞き比べで最も相性が良かった「AET TSD-HS AC 1.8m」を使いました。比較に使ったQEDのスピーカーケーブルの長さは、3.0m(ペア)。PROFILE 79 STRANDの端末には「AIRBOW I5.5CR」をSIGNATURE REVELATIONの端末には「AIRLOC」を取り付けて試聴しました。 AIRBOW MNP-i5 Roon 445,000円(税別) (現金でのお求めはこちら) (カードでのお求めはこちら) AIRBOW N05 Ultimate 630,000円(税別) (現金でのお求めはこちら) (カードでのお求めはこちら) AIRBOW HD-AMP1 Special 240,000円(税別) (現金でのお求めはこちら) (カードでのお求めはこちら) AET TSD-HS AC 1.8ml 60,000円(税別) (現金でのお求めはこちら) (カードでのお求めはこちら) ベースモデルのフロントバッフルにひび割れが発生したため、若干形状を変更し新しい商品として発売する予定です。 テスト動画(準備中) 試聴ソフト
情報量が驚くほど多く、細やかな音まで聞こえる。 メリハリが強くなる、aet TSD-HS ACの持ち味が出て、ボーカルがクッキリして子音まできちんと聞き取れる。 低音もとてもよく出て、バランスの取れたメリハリ調の音でこの曲が鳴った。
低音の量感はそれほど増えないが「質感」と「密度感」が大幅に向上する。 音の細やかさ(情報量)も増えて、分離がさらに良くなっている。 バックコーラスの人数が増えて感じられる。 PROFILE 79 STRANDの「バランスの良さ」はそのままに、音が良くなるイメージの変化が出た。
MSS-DF100SPは、制振効果が高く「低音がピタリと止まる」ようになったが、アタックの先端の鋭さまで「吸収」されて、「音の出始め」が曖昧になった。 アタックがぼやけることで、演奏の精緻なイメージが後退し、伴奏とボーカルの「調和が乱れて」感じられるようになった。 音はハッキリして情報量も少し増えるが、変化は「表面的」な感じで、あまり良いとは感じられない。
TiGLONのケーブルとは、「生々しさ」が全く違っている。 透明感も素晴らしく、音の切れ味も抜群。スピーカーのグレードを大きく上げたように変化する。 音の広がりも大きく、立体感も正確。 何よりも「音楽の運動量」が、ぐっと大きくなった。
音が太くなるが、今回試聴したTiGLONケーブルすべてに共通する「強調感(それがマグネシウムの個性と思う)」が出てくる。高音の切れ味が後退し、響きも短くなる。 情報量は多いのだが、「癖」のある音に感じられる。
ピアノの響きボーカルが濁らずに綺麗に分離する。 音の広がり、定位が良く、すべての音が立体的に綺麗に広がっている。 アタックがしっかりと出て、音の輪郭もクッキリし、子音までハッキリと聞き取れる。 直接音と間接音のバランスがちょうど良く、分離感立体感が心地よくバランスしている。
すべての音の輪郭に僅かに金属的な強調感がついて、ピアノの音の響きに「マグネシウムの個性(少しクールで無機質な響き)」が加わってくるが、輪郭は逆に柔らかくなって耳当たりも良くなる。 輪郭が柔らかくなると音の仲間で柔らかくなることが多いが、音の芯はカチッとしてぼやけることはない。 響きの収束が早くなり、暗騒音が減少、聴感上のS/Nが向上する。見通しが良く、音の広がりも豊か。 音に艶があり、色っぽさもある。
音の密度が向上し、聞こえなかった細やかな部分まで聞こえるようになるが、音色の変化が小さくなり、音楽の躍動感やボーカルの抑揚が小さくなる。 輪郭も強くなりすぎて、子音が耳につくようになる。 音はハッキリしているが、ややこれ見よがしで、バランスが崩れて演奏が楽しめなくなった。
音が艶っぽく、そして色っぽい。ボーカルの表情の豊かさは、目を見張るほど向上する。 ピアノの抑揚が大きくなり、ピアニストのタッチの変化がストレートに伝わる。 音が部屋いっぱいに広がり、音楽が大きく躍動する。 TiGLONの音は耳に響くが、QEDの音は心に届く。
スピーカーケーブル「MS-DF12SP」とほぼ同じ傾向の音だ。やはりTiGLONのケーブルにはすべてに「共通する音」がある。輪郭が持ち上って細かな音がハッキリと聞こえるようになるが、音の変化量が小さくなり、音楽的な感動が薄れて行くように私には感じられる。たぶんそれが「マグネシウム」という素材特有のものだと思われる。 その音が「好き」ならば、TiGLONのケーブルを気に入るだろうが、一本でもかなりの「変化」なので、複数重ねて使うと「変化」が大きくなりすぎるかも知れない。
一音目が出た瞬間に、バンジョーの鋭い金属的なアタックと、胴に張られた皮の乾いた響きのリアルさに魅了される。 実にリアルで、リズミカルな楽しい音。
79 STRANDに比べ、音の数が多くなって聞こえる。 輪郭は、他の曲で聞いたイメージと同じで柔らかくなっているが、音の密度は上がる。 音のバランスが79 STRANDと変わらないので、「大きく変化した」というインパクトは小さい。
バンジョーの音はスピーディーで細やかだが、演奏の「ノリ」がべたっとしてきた。 響きも抑圧された感じで、音楽そのものの変化が小さくなってしまう。 料理に例えるなら「スパイス」に頼りすぎて「素材そのものの味わい」が消えてしまったような感じだ。 「スパイス好き」には好まれると思うが「味わい」を求めると裏切られるかも知れない。
バンジョーの「弦の数」が増えたように聞こえるが、それは「それぞれの弦の響きの再現が細やかになった」ことと「それぞれの音色の違いがより鮮やかに再現される」からだ。 音楽が楽しく、そして大きく躍動し、演奏にぐいぐい引き込まれて行く。 TiGLON MS-DF12SPとSIGNATURE REVELATIONは、比較的価格が近いから、ここまで大きな差が出るとは思わなかった。
音はやはり良くなるのだが、最高音の抜けが悪くなり、音が少し「ちゃらちゃら」して感じられる。 試聴後感想 TiGLONのケーブルは、コストの割に価格が安く設定されていて「良心的」だと思いますが、すべてのモデルに同じ「導体」と「シールド素材」が共用されているためか、ケーブルに「特徴的な音色」があるように感じます。S/Nが高く静かで「精緻さ」は抜群ですが、楽器の音色の変化が少なく、楽器の音色の変化が「やや無機的」に感じられるのです。今回の聞き比べでは、電源ケーブルではその「固有の癖」がほとんど感じられなかったのに対し、スピーカーケーブルでは「癖」が強く出たように思います。 電源ケーブル聞き比べでは、あいかわらず「aetの良さ」が光りましたが、今回驚いたのは、スピーカーケーブル比較で聞いたQED「SIGNATURE REVELATION」です。このモデルは、最上級モデル「SIGNATUREGENESIS SILVER SPIRAL」の、超弩級な外観に比べて、普通に見えるためか、今ひとつ「大ヒット」には至っていないのですが、今回聞き比べてみて「その良さ」を再認識させられました。 冒頭にTiGLONを例に挙げましたが、多くのケーブルメーカーも「同じ素材や構造」を共通したモデルに使用します。しかし、QEDのカタログを、QEDのケーブルは、モデル毎に使われる導体や構造が大きく異なっていることがわかります。それは、長年にわたる研究の成果だと私は考えます。 私がお薦めするQEDスピーカーケーブルは、今回の試聴で圧倒的に良かった「SIGNATURE REVELATION」が一推しですが、40年以上前に発売され製造が続けられている「PERFORMANCE ORIGINAL」も、1,000円/1mを切る低価格ながら、その抜群にシャープで高密度な音は、数千円以上で発売されている他社の製品すら軽く凌ぎます。騙されたと思って、ORIGINALを買えば「スピーカーケーブルの重要性」に気づけるでしょう。 その後、ORIGINALの技術をベースに、耳当たりが良く音楽が楽しく聞けるリッチなバランスにまとめられた「PROFILE 79 STRAND」が発売されました。兄弟モデルに「PROFILE 42 STRAND」がありますが、価格差も驚くほどではなく、79の方が圧倒的に「音が濃い」ので79がお薦めです。今、79が逸品館で一番よく売れています。 通なあなたにお勧めしたいのが、先に紹介したフラッグシップモデル「SIGNATUREGENESIS SILVER SPIRAL」と「SIGNATURE REVELATION」に使われる「Aircore」を採用した低価格モデル「RUBY ANNIVERSARY EVOLUTION」です。上級モデルほどワイドレンジ・高精細度ではありませんが、音色の変化の鮮やかさ、中域の表現力の豊富さでは、決して引けを取りません。RUBYは、TANNOYのように音色の再現に富むホーン型スピーカーや、再生周波数帯域が狭くても中域の濃さが魅力的な「ビンテッジ」や「フルレンジ」スピーカーを、びっくりするくらい「魅力的」に鳴らします。このケーブルも驚きのモデルです。 創業45年を超えるケーブル専門メーカーQEDは、高価なケーブルのマーケットに合わせて雨後の竹の子のように登場してきた「俄ケーブルメーカー」にない「本物の良さ」を持っています。けれど、その価格は驚くほど安いのです。 2018年5月 逸品館代表 清原裕介 |
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