逸品館がお薦めしてきたウィーンア・コースティックは、日本人が好む柔らかく滑らかな音質のスピーカーです。その滑らかな高域とトレードの関係にあるため、ある程度は仕方がないのですが低音がやや膨らむ傾向がありました。シリーズ中でHaydn
Grandはその傾向が最も強く、低音の緩さから高域の芯が甘過ぎたり(ぼやけたり)、低音部が不明瞭に感じられたりして、他のモデルと比べあまり積極的にお薦めして来なかった経緯があります。
しかし!Haydn
Grand Special Editionは違います!!
弱点だったウーファと新型ウーファーに合わせネットワークが一新された結果、まったく違うスピーカーに生まれ変わったのです。
特性で比較すると「僅か2Hz」しか伸びていない低音ですが、体感では半オクターブくらい伸びている感じがします。それよりも、ふわふわとやや頼りのなかった低音が引き締まり、全帯域での透明感と空間の静けさが大幅にアップ!PMC並とは言いませんが、このクラスの水準を大きく越える付帯音の少ないリジッドな低音が実現していることに驚かされます。
低音の改善で良質なサブウーファーを使ったときのように、中高音の明瞭度感や解像度、静けさ(よけいな濁り成分がない)が大きくアップし、この価格帯で随一と言って良いほどの素晴らしいスピーカーへと大変貌を遂げています。今までHaydn
Grandがやや苦手としていたアップテンポな音楽やPOPS/ROCKも歯切れよく鳴らします。
このサイズと価格帯でスピーカーをお探しなら、Haydn
Grand Special
Editionを是非御一聴下さい。きっと気にいって頂けると思います。そしてウィーン・アコースティックには、このモデルを限定とせずHaydn
Grandをマイナーチェンジし、すべてこの仕様にすべきだとリクエストしたいと思います。なぜならばSpecial
Editionを聴いた後では、“ただの”Haydn
Grandに決して戻ることはできないからです。