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Esoteric (エソテリック)N-05 USB/LAN 入力 音質比較試聴テスト AIRBOW (エアボウ) K05X Ultimate USB入力 音質比較試聴テスト Esoteric N-05 メーカー希望小売価格 550,000円
Esoteric N-05の概要
試聴環境 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) AIRBOW PM11 S3 Ultimate (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) 試聴は、スピーカーにVienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)、アンプにAIRBOW PMA11S3 Ultimateを組み合わせて行いました。試聴前にN-05、K05X Ultimateは約2時間のウォーミングアップを行っています。 試聴したソフトは、CDをリッピングした5つのWAVと、PCM 88.2kHz/24bitのハイレゾファイル、DSD 2.8MHzのDSDファイルです。
さらに今回は、USBとLANの入力よる音質をチェックするため、IO DATAのFidata(HFS1-S10)と、AIRBOW MSS-i3 MsHD 6.7を使ってそれぞれを聞き比べました。 IO DATA Fidata HFSA1-S10 メーカー希望小売価格 370,000(税別)
AIRBOW MSS-i3 MsHD 6.7
IO DATA Fidata HFS1-S10 1TB/SSD(詳しくはこちら)
AIRBOW MSS-i3 MsHD6.7 MsHD6.7 i5 4GB 1TB/HDD(詳しくはこちら)
Fidata(HFS1-S10) 内蔵ドライバー による音質評価(USBケーブルは、Wireworld
Violet6を使用) せせらぎ セレナード モナリザ 500Miles 新世界より What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) このソフトでも同様に、ある一定以下の小さな音が再現されていないから、ライブ会場の「雰囲気」や「空気感」が伝わってこない。ただし、「聞こえる音」としては、十分に出ているので、S/Nの優れない環境(例えば店頭)や、音量を上げてしまえば、その欠点は露呈しなくなるだろう。 楽器と楽器の空間はやや狭いが、バスドラムの音も良く出るし、ブラシワークの変化もわかりやすい。 夜道の手袋(DSD/2.8MHz) What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit)でも感じたのだが、FidataはCDリップとハイレゾ、DSDのファイルの音の違いをほとんど反映しない。やはり、Fidata側に音質の限界があるのだろう。
Fidata(HFS1-S10) Esoteric N-05 ネットワーク接続 による音質評価(LANケーブルは、audioquest RJ-45Gを使用) せせらぎ セレナード モナリザ 500Miles 新世界より What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) たぶん、聞こえない音、雰囲気として伝わるような音の細かさが、完全に再現されていないからだと思う。 夜道の手袋(DSD/2.8MHz) ボーカルは、聞こえる範囲内で良くなるが、高域の伸びは明らかにUSB接続に劣っている。 試聴後感想
MSS-i3 MsHD6.7 Esoteric N-05 ネットワーク接続 による音質評価(LANケーブルは、audioquest RJ-45Gを使用) ※Fidata(HFS1-S10は、USB接続→LAN接続と聞き比べましたが、MSS-i3はFidataとの違いをより明確に把握するため、LAN接続→USB接続の順で聞きました) せせらぎ なかでも一番大きな違いを感じるのは、水の音だ。Fidataでは「再生されている水の音」に聞こえたせせらぎが「目の前を流れている清流そのもの」に感じられる。絨毯が濡れてしまいそうな錯覚を起こし、ハッとするほどだ。 Esoteric N-05とTEAC UD-503の違いが音質に如実に反映され、当然TEAC UD503には戻れなくなる。 セレナード サーバーをFidata(HFS1-S10)からAIRBOW
MSS-i3 MsHDに変えたことで、をサーバーとして使っているときの音は「どこか緩かった」のだが、その欠点が払拭され「きちんと角の立った音」が聞こえる。 500Miles Fidataの試聴では「聞こえる音」だけを追っていたから、分からなかったのだろう。MSS-i3を聞いて、重要なのは「身体全体に伝わる雰囲気の濃さ」だと分かる。 新世界より What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) 音楽が「音」だけではなく、「音の変化で何かを伝える芸術」だとい理解できる音が出る。 Fidataでは生徒の練習だった演奏が、プロの本番演奏に格上げされた雰囲気だ。 夜道の手袋(DSD/2.8MHz) AIRBOW MSS-i3 MsHD6.7 内蔵ドライバーとHQ Player による音質評価(USBケーブルは、Wireworld Violet6を使用) HQ Playerは「minimum FIRフィルター」、「88.2kHz」、「24bit」に設定し、リアルタイムでオーバサンプリングを行い、N-05は、オーバーサンプリング、デジタルフィルタ−、共に「なし」に設定しています。 せせらぎ セレナード バイオリンの音は切れ味が良く、切ない感じが良く出てくる。チェロは連続した鳴り方で、旋律を安定させ、バイオリンを後から支える。楽器が奏でるハーモニーの構造が聞き取れ、1つの主題に向けて演奏が行われていることが伝わる。 モナリザ 500Miles 新世界より What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) 夜道の手袋(DSD/2.8MHz) 試聴後感想 AIRBOW K05X Ultimate 販売価格 680,000円(税込み) ・ ノーマルからのバージョンアップ 200,000円(税込)
K05X Ultimateの概要
ディスクメディア(CD/SACD)もネットワークで配信される音楽も、どちらも最高の音質で楽しみたい。そのおの望みを叶えるのがK05X Ultimateです。
Esotericの上級モデルが搭載するVRDSメカニズムは、CDディスクよりも遙かに重い「ターンテーブル」を素早く加速・減速させるため、通常のCDプレーヤーよりも遙かに「トルクの大きな」が駆動系に使われます。大型モーターの消費電力は非常に大きく、モーター作動時の電気回路への悪影響が避けられません。この問題に対処するためEsotericの上級モデルは、メカニズム専用の大型電源トランスを搭載します。上級モデルK01Xは、4個の電源トランスを搭載し約31kgとCDプレーヤーとは思えない重量があります。 K05Xには電源トランスが1個しか搭載されず、重量も約14kgとK01Xの半分以下でしかありません。1つのトランスからすべての電力を供給するK05Xの電源は、タコ足配線のような状態になっています。本来なら電子回路へ供給されるべき電力が、モーターに横取りされてしまうために、電子回路への電源供給が不十分になり、音の滑らかさや広がり、表現の深さが殺がれています。 AIRBOWはこの問題に対処するため、K05X Ultimateのモーター駆動用電源回路と電子回路電源回路の容量を大幅に増加しました。この措置により、K05X Ultimateの低音の量感や厚み、中高音の滑らかさは上級モデルK01Xに近づきました。
K05Xのデジタル回路には、「セラミックコンデンサー」が多く使われています。これは「セラミックコンデンサー」が通常の電解コンデンサーとは違って高周波帯域の交流抵抗値が低いからですが、「圧電素子」のセラミックは、電流が流れる時に発生する振動で電流を発生し「リンギング・ノイズ」を発生します。リンギング・ノイズが発生すると、音楽的には楽器の高域の隈取りが強くなり、高域が硬くなる、高域の見通しが悪くなる、などの現象が発生します。 AIRBOWはこの問題に対応するため、電気回路の不要振動を吸収するための「ダンパー」のような仕組みをK05 Ultimateの電気回路に組み込み、リンギングの発生を抑えました。さらに高周波を発生する大型ICへのノイズ対策も行いました。この措置により、K05 Ultimateの高音の滑らかさやきめ細やかさ、音の広がり感は大幅に向上し、上級モデルK01Xに近づきました。また、高域が自然に伸びるようになったことで、K05Xでは響きが残りやや膨らみがちであった低音がしっかりと止まるようになりました。
EsotericはCDプレーヤーのアナログ回路に、「オペアンプ」と呼ばれるICを使います。そうすることで回路設計がコンパクトになり、音の鮮度が向上するためですが、上級モデルGrandiosoの出力回路にもオペアンプは使われています。K05X Ultimateは、このICを交換することで回路そのもののグレードを大幅に改善する事に成功しています(Grandiosoに使われているのと同一のオペアンプも試しましたが、それよりも相性の良かった大量にストックしているPhilipsの生産完了オペアンプを使いました)。 さらに音声が通過する部分のパーツを大幅にグレードアップし、アナログ回路の電源強化も実施したK05X Ultimateのアナログ出力回路の性能は、K01Xを超え上級モデルGrandiosoに迫るほどです。
妥協を許さない改良を加えたK05X Ultimateの改良箇所は、70箇所に及びました。
10MHzクロック入力を備える、K05 Ultimateにお薦めのクロックジェネレーターは「AIRBOW GPS-10MH」です。GPSアンテナを設置できる条件下で、GPS-10MHは最高±0.01ppbのルビジウムクロックジェネレターに相当する高精度なクロックを発信し、K05X Ultimateの性能をワンランク以上引き上げます。
USB入力に「AIRBOW MSS/MSP Series」を組み合わせて使うことで、K05X Ultimateは同一CDを内蔵VRDSメカで再生する場合よりも、さらに高音質を発揮します。これは電源容量的に問題となる、VRDSメカニズムからの悪影響が完全に遮断されるためです。CDをリップしたWAVデーターの再生でK05X Ultimateは、内蔵VRDSメカニズムによるCD再生を超える高音質を発揮します。
本体とトレイ上部中央(クロムカラー)とリモコン(ブラッククロムカラー)にオーナメント・バッチを追加しました。
K05
Ultimateには様々な動作モードが搭載されていますが、AIRBOWの推奨は下記の表の通りです。本機の音質を最大に引き出すために設定変更を行ってくださいますようお願いいたします。
AIRBOW MSS-i3 MsHD6.7 内蔵ドライバーとHQ Player による音質評価(USBケーブルは、Wireworld Violet6を使用) HQ Playerは「minimum FIRフィルター」、「88.2kHz」、「24bit」に設定し、リアルタイムでオーバサンプリングを行い、K-05X Ultimateは、オーバーサンプリング、デジタルフィルタ−、共に「なし」に設定しています。 せせらぎ 音質や雰囲気は甲乙付けがたい。 セレナード モナリザ 500Miles 新世界より What a Wonderful World.(88.2KHz /24bit) 夜道の手袋(DSD/2.8MHz) 試聴後感想 今回聞き比べた中では、Esoteric N-05にAIRBOW MSS-i5 MsHD3.7を繋いだ場合が最も「高音質」でしたが、音楽を聞くのであれば、私は迷わずAIRBOW K05X UltimateにAIRBOW MSS-i3 MsHD6.7をUSB接続するシステムを選びます。 音の出始めは、N05+LANがすごいと思いました。しかし、じっくりと聞き込めば、K05X Ultimate+USB接続のより深い味わいに引かれます。それぞれの音の違いは、音質と表現力の違い、そういうふうに感じました。 K05X Ultimate+MSS-i3 MsHDは、TAD D600を聞いた時とほとんど変わらない驚きを私にもたらしました。歴代AIRBOWモデルでは、UX1 Supreme Emotionが完成したときに匹敵するほどの驚きすら感じます。 すべての試聴レポートを書き終わって、昨日からずっと「K05X Ultimate+USB接続(MSS-i3 MShd 6.7/HQ Player)」をきいています。 文章の作成で疲れた頭を休めるために、昨日は「パトリック・ガロアのフルート」を聴きました。彼の録音しているソフトの多くは、実に自然な空間イメージで収録されていて、良い装置で再生すると「目の前でコンサートが行われているように」聞こえからです。AIRBOW K05X Ultimate+MSS-i3 MsHD 6.7USB接続で聞いている音はまさしくそういう音です。難解な文章を打ち込みながら、彼の奏でるフルートの音色の優しさに心の底から癒されました。 そして一夜明けた今日、打ち込んだ文章をまとめながらこのページを作成しています。ディスクの回転による「揺らぎ」から解放されたとき、オーディオ機器はまた新しい「音楽」を聞かせてくれます。 今日はビンテッジのジャズを聞きながら、オーディオがあって良かった。職場によい音楽があって良かった。心からそう感じています。 2016年5月 逸品館代表 清原裕介 |
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