| CD(Multi-Bitモード、前日のテスト)
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X01Limitedより音がやや細やかで柔らかい。ヴォーカルの繊細さ立体感にもすぐれている。唇の濡れた感じが少し出てきて情緒感もX−01Limiteedよりも若干深い。
それでも、矢野顕子の声はまだ美しいというレベルには達していない。やっとふつうの歌手になったレベル。
ピアノの響きの成分は明らかに多くなっているが、まだグランドピアノの美し非響きを再現できているとはいえない。
X−01Limiteedで聞いていたピアノがアップライトだとすれば、X−01D2ではグランドピアノには昇格する。しかし、練習用グランドピアノ程度でコンサートグランドピアノの持つ豊かでリッチな響きまでには至らない。 |
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アタックの再現性も向上しているし、バランス感もよくなっている。しかし、やはり惚れ込めるまでには至らない。
確かに、X−01Limiteedよりも良くなっているが、電源ケーブルやインターコネクトの変更でもこれよりは大きな変化を体験できることがある。トレーの動作が変わり、ターンテーブルの材質もグレードアップされているようだけれど、思ったよりのその差は少ないというのが正直な感想だ。 |
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CD(1Bitモード)
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MULTI−BITに比べて音がなめらかになる。しかし、なぜか高域のピアノのビビリ音が非常に耳につく。ピアノの音には、確かに濁りやビビリ(不協和音)の成分は多いが、普段他のCDプレーヤーで聞くとこの音はこんなにも耳障りには聞こえない。高域に独特のリンギングを生じているのだろうか? |
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高域の輪郭感や切れ味は増したが、反作用として前後の奥行きが浅くなっている。音は明らかによくなったと感じられる部分はあり、情緒的にも深まった部分はあるのだが、なぜか安心して音楽に入れない。少しの違和感とどきどきするような不安感を感じる。たぶん、音源が近くなりすぎて聞こえるせいだろう。
虫眼鏡で拡大して、あるいは近くのものを望遠鏡でのぞいているような、そういう感覚と説明すれば伝わりやすいだろうか?あんまり長時間聞いていたくない音だ。 |
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CD(DSDモード)
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ヴォーカルとピアノのエッジがMULTI−BITとは、少し異なっている。声にすこし柔らかさと肉が付くが、贅肉のような感じで好ましくない。ピアノの音も太くなるが響きも太くなり、全体に大味なイメージ。細やかだけれど繊細ではない。情緒も出ているが深みはない。MULTI−BITと1BITの中間の傾向より、MULTI−BITに近い音。 |
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すでに4回連続で同じ曲を聴いているので、明らかに飽きてきている。本当にいい音なら、何度聞いても飽きてきたり、頭が痛くなってきたりしないのだが、X−01シリーズの音は、今回のシステムや私の本日の体調とは相性が悪いのかもしれない。何度も繰り返すように悪い音ではない。かといって、何回も繰り返して聞けるほどの音でもない。クォリティは高いのだが、どこか違っているようなイメージが消えない。ピアノのノイズ感は、このモードでも気になって仕方がない。ノイズが楽音に混ざらずに分離してしまう。本当のピアノでは、こんな音にはならない。ノイズがうまい隠し味になったり、ハーモニーにとけ込んでしまうからだ。楽器のノイズ成分が、楽音と喧嘩したら音楽が壊れてしまう。 |
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CD(Multi−Bitモード)
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X−01Limitedに比べて音がなめらかで落ち着いている。全般的に質感が高く静寂感を強く感じさせる静かな音だ。バックグランドのノイズが少ないので、音楽の細やかな表情もうまく出る。音像は、小さくまとまり後ろ側に展開する。
ヴォーカルのリップノイズも自然で誇張感が少ない。 |
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情報量という点ではX−01Limitedと大きな差はないが、深みという点ではかなりの差がある様に感じられる。この音質なら、十分にこのソフトを楽しめる。ピアノの響きも美しく、ヴォーカルとピアノのハーモニーも自然に解け合う。ピアノのビリ付きもあまり気にならない。X−01Limitedの音が「アクリル」ならX−01D2は「クリスタルガラス」という質感の差が感じられる。 |
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CD(1bitモード)
| 昨日とはうってかわって自然な音質。昨日の1BITでは、気になっていた高域のざらつきや若干の強調感がかなり消えている。ヴォーカルは滑らかで艶もある。 |
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X−01Limitedで感じた嫌な付帯音は、まだ少し残っているがそれはふつうの人は絶対に気がつかないと断言して差し支えのない非常に微少なレベル。
MULTI−BITに比べ、若干細部の解像度が低下している様に感じられるが、このソフトには1BITのなめらかさが合っているようだ。 |
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CD(DSDモード)
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1BITの音とにているが、さらに細部の細やかさがでている。質感もさらになめらかになる。MULTI−BITが木綿豆腐なら、DSDは最上級の絹越し豆腐で1BITは、その中間。3つのモードの差はそんなイメージだ。 |
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ROCKやJAZZ系のプログラムでパンチがほしいときにはMULTI−BIT、クラシックやスローなナンバーでなめらかさと質感がほしいときには、DSDと切り替えて使うとそれぞれの持ち味が生かされるように思う。若干のぱさつき感?完全にウェットにはならないドライさは残るものの、なかなか、心地よい音だと思う。 |
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SACD(Multi−Bitモード)
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X−01Limitedと比べて嫌な誇張感がほとんど感じられない。強いていえば若干の輪郭の誇張感は、あるのだけれどいい方向に音質にメリハリをつける方向に働いているが、UX−1SEと比べると音像が大きくヴォーカルの口も大きい。目の前で歌ってるというよりは、虫眼鏡でヴォーカルを拡大してのぞき込んでいる感じ。ピアノとの位置関係も不明瞭でお互いの空間がない。同一空間に音がぎゅーっと凝縮されている感じで悪くいうとヘッドホンのような音場感だ。 |
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総じてX−01Limitedよりも細かく、質感もSN感も高い。一つ一つの音がしっかりと見えるイメージでマイナーチェンジによる音質改善効果はハッキリと感じられる。オーディオ的かつ虫眼鏡的に音の細部まで見通したいと考えているオーディオマニアには、ある種たまらない音だろう。 |
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SACD(1Bitモード)
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MULTI−BITよりもさらに誇張感が少ないが、音場が平面的だ。個々の音の質感は非常に高く、上品な音だが空間表現という部分ではもの足りない。もちろん、不十分というわけではないが、もっと前後方向に音が広がった方が自然で心地はずだ。 |
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輪郭の誇張感が少ない分、なめらかで聞きやすいのだが、これ
といった魅力を感じられない。端正に鳴っている感じ。バックグラウンドのノイズ感は、MULTI−BITよりも多い感じ、静寂感はMULTI−BITの方があった様に思う。 |
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SACD(DSDモード)
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1BITにくらべて圧倒的にSN感が優れている。霞がかかっていた音がベールを剥がされたように透明度を増す。誇張感も少なく、自然な感じ。納得できる音だがMULTI−BITの「危ない音」も少し懐かしい。 |
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定位もDSDモードが一番よい。ヴォーカルとピアノの位置関係に空間が生じ、それぞれの音の空間が表現されるようになる。欲を言えば、前後方向の音の広がりはもう少し欲しいがこれでも問題はなく十分だ。整った自然な音。高額なCD・SACDプレーヤーとして支払う代価に見合うだけの音質を十分に持っていると感じさせられる。当たり前だが、CDと比べ音は明らかによくなっている。 |
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