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Wireworld Series 6/7 USB cable 音質比較テスト
ほぼ半額〜半額以下も! Wireworld Series6 USB モデルチェンジ処分特価品はこちらからお求めいただけます
PCと外付け機器を接続するUSBケーブルで「音が変わるか?」という話題があります。この命題に対しWireworld社は次のように解説しています。
「プリンターなどとのUSB 接続と比べ、PC オーディオにおいてはオーディオグレードのUSB ケーブルを必要とする明確な理由があります。プリンターの場合データの損失が起こった際にプリンターがPC へ再度ファイルを送信するように指示を出し、データの欠如が発生することなく正しく印刷を完了することができます。PCオーディオの場合PC からDAC への音楽信号は一度しか送られず、リアルタイムのエラー修正効果はありません。これはUSB ケーブルによる音の消失が明白にわかる理由となります。」
そして彼らはオーディオ用の高音質USBケーブルを次のような思想で開発しています。
WireWorldのUSBケーブルは、SymmetriconとDNA Helix Designという独自のケーブル構造を採用し、ロージッターで信号ロスを軽減したオーディオグレードのサウンドを実現しています。
彼らの主張は「PCとDACの接続時には、伝送時にデーター損失が生じるため音が変わる」でした。しかし、PCとHDDや外付けドライブの接続時には、音声データでもプリンター接続と同じように伝送時のデーター損失の補完が行われているはずです。その真偽は確認していませんが、USBケーブルによる音質変化は外付けDAC(もしくはDAC内蔵機器)とPCの接続で最も大きく、HDDや外付けドライブとPCの接続では音はあまり変わらないように思います。データー消失の有無だけでUSBケーブルの音質変化を説明できるとは思いませんが、USBケーブルによって音質が大きく左右されるのは事実です。
時々「PC/ネットワーク・プレーヤーでは、伝送されるデーターが変わらないからケーブルで音が変わるはずがない」という主張を耳にしますが、例えデータ損失が補償される部分であったとしても、アナログ電子回路を熟知していればその主張の間違いがすぐに分かります。間違いなく言えるのは、USB−DACとPCを接続するためのUSBケーブルで音質は確実に変わることです。
今回テストするUSBケーブルは、Chroma/Ultra Violet/StirlightがSeries7で、Platinum Stirlight/Silver がSeries6です。
こんかいSeries7の発売に伴い、Platinum/Silver StirlightのSeries6が大特価になりました。大特価でコストパフォーマンスが大幅にアップした、Wireworld Series6と新発売のSeries7を逸品館お薦めのaudioquest USBケーブルを交えて、聞き比べてみました。
試聴に使ったスピーカー
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試聴に使ったネットワークプレーヤーとアンプ
AIRBOW NA8005 Studio |
AIRBOW PM11S3 Ultimate |
208,000円(税込) | 565,000円(税別) |
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音質テストの概要
PCには標準的な音質の製品として、Windws7StarterがインストールされたAcerのネットブック。このPCは音楽再生専用として用意しているもので、Microsft office 以外の音楽再生に必要がないソフトは、ほとんどインストールされていません。高速化のためHDDはSSDに換装し、メモリーは2GBに増設しています。
再生ソフトは、使いやすく音の雰囲気が好ましい(聞きやすい音)のwin AMPを使いました。
※AIRBOW NA8005 Studioは開発テストのためボンネットを外してあります
今回は音質比較の対象として逸品館で最もよく売れているaudioquest社のUSB Carbonを基準として選び、特価になったWireworld社のSeries 6 USB cableすべてのモデルと音質を比較しました。比較は、音質に関する項目「音質・広がり・透明感・明瞭度・解像度」とパワー感に関する項目「高音・中音・低音・パワー感・バランス」の2項目をaudioquest USB Carbonを「8点」として、感覚的な採点で比較を行いました。またそれぞれの楽曲で感じたイメージを記載しています。
楽曲は「Pops:Double/ストレンジャー」、「Jazz:ホリーコールトリオ/Don't Smoke in Bed」、「Classics:ノイマン・チェコフィル/新世界第2楽章」を使っています。
DOUBLE / Ballad Collection Mellow (初回限定盤)(DVD付) 「ストレンジャー」
HOLLY COLE TRIO ”Don't Smoke in Bed” から Don't Smoke in Bed
ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, ノイマン(ヴァーツラフ) / 第2楽章
(逸品館お薦めソフトの情報とお買い上げは、逸品館 Amazonストアがご利用いただけます)
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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高域は滑らかでしっとりしています。中域にはしっかりとした厚みがあります。低音はゆっくりとしたためを感じさせながら、力強く押し出してきます。 響きがやや少なめに感じられますが、一般的なCDプレーヤーの20万円を超える製品に匹敵する音が出ている印象です。 端正に淡々と音楽が奏でられる雰囲気でストレンジャーが鳴りました。 |
ボーカルは息づかいを感じるほどリアルですが、少しさっぱりとして過剰な艶がない印象です。癖がなく良い音ですが、ホリー・コールの声はもう少し脂気がある方が好みです。 ピアノは響きがクリーンで美しく鳴ります。ベースは力強く弦を弾く(断弦)する感覚がしっかり伝わりますが、これは高域が素直に伸びている証拠です。 ストレンジャーと同じで少し乾いている印象がありますが、驚くほど音が細かくS/Nも良好です。 |
シンフォニーに厚みがあります。音はかなり細かく、PC/ネットワーク・プレーヤーの音とは感じられません。 先に聞いた2曲と同様に音が乾いている印象です。このソフトではホールの空気が僅かに乾いているように聞こえます。 再生周波数帯域は非常に広く、細かい音まで良く再現され、説得力のある音で新世界が鳴りました。 |
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USB USB Carbon 総評 audioquest Carbonは「音質に癖がない」ことと「価格帯で音が良い」理由から、テストや試聴に基準線として使うケーブルです。今回の試聴では、フラットな性格から「基準」ケーブルとして選びました。 USB Carbonは同価格帯のWireworldと比べ、音の細やかさ関係の正確さには優れていましたが、「ケーブルが助けてくれる」部分は少なめに感じました。さらにムーディーに音楽をお聞きになりたい場合には、audioquestであれば上級のモデルからお選びになることをお薦めします。 |
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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USB Carbonよりも価格の安いChroma7ですが、高域の抜けが良く明瞭度が高く、音の輪郭はよりクッキリと再現されます。 ボーカルや楽音に艶が乗り、曲がゆっくりと情緒的に流れます。 明るくポップな雰囲気でストレンジャーが鳴りました。 |
USB Carbonで少し物足りなく感じたホリー・コールの声に艶と脂気が出ました。ピアノも抑揚がより大きく聞こえます。 ベースやピアノの低音はCarbonの方が良く出るのですが、Chroma7のほうが高音はクッキリと聞き取りやすい音で鳴ります。曲の雰囲気が良く出て、音楽を聞く楽しさはCarbonに引けを取らない印象です。 |
シンフォニーの音数はCarbonよりも明らかに少ないのですが、間接音成分が多く響きが長いのがそれを補います。高音の明瞭度が高く、楽音の分離にも優れている印象です。 Carbonは情報量が多く精度が高くやや分析的な音でしたが、Chroma7は雰囲気重視で曲がゆっくりと流れるように感じる、情緒的な音で新世界を鳴らしました。 |
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Chroma7 総評ストレンジャー Audioquest USB Carbonと比べると音の数が少ないのは価格なりに仕方ないのですが、音楽を表現する能力に長け、音質を不要に気にせずに音楽を聞くことができます。PC用のUSBケーブルから交換すると、音楽がグッと元気に躍動すると思います。 もともとしっかりと音が入っていない(コンプレッサーの使いすぎで細かい音が消えてしまっている)、POPS系(特にJ-POP)のソフトを中心にお聞きになるのであれば、Chroma7のゆったりとした響き方が適していると思います。 |
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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USB Carbonよりも少し安いUltra Violet7ですが、発売時期が新しいためかクォリティーはほとんど変わらない印象です。細かい音も良く出ますし、S/N感も良好です。ただ、USB Carbonに比べてUltra Violet7は高音が少し強調される傾向があり、ボーカルの子音や高域の高さが少し耳に付きました。 音は良いのですがChroma7に比べ、高域の強調感が災いしてNA8005 Studioの滑らかさがやや抑えられ、高音の硬さなどにPC/ネットワーク・プレーヤーぽい音の癖が僅かに感じられました。 |
解像度と明瞭度に優れるUltra Violet7でこの曲を聴くとChroma7よりもリスナーと楽器との距離が近くなり、ピアノ・ベースは楽器を操作するときのノイズが聞き取れるほど音が細かくなります。 ボーカルは解像度と明瞭度が上がり、ホリーコールの息づかいまではっきりと聞こえるようになりました。 Chroma7で出なかった空気感がUltra Violet7では再現されるようになりました。その反面、艶や脂気は少し減った感じです。 |
音の数はUSB Carbonと同じか、僅かに少ないイメージです。 Chroma7に比べてUltra Violet7は演奏の抑揚がより大きく感じられ、曲と曲の間(楽章が移り変わる曲間)の無音の雰囲気が出ます。 しかし、情緒的な部分はChroma7よりも少し後退した印象で、ややモニター的(分析的)な鳴り方をしました。 |
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Ultra Violet 7 総評 Ultra Violet7はCarbonよりも少し安い製品ですが、音質にさほど大きな差を感じません。 Ultra Violet7の長所は高音のメリハリが強く、細かい音がはっきりと聞こえることです。そのため楽器との距離が近づきオーディオ的な良さが出ます。 弱点はChroma7に比べ音質が向上した副作用として、音楽をしっとりと情緒的に聞かせる能力が後退することです。 Ultra Violet7は、ハイレゾやDSDなどの音源をより良い音で楽しみたいとお考えの方にお薦めです。 |
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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Starlight7の情報量(音の細やかさや明瞭度、解像度など)は、USB Carbonとほぼ拮抗します。 高音が最高音部までしっかりと再現され、楽器のアタックのタイミングが正確に聞き取れるようになりました。 また、高音改善の副作用が出て音が乾き演奏がややドライに感じられるUSB CarbonやUltra Violet7と違ってStarlight7は響きがリッチで、音に艶と湿り気が感じられます。 音の良さだけではなく、音楽の抑揚、表情がそれに伴い、音楽をバランス良く聞かせる印象です。 |
ホリー・コールの息づかいがはっきりと聞こえるのはUltra Violet7と同じですが、Stirlight7は唇の濡れている感じが伝わります。 ピアノは音を溜めたあと、静かにキーを上げる奏者の「感覚」が伝わるようになりました。低音は厚みがあり、ベースのボディー感が出ます。 演奏がきめ細かく上質に感じられるStarlight7は、NA8005 Studioと相性が良く、一般的な市販CDプレーヤー20-30万円クラスとほぼ同等に感じられるほど良質な音質でDon't Smoke in Bedを楽しめせてくれました。 |
情報量はUSB Carbonとほぼ同じに感じられますが、Starlight7の音はUSB Carbonよりも艶が乗り情緒的です。ホールの響きも長く感じられます。 Starlight7は音楽の抑揚の再現に優れ、音やテンポの変化がも大きく感じられます。きめ細やかな音は、スムースで自然です。 PC/ネットワーク・プレーヤーで音楽を聞いていることを完全に忘れ、生演奏を聴いている気分でこの曲を聴けました。 |
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Starlight 7 総評 Chroma7は情緒的に、Ultra Violet7は理知的にと、同じ曲を違う角度から楽しませてくれました。Starlight7は、その双方の良さを凝縮した音に仕上がっています。 Starlightの言葉通り、星空を見ているようなきめ細かく高い透明感と、星明かりのようなしっとりとしたムードを知ってしまうと、このケーブルの虜になることでしょう。オーディオ的にも音楽的にも良くできた音のケーブルだと思います。 |
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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今まで試聴したWireworld Chroma7、Ultra Violet7、Starlight7、そしてaudioquest USB Carbonより一段と高価なSilver Starlight6は、一音が出た瞬間からムードが違います。若干音量も大きく感じられ、価格の高さを納得できます。 あらゆる角度から出音を分析しても隙がなく、すべての項目で低価格製品を凌駕する高音質を実現しているのはさすがです。 ケーブルをSilver Starlight6に変えるだけで、通常のCDソフトをSHM-CDやHQCD、Blu Specなどの高音質盤に変えたように音が良くなります。 これまで聞いたUSBケーブルでも決して不満のなかったストレンジャーが、一段と魅力的な音で鳴りました。 |
細やかさと透明感が大きく向上し、NA8005 Studioが50万円を大きく超えるHigh End ネットワークプレーヤーの音質に高まります。 ボーカルは厚みが出て、表情もグンと艶っぽく大人の魅力が出てきました。ベースはボディーが響く木の音まで感じられ、ピアノは楽器の王様に相応しい音色で美しく響きます。 S/N感も驚くほど高く、音が出ていない部分の暗騒音まで聞き取れるほどの解像度と、その場の空気が見えるほどの濃い雰囲気が醸し出されます。 PC/ネットワーク・プレーヤーで聞いているとは思えないほど、完成度が高く納得できるHigh Endの音質が発揮されました。 |
Silver Starlight6の音の細かさが楽器の抑揚の大きさを生み、S/N感の高さと音質の美しさが演奏に深みを与えます。 一聴してSilver Starlight6未満の製品とは、明らかに違う次元の音質です。 このソフトに録音された演奏の素晴らしさが伝わる音質で、新世界を楽しむことができました。 |
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Silver Starlight 6 総評 Silver Starlight6は出てくる音そのものの魅力に加え、音楽表現にも長けています。 ケーブルをSilver Starlight6に変えるだけで、同じソフトがまったく別物のように魅力的に感じられるようになりました。 CDそのものの録音が良くなり、演奏がワンランクもツーランクも上質になったかのように感じられるSilver Starlight6の音を一度でも聞いてしまうと、元の音に戻れる気がしません。単なる音の魅力を超えた音楽マニアを虜にする魔力まで備わった、素晴らしいケーブルだと思います。 |
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「ストレンジャー」 |
「Don't Smoke in Bed」 |
「新世界 第2楽章」 |
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Platinum Starlight6はWireworldの最上級モデルに相応しくSilver Starlight6と同様に素晴らしいバランスが与えられています。 突出した部分を持たないPlatinum Starlight6は、すべての項目が数割アップしている印象です。音量もSilver Starlight6よりさらに大きく感じられます。 ただ、冷静にSilver Starlight6とPlatinum Starlight6の価格差を考えると、ちょっと悩んでしまいます。 |
Platinum Starlight6を使うとNA8005 Studioは、これまでにほぼ同じ条件でテストした他社製USB-DACの音質を大きく凌駕するようになります。 もちろんUSB Carbonを使ってもNA8005 Studioの音質は価格帯で優れているのですが、Platinum Starlight6はそれをさらに改善する効果があります。 ただ、Platinum Starlight6は高性能すぎて、システムやソフトの粗まで聞かせてしまう印象がありました。 |
Don't Smoke in Bedを聞いた時と同じで、一段と音が良くなります。解像度と明瞭度が向上し、リスナーと楽器との距離が近づきます。ホールの座席位置がSilver Starlight6(ベストの位置)からやや前方に移動し、舞台袖でコンサートを聞く印象です。 個々の楽器の音を聞き分けるにはよいのですが、演奏全体を見るにはやや近すぎる感じです。ただ、楽器の響きが長く抑揚もしっかりと出てきますから、音楽的に何か不満を持つようなことはありません。演奏もゆっくりと流れ、良いケーブルの存在感を感じさせられるリッチな気分で、この曲を聴くことができました。 |
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Silver Starlight6 総評 AIRBOW NA8005 Studioと通常PC(再生ソフトはwin amp)との組み合わせでは、Platinum Starlight6はやや行き過ぎた高音質に達した印象です。 音が良くなりすぎて曖昧さが少なくなり、ソフトや装置の粗が聞こえました。 ケーブル自体の性能は非常に高いので、最高のケーブルを求められる方にお薦めです。 |
USBケーブル試聴後感想
高音質ケーブルとして一斉を風靡したWireworldですが、最近逸品館ではaudioquestに押されて以前ほどのビックセールは記録しなくなりました。流行とは残酷なもので、行き渡ってしまった後は「広告(媒体への露出)が多いメーカー」がより多く売れて行きます。しかし、媒体への露出や会社の規模でaudioquestに譲るWireworldですが、その独自のデジタルケーブルに対するノウハウ、とくにUSBケーブルに関するノウハウはaudioquestよりも高いと感じています。
WireworldがUSBとHDMIに採用する、搬送波の周波数が高い信号を伝送するケーブルが変形することで発生する「ビートノイズ」を抑えるために効果的な「平型形状」は、彼らが世界で一番最初にAVケーブルに採用した方式です。材質だけではなく、構造から高音質にこだわるWireworldは、Silver/Platinum Starlightに彼らがDNA Helix USB Cable Designと名付けた「平型構造」を採用します。これに対し、audioquestのUSBケーブルは円筒形状で、アナログケーブルと同じように主に素材で差別化が図られています。
WireworldとaudioquestがUSBケーブルに使う線材を比較した場合、両社とも低価格品では「無酸素銅」、クラスが上がると「銀メッキ」、「銀コート(メッキよりも銀が厚い)」、さらには「銀線」が使われる所は共通します。また、銀が大量に使われるケーブルの価格がそれに比例して高額になるのも共通です。もし、USBケーブルの音質が素材にすべて起因するならば、Wireworldとaudioquestが発売する製品の価格と音質の関係は極めて近いものになるはずです。しかし、audioquestの最上級モデル「Diamond(銀単線)」と次点の「Coffee(銀コート線)」の音質が大きく異なるのに比べ、Wireworldの最上級モデル「Platinum Starlight6(銀単線)」と「Silver Starlight6(銀コート線)」の音質は、audioquestほど大きく差があるように感じませんでした。これはWireworldが使う「銀コート線」のグレードがaudioquestを凌いでいるか、あるいはWireworldが採用するDNA Helix USB Cable Design構造の効果によりWireworldのUSBケーブルがaudioquestほど素材に音質が左右されないためかも知れません。
邪推はともかく、お薦めを考えましょう。audioquestのトップモデルUSB-Diamond2(\69,000/0.75m、\87,000/1.5m)とWireworld USB-Silver Starlight6(\36,000/1.0m、\42,000/1.5m)では、価格対効果(コストパーフォーマンス)からSilver Starlight6がかなりお買い得に感じました。2モデルを定価で購入することを前提としても、私ならSilver Stirlight6を買うと思います。1万円/1m未満のエントリー価格帯では、Wireworld Chroma7がaudioquest ForestやCinnamonよりも音質的に一歩秀でてるように思いました。1万円〜2万円(1m)前後の普及価格帯品では、両社ケーブル性能は拮抗しているように思いました。音質の傾向は、audioquestが自然な音。Wireworldが艶のある音です。
ただし、USB-DACやネットワークプレーヤーはCDプレーヤーほど完成度が高くないためか音質に大きなばらつきが見られ、玉石混淆状態です。そのため今回のテスト結果が、広く一般に通じるかどうかは若干疑問があります。絶対的な評価ではなく、参考程度にしていただけると幸いです。
AIRBOW NA8005 Studio(標準モデル)試聴後感想
モデルチェンジの度に音を良くしなければならない。それが私がAIRBOWに課す命題です。誤解を恐れずに言えば、それをより実現しやすくするためこれまでのAIRBOW製品は「旧モデルを凌駕し、なおかつその価格を納得できる音質」にまで開発が進んだら、その時点で発売を開始していました。しかし、最近はAIRBOWがベースに使わせて頂いているMarantzやEsoteric製品の音質が、AIRBOWからのフィードバックなどにより以前と比べ格段に音質が向上してきたことや、不況に負けず音楽を聞き続けるお客様へ、「よりコストパフォーマンスの良い製品をお届けしたい気持ち」から、最新のAIRBOW製品は、限界点まで100%の力を出し切り、コスト的な問題などからこれまで使わなかった手法も取り入れてその音質をさらに高めています。
NA8005 Studioの改良部分は、キャパシタの交換だけではなく構造や回路などあらゆる部分に及びます。完成したNA8005 Studioは誇張ではなく、iPod TouchをUSB接続(接続にはaudioquest USB Diamondもしくは、Wireworld Silver Starlightを推奨)し、MP3(320bps)に圧縮した音源を再生しても一般的な20-30万円クラスのCDプレーヤーに匹敵する音質が得られます。さらにWAVEなどの非圧縮音源を使うとそれが、同価格帯のAIRBOW CDプレーヤーSA8005 Studioで再生するCDソフトに限りなく近づきます。
NA8005 Studioの開発はiPod Touch(一世代前)にaudioquest USB-Diamondを使って行いました。音質確認の最終段階ではiPod TouchにMP3(320bps)で収録した、1000曲を超えるあらゆるジャンルの音楽を途切れることなくランダム&リピートで演奏し、一ヶ月近く私はそれを聞き続けました。気になるところがあれば改良を加え、またひたすら聞き続けるという作業を繰り返し同価格帯のAIRBOW CDプレーヤーと同等の印象で音楽を聴けるところまで音を詰めています。
20万円強で入手できるUSB-DACとして、高級CDプレーヤーとほとんど変わらない音質を実現した製品は私の知る限りそれほど多くありません。しかし、「販売可能な音質」に到達してからそこで満足せずさらに2段階の音質改善を実施し、現段階のカスタマイズで実現できる最高の音質を達成したNA8005 Studioは、それを可能にするDACの一つだと自負しています。また、CDとの接続を前提として音質を煮詰めているNA8005 Studioは、100万円クラスのCDプレーヤーに装備されたUSB入力へPCを繋いで得られる音よりも、遙かに音楽的に満足できる音質が実現すると思います。
ハイレゾやDSDが与える「新しい音」ではなく、聞き慣れたCDプレーヤーと「変わらない雰囲気」で音楽を聞くために生まれたUSB-DAC、それがNA8005 Studioです。NA8005 Studioは、ご自宅への無償貸出試聴機を準備しています。またその音質にご満足頂けない場合、御購入から一ヶ月以内なら商品代金は全額お返しさせて頂きます。既存のUSB-DACやPC/ネットワーク・プレーヤーの音質に満足できないなら、一度AIRBOW NA8005 Studioをお試しになりませんか?あなたがまだ知らない、音楽の世界が聞こえてくるかも知れません。
2014年8月 逸品館代表 清原裕介
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