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Esoteric エソテリック P-05X/D-05X CEC TL3 3.0 CDプレーヤー、トランスポーター 音質 比較 評価 レビュー 試聴ネットワークプレーヤー 、 オーディオ専用NAS 音質比較テスト I/O DATA fidata HFAS1-H40 AIRBOW(エアボウ) N05 Ultimate 、 MNP-i5 Roon 逸品館では、黎明期にある「ネットワークプレーヤーの世界」をリードするために、様々な実験や研究を重ねた経験から「ネットワークプレーヤーの音質を引き出すためには、組み合わせるPCやNASの音質が最重要である」と考えています。少し前には、「ネットワークプレーヤー PIONEER N-70AEの音質テストレポート」を掲載誌、Windows PCとMac、さらには再生アプリVNCとHQ Playerの音質の違いをお伝えしました。 今回は、Esoteric N-01とAIRBOW N-05 Ultimateの音質比較と、Esotericがデモンストレーションのために用意している高音質NAS「I/O DATA fidata HFAS1-H40」とAIRBOWの高音質ミュージックPC「MNP-i5 Roon」の音質比較を行いました。 2017年8月発売のEsotericの”N-01”は、AKM歴代最高性能(2017年7月)のAK4497を搭載する、Grandioso K1のために新規開発されたプレミアムDAC モジュールを採用し、差動8回路DAC デバイス・左右独立電源を実現するK1/N-01専用設計の回路を搭載する、Esoteric「ネットワークプレーヤー」のフラッグシップモデルです。 Esoteric(エソテリック) N-01 メーカー希望小売 1,400,000円(税別) (メーカーホームページ)
使われるDACチップは、「AK4490」。各チャンネル差動4回路(8出力)のパラレル/ディファレンシャル構成。電源トランスの数や容量は、N-01ほど豪華ではありませんが、対応するデジタル信号などはN-01と同一なのがEsoteric N-05です。 AIRBOW N05 Ultimateは、Esoteric N-05のパーツを約70個交換あるいは追加して、音質を高めたカスタムモデルです。 ハイレゾ・DSDに対応する「USB入力」と「ネットワーク入力(LAN)」を備えます。Roonの音声通信プロトコルには対応していません(2017年8月現在)が、AIR-PLAY機能により通常のネットワークプロトコルによりRoonと接続ができるのは、N-01と同じです。価格は、N-01のほぼ半額ですが、音質がどこまで迫れるか「直接対決」させてみました。 AIRBOW(エアボウ) N-05 Ultimate 販売価格 630,000円(税別) (メーカーホームページ)
I/O Dataが発売するfidata HFAS1は、ハイレゾ音源を楽しむために生まれたネットワークオーディオサーバーです。筐体の材質から基板設計、ひとつひとつの部品に至るまで徹底的な吟味を繰り返し、いく度もの試作と試聴を経て、製品化へとこぎつけたと紹介され、fidata(信頼)の名に相応しい高音質と快適な操作性を、一切の無駄を削ぎ落とした凝縮感あふれるボディに詰め込んだとされています。また、このモデルの登場を皮切りに「高価格オーディオ用NAS」が各社から発売され始めました。けれど、5万円程度のNAS(だいたいスマートフォンと同じプラットフォーム)と同じレベルのハードウェアーを使い、電源と筐体を強化しただけの製品を数十万円で販売されているのは、あまりにもお粗末です。その程度なら、電子工作に明るい人なら作れます。搭載されるサーバーアプリも最高音質のものを吟味しているのではなく、カスタム化が容易なものを使っているだけのようです。もちろん、これらの製品も市販されている一般的なNASと比べると音が良いのは間違いありませんが、最高級オーディオ用としては、通用するのかどうか?疑問です。 もちろん、少しでも音が良いものを、高く売るのは自由ですし、それを購入して満足できるでしょう。私が腹立たしく思うのは「それがあたかも最高の製品である!」かのようにコマーシャルすることです。I/Oが主張し、それを各種メディアが追従すれば、あたかも「それが周知の事実」のように定着します。べつにそれでも構いませんが、安易な商品を最高と信じたが故に「より良い音」、「より良い音楽体験」と出合うきっかけが消失することが、残念なのです。 だから、今回は現時点では、「正解に近い」と考える音楽用NAS(PC)のあり方を実現した、AIRBOW MNP-i5 Roonと比較することにしました。 I/O DATA HFAS1-H40 メーカー希望小売価格 320,000円(税別) (メーカーホームページ)
2017年7月に発売を開始した「MNP-i5 Roon」は、従来のモデルに比べてより一層の高音質を実現しただけではなく、話題の音楽再生アプリケーション「Roon(ルーン)」と最高音質を実現するプレーヤーアプリ「HQ Player」のW搭載と、それらの連係動作を実現したことにより、LINNから発売されている最高級ネットワークプレーヤーに匹敵する音質と機能、さらにそれに勝る使い勝手の良さを実現する、現時点で最も優れた「ネットワークプレーヤー」だと自負します。 AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 460,000円(税別) (メーカーホームページ)(詳細な説明動画はこちら)
様々なテストを行った結果、オーディオ用NAS(あるいはPC)の音質は「処理能力(処理速度)」と「アプリ(ソフトウェアー)」が最も重要だと考えています。その理由はとても単純です。処理速度が速いほうが「ジッターが低減」できるからです。 ジッターという言葉が適切でないなら「レイテンシー(遅延時間)」と言い換えますが、処理速度が速ければ速いほど、すべての処理はスムースに進行し、音質劣化の原因となるジッターやノイズなどの発生が抑えられるのです。 もちろん、I/Oが主張するように筐体の強度や電源も音質に影響しますが、ハードウェアー+アプリの処理速度と精度の方が、遙かに音質に大きく影響します(この件に関しては「PIONEER N-70AEを使った、Windows vs Mac、VLC MediaPlayer vs HQ Playerの音質比較」で明らかにしています)。 だから、ハードウェアーとアプリを工夫せずに筐体と電源を強化した(オーディオグレードにした)だけの、オーディオ用NASを私は最高と判断しないのです。 ハードウェアーとソフトウェアーがどれだけ違うか、I/O fidataとAIRBOW MNP-i5 Roonの仕様比較表を作ってみました。 あれほど内部を説明するのに熱心なのにかかわらず、なぜかfidataの「CPUとメモリーの種類」は非公開です。けれど、中を空けると「スマートフォンベースの基盤、チップセット」が使われていることが分かります。USB入力も2.0が一系統しかありませんし、ファイルインデックスやファイル探索の速度もスマートフォンよりも遅いくらいです。 これに対し、最新のIntel CPUと最新チップセットに、高速のDDR4メモリーを搭載する、MNP-i5のCPUとメモリーの処理速度は、fidataの数十倍以上は早く、さらに現在最速のReal time 64bit Linuxをオーディオ専用にカスタマイズした「MsHD Vegas」がSSDに記録してOSとして搭載されます。搭載するサーバーソフトも、現在最も多機能で音質にも優れている「Roon(永年ライセンス付き)」、「Asset UPnP」の2種類に加え、USB接続用の再生アプリとして「HQ Player」も搭載します。ネットワークで使うNASになぜ「USB接続アプリ」搭載した理由は、現在ミュージック再生アプリとして最も優れていると思われる「Roon」ですが、その音質を発揮するためには接続するDACが「Roon Ready」でなければなりません。しかし、独自の通信プロトコルを使うRoonに対応させ「Roon Ready」を正式に名乗るには、かなりのコストをRoon社に支払わなければならないので、すべてのDACが「Roon Ready」ではありません。DAC側が「Roon」に対応していなければ、Roonとの接続は「AIR Play」で行われます。それでも十分音は良いのですが、DSDなどの一部の最高音質フォーマットがネイティブ伝送できなくなります。 今回テストした「Esoteric N-01」もまだ、正式にはRoonに対応していない(まだRoon Readyではない)ので、「Roon」とは「AIR Play接続」になり、DSDがPCMに変換されて再生されました。このような場合は、Esoteric N-01をRoonを搭載するPC(Roon Core)とUSB接続すれば、「ネットワーク専用のRoonプロトコル」を使わずに、データーをDACに送れるので、DSDもネイティブで伝送・再生出来るようになります。 けれど「どうせUSB接続する」なら、USBで最も音が良い再生アプリ「HQ Player」を使いたくなります。そこでMNP-i5は搭載する「RoonとHQ Playerを内部で接続できる(データーを受け渡しできる)」ようにプログラムが調整されています。 接続はUSBに限られますが、MNP-i5 RoonとEsoteric N-01をUSB接続すれば、RoonとHQ Playerを介してあらゆるファイルがネイティブで再生出来るようになります。さらに、同じデーターをさらに高音質で再生するための「HQ PlayerによるアップサンプリングやPCM-DSD変換」も使えるようになります。もちろん、その時の音質はfidataをネットワークでEsoteric N-01にに接続した場合とは、比較にならない程素晴らしいものです。 話しは長くなってしまいましたが、今回はこの話しが本当かどうか「動画」でも確認していただけるように、それぞれの条件でのアナログ出力をダイレクトにA/D変換した音をYouTubeにアップロードしています。よろしければ、ご確認下さい。 試聴環境
プリアンプ TAD
C600 メーカー希望小売り価格 3,800,000円(税別) スピーカー MAGICO Q1 メーカー希望小売り価格 4,000,000円(スタンド付きペア・税別) 試聴ソフト
動画による音質比較 Esoteric N-01 音質テストとI/O DATA fidata HFAS1-H40、AIRBOW MNP-i5 Roonの音質比較 Esoteric N-01 と AIRBOW N-05 Ultimate、LAN接続(Asset UPnP)とUSB接続(HQ Player)の音質比較
(DLNA) I/O fidata HFAS1-H40 → Esoteric N-01 (WAV 44.1KHz/16bit) Esoteric製のデジタル機器が鳴らすバイオリンは、「高域が硬い」、「中域のボリュームが物足りない」など、生音よりはオーディオ的(やや電気的)に聞こえることが多いですが、バイオリンの音がビオラかな?と感じるほどN-01の中域は太く、リッチな音で鳴ります。バイオリンの「木質的な感じ」もよく出て、有機的な暖かい音です。 厳しい評価をすれば、そこが気になりますが、出てくる音はK-01Xで再生するこのディスクと比較しても全く遜色がない音質ですし、むしろ豊かさと滑らかさでは、それを凌駕するかもしれません。 (WAV 44.1KHz/16bit) イントロのピアノの音は太く、打鍵感も十分出ていますが、わずかにアタックの先端が丸く「シャープさ」にやや欠けます。 しかし、この高域がマスキングされた感じはN-01の問題ではないと思います。「I/O Fidata HFAS1の情報処理速度が不十分」なために僅かなジッターやレイテンシーが発生し、それが原因で高域が伸びきらないと思われるからです。 打鍵感の「フェルトの感じ(フェルトくささ)」がやや強いことを除けば、中低音の太さ、グランドピアノらしい重厚感は十分に出ます。この点では、従来のネットワーク・プレーヤーの音質は、確実に超えてきています。 (WAV 44.1KHz/16bit) パイプオルガンの「重厚感」は、さすがに重量級の高級プレーヤーの「良さ」を感じさせてくれます。ただ、教会のホール感、響きの豊かさが足りないので、小さな教会でパイプオルガンが演奏されているように聞こえます。 各楽器とボーカルの分離は、まずまず優れています。音の広がりは、前後左右に理想的な配分ですが、全体的にややこじんまりしています。 (WAV 44.1KHz/16bit) ベースの音、ドラムの音は、驚くほど低いところからよく出て、リズムと音階の再現はとても優れています。Q1の低音再現力にも驚かされるのですが、ウッドベースの唸りが完全に聞き取れます。シンバルは厚みはありますが、やや柔らかい感じ。グレース・マーヤさんの声も少しハスキーすぎますが、まあそれはそれで心地よいものです。 ライブの楽しい感じはよく出ますが、最高域のハットするような鋭さが欠けているので、「ライブ特有のスリル」までは、再現されません。気の合ったもの同士が、仲良く楽しく演奏している感じです。 (DSD 5.6MHz) WAVファイルの再生で気になっていた高域の抜け感はほぼ完全に解消し、会場の雰囲気も程よく伝わるようになってきましたが、まだ間接音よりも直接音がやや強く「オンマイク(マイクと音源が違い)」に聞こえます。 WAVよりも明らかに音は良くなっていますが、Esotericらしい「やや前方で聞いている感じ」のする、メリハリ調の雰囲気がWAVよりも強くなりました。とはいえ、音の輪郭は不必要には強くはなく、Esotericらしさを残しながらも、マイルドで厚みのある音に仕上がっているように感じます。 接続機器が「fidata」ということで、ややあら探し的な試聴になり、レポートも問題点を少し多くあげすぎたかもしれませんが、ネットワーク・プレーヤーとしては、とても良い音に仕上がっていると思います。fidata HFAS1もまずまずの音だと思います。
AIRBOW MNP-i5 Roon → Esoteric N-01 WAV 44.1KHz/16bit出力 気になっていた高域のベールが剥がれ、バイオリンの高域がスッキリと伸びました。 fidata
HFAS1-H40では再現されなかった最高域の倍音が聞き取れるようになり、バイオリニストが弓を操作する速度や圧力、弦との角度によって「音色が変化する様子」まではっきりと伝わります。ホールの空気感、奏者の体の動きも見えてきました。 fidata HFAS1-H40とMNP-i5 Roonで聞くバイオリンの音の鮮やかさ、音色の豊かさと複雑さには、決定的な違いがあります。MNP-i5 Roonで聞くと、リザ・フェルシュトマンさんが奏でるバイオリンが「歌って」いるように感じられます。 WAV 44.1KHz/16bit出力 ピアノの音が出た瞬間、ホッとしました。これでこそ、グランドピアノ。ピアノという楽器はとても不思議です。ハンマーが弦に当たったときに生じる金属的な鋭い音が聞こえなければ、重い楽器が重厚で複雑な音を奏でているだけのように聞こえます。広いホールでピアノから離れた位置でそれを聞くクラシックなら、それでもある音楽は成立するのですが、奏者に近接した位置でピアノを聞くJazzでは、ピアノが持つ「アタックの鋭さ(打鍵感の鮮やかさ)」が再現されなければ、リズムや音色の変化が「単調」になってしまいます。 fidata HFAS1-H40では高域の最先端が丸くなるので、ピアノの「打鍵感」がハッキリせず、ピアニストが適当にピアノを弾いているように感じられます。その部分が改善されるMNP-i5 Roonでは、生演奏と同じようにピアニストが明確な意思を持ってピアノを正確なタイミングで奏でていることが伝わります。 ボーカルは発音が子音とリップノイズまでしっかりと聞こえ、発音の正確さが様変わりしました。 WAV 44.1KHz/16bit出力 パイプオルガンの空気を割く鋭いイメージ、高音と低音のパイプの位置関係(前後関係)がはっきりと再現され、教会らしい立体感が味わえるようになりました。また、不明瞭だった、右手と左手(あるいはフットペダル)の音階や音程の違いがはっきりして「楽譜が見える」ような鳴り方に変化します。 WAV 44.1KHz/16bit出力 それそれぞれの楽器の音の変化が鮮やかに再現されるようになったので、アドリブがくり広げられる「ライブ」で最も重要な「奏者の攻守の変化(楽器による会話の様子)」が手に取るように伝わります。 トランペットは周りを探るような控えめな鳴り方から、ハッキリ主役を張る鳴り方に変化します。また、日野皓正さんが吹く「トランペットの音」を聞いていれば、前半と後半のソロの部分で「音の張り」が全く変化することに気がつきます。前半では少し抑えめな音、ソロのパートでは「金色に光り輝くような晴れた音」になります。 ウッドベースは、奏でるリズムが軽やかになりました。 すべての音の「鮮度」が明らかに向上します。 シンバルの音だけを聞いていても、fidataではやはり高域がきちんと伸びていなかったことがわかります。 ネイティブ出力 YouTubeでどこまで伝わるかはわかりませんが、NASの変更で音質が様変わりしました。
AIRBOW MNP-i5 Roon → AIRBOW N-05 Ultimate NASはそのままで、ネットワークプレーヤーをEsoteric N-01からAIRBOW N-05 Ultimateに変えました。 WAV 44.1KHz/16bit出力 音の密度はN-01よりも若干薄くなっていますが、バイオリンの鳴り方が伸びやかになって、より「本物らしく」なりました。 WAV 44.1KHz/16bit出力 ピアニストが「ぽろりぽろり」とピアノを弾く雰囲気がよく出ます。 ボーカルはピアノとは綺麗に分離して、中央から抜けてきます。 良い意味でモニター的ですが、N-01で聞く穏やかで甘いムードもこの曲に関しては、それはそれで良かったと思います。 WAV 44.1KHz/16bit出力 N-01に比べ、倍音の密度が低下するので、パイプルガンの音がやや単純に聞こえてあっさりします。けれど楽器の質感はしっかりと伝わりますし、N-01ではあまり感じなかった「楽譜が見えるようなパイプオルガンの鳴り方」は生演奏にかなり近いと思います。 WAV 44.1KHz/16bit出力 N-01に比べ、ベースの音・シンバルの音が明らかに薄くなりました。「音の厚み(複雑さ)」の違いにN-01とN-05
Ultimateの重量差=電源容量の違いが、出てくるようです。 ネイティブ出力 パイプオルガンの大きさがすこし小さくなりました。ホールのサイズも同様です。けれど、空間の透明感、倍音構造の美しさには磨きがかかっています。 (USB) AIRBOW MNP-i5 Roon → AIRBOW N-05 Ultimate ネットワークプレーヤーはそのままで、接続をLAN(AIR Play)から、USB(HQ Player)に変えました。 USB・アップサンプリング出力 LAN接続でも良い音で聞けましたが、接続をUSBにすると音の鮮やかさが全く変わりました。 気がつくと、目の前にあるのはスピーカ−(MAGICO Q1)ではなく、バイオリンそのものでした。 USB・アップサンプリング出力 このソフトは「コンプレッサー」が使われて帯域が圧縮されているため「ピアノの音色の美しさが再現されない」のだと思い込んでいましたが、それは間違でした。 今、聞いている音は、生のピアノに圧倒的に近く、グランドピアノらしい重厚感と、楽器の王様らしいゴージャスな音色の複雑さを感じさせます。 もっと言うなら、人間の体温、オーラのようなものまで伝わってくるように感じるほどです。 こういう音をオーディオから出すのが最終目標でしたが、それが実現しています。 もちろん、TAD C600+M600+MAGICO Q1もすごいのですが、「MNP-i5 Roon+HQ Player+N-05 Ultimate(USB接続)」の音は、組み合わせ価格がより高い「MNP-i5 Roon+N-01(LAN接続)」の音を圧倒します。 試聴機が持ち込まれた時にEsotericから説明を受けた「N-01は、USB入力よりもLAN入力の音が明らかに良い」という言葉を信じて、N-01とMNP-i5RoonをUSB接続して聞かなかったことを後悔しています。 断言しますが、皆様が試聴会で聞ける「Esoteric
N-01 + fidata HFAS1-H40(LAN接続)」の音は、N-01が出せる最高のサウンドには程遠いものです。 USB・アップサンプリング出力 N-01に負けていた、N-05 Ultimateの音の密度や複雑さは「接続をLANからUSBに変えた」ことで完全に解消しました。CDから取り込んだWAVファイルの再現でも「N-01+Fidata+DSD128の音」を凌駕しています。この音なら、データー量が多く、価格も高い「DSD音源」をダウンロードで購入しなくても大丈夫です。 パイプオルガンは、パイプの中を流れる空気の流れまで感じ取れるほど精細です。女性ボーカルは人数が増え、一人一人の声が識別できそうなほど完全に再現されます。 オーディオは、生演奏と同等に、あるいはそれ以上に音楽を正確かつ深く伝えられます。けれど、それを知るオーディオマニアは、ごく僅かです。なぜなら、彼らは「ゴール」を知らず、そこに「たどり着けないから」、あるいは「ゴールを目指していないから」、永遠にオーディオマニアのままなのです。もちろん、それを否定しませんし、それは幸せなことだと思います。けれど「本当に良い音楽に出会える幸せに」比べると、機械いじりがもたらす喜びは「どうでも良いこと」のように思えてしまうのです。 USB・アップサンプリング出力 LAN接続では、不足していたパワー感が出ました。特に低音の鳴り方が全然違ってきました。 ウッドベースの音が太くなり、唸りの変化がより大きくなりました。楽器の音色がより大きく変化し、それぞれが正確に躍動するので、「場の緊張感」俄然高まります。 シンバルの音はN-01よりもまだ少し細いですが、スティックの当たる位置によるシンバルの音の違い、シンシンと鳴るシンバルらしい感じがよく出ています。 ネイティブ出力 パワー感のある音を表現するときに「蛇口を全開にしたような」という言葉を使います。けれど、今聞いている音はそれでは足らず「消防ホーズから水があふれ出すように」あるいは、水量に恵まれた「滝のように」と表現したくなるほどの力強さと勢いがあります。 こんなに完成した音を聞くのは、長いオーディオとの関わりの中で、そう何度もなかったのに・・・。「Q1」を売れなくなるのは、一人のファンとして、とても残念な気持ちです。 試聴後感想 「Esoeric P-05X / D-05X , CEC TL3 3.0 , AIRBOW N05 Ultimate , D07X Ultimate , MNP-i5 Roon ディスクvsシリコン音質比較」の試聴後感想に書いたように、どんなに優れたDACでもトランスポーターが不十分だと決していい音が出ません。音質の向上には、DACよりもトランスポーターに注目すべきなのと同じ理由で、ネットワークオーディオでは「NASやPC」、「再生アプリ」の音質にもっと注意を払うべきです。 それが大前提ですが、Esoteric N-01は、これまでに聞いたEsoteric製品の中で「もっと熱い音」を聞かせてくれました。 また、このレポートを書き終えたのは、すでに24時を回った深夜の時間帯ですが、全く疲れることなく、レポートを書き上げられたのは、試聴の最後に一番素晴らしい音が聴けたからです。良い音と良い音楽に感謝! 2017年11月 逸品館代表 清原裕介 |
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