SANYO LP-Z5 EPSON EMP-TW700 EMP-TW1000 MITSUBISHI HC5000 画質 比較 テスト 価格 販売

SANYO LP-Z5

EPSON EMP-TW700

MITSUBISHI LVP-HC5000

EPSON EMP-TW1000

液晶プロジェクター コストパフォーマンスモデル 徹底比較

実売20万円の価格帯で“1280×720画素の高精細度液晶パネル”と“レンズシフト+高倍率ズームレンズ”を搭載したSANYO LP-Z5とEPSON EMP-TW700このモデルは、「価格」、「画質」、「使い勝手」と3拍子揃った2007年冬のお薦め液晶プロジェクターです。

この「中堅機」に、実売30万円の価格帯で1920×1080画素のフルスペックハイビジョン対応パネルを搭載し年末新登場したEPSON EMP-TW1000とMITSUBISHI LVP-HC5000の2機種が2007年冬のお薦めプロジェクターの代表格です。

一番遅れて登場したEPSON EMP-TW1000を加えてこれらの4製品を一挙勢揃いさせ、それぞれの「画質」と「機能」を徹底比較しました。

はたして30万円クラスの液晶プロジェクターは、20万円クラスを「10万円分」越えているのか?実際にご覧下さいませ。

各プロジェクターの特徴

SANYO LP-Z5

「12ビットデジタル映像演算処理IC」搭載による深みのある映像再現性。

ツインアイリス搭載とランプ光量のコントロールを行うランプリアクトにより、コントラスト比10000:1を実現。

任意の色を「色相・レベル・ガンマ」で調整可能な3Dカラーマネジメント機能を搭載。お好みに合わせて効果的な色補正が可能。

2倍ズームレンズ&広範囲レンズシフト(上下最大3画面分(±1画面)、左右最大2画面分(±1/2画面))による優れた設置性を実現。

HDMI端子2系統搭載。

ファンの音がほとんど気にならない、静音設計 約22dBA。

レンズカバー不要の機能性とインテリア性を兼ね備えた、電動スライドシャッター装備。

交換ランプは、定価30,000円(税別)。LP-Z4と共通です。

EPSON EMP-TW700

投写映像の明るさを自動認識し、1/60秒単位で動作。シーンごとに最適な輝度とコントラスト比を維持しながら映像を自動調整を行う先進のオートアイリス(光学絞り機能)の搭載で、従来モデル(EMP-TW600、5000:1)に比べ大幅アップの10000:1という高いコントラスト比を実現。

高いコントラストを実現しながら、明るさは従来モデルと同じ 1600ANSIルーメンの高輝度を維持。

フルハイビジョンプロジェクター「EMP-TW1000」と同じ、大口径ガラス非球面レンズや低分散ガラス(ED)レンズの最適配置によって色収差などを減らした高解像度レンズを搭載。

交換ランプは 定価30,000円(税別)。EMP-TW600との互換はありません。

MITSUBISHI LVP-HC5000

フルHD1920×1080画素の解像度を有し、無電圧時に液晶分子が垂直に配向する方式(ノーマリーブラック)のため光が漏れにくく、美しい黒の表現と高コントラストを実現する新世代の液晶パネルC2FINETMを搭載。
新光学エンジンと相まってリアルなハイビジョン映像を再現します。

フルHDの解像度を忠実に再現するため、ガラスレンズに比べて高価で高性能なED(超低分散)レンズ3枚を含む14群17枚のレンズで構成した新光学エンジンを搭載し、色ずれを起こす色収差と周辺フォーカスを大幅に改善。

調整設置に便利な1.6倍電動ズーム/フォーカスに加えて、上下左右レンズシフトも電動としたことで使い勝手を向上しています。

ワイド100形投影時の短投写距離は3.1mを実現。

低騒音ファンと冷却構造の見直しにより、ファンノイズを低減し、業界初の20dBを切る19dBの静粛性を実現。

画像処理回路に新世代フル10ビットReon-VX採用で、高品位な映像を再現

交換ランプ(VLT-HC5000LP)も定価25,000円(税別)と他のプロジェクターより比較的安め。

EPSON EMP-TW1000

1920×1080画素の新世代液晶D6パネル『クリスタルクリアファイン(C2FINETM)(LVP-HC5000と同じパネルです)』を搭載。

 Ver.1.3に対応したHDMI端子を搭載。1080p入力にも対応。

  ランプから発せられる光から、高い純度の三原色を抽出するフィルタで、「EMP-TW1000」に合わせて最適化を図り「本当の色」を追求したホームプロジェクター専用光学エンジン『OptiFocus(オプティフォーカス)』を採用。

 独自開発の多重反射式高効率ランプ「E-TORL」により、高輝度1200ルーメンを達成

投写映像の明るさを自動認識し、1/60秒(フレーム周期)単位で動作する光学絞り機能(オートアイリス)を搭載。シーンごとに最適な輝度とコントラスト比を維持しながら、画質パラメーターを自動調整。変化する映像の中で暗部から明部までを的確に再現し、映像に自然な奥行きと立体感を与えます。クラス最高12000:1の高コントラスト比を実現。

新世代液晶D6パネル『クリスタルクリアファイン(C2FINETM)』の作り出すフルハイビジョンの高精細映像をスクリーン上で再現するために高解像度レンズを新規開発。大口径のガラス非球面レンズを含む2枚の非球面レンズと低分散ガラス(ED)レンズの最適配置により、色収差などを大幅に低減。同時に、非常に高い解像力を実現し、フルハイビジョンの高精細映像を隅々までクリアに再現。

480iから1080pまですべての入力信号に対して10bit処理が可能なフル10bit処理のA/Dコンバーターを搭載。解像感の向上した見通しの良い映像を実現。

上下方向にそれぞれ96%(約1画面分)、左右方向にそれぞれ47%(約1/2画面分)のシフト幅を持つ『レンズシフト』機能を搭載。広範囲な画面移動を可能にしています。

交換ランプ(ELPLP39)は 定価30,000円(税別)。EMP-TW700と共通です。

ランプ寿命は、カタログやメーカーのホームページにも記載がありませんが、いずれのモデルも約4000時間前後と比較的長いと思われます。※ランプ寿命は、ランプの個体差に大きく左右されるためあくまでも目安とお考え下さい。

外観の比較と概要

SANYO LP-Z5
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メーカー標準価格 ¥280,000(税別)

EPSON EMP-TW700
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メーカー標準価格 OPEN

LP-Z4は両サイドパネルが濃いシルバー色で本体と色分けしていましたがLP-Z5では本体と同色になりシンプルなイメージになりました。本体上面操作ボタンも基本的な所は変わらず遠目からはZ4かZ5なのか判別がつきません。

EMP-TW700はスクエアーなLP-Z5とは対照的に丸みを帯びた凝ったデザインでEMP-TW600では本体のレンズ周辺がえぐれた形から、EMP-TW700では逆に張り出した形でレンズレンズ鏡筒も太くなり高級感が増したデザインです。

MITSUBISHI LVP-HC5000
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メーカー標準価格 OPEN

EPSON EMP-TW1000
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メーカー標準価格 OPEN

フルスペック機は最近発売されている物が大きめのボディが多く デザイン的にも大きなイメージがありましたが、売れ筋モデルの 1280×720パネル機とほぼ同様のサイズに作られています。 レンズ保護キャップは大型でカバーをしたときレンズに直接当 たらないので投影位置やピントがずれるのを防ぎます。

EMP-TW1000はTW700と同じボディーが採用されています。外見の違いはフロントパネル部の色でEMP-TW1000は銀色ですがEMP-TW700はボディ全体が白色で統一されています。
色彩の違いのせいか、TW700では感じた高級感がTW1000では、少し物足りない感じがしました。

リモコンの比較

左から、SANYO LP-Z5、EPSON EMP-TW700/EMP-TW1000、MITSUBISHI LVP-HC5000

EPSONのリモコンはTW1000とTW700共通です。

サイズには違いがありますが、すべてライトアップリモコンで暗いシアターでも問題なく操作が可能です。

使い勝手はほぼ同等ですが、電源ボタンの操作性に違いがあります。

SANYOのリモコンは電源ボタンが1個ですが、EPSONとMITSUBISHIは電源ボタンはオンとオフの2個となっています。

電源ボタンが1個だと誤って2度押しした時に再び電源が入ることがありますが、 オフボタンがあることで確実に操作ができます。

その他の特徴

 

画素数とパネルサイズについて

LP-Z5 EMP-TW700は、ホームシアター専用720p(1280×768画素)の液晶パネル「D5」を搭載しています。

LVP-HC5000/EMP-TW1000は、720pの2倍以上の画素数を持つ新世代液晶パネル「クリスタルクリアファイン(C2FINETM)」(1920×1080画素)が搭載されています。

明るさについて

高輝度モードのスペックで比較するとEPSON EMP-TW700が1600ルーメンと一番明るく、他の製品よりも400ルーメンほど上回りますが、実際のDVDの映画再生では、それほど差がなく感じられ、数字ほどの差は実感できませんでした。

コントラスト比について

コントラスト比につきましては、他ページでも書いていますが、スクリーンに投射した映像の光がスクリーンで反射して、部屋を明るくしてしまうため、スクリーンのブラックレベル(一番暗い部分の明るさ)がゼロにならず、実際にプロジェクターを使用する時の現実的なコントラスト比は1000:1を大きく下回るため、スペック的には2000:1以上あれば十分です。それほど前のモデルは7000:1でしたが10000:1になって飛躍的に画像は上がっていません。むしろあまり変わらない印象です。

投影距離について

LP-Z5  2倍ズーム、EMP-TW700/EMP-TW1000が2.1倍ズーム、LVP-HC5000が1.6倍ズーム搭載ですが、LP-Z5がやや投射距離が短か目で、近距離で大画面が実現します、

全ての機種にレンズシフトが搭載されており、スクリーンセンターから外れた位置にプロジェクターを設置可能です。
レンズシフト量はLP-Z5が一番大きく、LVP-HC5000は横方向のレンズシフト量はわずかです。

ランプ出力、消費電力、外形寸法などについて

各機種共に消費電力にほとんど差はありません。SANYO LP-Z5のみ消費電力は変わらず明るさが100ルーメン明るくなりました。

主なスペックの比較

モデル
クリックでメーカー
HPにリンク
メーカー
標準価格
画素数 パネル
サイズ
明るさ
最大輝度
ランプ
出力
コントラスト
ワイド100
投影距離
デジタル
入力
アナログ
入力
外形寸法
(mm)
質量
消費電力

LP-Z5

28万円 1280*720 0.7" 1100 145W 10000:1 3.0-6.1 HDMI*2 3RCA*2
D*1
W382
H128.6
D304.3
210W
5Kg

EMP-TW700

OPEN 1280*720 0.7" 1600 170W 10000:1 3.2-6.7 HDMI*1 3RCA*1
D*1
W406
H124
D310
245W
5Kg

LVP-HC5000

OPEN 1920*1080 0.74" 1000 160W 10000:1 3.1-5.0 HDMI*1
DVI-D*1
3RCA*1 W334
H125
D352
250W
5.6Kg

EMP-TW1000

OPEN 1920*1080 0.74" 1200 170W 12000:1 3.2-6.3 HDMI*1 3RCA*1 W409
H124
D310
245W
5.6Kg

100インチ以外のスクリーンをお使いの場合の投影距離の計算方法

信号入力数と画質メモリー機能の比較

プロジェクターは組み合わせるスクリーンや部屋の明るさに応じて明るさやコントラスト、色合いなどの調整が必要です。また、スクリーンはもちろんソフトなどによって微妙に異なる色合いやランプの使用時間で変わってしまう「ランプの色」を補正して投射する画質の色合いを正確に合わせるためには「RGBが独立した色の調整機能」があると調整時に便利です。

モデル

信号種別

入力数

メモリー数

入力端子部

LP-Z5

S

1

4

現在のハイビジョン対応シアタープロジェクターは、HDMI/D-sub15ピン/コンポーネント/D端子/S端子/コンポジットの6タイプの入力を装備するのが一般的です。

EMP-TW700・EMP-TW1000・LVP-HC5000・EMP-TW1000はそれに準じた仕様です。

LVP-HC5000にはそれらに加え、ハイエンドDVDプレーヤーやPCに多いDVI-D端子も装備されています。

LP-Z5は、高級プロジェクター並に1080pの入力に対応するHDMI端子が2系統装備されています。DVDプレーヤーとDVDレコーダーあるいはDVDプレーヤーとCATV(TV)チューナーなど2系統のデジタル高画質映像ソースをセレクターでの切り替えなしに、ロスなく直接接続できるのは便利です。

コンポーネント

1 4

HDMI

2

4×2

EMP-TW700

S

1

9

コンポーネント

1 9

HDMI

1 9

LVP-HC5000

S

1

3

コンポーネント

 1 3

DVI-D
(HDCP対応)

 1 3
HDMI  1 3

EMP-TW1000

S

 1

9

コンポーネント

 1 9

HDMI

 1 9

入力信号の種類と画質調整機能の対応、1080P対応の比較

細やかな画質調整機能やメモリーが搭載されていても、プロジェクターによっては、「入力信号」により「使える機能」が限定されることがあります。重要なことだと思うのですが、なぜかほとんどのメーカーのHPには記載されてません。そこで、実際にプロジェクターを動かして、入力信号別に使える画質調整機能とメモリーの数の詳細を一覧表にしてみました。さらに、高画質プロジェクターには欠かせない「1080p信号」が投射できるかどうかもチェックしましたが、さすがにこのクラスの最新モデルは、全機種対応していました。

モデル 信号の種類




































1
0
8
0
P

備考、その他
LP-Z5

S

LP−Z5のメーカープリセット映像モードは、クリエイティブシネマ/ピュアシネマ/ナチュラル/リビング/ダイナミック/ビビットに「ブリリアントシネマ」が加わった合計7パターンとなっています。

ブリリアントシネマ・モードは、LP-Z4ではEPSONに負けていた?「明るさ」を補うため、明るい部屋でも見栄えがするメリハリのある画像を実現したものです。

コンポーネント

HDMI

EMP-TW700

S

メーカープリセット映像モードは、ダイナミック/リビング/ナチュラル/シアター/シアター・ブラック1/シアター・ブラック2の6パターンが搭載されています。

余談ですが、メニュー画面のプリセット表記がLP-Z5と正反対になっているのは、EMP-TW700がLP-Z5とライバル関係なので「わざとそうしている」のかもしれません。

コンポーネント

HDMI

LVP-HC5000

S

メーカープリセット映像モードは、AUTO/スポーツ/ビデオ/シネマと4パターンで他の3機種と比べるとシンプルな構成に感じられました。

コンポーネント

DVI−D

HDMI

EMP-TW1000

S

メーカープリセット映像モードは、EMP-TW700と同じダイナミック・ナチュラル・リビング・シアター・シアターブラック1・シアターブラック2の6パータンです。

コンポーネント

HDMI

メニュー画面の比較

標準の画質調整メニュー画面と、詳細画質調整メニュー画面を撮影しました。モデルによっては入力信号別に詳細画質調整メニュー画面が少し異なることがありますので使い勝手の参考程度にご覧下さい。

LP-Z5

Z4にはなかったブリリアントシネマが追加されています。
明るくメリハリのある画像はリビング等の明るめの部屋を考慮したものです。

少し前のプロジェクターでは入力の種類によっては色合いや色の濃さの機能が使えない機器が目立ちましたが、最新モデルはほとんど使えるようになっています。

各画像コントロールと詳細な調整がおこなえるアドバンスドメニューがあります。
アドバンスドメニューを使うには、あらかじめセッティングメニューで機能をオンにしておく必要があります。

EMP-TW700

EPSONのメニュー画面は白黒でやや事務的な印象です。
メーカープリセット表記の順番がLP-Z5とは反対になっています。

6軸カラー調整(RGBと補色系のC/シアン、M/マゼンダ、Y/イエローでの調整が可能)は、初心者にはわかりにくいかもしれません。

ホワイトバランスとガンマ調整機能が搭載されていますが、使いこなすためにはかなり高度な知識を要求されます。専門家でも調整が難しく、さわると訳が分からなくなるだけに動かさない方が無難です。

LVP-HC5000

マランツのフルスペックモデルVP-11S1でも感じたことですが、メーニュー画面を構成する「画素数/ドット数」が下位モデル(LVP-HC3100)と同じなので、画面全体の画素数1280×720→1920×1080の増加に反比例してメニュー画面がサイズ比で66%に縮小されています。
さすがにこのサイズでは小さすぎて見ずらいので、フルスペックモデル用に画素数を増やしたメニュー画面を用意すべきです。

メーカープリセット映像モード(ガンマプリセットモード)は、AUTO/スポーツ/ビデオ/シネマの4つと2パターン登録可能のユーザーモードが加わった合計5パターンです。

LP-Z5やEMP-TW700に新たに搭載された、初心者にも視覚的分かりやすい細かな画像設定は採用されていません。
D-SUB15pinへの入力信号は、解像度に関係なく720p,1080i,1080pのすべての信号に各種ノイズリダクション(TRNR・MNR・BAR)は機能しなくなります。

 

EMP-TW1000

メニュー画面は、EMP-TW700と同じです。
LVP-HC5000と違って、メニュー画面は縮小されず、EMP-TW700と同じサイズで表示されます。

EMP-TW700と同じ。

EMP-TW700と同じ。

筐体からの光漏れとファンノイズを比較

部屋を暗くしても、プロジェクターのボディーから光が漏れては「洒落」になりません。ボディーを小さくしたり、コストを下げると冷却方式にお金がかけられないので「光漏れ対策」がお留守になることがあります。プロジェクターを実際に投影し、ボディーからの光漏れの量を調べてみました。

LP-Z5 

EMP-TW700

クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。

ランプモード (Hi) 、 (Lo

クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。

ランプモード (Hi) 、 (Lo

LVP-HC5000

EMP-TW1000

クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。

ランプモード (Hi) 、 (Lo

クリックするとファンノイズがお聞き頂けます。

ランプモード (Hi) 、 (Lo

画質を比較

実写画像をデジカメで撮影して比較しました。DVDプレーヤーは、AIBROW DV9500/Specialを使用し、1080iで出力、HDMIで接続しています。プロジェクターの設定は、プリセットされたいくつかのモードの中できれいだと判断できるモードを使用し、画質調整は行わずデフォルト(工場出荷地)で撮影を行いました。
(今回視聴したEMP-TW1000は汎用の段ボール箱に入ったデモ機で最終調整は完了していない様です。従来のエプソン画質とTW700と比べてもかなり色合等の開きが感じられました。)

■グレースケール

LP-Z5

EMP-TW700

階調は共に白よりのバランスです。EMP-TW700がより明るめのバランスです。  

LVP-HC5000

EMP-TW1000

黒よりのグレイの濃いめの階調です、ムラやノイズの少ないなめらかな画像です。

全体に青っぽく再現しています。

■カラーバー

LP-Z5

EMP-TW700

液晶プロジェクターは全体的に派手な発色傾向ですがLP-Z5は控えめです。

色温度がやや高く、色合いが明るめなのが分かります。

LVP-HC5000

EMP-TW1000

発色は全体に深みのある落ち着いた感じで、にじみも少なめです。 撮影画像ではわかりにくいですが、映像の密度感が高い感じがします。

イエローが黄緑色ぽくなっています。シアタモードですが青みの強い画像がうかがえます。

■ジュラシックパーク(DTSデモソフトより)

LP-Z5

EMP-TW700

映画らしく渋めの画像再現です、従来液晶プロジェクターでは、発色を控えめにするとコントラストの強い堅い感じになり質感が損なわれてしまうことが多いのですがLP-Z5は、バランス良くまとめています。

全体に原色が鮮やか目の濃い画像です。見た目は綺麗に見えますが、少し派で目で中間調が乏しく、フィルム調ではなくTV調の画像再現です。
他と比較するとよく分かります。

LVP-HC5000

EMP-TW1000

シネマモードで撮影しましたが、他のプロジェクターとプリセットされているガンマ値が違うためか、ビデオモードと あまり変わらない画像となりました。全体的には、TV調の映画画像で、LP-Z5ではプリリアントシネマ、EMP-TW700ではシアターモードに 近い画像です。
LVP-HC5000は必要以上に派手にならない印象です。

グリーンの強めな画像です。これでは、緑がかっていた」と悪口を言われた、EPSONの2世代前の画像傾向と同じです。
テスト機は、最終プロダクションモデルの「試作機」なので、発売までには当然このあたりは「プリセット値の見直し」という形で修正されると考えて良いでしょう。
※修正されなければ困ります。

■桜(DVD)

LP-Z5

EMP-TW700

映画画像はコントラストをやや抑えた画像に見えましたが、DVDを投射した映像は、EMP-TW700よりもハッキリした印象です。

空の色が、実際よりも「より青く」再現され、やや強調感のある不自然な映像です。花びらの柔らかな質感は、明らかにLP-Z5が勝っています。

LVP-HC5000

EMP-TW1000

画素の多さが画質に表れ、明らかにきめ細かさの違いが確認できます。

色合いにも優れ、密度感の高い良くできた映像ですが、DLPと比べると「透明度」や「奥行き感」に差があるのは否めません。一般使用では問題ないでしょうが、マニアの目には、これが現時点での液晶の限界なのかも知れません。

リビングモードでも確認してみましたが、派手目で原色が目立つバランスの悪い映像でした。

製品化までに改善されることを望みます。

桜(ハイビジョン)

LP-Z5

EMP-TW700

DVDの画像と同じ傾向ですが、ハイビジョンは情報量が多いために両機の細かな表情の差がよりハッキリと分かります。

LVP-HC5000

EMP-TW1000

ハイビジョン画像では解像度の違いがよりハッキリと分かります。きめ細かで滑らかさも十分です。
ハイビジョン映像ソースは、液晶のクッキリ感との相性に優れているようです。

HC5000のように、切れの良い解像感ではなく、ややソフトな印象でTW700と解像感は変わらなく感じます。
同じパネル(しかもEPSON製)を搭載しているのに、違いが大きすぎます。

まとめ

最新の液晶プロジェクターは、着実に進化を遂げた実力機揃いですが、メーカーのコンセプトにより投射される画像には「ハッキリとした違い」があります。
ご覧になる映像ソース(DVD、ハイビジョンなど)の違いとプロジェクターの設置の自由度でお選び下さい。


●LP-Z5
LP-Z4と比べ発色が大人しくなり、解像感を全面に出した絵作りからきめ細かで滑らかな映像になっています。 これはアドバンスモードで好みの映像が再現できるため、あえてフラットな絵作りにしたと考えられます。
LP-Z4同様のメリハリのある鮮やかな画像も簡単に再現できます。映画を中心とした再生なら落ち着いた画像で質感の良いLP-Z5が使いやすく思います。
画質も優れていますが、設置の自由度が高くどんなところにでも設置できるのがLP−Z5が選ばれる一番の大きな理由です。

 

●EMP-TW700
クラス最高の明るさは、シリーズを通してのセールスポイントです。明るさを優先した事でLP−Z5よりも映像の質感は損なわれますが、明るい部屋でTVのスポーツ中継やTV番組の視聴などでは、確実に威力を発揮します。
投影距離はやや長めの設定ですが1600ルーメンの明るい画像は、画面を大きくしたときにも暗くなりにくく店舗等でスポーツ中継等を上映されるのにも適しています。
DLP機と比較するとフイルム的な質感には不利ですが、縦横レンズシフトと2倍ズームレンズの搭載で設置性の自由度が高く部屋や場所の制限を受けない所も魅力です。

 

●LVP-HC5000
当初「三菱」から液晶方式でフルスペックハイビジョンが出ると聞いた時は「なんでDLPじゃないの?」 と思ったのですが、この画質なら納得です。発色に液晶特有の誇張感がありますが、それを上手く生かした絵作りは、TVライクな印象で 映画もTV放送の映画を大きくしたようなイメージに映ります。
ワンランク下位クラスのLP-Z5やEMP-TW700でも映像にはほとんど不満を感じませんが、LVP-HC5000と見比べてしまうと画面の密度感や押しの弱さを感じられるほど「上位機種」ということをハッキリ意識できる高画質が実現しています。特にハイビジョンTV放送の高精細を求めるならLVP-HC5000を選ばれる方が良いでしょう。
黒の階調は浅めですが、うまく違和感の少ない見せ方をしているので見比べない限り気になることはありませんが、やはりDLP機のそれと比べると黒色の沈みのは液晶プロジェクター方式の特性限界が感じられます。本格的に映画画質と自然な発色を求められるなら、やはりDLP方式のハイビジョンプロジェクターを購入すべきでしょう。
LVP-HC5000のファンノイズの静粛性は、今までのプロジェクターでは考えられない静かさです。この静けさだけでも 「十分買い」と言ってもよいほどの衝撃的なローノイズを実現しています。

 

●EMP-TW1000
残念ながら試聴機のコンディションが良くない為、画質の判断ができない状態ですが、傾向的には下位モデルEMP-TW700と同じエプソン得意の明るさを優先したTV調の画像を目差しているように感じられます。
フルスペックハイビジョンパネルの高精細度を生かすためにも、明るい大画面が得られる高輝度が実現するのは嬉しいことです。実現すれば、プロジェクターでしか実現しない「巨大画面」を明るい部屋で観るのに最も適した製品になるでしょう。
LVP-HC5000よりレンズシフトの調整範囲、ズーム比共に大きく、フルスペックパネルの搭載製品で置き場所の制約の少ないモデルを狙うとすれば、EMP-TW1000になるでしょう。


今回のテストからもお解りいただけるように、デジタルハイビジョン放送や今後普及するHD-DVD及びブルーレイの高画質を楽しむには、1920×1080画素のフルスペックパネルの搭載モデルが精細感の再現に優れ相性がよくお薦めです。

液晶方式とDLP方式それぞれのフルスペックパネル搭載機の価格を比べると、現状では2倍以上の大きな開きがあり、コストパフォーマンスという点でフルスペックパネル搭載プロジェクターを選ぶとすれば、今回テストした液晶方式のプロジェクターがかなり有利です。これが、三菱がフルスペックを液晶方式で発売したもっも大きな理由に間違いないでしょう。

しかし、ハイビジョンといっても1080pや1080iという最高画質のソースはまだまだ少なく、DVDソフトや720p以下のハイビジョンソースなら、1280×720画素のモデルとの画質差は、さほど大きくありません。また、1280×720画素のパネルを搭載したクラスのDLP方式と液晶方式のプロジェクターの価格差を比べると、フルスペックパネル搭載クラスとはまったく事情が違って、その差がほとんどありません。

さらに、ソースを「映画」に限定するなら、DLP方式のプロジェクターが色合いの鮮やかさ、画面の透明度、奥行き感などの点で液晶方式を大きく凌ぐため、DLP最大の欠点である「色割れ/カラーブレーキング」が気にならなければ、DLP方式のプロジェクターを検討なさることをお薦めいたします。

ただし、DLPプロジェクターと同じ価格帯とは言え、LP-Z5やEMP-TW700には「レンズシフトと高倍率ズームレンズ」が搭載されています。そのため設置の利便性が大きく手軽にきれいな画像をお求めの方に最適な製品となっています。

同じ機構がDLPに採用されないのは、コストが高く付くからです。つまりコストを「画質」に振ったのがDLPプロジェクターで「利便性」に向けたのが液晶プロジェクターとお考えいただければ、このクラス帯のモデルの価格差が小さいことに納得いただけると思います。

以上の点を参考に、御予算とご使用用途で「お客様にあったプロジェクター」をお選びください。

 

※デジカメの撮影による比較は、カメラの癖やプロジェクターとデジカメの相性などにより実際に見た感じをそのまま反映しているとは言い切れないことがあります。購入前には、実際に店頭にて画像をご覧頂きますようお願い申し上げます。
※他店やWEB最安値での購入を前提になさる「ひやかしさん」は、このページを参考にされるのはかまいませんが、メールや電話などによる弊社へのお問い合わせは、一切お断りいたします。

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リポート掲載日:2006年12月