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逸品館おすすめのハイコストパフォーマンス・オーディオセット 音質テストmarantz(マランツ) CD6006 、 PM6006
AIRBOW(エアボウ) CD6006 Live 、 PM6006 Live
Wharfedale(ワーフデール) Diamond 10.1
audio-pro(オーディオプロ) AVANT FS20 Piano Black
最近、低価格のオーディオ機器の音質が、俄然よくなってきていることをご存じですか? 良質な材料が低価格で入手できるようになったことに加え、設計時に使うシミュレーション・ソフトウェアの性能向上により、ペア2-20万円程度のスピーカーの音質は、以前と比べて飛躍的に向上しています。 携帯電話がスマートホンに変わり「音が良くなった」のは、音声デジタル処理ICの高性能化によるものですが、同じ技術が使われているCDプレーヤーもオーディオ用ICのプロセス細分化、製造コスト低減の恩恵を受け、数万円クラスの製品の音質が大きく向上しています。 電流の制御(増幅や切り替え)に使われるトランジスター(半導体)も、新しい材料の発見や製造プロセスの進化により音質が向上し、プリメインアンプの音が良くなっています。 これらの技術革新により、10万円以下の製品のオーディオ機器の性能は確実に向上を続け、一昔前なら数倍価格の製品に肉薄するほどになっています。 今回は、これらの「安くて旨い」製品の中から特に音のよい、逸品館が自信を持っておすすめしている2つのスピーカー、ブックシェルフ型の「Wharfedale Diamond10.1(メーカー希望小売価格 ペア4.8万円)」と、トールボーイ型の「audio-pro AVANT FS20 Piano Black(メーカー希望小売価格 ペア14万円)」に、CDプレーヤー「marantz CD6006(メーカー希望小売価格 48,000円)」、プリメインアンプ 「PM6006(メーカー希望小売価格 60,000円)」を組み合わせて「安くて音のよいコンポ」をセッティングし、その音質をチェックしました。 さらに「ワンクラス上のおすすめモデル」として、marantzのカスタムモデル CDプレーヤ「AIRBOW CD6006 Live(販売価格 88,000円)」、プリメインアンプ「PM6006 Live(販売価格 100,000円)」をよういして、それぞれの聞きべを行いました。 メーカー希望小売価格 48,000円(税別) メーカー希望小売価格 60,000円(税別) 販売価格 88,000円(税込) 販売価格 100,000円(税込) メーカー希望小売価格 48,000円(ペア・税別) メーカー希望小売価格 140,000円(ペア・税別) 試聴した楽曲
試聴は、上のCDソフトをWAVファイルでリッピングし、それをUSBメモリーに収録してCD6006/Liveで再生して行いました。 また、スマートフォンで使われる圧縮音声のMP3(320bps)と、CD音質の非圧縮WAVファイルの音質差を、平井堅さんの「The ROSE」を使って、聞き比べました。 CD6006/Liveにusbメモリーを装着するとき、音質向上のため、Audioquestのジッターバグを使いました。
音質評価 The ROSE (MP3/320bps) 小型スピーカーで聞いているとは思えないほどのグランドピアノの低音が再生される。 The ROSE (WAV) ファイルを圧縮(MP3)から非圧縮(WAV)に変えると、グランドピアノの低音がさらに低いところがら聞こえるようになった。 伴奏のシンセサイザーは、透明度が十分に高く、音が濁らない。 Jupiter (WAV)
さすがに交響曲では低音が物足りず、また、音の細やかさや分離感も足りない。 It Might As Well Be Spring (WAV) 明るく快活な音で、ボーカルが心地よい。 試聴後感想 最初に音を聞いたとき、たった12万円でこれほどの音が鳴るのかと驚きました。平井堅のThe
ROSEではグランドピラのらしい重厚な低音が再現され、思わず繋いでいるスピーカーを確認したほどです。 これなら「AIRBOWカスタムモデルがいらないのでは?」と思うほど、満足できる整った音質で音楽を楽しめました。 スピーカーの市場価格は、ペア約3.5万円程度ですが、スタンドを組み合わせると割高になってしまうので、この価格帯のブックシェルフ型スピーカーは、キャビネットや机の上スピーカーを乗せて使うような場面で、最も大きなコストパフォーマンスを発揮します。
音質評価 The ROSE (MP3/320bps) 低音がより深く再現され、ボーカルの音質や雰囲気がきめ細かく深くなった。 CD6006/PM6006(ノーマルモデル)でWAVファイルを再生している音質に近い。 The ROSE (WAV) グランドピアノの響きの透明感が向上し、余韻が長くなった。 しかし、思ったよりもノーマルモデルとの音質差は、大きくない。 伴奏のシンセサイザーは、さらに透明度が高く、クオリティーも向上するが、やはりノーマルモデルとの差はそれほど大きく感じない。AIRBOWでは音が良くなるのははっきりとわかるが、ノーマルモデルでも問題なく楽しめたという印象。 It Might As Well Be Spring (WAV) それぞれの楽器の分離感、エネルギー感が向上し、ボーカルがきめ細かくなる。 しかし、やはりノーマルも悪くなかったという印象がある。 試聴後感想 Wharfedale
Diamond10.1にCD6006/PM6006を組み合わせて、音楽を聞いたとき「たった12万円でこれほどの音が鳴るのかと驚いた」印象が強かったためか、CDプレーヤーとプリメインアンプをAIRBOWカスタムモデルCD6006
Live、PM6006
Liveに変えても、正直12万円が20万円になったほどには、音が良くなったとは感じられませんでした。 そんな風に感じると共に、Diamond10.1を鳴らすなら、ノーマルモデルのCD6006/PM6006で十分だと感じました。
音質評価 The ROSE (MP3/320bps) 低音の量感が増し、音楽全体の情報量が多くなった。 MP3を聞いているが、Diamond10.1でWAVを聞いているときよりも、音が良く感じられる。 The ROSE (WAV) その場の空気感、空気の揺らぎのようなものまで伝わってくる。グランドピアノの重厚感と響きの厚みの再現性は秀逸。 ボーカルも中央から、すっと分離して抜けてくる。スピーカーの変更による音の違いは大きい。 このソフトでは、スピーカーを大型化したことによって、低域の遅れや膨らみが発生し、透明感が低下する。 ボーカルの力強さ、伴奏との分離の鮮やかさも、Diamond10.1よりも後退した。 It Might As Well Be Spring (WAV) それぞれの楽器の分離感やエネルギー感が、Diamond10.1よりも弱い。 音の量は増えたが、それぞれの音のクォリティーがやや低下し、伴奏とボーカルも混ざって聞こえる。 試聴後感想 スピーカーをWharfedale Diamond10.1から、audio-pro FS20 Piano Blackに変えると、アンプがスピーカーに振られて(スピーカーの負荷に対してアンプがついて行かない感じ)がして、音の細部に濁りが出てきます。低音が膨らんで、遅れるのが気になります。 平井堅さんの「The ROSE」は上手くなったのですが、それ以外の楽曲ではスピーカーが元気にしっかり鳴っていたDiamond10.1と比べると、音がやや濁り、分離感が低下して、ちょっと物足りなく感じるようなときがありました。
音質評価 The ROSE (MP3/320bps) MP3にも関わらず、CD6006/PM6006(ノーマルモデル)で聞くWAVファイルよりも、さらに音が細やかで深みがあるように感じられる。重厚なグランドピアノの響き、艶がある伸びやかな平井堅の声、聞いていて本当に心地よい音で「The ROSE」が鳴った。 The ROSE (WAV) 空間に溶けて行く、ピアノの余韻。美しく切ない、平井堅の声。 ノーマルモデルで気になった、低音の膨らみや遅れが消えて、シンセサイザーの透明感が際立ってくる。 ボーカルの分離感、明瞭度もノーマルモデルよりも遙かに高い。 ノーマルモデル+Diamond10.1と変わらないクォリティーの音質で、FS20 Piano Blackがワイドレンジに鳴る。 Jupiter (WAV) ノーマルモデルでは、交響曲では音の細やかさや分離感が不足し、交響曲が十分なスケールで鳴らないが、AIRBOWカスタムモデルだと、交響曲が朗々と鳴る。楽音は細かく、細部まできれいに分離して聞き取れる。 低音の量感もたっぷりで、フォルテでは音が大きく広がる。十分な音質で、交響曲が存分に楽しめた。 It Might As Well Be Spring (WAV) ノーマルモデルでは、楽音の分離が甘く、ボーカルも前に出なかったが、AIRBOW カスタムモデルでは、それがきれいに分離する。伴奏はスピーカー後方に定位し、さらにその後方に響きが広がってゆく。ボーカルは口元がきりりと引き締まり、スピーカー中央から前に出てくる。小編成のジャズを聞くための、理想的な音場が形成される。 楽器の力強さが向上し、音楽が楽しく、大きく躍動するようになった。この音を聞けば、ノーマルには戻れない。 試聴後感想 スピーカーの能力が向上(Diamond10.1からFS20)したことで、アンプによる音の違いが大きく発現するようになります。ノーマルではやや膨らんで遅れていた低音は、遅れと膨らみが解消ししっかりと、より低いところからきれいに鳴るように変化します。 音がたくさん集まるところで、音が失速するように力が抜けていたところも、力が抜けずしっかりと鳴るようになります。 分離感も改善し、FS20の音が見違えるようによくなりました。ノーマルとは、全く違う音です。 試聴後感想 今回の聞き比べたセットのおすすめは「2モデル」です。 Wharfedale Diamond10.1とmarantz CD6006/PM6006のセットは、合計12万円という価格を遙かに超える透明できめ細かい音と、スピーカーのサイズを感じさせない豊かな低音を再現してくれました。Diamond10.1がしっかりと鳴り切る感じがとても心地よいシステムでした。交響曲のような複雑な音源にはさすがに対応できませんが、一般的な歌謡曲、室内楽、ジャズやロックには、十分以上の音質で対応します。12万円という価格は、頑張れば十分に手の届く範囲です。思い切ってこのセットを手に入れたときの感動は、その価格を大きく超えるでしょう。 audio-pro FS20 Piano BlackとAIRBOW CD6006 Live、PM6006 Liveのセットは、30万円という価格を大きく超え、100万円くらいのセットに肉薄するほどのワイドレンジできめ細かく、濁りのない音が出ます。このシステムであれば、交響曲もスケール豊かに楽しめますし、グランドピアノの重厚な音色、バスドラムやウッドベースの空気を揺らす感じも味わえます。一般家庭で、常識的な音量で音楽を楽しむなら、これ以上のシステムは不要と断言できるほどの能力を持っている、価値あるシステムです。30万円をオーディオセットに割くのは、結構勇気のいることかもしれません。けれど、10年以上素晴らしい音質で音楽を楽しめる事を思えば、そしてその音楽が豊かな時間をもたらしてくれることを思えば、その価格は十二分に価値があると感じていただけると思います。 2016年8月 逸品館代表 清原裕介 |
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