F-board black FB-FA455 フューレンコーディネート F-board block FB-FA455 竹製 オーディオボード 音質 評価 価格 販売

F-board block ・ FB-FA455

フューレン・コーディネートオリジナル

竹製オーディオボード 音質テスト

Anthony Gallo 、 QUADRASPIRE 、 PIEGA 、 TRIGONなどの輸入代理店として活躍中のフューレン・コーディネートから“竹”を使った、オーディオボードが発売されました。

竹製ボードは,最初に“脚”の付いたF-Board blockが登場しましたが、価格的に逸品館お薦めの“KRIPTON”製品よりもやや高額だったことや、傾向は違っても絶対的な音質変化に“極端な差異”を感じなかったため、積極的な展開は行ってきませんでした。

今回発売されたFB-FA455は、F-Board blockから“脚”がなくなって“サイズが大幅に拡大”されています。このサイズならスピーカーだけではなく、オーディオ製品全般に使えます。その上価格もグンとお求めやすくなりました。

そこで従来からお薦めしている、“KRIPTON”のボードと簡単な音質比較を実施しました。

FuhlenCoordinate F−board block この製品のご注文はこちら

 ナチュラル仕上げ

素材:竹集成材3層(仕上げはウレタン塗装)

カラー:ナチュラル / ¥43,000(税別)

    :ブラック / ¥45,000(税別)

生産完了モデル

寸法:W390xD490xH60(mm)

重量:約3.8Kg

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 ブラック仕上げ

素材:竹集成材3層(仕上げはウレタン塗装)

カラー:ナチュラル / ¥31,000(税別)

    :ブラック / ¥33,000(税別)

生産完了モデル

寸法:W550xD455xH20(mm)

天板サイズ:W520xD425(mm)

重量:約3.5Kg

竹の集成材を使用し、これを微妙にずらしつつ重ねることにより強度と美しさを兼ね備える素材とすることができました。竹は軽量でかつ高剛性で重量級のスピーカーにも十分対応します。中央に開けられたバイオリンやチェロなどの弦楽器に用いられる“f”をモチーフにしたスリットは、音の響きを調整するとともに不要なレゾナンスを排除することに貢献しており、開口のパターンや位置など、幾度もの試作、試聴の上で決定したデザインです。


このベースにスピーカー(一般的なオーディオ製品にもお使いいただけます)が載せられて、音楽が奏でられたとき、演奏そのものにすっくとのびた竹のごとく芯が入ることに、すぐに気付くでしょう。それでいて硬質な感じは微塵も無く、伸びやかに晴れやかに、その空間を再構成してしまうのです。


たとえば・・・不要な振動を打ち消すことにのみ主眼を置き、音楽そのものが持つ生命力をも削ぎ取ってしまい、産毛の感触を嫌うがごとく剛直で一本調子になりがちなものではない。いわゆるオーディオ的な「音を変えてしまう」変化ではなく、使用することで空間に音楽が溶け込み、自分の為だけにそこに演奏者がいてくれる、そんな錯覚すら覚えてしまうような製品を目指しました。さらに見た目にも麗しく、できる限りお求め易い価格に設定することを心がけています。

“ナチュラル”カラーは、ウレタン塗装により竹の自然な色合いを生かしています。柔らかな色合いと丸みを帯びたエッジの仕上げは、和洋問わずどのようなお部屋の内装にも溶け込むことと思います。“ブラック”カラーは、僅かに木目が見える程度の濃い色に仕上げられて、“ナチュラル”よりも精悍なイメージに仕上がっています。スピーカーの色やお部屋のインテリア、ラックにあわせて“2色”からお選びいただけます。

四方の大きな脚部には、あえてスパイクなどを付属させずしっかりと重量を受け止めると同時に、素材としての竹が持つ響きのよさを、異種素材の混合を避ける事で活かす設計となっております。安定感のある脚部の設置面積のおかげで、スピーカーを載せた状態での位置調整も非常に簡単です(F−board block)。

■特徴■

・ 生活に馴染める色調と柔らかみを帯びたデザイン
・ 軽量高剛性
・ 天然素材の響きのよさ
・ 振動を溜めないですばやく逃がす
・ 重量級ボードのように音が沈まず、スっと抜ける
・ 集成材なので加工精度がキープできる
・ 中央部に開けられた開口部によって、不要なレゾナンスを排除
・ 不自然さが無く、空間の雰囲気に再生音が溶け込む
・ 脚部・底面のすべりが良いので、セッティング時の移動が楽
・ 重量のある製品でもしっかりと設置可能
・ すっくと伸びた竹のごとく、音像に芯が入る

KRIPTON AB3000 この製品のご注文はこちら

素材:ジルコンサンドと鉄球サンドを充填した集成材

カラー:C(チーク)、M(マホガニー)、B(ブラック) 

価格:¥34,000(税別) 生産完了モデル

寸法:W490xD450xH55(mm)

重量:13.5Kg

木製の構造で4隅に共振効果の大きいジルコンサンドを、センターには鉄球サンドを封入しています。この構造によるジルコンサンドと鉄球サンドの相乗効果と超重量で、大きな防振効果を発揮します。アンプ、CD/DVDプレーヤーから大型・中型スピーカー、AV機器まで幅広く対応します。特にAB-5000は、国内外の大型スピーカーにおすすめします。

■特徴■

・ 木製構造とジルコンサンドと鉄球サンドのハイブリッド仕様
基本は木製の構造でアンプ、CD/DVDプレーヤーのフットの下に4つのスペースを配し、その中に共振効果の大きいジルコンサンドを封入しています。ジルコンサンドは比重4.5と比較的重く無機質なため、機器に対する悪影響もなく自然な共振防止効果が得られます。また、センター部スペースには鉄球サンドを構造封入させています。この鉄球サンドは比重が7.8と大変大きく、機器への電磁ノイズの防止や、オーディオボードの重量増と防振効果に大きく寄与しています。このような構造で、ジルコンサンドと鉄球サンドのハイブリッド相乗効果が充分に発揮され、機器の性能をあますことなく引き出します。

・ 超重量級オーディオボード
上級機AB-5000・・・・・600×600×55mm・20kg、標準機AB-3000・・・・・490×450×55mm・13.5kgの重量級設計で、大きな効果を発揮します。

・ 表面仕上げはマホガニー(M)、チーク(C)の2色
スピーカやラックの色に合わせて選択できるようにマホガニー(M)、チーク(C)の2色となっています。また、AB-3000は幅広い機器との使用を想定して、ブラック(B)もご用意いたしました。

・ ABシリーズとISシリーズ・ピュアチタン・インシュレータとの併用
このオーディオボードは新発売のピュアチタン・インシュレータと組み合わせることでそれぞれの良さが充分に発揮され、更に素晴らしい効果が得られます。

KRIPTON AB-G2500 この製品のご注文はこちら

素材:ガラストップ、集成材

カラー:C(チーク)、M(マホガニー)、B(ブラック) 

価格:¥20,000(税別) 生産完了モデル

寸法:W450xD400xH27(mm)

重量:4.4Kg

設置する環境によってコンポーネントの性能が充分に発揮されない場合が多く見受けられますが、そんな状態を手軽に解決する手段にオーディオボードがあります。KRIPTON社は各種オーディオボードをラインナップしていますが、更に高音質を求め、新しい試みとして、従来の木材ベースに強化ガラスを組み合わせたオーディオボードを開発しました。このボードは、ラックでの使用も可能にした厚さ27mmの薄型タイプです。
アンプ・プレーヤー向け(2サイズ)、トールボーイスピーカーシステム、コンパクトコンポ向け小型サイズの3モデルを商品化しました。定番の3色(マホガニー、ブラック、チーク)のバリエーションを用意しています。

■特徴■

・ 強化ガラスと木材(25mmMDF材)のハイブリッド構造による高音質タイプ
音の伝播速度の速い(アルミ板の約4倍)強化ガラスと自然な減衰特性の木材を組み合わせた異種材料による共振抑制効果によって、自然な共振防止が得られるハイブリッド構造のガラストップ薄型オーディオボードです。
上面の強化ガラス(5mm板厚)と25mm厚の板材(MDF)の二重構造で、ガラスは脱落防止構造(4点接着)、底面のフットは共振吸収に優れ、耐移行性の優れたマイクロセルポリマーシート(PORON)を採用。薄型、軽量ながら高音質の設計を施しています。

・ 表面仕上げは3色展開(マホガニー、ブラック、チーク)
表面の仕上げはマホガニー(M)・ブラック(B)・チーク(C)の3色で、お手持ちのシステムに合わせたカラーコーディネイトが可能です。

音質テスト

ボードの「基本的な音質傾向」を比較するために、絨毯敷き詰めの床にボードを直接置き、その上にAIRBOW
Singing Box2を置いて簡単な音質比較を行いました。

AIRBOW Singing Box 2

ソースには、リンダロンシュタットの「For Sentimental Reasons」を選びました。

For Sentimental Reasons / Linda Ronstadt

ASYLUM/9-60474-2


ジャンル:ジャズボーカル(ビッグバンド)

テストは、何も置かない状態、最も廉価なKRIPTON AB-G2500、同じくKRIPTONのAB3000、最後に新製品のFB-FA455の順序で聞き比べました。

何も置かない

サイズや重量からは考えられないほど豊かな中低音が鳴ることに驚かされる。リンダロンシュタットのボーカルの厚みもサックスの重量感ある響きも、大型コンポ並の迫力で再現される。

音の滑らかさや温かさにも、低価格品にはない高級機の味わいが感じられる。

音楽を安心して聞かせる自然なサウンドと、ストレスなく広がる音場の豊かさが心地よい。

KRIPTON AB-G2500

音の細やかさは、ハッキリと向上する。

音の輪郭成分(高周波成分やアタック成分)の明瞭度が向上し、音の芯がシッカリする。

輪郭の明瞭度が向上すると音の聞き分けが容易になり、各楽音がはっきりと分離で聞こえるようになる。

シンバルやパーカッション、バイオリンの音はクリアでシャープになる。

ボーカルやフルートなどの管楽器では、響きがやや硬質になって空気感が澄むが、その反面響きの豊かさ(混濁してふわっとした響きのイメージ)がやや後退し、楽器の響きが硬質なイメージへと変化する。

温度感は低下しないが、音が硬質な方向へと変化するため、演奏にクールなイメージが出てくる。

AB-G2500を使うことで音質は、「スタジオ」・「モニター」という言葉から連奏されるような、精緻だけれど少しの緊張感を伴う美的感覚が強い傾向へと変化した。

KRIPTON AB3000

AB-G2500同様、音の細やかさはハッキリと向上する。しかし、明瞭度の向上幅はAB-G2500の方が高い。その結果は前回のテストとやや異なっているが、AIRBOW Singing Box2の筐体が軽いことや筐体の剛性が低いことと関連していると考えられる。重量級の機器を設置した場合には、AB3000の方が音が細やかに感じられることがあっても不思議はないと思われる。

AB-G2500ではパーカッションやバイオリンの切れ味など、主に「アタック音(音の輪郭成分)」が強まったが、AB3000ではそれに「響きの豊かさ」も加わる。

アタックと響きの両方が強化されるので、ボーカルには切れ味と滑らかさが両立した「生々しさ」が加わり、ピアノも打鍵感と響きの透明感が増し音色の美しさが際立ってくる。

音が良くなったと感じたAB-G2500に対して、AB300Oでは「質が上がった(楽器の音色が良くなった)」と感じる方向への変化が実現する。

ボーカルの伸びやかさも自然で、ボードを使用しないときに比べて明らかに表情の抑揚(ダイナミックレンジ感)が大きくなり、音楽の動き(躍動感)がより強く感じられる。音楽の表現力(演奏のドラマ性)が大きく向上しより深く音楽に引き込まれる。

Singing Box2で「JAZZ VOCAL」を聞く設定の今回のテストでは、AB-G2500よりもAB3000がSinging Box2によりマッチしているようだが、それにしてもこの変化の大きさは、かなりのものだ。

Fuhlen Coordinate FB-FA455

竹の集成材を使ったこのボードを使うと「木質的な響き」が豊かになり、音の温かさや滑らかさなどが向上する。それは、集成材を使ったKRIPTON AB3000と同じ方向の音楽的に好ましい方向だ。金属やプラスティックなどの素材を使ったボードとの違いがそこに感じられる。

FB-FA455とAB3000で印象が異なるのは「音の芯が強い」ことで、その点ではAB3000よりもAB-G2500と傾向が似ている。

FB-FA455は、KRIPTONの製品と違って特殊な「制振構造」を持っていない。そのためか、KRIPTONの製品に比べると、より「広がりが豊か(音の立体感に優れる)」に感じられる。

また、この製品には中央部に「F字」の切り欠きが2カ所あって、そこで響きを制御していると説明される。そのためか、ボードの方向(Fがハの字になっている方向)を変えると、音が前に出たり、音が後ろに展開したりと、音の広がりに違いが感じられる様な気がしたが、その差は大きなものではない。

FB-FA455は、AB-G2500の「明瞭度」とAB3000の「響きの良さ」を両立させていると言えるのだが、場合によってはそれが「どっちつかず」と感じられて「効果が物足りない」と感じられることがあるかも知れない。

この「響きの良さ」を生かすには、スピーカーのベースとして、あるいはレコードプレーヤーのベースとして使うと大きな効果を発揮しそうだ。

AIRBOW KDK−OFC−M1.85

最近の低価格製品やHDDレコーダーなどのAV機器、あるいはゲーム機などには「メガネ端子型電源ケーブル」が採用されている。電源ケーブルのグレードアップは、音質や画質の向上に大きい効果があることは広く知られているが、低価格の機器に使う電源ケーブルが1万円もするのは頂けない。

そこでAIRBOWから\3,000(税込)を大きく切る「オーディオグレード・メガネ型電源ケーブル」を発売する。ボードのテストに付け加えて、このケーブルもテストしてみた。

標準品

今回の3種類のボードを「音質の好み」で並べると、「AB3000>>FB-FA455>AB-G2500」の順序になったが、最もAIRBOW Singing BOX2にマッチしていたKRIPTON AB3000と2番手のFB-FA455の再比較を行った後に、メーカー付属の電源ケーブルとAIRBOWの電源ケーブルの音質差を検証した。

FB-FA455からAB3000に変えると響きの厚み(倍音の厚み)が明らかに向上する。楽音の分離感は変わらないが、それぞれの音色の鮮やかさが際立ち、エネルギー感(音の伸びやかさ)も格段に向上する。

かなり効果のあるFB-FA455からの変化なのに、そこからさらにシステムを一クラス上げたと感じるくらい大きな違いが感じられる。AB3000とSinging Box2は相性がぴったりだ。

しばらくするとボードと機器がなじんできて、響きの透明感が増してくる。当初AB-G2500にやや劣ると感じられた「明瞭度感」や「切れ味」も大きく向上する。ボード一枚で音質のみならず音楽の表現力がこれほどまでに変わるのは、今までにないほどの経験だ。

AIRBOW KDK−OFC−M1.85

標準品の電源ケーブルでも全く不満はなかったが、電源ケーブルを交換すると「低域方向への伸びやかさ」がさらに深くなる。声の質感も向上して、さらにデリケートな細やかさが再現されるようになる。質感や細やかさの向上に伴って情報量(音の数)が増大し、音の密度が高くなる。結果として、同じ曲を聴いていてもより「テンポがゆっくり」と感じられるようになる。

空間の濁りが低減して声の響きや楽器の響きの透明感が向上するが、温度感は変わらず音が冷たくなったりしない。裏側に隠れて消えていた音が聞こえるようになる。

ボーカルと楽器の分離感、それぞれの楽器の明瞭度感が向上する。楽器の音の「質」も向上し、「良質な楽器」を使っている音の良さが随所に聞き取れるようになる。

しかし、音が良くなりすぎた?せいか、標準電源ケーブルの方が「ゆったり」とした気分で音楽に浸れたように感じる部分もあって、Singing Box2へのKDK-OFC-M1.85の導入はソフトなどとの相性により、必ずしも良い点ばかりではなさそうに思った。

後日、録音の良いクラシック(交響曲)で評価を行った時は、標準ケーブルでは聞こえなかった細かい音が聞こえるようになったことと、低域〜高域の周波数レンジが大きく広がる相乗効果で、標準(付属品)とは、次元が違う音質で音楽を楽しめて納得した。

※KDK-OFC-M1.85の画質・音質改善効果については、すでに実施した多数のテストにより問題のないことを確認していますが、量産されるケーブルを使う限り「質的なチューニング」を極限まで追えないのは事実です。そのために他のAIRBOWの高額商品と同じように画質・音質の向上が、そのまま「雰囲気を高める」ことに繋げられないことがあるかも知れません。

また、後日の再テストにより「KDK-OFC-M1.85」を充分にエイジングすれば、問題点と感じられた「硬さ」などがほぼ完全に解消することが確認できました。

総合評価

AIRBOW Singing BOX2との相性では、KRIPTON AB3000が圧倒的な良さを発揮した。他の2機種との最も大きな違いは「音色の鮮やかさの向上」にある。「ガラス」や「竹」ではなく「木」を材料に使った良さがそこに出たように思われた。また、素材そのものを利用するだけでなく、ジルコンサンドや極小鉄球を内部に充填した特別な構造もより良い音質改善に寄与していると感じられる。

「標準電源ケーブル+AB3000」がもたらした変化は、決して後戻りの出来ない「決定的」なものであった。その変化を極端に表現するなら、CDがレコードになったと感じたほどだ。KRIPTON AB-G2500、Fuhlen Coordinate FB-FA455も音質は確実に向上したが、その変化はAB3000ほど決定的とは感じられなかった。

しかし、それはあくまでも「相性」によってもたらされた「マジック」かもしれない。違う機器や、異なるソース(音楽)を使った場合には、今回のテストの結果が簡単に覆ることもあると思うから、あくまでも今回のテストの結果は「ボードの傾向」として捉えて欲しいと思う。

オーディオ機器から発せられる「音質」は、「相性」で大きく変わる。“誰か”と全く同じ機器を使ったとしても、その“誰か”と「同じ音」は決して出ないし、決して出せない。逆に私が「セッティング」すれば、機器が変わっても似ている“私の音”が出る。楽器が奏者で音を変えるように、オーディオも「機械」や「アクセサリー」だけで音が決まるのではなく、あくまでも「使い手」を含めた「環境」による「相性」で大きく左右されるのは間違いない。

2009年2月 清原 裕介

 

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