今回のテストは非常に簡易なものだが、それでもUnison
Research GIROとNottingham Intaerspace/HDとの音質差、Unison
Research UN-1とGold Ring 1012GXの音質差は明らかだった。
前者では、下手をすると同価格帯のCD/SACDプレーヤーの音質を超えられないが、後者では確実にそれを大きく凌駕できる(レコードの録音状況にも左右される)。
アナログ・プレーヤーを「音響機器」と考えた場合、その差は非常に大きく、前者よりも後者を選ぶべきだ。しかし、外観の美しさを含めて考えるならGIROは美しい。最新の真空管アンプPreludeやSinfoniaとのデザインの統一感も抜群だ!
余談になるが、Unison
Researchの名誉のために付け加えると、このアナログ・プレーヤーはUnison
Researchの製作ではなく、多くのメーカーのレコードプレーヤーをOEM生産している「アクリル製ターンテーブル」がお好きな某メーカーのOEM品だ。
外観の美しさと価格の安さ(絶対的には安くないが、レコードプレーヤーがかなり値上がりした今相対的には安く感じられるのだろう)で、この某メーカーのレコード・プレーヤーは度々俎上に登る。しかし、その都度私を落胆させてきた。確かに外観は美しい、しかし、レコード・プレーヤーの心臓部である「アーム」の精度は低く、また使われている材質も「音質を優先したもの」とは、思えない。
そういう「見かけ倒し」の製品を薦める雑誌や、ショップの神経が私には分からない。彼らは、レコードの本当にいい音を知らないのだろうか?
Unison
Researchを推薦する私としては、GIROについてこのような辛辣な評価を下すのは、誠に不本意だ市残念だ。輸入代理店エレクトリに対しても、フレンドリーな行為とは言い難いことは百も承知している。
それでも断言するが、GIROの買いは「デザイン」であって「音質」ではない。嫌な音は出ないし、それなりにレコードを楽しめるが、音質だけなら他に良いプレーヤーもある。
ご購入を検討なさるときには、そこは事前に承知しておいて欲しいと思う。