MITSUBISHI LVP-HC3000 (HC1100との比較はこちら)
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主なスペックの比較
モデル クリックでメーカー HPにリンク |
メーカー 標準価格 |
画素数 | パネル サイズ |
明るさ 最大輝度 |
ランプ 出力 |
コントラスト 比 |
ワイド100 投影距離 |
デジタル 入力 |
アナログ 入力 |
外形寸法 (mm) |
質量 消費電力 |
LVP-HC3000 |
38万円 | 1280*768 | 0.65" | 1000 | 200W | 4000:1 | 3.6-4.4 | HDMI*1 | 3RCA*1 D-SUB*1 |
W310 H100 D245 |
280W 3.0Kg |
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XV-Z3000 |
32.8万円 | 1280*768 | 0.65" | 1200 | 275W | 6500:1 | 3.0-3.5 | HDMI*1 | 3RCA*2 D-SUB*1 |
W315 H109 D280 |
310W 4.0Kg |
HD72i |
38万円 | 1280*768 | 0.65" | 1300 | 220W | 5000:1 | 3.5-4.2 | HDMI*1 DVI-I*1 |
3RCA*1 | W327 H94 D245 |
285W 3.1Kg |
LT35J |
44.8万円 | 1024*768 | 0.7" | 3000 | 220W | 1600:1 | 4.1-5.9 | なし | D-SUB*1 | W260 H89 D208.5 |
280W 2.0Kg |
HT1100JK |
OPEN | 1024*768 | 0.7" | 1300 | 220W | 3500:1 | 3.4-4.1 | DVI-D*1 | 3RCA*1 D-SUB*1 |
W260 H120.5 D319 |
290W 3.2Kg |
VP11S1 |
180万円 | 1920*1080 | 0.95" | 700 | 200W | 6500:1 | 3.2-4.7 | HDMI*2 | 3RCA*2 | W405 H158 D481 |
350W 13Kg |
VP12S4 |
120万円 | 1280*720 | 0.8" | 700 | 200W | 4500:1 | 3.8-5.6 | HDMI*2 | 3RCA*2 | W405 H158 D481 |
320W 13Kg |
100インチ以外のスクリーンをお使いの場合の投影距離の計算方法
画素数とパネルサイズについて
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明るさについて
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コントラスト比について
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投影距離について
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入力について
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ランプ出力、消費電力、外形寸法などについて
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入力端子の形状を比較
入力端子の形状と場所を比較しました。プロジェクター設置の時のケーブルの引き回しや、コネクターの大きなケーブルが使えるかどうかの参考になさってください。
※LT35Jは、HP作成自前に視聴機を返却したためデーターを取れませんでした。
VLP-HC3000 RCA/S端子は凹みの中にあり、大きなコネクターのケーブルは接続できません。接続できる高画質ケーブルは限定されます。 |
XV-Z3000 RCA/S端子は凹みの中にあり、また端子間の距離が狭いので、大きなコネクターのケーブルは接続できません。 |
HD72i 端子類は素っ気なく見えますが、すべて外側に凸出ていますので、ケーブルの種類を選ばず接続が可能です。 |
HT1100JK 端子類は、しっかりと固定されケーブルの種類を選ばず接続が可能です。写真からも筐体の仕上げの良さがわかります。 |
LT35J 業務機なので端子の数は小さく、大きなコネクターも使えません。コンポーネント入力には、付属の変換ケーブルを使います。 |
VP11S1 / VP12S4 シアター専用の高級機として恥ずかしくない、豊富な入力が装備されています。端子パネルには、ランプ照明までついています。 |
信号入力数と画質メモリー機能の比較
プロジェクターは、組み合わせるスクリーンや部屋の明るさに応じて、明るさ、コントラスト、色合いなどの調整が必要です。また、スクリーンはもちろんソフトなどによって微妙に異なる色合いやランプの使用時間で変わってしまう「ランプの色」を補正して投射する画質の色合いを正確に合わせるためには「RGBが独立した色の調整機能」が必要になります。
プロジェクター別に搭載されている画質調整の種類とメモリーの数を比較してみました。
※LT35Jは、HP作成自前に視聴機を返却したためデーターを取れませんでした。
モデル |
信号種別 |
入力数 |
メモリー数 |
メモリー別のガンマ調整について |
---|---|---|---|---|
LVP-HC3000 |
S |
1 |
3 |
カーブが固定された、 AUTO , SPORTS , VIDEO , CINEMAの4つのガンマカーブと、カーブを細かく調整できる、USER1 , USER2 の合計6のガンマカーブがそれぞれのメモリーに個別に設定できる。 |
コンポーネント |
2 |
3 | ||
HDMI |
1 |
3 | ||
XV-Z3000 |
S |
1 |
6 |
カーブが固定された 標準 、 ナチュラル 、 ダイナミック 、 シネマ1 、 シネマ1 、5つのパターンが5のメモリーに割り振られる。加えて、5パターンのいずれかを設定可能な メモリー の合計6つのメモリーを搭載する。 |
コンポーネント |
3 |
6 | ||
HDMI |
1 |
6 | ||
HD72i |
S |
1 |
5 |
カーブが固定された シネマ 、 ブライト 、 TV 、 SRGBの4つのパターンが4つメモリーに割り振られる。加えて、4パターンのいずれかを設定可能な ユーザー の合計5つを搭載する。 |
コンポーネント |
1 |
5 | ||
HDMI/DVI-I |
各1 |
5 | ||
HT1100JK |
S |
1 |
5 |
各メモリーには、各々固定された ビデオ 、 ムービー 、 ゲーム 、SRGB 、 グラフィック の5つのガンマカーブが割り振られ、メモリー個別にガンマカーブを調整・設定することはできない。 |
コンポーネント |
2 |
5 | ||
DVI-D |
1 |
5 | ||
VP11S1 |
S |
1 |
9 |
シアター 、スタンダード 、 ダイナミックの3つのデフォルトモードを搭載するが、このモードではガンマカーブはもちろん、明るさやコントラストなどすべての調整が固定される。 デフォルト以外に搭載される9つのメモリーでは、各々すべての画質調整が利用できる。 |
コンポーネント |
2 |
9 | ||
HDMI |
2 |
9 | ||
VP12S4 |
S |
1 |
9 |
シアター 、スタンダード 、 ダイナミックの3つのデフォルトモードを搭載するが、このモードではガンマカーブはもちろん、明るさやコントラストなどすべての調整が固定される。 デフォルト以外に搭載される9つのメモリーでは、各々すべての画質調整が利用できる。 |
コンポーネント |
2 |
9 | ||
HDMI |
2 |
9 |
入力信号の種類と画質調整機能の対応、1080P対応の比較
細やかな画質調整機能やメモリーが搭載されていても、プロジェクターによっては、「入力信号」により「使える機能」が限定されることがあります。重要なことだと思うのですが、なぜかほとんどのメーカーのHPには記載されてません。そこで、実際にプロジェクターを動かして、入力信号別に使える画質調整機能とメモリーの数の詳細を一覧表にしてみました。さらに、高画質プロジェクターには欠かせない「1080p信号」が投射できるかどうかもチェックしました。
※LT35Jは、HP作成自前に視聴機を返却したためデーターを取れませんでした。
モデル | 信号の種類 | コ ン ト ラ ス ト |
明 る さ |
シ ャ | プ ネ ス |
色 の 濃 さ |
色 合 い |
R G B 色 合 い |
R G B ゲ イ ン |
色 温 度 |
ノ イ ズ リ ダ ク シ ョ ン |
1 0 8 0 P 対 応 |
備考、その他 |
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HC3000 |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | − | シアタープロジェクターを謳っている割には、意外に調整機能がすくなく、コンポーネントとHDMIでは「色合い調整」が、HDMIではさらに「色の濃さ」も調整できない。DVDプレーヤー側に調整機能が搭載されている製品を選べば回避できるが、なんだかちょっと納得できない気がしてしまう。コストダウンの影響がこんなところに出てしまったのだろうか? |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | × | − | ||
HDMI |
○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ||
Z3000 |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | − |
SHARPは、MITSUBISHIよりも一般的で微調整ができないように感じるが、このモデルにはCMS(カラー、マネージメント、システム)という、色彩の微調整機能が搭載されている。ノイズリダクションも搭載され、機能的には、LVP-HC3000を大きく上回る。 |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | − | ||
HDMI |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ||
HD72i |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − |
OPTOMAが自信を見せるだけあって、すべての入力信号で基本的な画質調整機能がすべて使えるのは素晴らしい。S端子入力のみには、ファロージャの[DCDi]チップが搭載され、ノイズリダクションを初めとするファロージャ独自の詳細は画質調整が可能となっている。[DCDi]チップの搭載により、レーザーディスクやビデオソフトも高画質で投射できるのは魅力的。 |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | − | ||
HDMI/DVI-I |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ||
1100JK |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − |
さすがにNECらしく機能は豊富でユーザーから文句のでない仕上がりになっている。独自の高画質回路、スィートビジョン回路の搭載といいこのクラスでは例外的にコストがかけられているようだ。画素数は少ないが、見た目の美しさにコストをかけられた製品の良さが出るように思う。長く使える納得の一台だろう。 |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ||
DVI-D |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ||
VP11S1 |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − |
ワンクラス、ツークラス上の製品だけに、メモリーの数、映像調整機能の豊富さは圧倒的。北米で売れているプロジェクターなので「インストーラー(専門の施工業者)」向けに十分な機能を搭載しているのだろう。しかし、デフォルトの画質が優秀なので、この多機能をすべて使うことはないかもしれない。 ※HDMIのRGB信号では、色の濃さが調整できない。詳細な色調整メニューは、利用できる。 |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ||
HDMI |
○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
VP12S4 |
S |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | すべての調整機能は、VP11S1と変わらない。1080Pに対応しているが、DENON DVD-A1XVAでは画像が出力されなかった。(原因は調査中) ※HDMIのRGB信号では、色の濃さが調整できない。詳細な色調整メニューは、利用できる。 |
コンポーネント |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ||
HDMI |
○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
メニュー画面の比較
標準の画質調整メニュー画面と、詳細画質調整メニュー画面を撮影しました。モデルによっては入力信号別に詳細画質調整メニュー画面が少し異なることがありますので使い勝手の参考程度にご覧下さい。
※LT35Jは、HP作成自前に視聴機を返却したためデーターを取れませんでした。
モデル |
標準画質設定メニュー画面 |
詳細画質設定メニュー画面 |
LVP-HC3000詳細な画質設定メニューは搭載されていません。 |
詳細なメニューはありません。 |
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XV-Z3000標準的な画質調整メニュー(左)に加え、SHARP独自のCMSのメニュー(右)が搭載されています。 |
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HD72i |
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HT1100JK標準的な画質調整メニュー(左)に加え、4つの詳細な画質調整メニューが搭載されています。左は詳細メニュー2です。 |
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VP11S1 / VP12S4標準的な画質調整メニュー(左)に加え、2つの詳細な画質調整メニューが搭載されています。右はファインメニュー1です。 |
筐体からの光漏れとファンノイズを比較
部屋を暗くしても、プロジェクターのボディーから光が漏れては「洒落」になりません。ボディーを小さくしたり、コストを下げると冷却方式にお金がかけられないので「光漏れ対策」がお留守になることがあります。プロジェクターを実際に投影し、ボディーからの光漏れの量を調べてみました。
ファンノイズはデジカメに搭載されているマイクを使って収録しています。
LVP-HC3000 前方左側の排気口はファンの隙間からやや多めの光漏れがあります。 |
XV-Z3000 右側面が全体が吸気口で反対側の左側面が排気口になっており排気口側の光漏れが遮光板越しに眩しくはないがやや明るく漏れます。 |
HD72i 右側面後ろ排気口でそこからの光漏れがあります。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
LT35J ランプが格納されている、前方右側が排気口でそこから多い目の光り漏れがあります。 |
HT1100JK ランプが格納されている、前方左側と左側面前方が排気口でそこからの遮光板まわりから光漏れがあります。 |
VP11S1 / VP12S4 完全に遮光されています。排気口からの光漏れも一切ありません。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。 |
画質を比較
実写画像をデジカメで撮影して比較しました。DVDプレーヤーは、AIBROW DV9500/Specialを使用し、1080iで出力、HDMI(DVI−D)で接続しています。プロジェクターの設定は、ビデオモードもしくはシアターモードのいずれかきれいだと判断できるモードを使用し、詳細な調整は行わず画質調整は、すべてデフォルト(未調整)でテストしました。
モ デ ル |
グレイスケール | カラーバー |
H C 3 0 0 0 |
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グレイスケールの階調は良く出ていますが、全体的に緑が強く、カラーバーでも赤と青がやや弱く発色のコントラストが弱めです。 |
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Z 3 0 0 0 |
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グレイスケールの階調は、黒い部分と白い部分がやや引き延ばされたように(エクステンションがかかった)用です。色も赤と青が強く、全体的に派手な傾向です。 |
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H D 7 2 i |
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グレイスケール、カラーバー共に素直で癖が少なく、コントラストがハッキリしています。 |
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1 1 0 0 J K |
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グレイスケール、カラーバー共に素直で癖が少ないです。クレイスケールやカラーバーの「境目」が他の製品よりハッキリ(クッキリ)しているのがNEC独自のスィートビジョン回路の効果です。この回路により、色を濃くしたり、シャープネスを強くしすぎることなく、輪郭感とコントラスト感を上げ、TVのような明るくクッキリした映像が得られるのがこのモデルの特徴です。 |
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V P 1 1 S 1 |
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グレイスケールもカラーバーも素直で柔らかい感じです。傾向はVP12S4と似ています。 |
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V P 1 2 S 4 |
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グレイスケール、カラーバー共に圧倒的に正確です。 |
モ デ ル |
ジュラシックパーク | 桜(DVD) | 桜(ハイビジョン) | ||||
H C 3 0 0 0 |
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LVP−HC3000は、ランプの色温度の個体差が大きく、一台ずつ色のばらつきがありますが、全体的に緑と青が強めになります。 |
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Z 3 0 0 0 |
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ピント感や透明感が素晴らしいですが、SHARPのデフォルトは色合いに癖が感じられます。 |
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H D 7 2 i |
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MITSUBISHIやSHARPと比べると、透明度が高く奥行き感が明らかに勝る「ヌケの良い」画質が実現しています。 |
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1 1 0 0 J K |
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ジュラシックパークの画質を比較すると、上記の3機種に比べクッキリ感、色乗りの良さが優れていることがわかります。特に、後ろ側の人物の服や双眼鏡の「クッキリさ」にスィートビジョンによる効果が顕著にでています。桜のDVDとハイビジョンを比較すると、DVDの美しさが際だつ反面、ハイビジョンは1280×768パネルを搭載した上記3機種に比べると、情報量が少ない(画面のきめが粗い)感じがします。 |
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V P 1 1 S 1 |
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高額機らしく色の再現性は抜群でジュラシックパークの手前の人物の肌の質感の細やかさに、その良さが感じられます。 |
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V P 1 2 S 4 |
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色合いの自然さ、奥行き感の正確さ、自然さ、やはり高い機種は違う!というだけの差を付けてくれました。 |
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最後にVP11S1とVP12S4のドットの大きさを比較しました。 |
まとめ
画質比較の撮影は、時間に追われたため見た目の違いを十分に反映できたとは言えませんが(特にVP11S1は失敗)、安売りされない機種のHD72iやHT1100JKの画質に「コストをかけた機種」の良さが現れたと言えそうです。
VP12S4は、生産完了となりましたがパネルの解像度やコントラスト比などのデーターは同じでも、価格がまったく違う製品はやはり画質もまったく違うのだと言うことを明らかにしてくれました。
機能の比較でお解りいただけたと思いますが、廉価モデルは調整機能が少なく、痒いところに手が届かない事があるのです。しかし、すでに最後の生産が完了したLVP−HC3000は、価格が非常にこなれコストパフォーマンスを考えれば、抜群にお買得なことは間違いありません。さらなる画質の向上と機能アップは、9月中にも発売されるという後継モデルに期待しましょう。
※デジカメの撮影による比較は、カメラの癖やプロジェクターとデジカメの相性などにより実際に見た感じをそのまま反映しているとは言い切れないことがあります。購入前には、実際に逸品館店頭にて画像をご覧頂きますようお願い申し上げます。
リポート掲載日:2006年8月1日