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SOULNOTE USB-DAC D-1 AIRBOW UD301,UD503,HD-DAC1 Special 試聴 音質 比較 評価 レビュー 評判Soul Note (ソウルノート) D-1
AIRBOW UD301 Special、UD503HD Special、HD-DAC1 Special 音質比較テスト SOULNOTE「D-1」は、2017年6月に発売された、メーカー希望小売価格 29万円(税別)のUSB-DACです。 SOULNOTE D-1の特徴 ・ESS ES9038PROを独立モノラルモード採用。完全バランス・ディスクリート無帰還増幅回路搭載 ESS社製最高級DACチップ「ES9038PRO」を各チャンネルに1個搭載し、モノラルモードで8Chの回路を並列動作させ「120mA」の大電流を確保。余裕のある出力でディスクリートで組まれる完全バランス・無帰還増幅回路を強力に駆動し、厚みとエネルギー感のある音質を実現します。 ・768Khz/32bit(PCM)、22.6MHz(DSD)信号、Bulk転送方式に対応 最新のDACチップを搭載することで、最大 PCM 768KHz/32bit、DSD 22.6MHz(DSD512)の信号に対応します。「アシンクロナス伝送」時の音質劣化の原因となるデーター転送レートの急激な変動を抑えられる「※Bulk Pet(転送)」を採用することで、USB接続の音質を改善しています。 ※Bulk Pet転送には、専用ドライバーのダウンロードが必要です ・超低ジッター水晶発信子搭載 デジタル・オーディオ機器の音質の要となる「クロック」には、位相ジッター1ps以下の超低ジッタークリスタルを採用し、DACチップに近づけて配線を短くするなどの方法で、良質なクロックの供給を実現しています。 ・大型電源回路搭載 オーディオ機器の音質の要となるのが「電源回路」です。どれほど優れた回路でも、電源が貧弱だと性能が発揮できません。 D-1は電源トランスに260VAの大型トロイダルトランスを搭載し、増幅回路の電源電圧を小型パワーアンプ並みの±43Vの高電圧に設定し、さらに電源回路を8系統(左右独立DACアナログ電源・DACデジタル電源、クロック電源、USB回路電源、S/PDIF回路電源、ロジック回路電源の合計8系統)搭載し、電源間の干渉を抑えることでノイズの少ないクリーンな電源供給を実現しています。 ・高音質電源ケーブル採用 高品質な導体を採用する、極太電源ケーブルが付属します。 ・スパイク脚採用 トランスを直接支えるため、前方に1本、後方に2本の、3本スパイク脚を採用されています。 SOULNOTE(ソウルノート) D-1 メーカー希望小売 290,000円(税別) (メーカーホームページ)
今回は、この製品をAIRBOWのおすすめDAC3モデルと聞き比べました。
UD301 Special 販売価格 69.000(税別) TEACの一世代前のUSB-DAC「UD301 SP」をベースとすることで低価格を実現しながら、一般的な20万円クラスのUSB-DACに匹敵する音質を実現する、AIRBOWらしい「ハイコストパーフォーマンス」製品。 ・価格を遙かに超える豪華なパーツと回路を採用、バランス出力装備 DACチップには、生産が完了した「ピュアオーディオ専用DAC」のBurrBrown PCM1795を左右独立で搭載しますが、2Chオーディオ機器専用に設計されたこのDACは、プロセス(回路)が大きく、大電流で出力されるため最新DACよりもオーディオに適しています。さらに増幅回路には、Esotericが高級モデルに採用しているのと同じシリーズのHi-Fi機器専用に設計された高級オペアンプMUSES8920を左右専用に1基ずつ搭載することで、左右のチャンネル間の干渉を排除したデュアルモノーラル構成を実現しています。ヘッドホン回路も左右独立した回路を持つデュアルモノーラル構成のCCLC(Coupling Capacitor Less Circuit)方式を採用するなど、ノーマル機の発売価格を考えると、信じられない内容を持っています。 さらにオーディオ用超低ジッタ水晶発振子を搭載し、電源にはトロイダルコア電源トランスが採用され、このクラスでは希有なXLR(バランス)出力も備えます。 ・最新のドライバーで、SOULNOTE「D-1」と同じ「Bulk Pac(転送)」とWindows10に対応 UD301 Specialは、TEACが2018年1月にリリースされた各OS対応のドライバーにより、D-1と同じ「Bulk Pet(転送)」が可能となり、Windows 10などの最新OSでも使えるようになりました。入力信号も、PCM 192KHz/32bit、DSD 5.6MHz(DSD128)と幅広く対応しています。 ・30箇所を超える部位を最高級オーディオ機器が使用するパーツに変更 UD301 Specialは、DACや増幅回路の信号通過部、電源部などの30箇所を超える部位のパーツを、Esoteric Grandiosoなどの最高級オーディオ機器が採用するパーツに変更し、音質を大幅に高めています。 AIRBOW(エアボウ) UD301 Special 販売価格 69,000円(税別) (メーカーホームページ)
UD503 Special 販売価格 155,000円(税別) TEACのUSB-DAC「UD503」をベースとし、この価格で「10MHzクロック入力」と「XLR(バランス)出力」を備え本格的なバランス出力ヘッドホンアンプも搭載する、HiFi USB-DAC ヘッドホンアンプ。 回路には、UD301同様の「デュアルモノーラル構成」を採用し、DACチップに最新の旭化成エレクトロニクス社製DAC VERITA AK4490を2基搭載することで先進のDSD11.2MHz、PCM 384kHz/32bitフォーマットのネイティブ再生に対応します。 ・Esoteric製DACと共通の基本回路を採用 UD503 Specialのアナログ出力回路、デジタル回路は、高級オーディオでおなじみの「Esoteric」の基本回路設計を用いることで、価格を抑え高音質を実現しています。また、Esoteric製品と同じ「旭化成 AK4490」の採用により、デジタルフィルター切り替え機能、外部クロック入力機能などの高音質テクノロジーを継承しています。 ・プリアンプとしても使える、2系統LINE入力を装備 アナログ出力回路に電流伝送強化型バッファーアンプ『TEAC-HCLD』回路を4回路搭載し、XLRバランス出力時にはフルバランスで、RCAアンバランス出力時にはパラレル・アンバランスで駆動。クラスを超えた表現力を実現すると共に、この回路に256ステップの高精度電子ボリューム『TEAC-QVCS』を組み合わせ、リモコンによる音量調節も可能な、高音質プリアンプとしての機能を装備しました。さらにこの増幅回路を「ヘッドホンアンプ」と共用することで、フロントパネルに2基設けたTRSホンジャックにより、フルバランス/パラレル・アンバランス駆動ヘッドホンアンプとしても使えます。 ・最新のドライバーで、SOULNOTE「D-1」と同じ「Bulk Pac(転送)」に対応 UD503 Specialは、TEACが2018年1月にリリースされた各OS対応のドライバーにより、D-1と同じ「Bulk Pet(転送)」が可能となり、Windows 10などの最新OSでも使えるようになりました。入力信号は、PCM 384KHz/32bit、DSD 11.2MHz(DSD256)に対応します。 ・40箇所を超える部位を最高級オーディオ機器が使用するパーツに変更 UD503 Specialは、DACや増幅回路の信号通過部、電源部などの40箇所を超える部位のパーツを、Esoteric Grandiosoなどの最高級オーディオ機器が採用するパーツに変更し、音質を大幅に高めています。 AIRBOW(エアボウ) UD503 Special 販売価格 155,000円(税別) (メーカーホームページ)
HD-DAC1 Special 販売価格 175,000円(税別) 本来この価格帯の製品には使われる事のない、marantzが100万円クラスの高級プリアンプのために開発したオリジナル超高音質ディスクリート増幅回路「「HDAM-SA2」を採用する、HD-DAC1をベースにAIRBOWのフラッグシップUSB-DACに匹敵する音質を達成した「超高音質 USB-DAC」。この価格で、50万円以上のUSB-DACの音質を実現します。 ・コンパクトサイズに高音質を凝縮 横幅25cm×奥行き27cmのコンパクトボディに、marantz USB-DACフラッグシップモデル「NA-11S1」で確立された高音質化技術「デジタル・アイソレーション・システム」を用いることで高周波ノイズの音質への影響を抑制し、「デュアル・クリスタル・クロック」の搭載により入力信号に応じた最適なクロックを使用し、透明感が高く安定した空間表現を実現します。 ヘッドホンアンプには、「HDAM-SA2」を使用した電流帰還型の電圧増幅段と新開発の無帰還型出力バッファーアンプによる二段構成を採用し、3段階のゲイン切り替え機能により接続するヘッドホンのインピーダンス、能率に合わせて最適音量の設定ができるなど、ヘッドホンアンプとしても高い能力を発揮します。 ・オーディオ専用DAC、シーラスロジック社製「CS4398」搭載、豊富な入出力を装備 marantzの高級スーパーオーディオCDプレーヤーと共通のシーラスロジック「CS4398」を採用し、最大 5.6MHz(DSD128)までのDSD信号のダイレクトD/A変換と192kHz/24bitのPCM信号に対応します。USBは、スマートフォンやUSBメモリーに対応する「USB-TypeA」とPC/HDDに対応する「USB-TypeB」を各1系統、同軸デジタル入力×1、光デジタル入力×2、さらにはMiniステレオジャックによるアナログ入力を装備します。出力は、音量固定と音量可変(リモコン対応)のRCA出力を各1系統装備(同時出力可能)し、デジタル入力×5、アナログ入力×1のプリアンプとしても使えます。 ・約70箇所の部位を最高級オーディオ機器が使用するパーツに変更 DACや増幅回路の信号通過部、電源部、ヘッドホンアンプに加え、HD-DAC1の音質のキーポイントである「HDAM-SA2」の主要パーツすべてを交換するなど、70箇所近い部位のパーツを、Esoteric Grandiosoなどの最高級オーディオ機器が採用するパーツに変更し、音質を限界まで追求しています。 AIRBOW(エアボウ) HD-DAC1 Special 販売価格 175,000円(税別) (メーカーホームページ)
試聴テスト 音出しは、Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)にAIRBOW プリメインアンプ SA14S1 Masterを組み合わせて使いました。YouTubeの音声は、D-1のみXLR(バランス)出力、その他のモデルはRCA(アンバランス)出力を使っています。
AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 460,000円(税別)(現金で購入)・(カードで購入) AIRBOW SA14S1 Master 特別販売価格 309,000円(税込)(現金で購入)・(カードで購入) Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) 今回の比較試聴は、YouTube 逸品館チャンネルでもご覧いただけます。 音質テストに使ったソフト
サーキットで「Lotus F1」のピットを「生録音」したこのディスクは、聞こえるか聞こえないかの小さなノイズがまず5秒ほど入り、その後で大きな機械音が聞こえる。SOULNOTE D-1は、聞こえるか聞こえないかの境目の小さな音の再現がやや苦手なのか、大きな機械音が出るまでが「無音」に感じる。しかし、大きな機械音やF1カーのエンジン音は鋭く、エネルギー感がある。このあたりは、メーカーの説明通り「大型電源」による効果なのだろう。 様々な音の「音色の再現」も少し苦手なようで、人の声は機械音にマスキングされて少し聞き取りづらいように思える。 音の広がりや移動量は、左右に大きく、前後に少し小さい。 全体的には、メリハリの効いたいい音だと思う。 シンセサイザーは、力強く粘り、響きが消えるまで強い存在感がある。 ボーカルもお腹の底から声が出てくる感じで、力強い。 「音色の変化」がややさみしいので、ニュアンスの出方が少し浅い感じがする。また、伴奏とボーカルの分離は、少し混ざっているが、それはそれでちょうど良い感じ。 音は大きく広がり、豊かな響きが体を包み込む。密度のある濃い音で心地よく聞けた。 (FLAC 192KHz/24bit) ハイレゾにファイルを変えると高域がハッキリと伸びるが、高音に髭がついたりトゲトゲせずに滑らかでしっとりとしている。 ピアノの音はしっかりウェイトが乗り、重みと厚みが増す。ボーカルは滑らかで濃く、艶っぽい。 ウッドベースは、輪郭(高音の隈取り)が少し甘く、膨らみ気味だが、量感には優れている。 Diana
Krallでありがちな「わざとらしさ」はなく、ほどよく濃く、適度に客観的な感じで聞ける。
パイプオルガンは、その金属的な鋭さがきちんと再現される。低音パイプと高音パイプの分離もよい。金管楽器は、音の輪郭がやや太めに描かれるが、暖かさがある。 コーラスは分離がやや甘く、男女コーラスの分離もこのクラスとしては水準的だが、厚みと量感に優れている。人数は十分多い。 空間の見通しは、完璧ではないが、音は十分に広がっている。
教会の凜と張り詰めた静寂感の表現はそれほど得意ではなさそうだが、暖かくホッとするサウンドに仕上がっている。 (DSD 5.6MHz) WAVに比べ高域と低域がぐっと伸びた。やや混濁気味だったパイプオルガンの音は細かく整理され、空間の濁りも緩和した。 けれど、その音の改善が「実演」に近づいたか?と問われると答えは難しい。 確かに、細かい音まで聞こえ、レンジや空間も広がった。けれど「それがダイレクトに現場をより強くイメージさせるか?」というと、決してそうではない。ファイルをCD品質からDSD 5.6MHzにアップして音質が改善しても、頭の中の「演奏」のイメージが、ある一定の範囲内から膨らまず、オーディオで音楽を聴いている「範囲内」にとどまっているからだ。 オーディオ・マニア的には良い音だと思う。音楽ファンからすると、少し方法が違っているかも知れない。 D-1の音を「良い」と感じる人は多いでしょう。けれど「オーディオの音と本物の生の音を厳密に聞き分けられる人」なら、何か・少し違うと感じるかもしれません。D-1の音には、PAで生演奏を聞いているような「独特の癖」があるからです。しかし、それは「好き嫌い」の問題で個人差も大きい部分です。 D-1の細かい評価は、それぞれの曲でレポートした通りですが、ウォーミングアップを兼ねて数日間様々な曲をランダムで聞いてみて感じた、全体的なイメージは「SOULNOTEらしい音」と言う印象です。 D-1の音は特徴的です。音の輪郭が僅かに持ち上がり、音がよりはっきり・くっきりと聞こえます。輪郭は僅かに太く、僅かに甘く、そのため空間に若干の濁りが生じます。けれど、再生機器が相当高いレベルでないとこの濁りは判別できないと思います。また、輪郭の強調感は、僅かにあった方が「オーディオ的」には面白く、D-1のそれは適度なので、どんなシステムで聞いても「くっきりした良い音」という好印象は伝わるでしょう。そういう意味で、昔からのSOULNOTEサウンドをしっかりと継承しながら、強すぎる癖が抑えられた、よいバランスにまとめられているDACだと思います。
機械工具の音が出るまでの小さな音が少し聞こえやすくなったように感じるが、自社製品贔屓か、気のせいかもしれない。 明かなのは、音が出始めて消えるまでの時間が早くなり、空間の濁りが減少したことだ。つまり、音の立ち上がりと立ち下がり、発生と収束が早くなって、余計な付帯音がなくなった。
シンセサイザーの低音の量感、パワー感はD-1が優れていた。さすがに大型で思い電源回路を積むだけのことはある。 音の細やかさ分離感は若干後退して感じられるが、それはD-1が持っていた「癖」、輪郭の強調感が緩和したからで、集中して聞くとより細やかな音まで聞き取れるのが分かる。 (FLAC 192KHz/24bit) D-1は、WAVとハイレゾの差が意外に小さかったが、UD503
Specialではその差が大きく、音質が俄然アップした。 スッキリと細かい音だが、ウッドベースは太く、キレもよい。D-1との違いは、低音が膨らまずに、素早く収束するのが印象的なことで、ウッドベースの音階がはっきりしてきた。伴奏とボーカルの分離感も向上している。 「ハイレゾ」同士の比較なら、D-1よりも良い音に感じられる。
D-1に比べると音の分離がやや甘く、パイプオルガンのそれぞれのパイプの音の分離感が後退している。けれど、パイプオルガンの音色は、より鮮やかだ。また、一聴した瞬間は「音の量が減った」ように感じるが、じっくり聞くとそうではなく「余計な響き(付帯音)が減少しているだけだということに気づく。金管楽器の鳴り方はかなり違ってきて、晴れ晴れしく鮮やかになっている。 透明感の向上、微少音量の制限製の向上が著しいので、D-1で聞くDSDくらいの音に聞こえる。 (DSD 5.6MHz) WAVファイルと音色やバランスはそのままに、音の量がぐっと増えた。 良い音だ。 総合評価 CDからリッピングしたWAVファイルの再生では、「音の濃い」SOULNOTE
D-1が総じて好印象でしたが、ハイレゾやDSDファイルの再生でUD503
SpecialはD-1を圧倒する高音質を実現しました。
驚いた事に、AIRBOW上級モデル「UD503
Special」よりも明瞭度が高く、音にメリハリがある。
シンセサイザーは、UD503
Specialに比べて響きの収束がわずかに長くなり、滑らかで柔らかい感じが出る。 音質はほんの少しだけダウンしているが、演奏を楽しむには充分な音質。 (FLAC 192KHz/24bit) ハイレゾによるクォリティーの向上は、よくなったことがはっきりと分かる感じで、聞き流していると気づかない程度。 Diana Krallがかわいく感じる、とてもキュートな音。
パイプオルガンの「大きさ」が伝わるくらい、低音がよく出る。高音の分離感は、SOULNOTE
D-1とそれほど変わらない印象。 (DSD 5.6MHz) さすがに「DSD 5.6MHz」が、その実力を発揮しているとは言えない。 もちろん、クオリティーアップは感じられるが、20-30%増し程度で、UD503 SPのように200%増しではない。 これは、D-1とUD503 Specialが搭載するDACが「DSDネイティブアナログ変換対応」なのに対し、UD301 SpecialのDACは「DSDをPCM変換してアナログ化」しているからかも知れない。この辺りに、DACチップそのものの「設計年次の違い」が出てきたようだ。 総合評価 UD301
Specialは、作った本人が言うのも何だけれど、価格を考えると、信じられない高音質を実現します。 特徴紹介に詳しく書きましたが、UD301 Specialの出力ICには、30−100万円クラスの高級DACにしか使われない高価なIC、JRCの「MUSE」が使われ、この価格帯ではありえない「ツイン・モノラル回路」が使われています。価格故に「端折られたパーツのグレード」を一気に上げた、AIRBOW UD301 Specialは、その良さが充分に発揮され、価格を遙かに超える音質が実現しています。 驚くほどお買い得なモデル。 今回は使いませんでしたが、TEACから無償配布されるプレーヤーアプリ「HR Player」でも十分良い音が出ますから、高度なオーディオマニアでなければ、このDACで十分だと思います。ヘッドホンの音質も良好です。
小さな音が遠くから聞こえてきて、やがてピットの中に機会音が響き渡る。その5秒間にも「ドラマ」がある。 HD-DAC1
Specialが、SOULNOTE D-1、AIRBOW UD503 Special、AIRBOW UD301 Specialと大きく違うのは、「些細な音の変化」が手に取るようによく分かることだ。音の「大小」「高低」のような「物理現象として」の違いではなく、人間だけに伝わる「質感(音色)」の違いが実に大きい。 一切の濁りや、滲みを感じない。 シンセサーの伴奏、ボーカル、パーカッション、必要な音が、必要なだけ、聞こえる。 (FLAC 192KHz/24bit) ピアノの音の変化から、ピアノの鍵盤の動き、「ピアノストのタッチ」がビシッと伝わる。 ウッドベースも「弾み方」が、前に聞いた3台とは全然違っている。ベーシストの指の動きが目に見え、ミスタッチの「味わい」までも伝わってくる。ボーカルは暖かく、目の前で歌っているよう。 オーディオの音ではなく、生演奏を聞いているように錯覚するほどだ。
パイプオルガンの音に「暖かさ」と「味わい」が感じられる。
金管楽器は、奏者の唇の動きがはっきり見える。コーラスでは、歌手の立ち位置とホールの壁や天井との関係、男女の立ち位置の違いまではっきりと分かる。 (DSD 5.6MHz) CDからデーターを取り込んだWAVファイルと、DSD5.6MHzの音の差が意外に小さい。けれど、それは DSDの音が悪いのではなくて、WAVの音がすでにDSD5.6MHzに近いからだ。 生演奏を彷彿とさせる音、リスニングルームがコンサートホールに変わってしまうような、鳴り方をする。 総合評価 録音から再生へのプロセスで、楽器の「細やかな響き」はどうしても失われるのですが、良質な「アナログ回路」は、回路そのものが「僅かに響く」ことによって、失われたはずの楽器の響きを蘇らせるのです。徹底的にチューニング(調律)された高級オーディオは、同じゲージを使っても良い音が出る「弦楽器」のように、「普通の音」でさえ「最高の音」に変える力を持っています。 ベースモデル(ノーマルのHD-DAC1)から比べると、ずいぶんと高くなっているように感じるかも知れませんが、出てくる音は全く違います。50万円超クラスのDACと真っ正面から比べて、それを超えられます。 今回の比較試聴では、HD-DAC1 Specialの「音の変化をより大きく伝える」という、音楽再生機器としての能力が、他の3台を圧倒することが確認できました。 最高の音質で「生演奏の再演をしたい」、自室を「コンサートホールに変えたい」とお考えなら、HD-DAC1 Specialのご検討を心からおすすめいたします。 試聴後感想 非常に微細なトランジスターと抵抗やケーブルなどが組み合わせれて作られている「オペアンプ」は、高性能ですが、高忠実すぎるため「ない音を生み出す力=創造力」は、それほど高くありません。 ゲイン・オブ・ワイヤーに最も近い、ストレートな音を出すのが、最新の集積回路(IC)を使った、「AIRBOW U503 Special」でした。 それに対して、ほんの少しだけ「メーカーの音」を付け加えて出すのが、SOULNOTE D-1です。大型の電源回路を搭載する「D-1」の音は、分厚く力強いのが印象的でした。高域の僅かな輪郭の強調により、様々なソフトを「聞きやすい音」で鳴らしてくれますが、逆にそれが「何を聞いても同じように聞こえる印象」にもつながっていたように思います。 「AIRBOW UD301 Special」は低価格ですが、かなり「SOULNOTE D-1に近い音」を出してくれました。もちろん、あれほどの厚みと力強さはありませんが、その代わりに価格は「1/4」という安さです。 オディオ機器で「価格と音質が比例している」のは、「スピーカー」です。音色の違いはあっても、大型スピーカーは小型からは出ない低い音、高級スピーカーからは、安物では聞こえない「細かな音」が聞こえるからです。 それに次ぐのが「パワーアンプ」です。スピーカーからの逆起電力に負けずに、しっかりとユニットを駆動・制動するためには「大型で思い電源回路」が必要だからです。しかし、最近のデジタルアンプ(スイッチングパワーアンプ)の登場で、それは変わりつつあります。 もっとも「価格と音質が比例しにくい」のが、微小信号を扱うプリアンプ、DACコンバーターなどです。これらの機器が出力する電圧は、最大でも「数ボルト」程度で、組み合わされて駆動するのも「質量を持たない増幅回路」なので、回路に価格電気的な負担はさほど大きくはなく(少なくともパワーアンプに比べると飛躍的に小さい)、電源回路に投じた物量よりも、微小信号の再現性を高めるための「パーツの選定」などが重要になるからです。 もう一つ意外な事実は「回路を複雑にする」、「接点を増やす」という、一見「信号を損ねるように感じる不要なコネクターや巨大な回路」が、音質を劣化させないことです。 先に少し書いたように「失われた響きを機器(回路)内部で再現する」には、「響く回路(構造)」が必要です。接点や回路の省略は、響きを取り去ってしまうため「音楽の豊かさ」が損なわれるのです。真空管の音が「良い」とされるのは、それが「盛大に響く」からなのです。 歪み=「悪い音」ではなく、歪み=「良い音」の時もあるのです。そこがオーディオの面白いところです。 今回のDAC比較試聴でも、価格差=音質差という結論になったかどうか? 2018年4月 逸品館代表 清原裕介 |
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