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HEGEL (ヘーゲル) H90 、 H190(生産完了品) プリメインアンプ 音質比較試聴 ハイエンドプリメインアンプ HEGEL H590の音質レポートはこちらから御覧いただけます。 HEGEL HEGEL社は、1997
年に創設されました。社名のヘーゲルは、著名なドイツの哲学家ヘーゲルに由来しています。求めるサウンドは、アコースティック楽器を最も自然な音で再生ですることです。そのために透明感や微細なディテール表現、抑揚感、臨場感あふれる描写力を追求しています。HEGELの製品は、同じ北欧の自動車メーカー「Volvo」と同じように品質の割に価格が安い、つまりC/P(コストパーフォーマンス)が高いと思います。 HEGEL H90とH190の概要と特徴 HEGELは、アナログと共に「デジタル」にも強いメーカーで、かなり初期からプリメインアンプには「DAC」が搭載され、「ネットワークレシーバー」と呼べる構成になっていました。 HEGEL H90 メーカー希望小売価格 240,000円(税別) 仕上げは、ブラックのみ HEGEL H190 メーカー希望小売価格 490,000円(税別・生産完了) 仕上げは、ブラックのみ
試聴環境 その優しく慈愛に満ちた音質が評価されファンの多いHEGALプリメインアンプのニューモデルH90/H190を「USB」と「LAN」の2つのデジタル入力で聞き比べてみました。 USB接続時に必要となる「専用ドライバー」をHEGEL本社のHPで探しましたが見つからないので、エレクトリに問い合わせると現段階ではH90/H190専用のドライバーソフトは用意されず、WindowsやMacのOS標準ドライバーで接続できるとの返答でした。 そこで対応するUSBのフォーマットをWindows 10 PCでチェックすると、確かにドライバーをインストールせずに接続できましたが、フリーソフトの「VCL Media Player」を立ち上げて再生すると、サンプリング周波数が「32KHz」になっていました。 初期はほとんどのUSB対応機器がそういう状況でしたが、最近ではアプリ上でサンプリングが切り替えられる、あるいはアプリが自動的にサンプリング周波数が変えてくれるようになった、USB対応機器が増えているだけにこれは不便です。こういうところ、まだまだWindowsは不便です。今回、Mac
OSやAIRBOWに搭載されているMsHDでは試していませんが、少なくともWindowsよりも少しは使いやすいだろうと思います。 音質チェックを動画で見る 試聴環境 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) 試聴は、スピーカーにVienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)を組み合わせて行いました。 HEGEL H90 USB接続 音質評価 USB接続 せせらぎ 水の音は柔らかく滑らかで広がりも十分。 パーカッションやピアノの音が動的に変化する。打鍵感も鮮やかに再現される。 低音の量感や質感は、このクラスのプリメインアンプの標準で、多くも少なくもないといった感じ。 この曲では低音の量感不足はそれほど感じられないが、金管楽器の「パワー不足」が気になってきた。 LOVE flac 192KHz/24bitを96KHz/24bitで出力 CDから取り込んだファイルの再生では、44.1KHzから96KHzへアップサンプリングしたことによる「音質の劣化」を心配したが、192KHzから96KHzへダウンコンバートされたこの曲と音の違いがそれほど大きくないので悪影響はないと、ひとまず安心した。 LAN(DLNA)接続 せせらぎ 基本的には、USB入力と音調は変わらないが、USBよりも音が細やかで、空気感が濃い感覚。 USB入力に比べると輪郭が少し強く、弦を「弾く」アタック感が強くなる。 低音の量感が向上し「低音がスピーカーから吹き出してくる」ようになった。 Don Dorsey この曲ではUSBでも低音が良く出たが、ネットワークではさらに良く出て、気になっていた金管楽器の「弱さ」も改善した。 LOVE flac 192KHz/24bit USB接続でピアノの音に足りなかった「力感」や「重量感」が、ネットワーク接続では再現されるようになった。 HEGEL H190 USB接続 音質評価 USB接続 せせらぎ 基本的な音調はH90とほぼ変わらないが、全体的に音が「濃く」なっている。 弦をリリースする瞬間の「断弦」の音(アタック)が、H90よりも明確に再現される。 No Sanctuary Here この曲特有の「低音が部屋を揺らすほど過剰な低音」がより強く引き出さ、ハーモニーの厚みが増して、体の後ろ側にまで声が回り込んで聞こえる。 Don Dorsey H90に比べてH190の楽器の数の多さ(情報量)と低音の力強さは全く別物に向上する。高音もH90よりも細やかで透明感が高い。 LOVE flac 192KHz/24bitを96KHz/24bitで出力 ピアノの打鍵感、ウッドベースのパンチが増して、リズムがより鮮やかに大きく躍動する。 USB接続 せせらぎ 接続しているPCのアップグレード効果(Windows10からAIRBOW)も大きいと思うが、USBよりも格段に音が細かく、音の「角」もしっかりと立っている。 高音の音抜けが良くなって、透明感も向上する。楽器の音色の変化はより鮮やかに、質感の違いも明瞭になった。 音が出始めてから消えるまでの「流れの変化」に淀みやためらいがなく、一筆で一気に描いたような鳴り方をする。 H90とは「情報量」が全く違っている。きめ細かく鮮やかな音は部屋いっぱいに広がって聞こえる様は、まるで「万華鏡の中の世界」に放り込まれたようだ。 LOVE flac 192KHz/24bitをAir Playで出力 Windows10+Asset
UpnPで発生した音飛びや音切れは一切なく、音が安定している。 試聴後感想 H90/H190は、どちらもヘーゲルらしいナチュラルで優しい音質に仕上げられ、マッチョではなくスマートで知的な鳴り方をするアンプです。音調はどちらも統一されています。 価格差が大きい(約2倍)ので仕方ありませんが、H190とH90は、音数(情報量)が明らかに違っているのは、アンプを変えて聞いた瞬間に感じられます。また、H90に比べるとH190は低音もより力強く出ます。 ブックシェルフ・スピーカーを鳴らす「スモールシステム」ならH90、フロア型・スピーカーを鳴らす「ビックシステム」なら、H190という使い分けが正解かも知れません。 2019年2月 逸品館代表 清原裕介 |
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